コナン・ドイル原作の『シャーロック・ホームズシリーズ』について、海外と国内の人気投票やコナン・ドイルの自選ベストなどをまとめています。コナン・ドイル自身が執筆したホームズの作品は長編と短編合わせて60作品あります。ここで紹介するランキングは全てこの60作の中から選ばれております(自選ベストは例外です)。
60作のうち、長編は4つで、残りの56作は短編となっています。短編は5つの短編集に全て収録されています。最初の短編集が『シャーロック・ホームズの冒険』で、その後に『シャーロック・ホームズの思い出』、『シャーロック・ホームズの帰還』、『シャーロック・ホームズの挨拶』と続きます。そして、最後の短編集が『シャーロック・ホームズの事件簿』となります。
海外
海外のランキングとして、The Best of Sherlock Holmesというサイトのランキングを紹介します。ランキングは長編と短編に分かれており、短編はベスト12となっています。
長編
1位はバスカヴィル家の犬です。後述の国内ランキングでもこの長編が1位となっています。国内外問わず人気の作品といえます。
短編
1位はまだらの紐です。短編集としては“冒険”に収録されている作品が多く、この傾向は日本のランキングにもみられます。ランクインした12作の内訳は、“冒険”が5、“思い出”が3、“帰還”が3、“挨拶”が1、“事件簿”が0となっています。
順位 | タイトル | 備考 |
---|---|---|
1位 | まだらの紐 | シャーロック・ホームズの冒険 |
2位 | 赤毛組合 | シャーロック・ホームズの冒険 |
3位 | ボヘミアの醜聞 | シャーロック・ホームズの冒険 |
4位 | 白銀号事件 | シャーロック・ホームズの思い出 |
5位 | 青いガーネット | シャーロック・ホームズの冒険 |
6位 | マスグレーヴ家の儀式 | シャーロック・ホームズの思い出 |
7位 | 最後の事件 | シャーロック・ホームズの思い出 |
8位 | 空き家の冒険 | シャーロック・ホームズの帰還 |
9位 | 踊る人形 | シャーロック・ホームズの帰還 |
10位 | 六つのナポレオン | シャーロック・ホームズの帰還 |
11位 | ブルース・P設計図* | シャーロック・ホームズの挨拶 |
12位 | 唇の捩れた男 | シャーロック・ホームズの冒険 |
国内
国内のランキングは日本シャーロック・ホームズ・クラブのランキングを紹介します。過去に3回投票が行われており、いずれも、1位はバスカヴィル家の犬、2位は赤毛組合となっています。長編はバスカヴィル家の犬が人気のようです。一方、短編は短編集“シャーロック・ホームズの冒険”に収録された作品が多くランクインしています。
ランキング常連(過去3回の人気投票に必ず入っている作品)となっているのは、バスカヴィル家の犬、赤毛連盟、まだらの紐、ボヘミアの醜聞、緋色の研究、四つのサイン、踊る人形です。
1979年(昭和54年)
1位と2位は1992年と2012年も同じです。1979年は4つの長編が全てランクインしています。なお、短編集“思い出”や“事件簿”の短編はランクインしていません。
順位 | タイトル | 長編/短編集 |
---|---|---|
1位 | バスカヴィル家の犬 | 長編 |
2位 | 赤毛組合 | シャーロック・ホームズの冒険 |
3位 | まだらの紐 | シャーロック・ホームズの冒険 |
4位 | 緋色の研究 | 長編 |
5位 | ボヘミアの醜聞 | シャーロック・ホームズの冒険 |
6位 | 踊る人形 | シャーロック・ホームズの帰還 |
7位 | 唇の捩れた男 | シャーロック・ホームズの冒険 |
8位 | 瀕死の探偵 | シャーロック・ホームズの挨拶 |
9位 | 四つのサイン | 長編 |
10位 | 恐怖の谷 | 長編 |
1992年(平成4年)
1992年には、新たに青いガーネット、六つのナポレオン、空き家の冒険という短編がランクインしました。代わりに、唇の捩れた男、瀕死の探偵、恐怖の谷がランク外となっています。
順位 | タイトル | 長編/短編集 |
---|---|---|
1位 | バスカヴィル家の犬 | 長編 |
2位 | 赤毛組合 | シャーロック・ホームズの冒険 |
3位 | まだらの紐 | シャーロック・ホームズの冒険 |
4位 | 青いガーネット | シャーロック・ホームズの冒険 |
