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ホームズ

青い紅玉|ホームズ【あらすじ・感想・ネタバレ解説】

4.0
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 青い紅玉は、ガチョウの体内から宝石がみつかるというお話です。この記事では、物語の簡単なあらすじ、原作小説とグラナダ版ドラマの詳しいストーリー(ドラマの方をより詳しく記載しています)、原作とドラマの違い、作品の感想などをまとめています。

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あらすじ

 「青い紅玉」のあらすじをタイムラインで簡単にまとめます。発端が落とし物というエピソードです。

ハイライト
  • 発端
    ピーターソンが帽子とガチョウをホームズに届ける
  • 展開
    ガチョウから宝石がみつかる
    ホームズとワトスンは帽子の持ち主を探す
  • 結末
    ガチョウの出所を探り…

My name is Sherlock Holmes. It is my business to know what other people do not know.
私の名前はシャーロック・ホームズ。他の人が知らないことを知るのが私の仕事です。
Arthur Conan Doyle , The Adventure of the Blue Carbuncle

It is always awkward doing business with an alias.
偽名は気まずいものですよ。
Arthur Conan Doyle , The Adventure of the Blue Carbuncle

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小説

 原作は1892年に発表され、短編集「シャーロック・ホームズの冒険」に収録されました。この短編集が発行されたのも同じ1892年です。なお、下表の事件発生時期については作中での言及がないため、推測となります。

The Adventure of the Blue Carbuncle
項目 内容
発表 1892年1月発表(ストランド)
発表順 9作品目(60作中)
発生時期 1887年12月27日
発生順 15件目(60作中)

ストーリー

グラナダ版ドラマも同じストーリーです。

 退役軍人のピーターソンという人物が、帰宅と途中に、紳士とチンピラの喧嘩を目撃する。ピーターソンが駆け寄ると、喧嘩をしていた二人は、警官が来たと勘違いし、逃げていった。その場には、紳士の帽子とガチョウが残されていた。そんな話を聞いたホームズはピーターソンに、ガチョウを渡し、帽子はヘンリー・ベイカー氏のものであると推理するのだった。

 ピーターソンはガチョウを持ち帰り、妻がそれを調理していると、驚いたことに、大変貴重な宝石が見つかる。それは、数日前、コスモポリタンホテルでモーカー伯爵夫人から盗まれた宝石だった。強盗犯として、ホテルで働いていた配管工のジョン・ホーナーが捕まり、窃盗の罪で起訴されていた。それは、ホテルスタッフのチーフであるジェームズ・ライダーの証言が有力視されていたためであった。

ネタバレ

ホームズはガチョウの持ち主であるベイカー氏を見つけるため、新聞に広告を掲載する。そして、ベイカー氏から事情を聴き、さらに、ガチョウの生産者を突き止める。最後には、宝石泥棒の真犯人ジェームズ・ライダーに辿り着く。ライダーを追い詰めたホームズだったが、彼に情けをかけ、逃がす。無実の罪でホーナーが捕まっているが、彼は証拠不十分で釈放されるとホームズは予想していた。ガチョウの中からみつかったカーバンクルは、無事、伯爵夫人に返還され、宝石をみつけたピーターソンが1000ポンドの報酬を受け取るのだった。

ガーネット

紅玉(こうぎょく)はルビーのことのようです。原題は「The Blue Carbuncle」で、Carbuncle(カーバンクル)は赤い宝石の総称で、特に、丸く加工されたルビーやガーネットを意味するようです。青い赤い宝石と訳すと意味不明になりますが、青いルビーや青いガーネットだとすると、なんとなく意味はわかります。この原作が発表された1892年には、青いガーネットは見つかっていなかったようですが、現在はベキリーブルー・ガーネットという石がマダガスカルで発掘されています。

物語に登場するブルー・カーバンクルは、中国南部にあるアモイ川(架空の川)で見つかった貴重な宝石という設定になっています。発見からわずか20年で、ブルー・カーバンクルに関連する2件の殺人、1件の自殺、1件の硫酸を用いた傷害が発生し、窃盗も多発しています。呪いの宝石というやつです。

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原作とドラマの違い

 ドラマと原作はほぼ同じ内容です。ドラマでは、宝石盗難が最初に描かれていましたが、原作では、あらすじにある通り、途中まで盗難の事実は登場しません。

ドラマ

 グラナダ版ドラマは、1984年6月5日に放送されました。シーズン1の第7話(52分)で、シーズン1の最終話となります。

The Blue Carbuncle
項目 内容
シーズン 1
話数 7
放送順 7
放送日(英) 1984年6月5日(火)
出演者 キャスト一覧

ストーリー

原作と同じストーリです。

 ロンドンのホテルに戻ったモーカー伯爵夫人が、とても貴重な「青い紅玉」の紛失に気付く。現場に駆け付けたブラッドストリート警部は、すぐさま配管工のジョン・ホーナーを逮捕する。ホーナーは、執事ジェームス・ライダーが呼びつけた作業員で、伯爵夫人の部屋を修理していた。

 翌日、退役軍人のピーターソンがホームズを訪ねる。ピーターソンは帽子とガチョウを拾ったようだった。その経緯は、喧嘩していた男達を止めに入ったところ二人が逃げ、その場にガチョウと帽子が残っていた、というものだった。ホームズはピーターソンにガチョウを食べるよう勧め、帽子だけは預かるのだった。

