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ホームズ

銀星号事件|ホームズ【あらすじ・ネタバレ解説・感想】

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 銀星号事件(白銀号事件)は、シルバーブレイズという名前の競走馬が失踪し、調教師が死亡するという事件です。この記事では、原作小説およびグラナダ版ドラマのストーリーとネタバレ、原作とドラマの違い、作品の感想などをまとめています。

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あらすじ

 「銀星号事件」のあらすじをタイムラインで簡単にまとめます。

ハイライト
  • 発端
    ホームズとワトスンが事件の概要を把握する
    [ドラマ]ホームズとワトスンが情報を集める
  • 展開
    シルバー・ブレイズがみつかる
  • 結末
    無事にシルバー・ブレイズが出走
    レース後に調教師殺害の班員が明かされる

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原作小説

 原作は1892年に発表されました。原作小説は「白銀号事件」という日本語タイトルが多いようですが、「シルヴァー・ブレイズ」というタイトルもあるようです。競馬を題材にしたシャーロック・ホームズシリーズの作品は他に「ショスコム荘」があります。

The Adventure of Silver Blaze
項目 内容
作者 コナン・ドイル
発表 1892年12月発表(ストランド)
発表順 15作品目(60作中)
発生時期 1890年9月25日~9月30日
発生順 29件目(60作中)

ストーリー

 ある日、ロス大佐の競走馬が失踪し、調教師のストレイカーが死亡するという事件が発生する。いなくなった競走馬の名前はシルバー・ブレイズ(白銀号)で、とても期待されている馬だった。

 シルバー・ブレイズがどこかへ姿を消したと思しき日の夜、厩舎に競馬の予想屋が現れたのだが、その男はすぐに逃げたという。そしてそのあと、深夜1時頃に、調教師のストレイカーがシルバー・ブレイズのもとへ行き、そのまま戻らなかった。翌朝、厩舎を訪れたストレイカーの妻がシルバー・ブレイズの失踪に気付く。厩舎にはハンターという見張りがいたのだが、どうやら夕食に薬を入れられたらしく、眠りこけていた。厩舎の2階には、馬の世話をする馬丁も2人いたのだが、何も気付かなったという。すなわち、厩舎の番犬も吠えなかったようだし、シルバー・ブレイズ自身も、全く暴れなかったらしい。

 ストレイカーの死体は厩舎から少し離れた茂みでみつかった。頭には鈍器で殴られたような傷があり、これが致命傷らしかった。太ももには切り傷もあった。そして、死体はメスとスカーフを握っており、そのスカーフは、予想屋のものだった。のちに、予想屋ことフィッツロイ・シンプソンが逮捕されるが、彼は犯行を否認する。競馬の予想屋だというシンプソンは、あのときはただ単に、シルバー・ブレイズの情報を手に入れようとしていたらしい。身体も調べてみたが、刃物傷は見当たらなかった。

 ホームズはワトソン博士と共にダートムーアにあるシルバー・ブレイズの厩舎へと向かう。厩舎には羊がいた。しかし、何頭かの羊は、脚を引きずっている。かわいそうに。そんなことに注意を払いながらもホームズは、警部から新たな情報を得る。それは、ストレイカーがたいへん高額な請求書を持っていたという話だった。さらにホームズは、ストレイカーの死体が発見された場所を調べ、マッチの燃えさし見つけ出す。近くにあった馬の足跡を調べてみると、それはシルバー・ブレイズの足跡と同じだった。足跡はどこかへと続いている。ホームズはワトスンと共に足跡を辿り、途中で、人の足跡が合流していることに気付く。さらに足跡を追うと、ケープルトンという厩舎に辿り着くのだった。

 ケープルトン厩舎は、シルバー・ブレイズの厩舎であるキングス・パイランド厩舎とはライバル関係だった。早速ホームズは調教師であるサイラス・ブラウンを問い質す。どうやってシルバー・ブレイズを隠したのか?

ネタバレ

観念したブラウンはことの顛末を語り始める。ブラウンいわく、シルバー・ブレイズは荒地をぶらぶらしていたという。たまたまシルバー・ブレイズをみつけたブラウンも、最初は真面目に返却するつもりだったのだが、自分の競走馬を勝たせたいという想いが強くなり、シルバー・ブレイズにちょっと細工をして隠してしまった。この細工が原因で警察は見つけ出すことができなかったらしい。

無事にシルバー・ブレイズは発見された。ホームズはロス大佐にこのことを隠し、シルバー・ブレイズは必ず出走するとだけ伝える。レース当日。シルバー・ブレイズという名前の競走馬が出走し1着となる。しかし、よく知られたシルバー・ブレイズの模様とは違うようだった。馬を目の前にして、いぶかしむ大佐に、ホームズが種明かしをする。顔と脚を洗えば、いつもの模様に戻る。シルバー・ブレイズは体に色を塗られていたのだった。