5位 | ボヘミアの醜聞 | シャーロック・ホームズの冒険 |
6位 | 四つのサイン | 長編 |
7位 | 踊る人形 | シャーロック・ホームズの帰還 |
8位 | 緋色の研究 | 長編 |
9位 | 空き家の冒険 | シャーロック・ホームズの帰還 |
10位 | 六つのナポレオン | シャーロック・ホームズの帰還 |
2012年(平成14年)
1位のバスカヴィル家の犬と2位の赤毛連盟は順位が変わりません。この人気投票で、これまで一度も登場していなかった“最後の事件”がランクインしています。
順位 | タイトル | 長編/短編集 |
---|---|---|
1位 | バスカヴィル家の犬 | 長編 |
2位 | 赤毛組合 | シャーロック・ホームズの冒険 |
3位 | ボヘミアの醜聞 | シャーロック・ホームズの冒険 |
4位 | 青いガーネット | シャーロック・ホームズの冒険 |
5位 | まだらの紐 | シャーロック・ホームズの冒険 |
6位 | 緋色の研究 | 長編 |
7位 | 恐怖の谷 | 長編 |
8位 | 四つのサイン | 長編 |
9位 | 踊る人形 | シャーロック・ホームズの帰還 |
10位 | 最後の事件 | シャーロック・ホームズの思い出 |
著者自選
原作者であるコナン・ドイルの自選ランキングです。なお、執筆前の作品があるため、そもそも対象になっていない作品があります。主に短編集“事件簿”に収録されている作品です。概ね50作品の中から選ばれたと考えて下さい。
ドイル自選ベスト
全部で10作品あります。海外や国内の人気投票ではランクインしていなかった作品、オレンジの種五つ、プライオリ・スクール、第二の血痕、悪魔の足が登場します。なお、ランクインしているエピソードはすべて短編となっています。
順位 | タイトル | 短編集 |
---|---|---|
1位 | まだらの紐 | シャーロック・ホームズの冒険 |
2位 | 赤毛組合 | シャーロック・ホームズの冒険 |
3位 | 踊る人形 | シャーロック・ホームズの帰還 |
4位 | 最後の事件 | シャーロック・ホームズの思い出 |
5位 | 空き家の冒険 | シャーロック・ホームズの帰還 |
6位 | ボヘミアの醜聞 | シャーロック・ホームズの冒険 |
7位 | オレンジの種五つ | シャーロック・ホームズの冒険 |
8位 | プライオリ学校 | シャーロック・ホームズの帰還 |
9位 | 第二の汚点 | シャーロック・ホームズの帰還 |
10位 | 悪魔の足 | シャーロック・ホームズの挨拶 |
11位 | マスグレーブ家の儀式 | シャーロック・ホームズの思い出 |
みんなの感想
長編作品の中で人気の高い「バスカヴィル家の犬」について、“みんなの感想”をご紹介します。
バスカヴィル家の犬
口コミを調べてみると、やっぱり面白い、雰囲気良い、一番好きなどのポジティブな感想が多く現れています。作品の特徴としては、ホラー要素が強い、ワトスンが活躍するなどを書き込んでいる方が多いです。
ホームズファンではないけれども、シリーズ最高傑作とも言われる本作を読まずにいるのは無粋。そんな気持ちで手にとってみた。
ホームズシリーズで最も有名な本作であるが、やはり傑作!ダートムアの陰鬱な風景描写が素晴らしい。
ホームズの長編の中で最高傑作との呼び声があるのも納得で、前2作より遥かに面白い。沼沢地と魔犬という舞台設定、次々と登場する怪しい人物たちとミステリとしての面白さに加え、魔犬の謎を科学的に説明付ける19世紀ならではの視点もロマンをそそる。
シャーロック・ホームズシリーズを初めて読みました。コナン・ドイルは都会的な文章を書くイメージがありましたが、予想に反して、自然や博物学について書くのがうまかったです。
シリーズ内においても、抜群の知名度を誇る作品。やや強引なところはあるものの、他長編作品と比べても全体のまとまりが良い。陰気なダートムーアの湿原、その地に伝わる不気味な魔犬伝説、見え隠れする謎の人影……と、舞台装置も非常に興味を掻き立てられる。
まとめ
シャーロック・ホームズシリーズの人気投票ランキングなどをご紹介しました。ランキング上位の作品はとても有名な作品が多いです。特に「赤毛組合」や「まだらの紐」は有名で、どちらも短編なので読みやすいです。
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