 ピーターソンが221Bを後にしてすぐ、彼がまた戻ってきた。なんと、彼の妻が、ガチョウの体内から青い宝石を見つけたのだという。宝石発見の知らせを受けたホームズは、すぐに、帽子の所有者を探す広告を新聞に掲載する。すると、ベイカー氏が帽子を引き取るために、221Bに現れた。ホームズがピーターソンにあげてしまったガチョウの代わりを用意すると、ベイカー氏は喜んでそれを受け取った。この様子から、ホームズは、ベイカー氏はガチョウの宝石を知らなったと判断し、彼は盗難とは関係ないと推理する。

 ホームズとワトソンは、さらなる調査のため、ベイカー氏がガチョウを手に入れたアルファインへと向かう。ガチョウはブレッケンリッジという男の卸業者から購入されているようだった。その男は短気で、どこからガチョウを手に入れたのか話そうとしなかった。そこで、ホームズは彼を罠にかけた。ホームがガチョウは田舎で養殖されたと主張すると、ブレッケンリッジはそれは間違っているという。ホームズが賭けを持ち出すと、賭けにのった愚かな男は、ホームズが間違っていることを証明するため、ガチョウの仕入先を話すのだった。

 ガチョウは、ジェームズ・ライダーの妹であるオークショット夫人から仕入れられていた。ホームズとワトソンが夫人の名前と住所を手に入れたその瞬間、ブレッケンリッジのもとにライダーが現れる。そしてライダーは、オークショット夫人のガチョウがどこにいるのか教えてほしいと頼み込むが、無下に断られていた。そんなライダーにホームズが声を掛け彼をベーカー街へと連れて行き、ついに真相へと迫る。

ネタバレ

ライダーはキャサリン・キューザックにそそのかされて宝石を盗んだ。しかし、隠し場所に困り、咄嗟に、妹が飼育していたガチョウにそれを飲み込ませたのだった。しばらくしてから、鳥をしめて、宝石を探したが、どこにもなかった。ライダーはよく似たガチョウと間違えてしまい、結果、宝石を飲み込んだガチョウはヘンリー・ベイカーの手に渡ってしまったのであった。真相を知ったホームズはライダーを咎めることなく、退室させる。それは、ホームズの慈悲であり、ライダーのような臆病者に刑務所は耐え切れないはずで、かえって、凶悪な犯罪者になり兼ねないからであった。無実の罪で捕まってしまった配管工のホーナーは釈放されるはずだった。

感想

風が吹けば桶屋が儲かる、というのをミステリーにしたような物語でした。そして、クリスマスの物語でもありました。宝石を、おそらく無理矢理飲み込まされたガチョウがかわいそうですが、結局、しめられて、食べられちゃうので、そんな感情を抱いている場合ではないなと思ったりもします。

ラストシーン

 小説のラストです。ホームズが真犯人を許した理由が語られています。

「つまるところ、ワトソン」ホームズが手を伸ばして陶製のパイプをつかむ。「僕は警察の尻ぬぐいに雇われているわけではない。ホーナー(無実の罪で逮捕された配管工)が窮地に陥っているなら別だが、逃げたあの男(犯人のジェームズ・ライダー)が、わざわざ出廷してホーナーに不利な証言をすることはないだろう。だとすれば、ホーナーが犯人であるという不利な証拠は存在しないに等しい。とはいえ、僕が勝手にライダーを減刑したことには違いないのだが、これが人の魂を救うということもあり得る。あの男は、これからまっとうに生きるはずだ。ひどく怯えていたあれを牢にぶち込んだなら、やつは死ぬまで罪に囚われ続ける。それに、今は赦しの季節だ。偶然にも不思議な事件に出会えた僕はそれを解決したのだから、僕自身も上々だしね」

考察

ガチョウに飲み込ませて宝石を隠したところ、間違えて売られてしまい見ず知らずの人の手元に渡ってしまった、という、おっちょこちょいな犯人が登場します。宝石の隠し場所を決めていなかったという点も、犯人の無計画さが現れています。それにしても、宝石を飲み込ませたガチョウがわからなくなってしまうというのは、おっちょこちょい過ぎます。

犯人は臆病な人間で、犯行に至ったのも誰かにそそのかされたからというもので、全く、完全犯罪を成し遂げるつもりはなかったようです。配管工に罪をなすりつけるなどの計画はキャサリン・キューザックの立案かもしれません。そんな真犯人をそそのかした女性が存在するようです。

まとめ

 シャーロック・ホームズの「青い紅玉」について、原作とドラマのあらすじとネタバレ、感想などをご紹介しました。

登場人物

 登場人物をネタバレありで簡単にまとめます。原作およびドラマに共通する内容で一覧にしています。なお、主人公であるシャーロック・ホームズとワトスン博士は除いています。

名前 説明
ジョン・ホーナー
John Horner
宝石盗難の容疑で逮捕される
真犯人にはめられた被害者
ジェームズ・ライダー
James Ryder
客室係
宝石を盗んだ犯人
ヘンリー・ベイカー
Henry Baker
ガチョウの落とし主
宝石のことは知らなかった
ピーターソン
Peterson
退役軍人
ガチョウと帽子を拾った人物

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