さらに、ホームズは、調教師殺害の犯人が、今、この場にいると話すのだった。

真相解説

調教師を殺害したのはシルバー・ブレイズです。つまり、馬が犯人でした。シルバー・ブレイズは調教師のストレイカーに足を切られそうになったため、思いっきりストレイカーを蹴りました。そして、馬に蹴られたストレイカーは死亡します。シルバー・ブレイズは正当防衛といえます。

ストレイカーがシルバー・ブレイズを傷つけようとした理由は金でした。彼は不倫をしており、その愛人がたいへんな浪費家でした。ストレイカーが持っていた請求書というのは、つまり、愛人が買った服の請求でした。金に困ったストレイカーは競馬でインチキをして金を儲けようとします。そのインチキというのが、一番人気のシルバー・ブレイズを負傷させ、二番人気の馬を一着にするというものです。二番人気の馬に賭ければボロ儲けできます(なお、二番人気の馬というのはライバル厩舎の馬です)。

足を引きずっている羊がいたのはストレイカーが練習したため、メスを握っていたのは脚を切るため、マッチが落ちていたのは暗くてよく見えなかったからであり、予想屋のスカーフを持っていたのは拾ったからでした。そして、番犬やシルバー・ブレイズが大人しかったのは、よく知った調教師だったからです。なお、ストレイカーの切り傷は、蹴り殺されたときに自分で切ったものです。

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原作とドラマの違い

 原作とドラマは、微妙な違いがいくつかありますが、内容はほとんど同じです。違いは、まず、ドラマでホームズは関係者から話を聞いて事件の概要を把握していましたが、原作はホームズが警部から話を聞いて概要を把握しています。また、調査依頼についてもやや異なります。ドラマでは事件が解決せずホームズを頼ったということになっておりますが、原作ではホームズが簡単な事件だと思って放置したということになっています。

 そして、最後の競馬についてもやや違いがあります。原作ではシルバー・ブレイズが模様を変えたまま出走していましたが、ドラマではちゃんと洗い流した状態で出走しています。どうやら、馬体を変装させて出走されるのは競馬規則に違反するようです。現代日本の「日本中央競馬会競馬施行規程」によれば、馬体を変装させて出走させようとした、もしくは、出走させた場合は、競走馬登録を抹消されるようです。登録抹消となると、出走できなくなります。

 また、原作では、大佐が最後まで銀星号に気が付かないという展開になっています。

ドラマ

 グラナダ版ドラマは1988年4月13日に放送されました。シーズン4の第2話(51分)で、ドラマのタイトルは「銀星号事件」と訳されています。

Silver Blaze
項目 内容
シーズン 4
話数 2
放送順 23
長さ 51分
放送日(英) 1988年4月13日(水)
キャスト キャスト一覧

ストーリー

原作小説のあらすじと同じため省略

ロケ地

競馬場はBangor-on-Dee Racecourse(バンゴー=オン=ディーの競馬場)で撮影されています。

拡大地図を表示することで外観などを確認できます。

感想

私、馬に太ももを蹴られたことがありますが、死ぬほど痛いです。もしかすると、コナン・ドイルも蹴られたことがあるのかもしれません。当時は馬車が現役だったはずなので、馬に蹴られて悶絶する人も、さぞかし多かったことでしょう。もしかすると、当時の人たちは、馬に蹴られた死んだという真相にすぐに気付いたのかもしれませんが、現代日本人である私にとっては意外なトリックに思えました(動物犯人の推理小説は有名なものがあるわけですが、それはおいておきます)。

考察

馬が犯人とは気づきませんでした。馬が犯人というのはありでしょうか?ありだと思います。通りすがりの賢いカラスが被害者目がけて石を落とした、みたいな結末だと、読んで損した気分になると思いますが、競走馬は最初から登場していました。

作中で、凶器は杖だと考えられています。犯人が馬であるとわかっていれば、傷跡の検証もできたかもしれません。しかし、馬の扱いに慣れているはずの調教師が世話をしていた競走馬に蹴られるというのは、想像し難いため、警察は杖で殴打されたと考えていたようです。実際、調教師が馬に蹴られていたわけですが、それは、馬が嫌がること、すなわち、怪我を負わせようとしていたからでした。

まとめ

 シャーロック・ホームズの「銀星号事件」について、原作とドラマのあらすじとネタバレ、感想などをご紹介しました。

登場人物

登場人物をネタバレありで簡単にまとめます。シャーロック・ホームズとワトソン博士は除いています。

名前 説明
ジョン・ストレイカー
John Straker
不倫相手が浪費家だったため金に困り競馬で儲けようとする
一番人気の銀星号を負傷させようとするが蹴り殺される
ロス大佐
Colonel Ross
銀星号の馬主

コメント

  1. 井澤 より:

    いつも拝見しています。わかりやすく書かれていて、読みやすいです。

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