no murder, yes life
名探偵ポワロ

ひらいたトランプ|ポワロ55【あらすじ・ネタバレ解説・感想・考察】

4.0
この記事は約8分で読めます。
記事内に広告が表示されます

ひらいたトランプ」のあらすじとネタバレ、トリック考察、感想です。謎めいた大富豪のシェイタナ氏が、豪華なアパートメントにポワロやオリヴァなど、8人のゲストを招待。そして、ブリッジの最中に殺人事件が発生します。

Cards on the Table
項目 内容
シーズン 10
エピソード 2
長さ 1時間32分
放送日(英国) 2006年3月19日(日)
放送日(日本) 2006年12月13日(水)
出演者 キャスト一覧
原作者 アガサ・クリスティー
スポンサーリンク

あらすじ

ポワロはシェイタナが主催するパーティーに出席する。ゲストはポワロを含めた8人で、推理作家のオリヴァ、ヒューズ大佐、そして、ジム警視などが集まっていた。夕食後、8人のゲストは、シェイタナの希望で2組に分かれてブリッジを始める。オリヴァ、大佐、警視とゲームに興じるポワロだったが、ブリッジ終了後、ソファでシェイタナの死体が見つかる。シェイタナが死んでいた部屋では、ロバーツ医者、デスパード少佐、ロリマー夫人、そして、アンがブリッジをしており、この4人が容疑者となる。探偵組となったポワロ達はそれぞれに聞き取り調査を行うが、誰も犯行を認めなかった。しかし、外部犯の可能性はなく、犯人はゲストの中にいることは間違いなかった。

事件概要

被害者のシェイタナは眠っている最中に短剣で刺され、死亡しました。死体が発見された時、シェイタナの手にはグラスがあり、その中には睡眠薬が混ざっていました。凶器の短剣に指紋はなく、もともとシェイタナの屋敷にあったため、誰でも手に入れることができました。一方、グラスには被害者の指紋が残っており、さらに警視の指紋も見つかります。

容疑者は4人の男女に絞られていますが、のちに第一発見者であり不用意にグラスに触ったジム警視も疑わしい展開になります。なので、最終的に容疑者は5人となります。この中に犯人がいるのは間違いありませんが、なぜ犯人はお互いに監視しあっているような状況で、あえて犯行に及んだのかという疑問が生じます。そして、この答えが真相につながっています。

事情聴取により、容疑者のブリッジ中の行動が確かめられますが、決定的な瞬間を目撃している人物はおらず、全員に犯行の機会があったと言える状況になります。ポワロはゲームの様子や部屋の調度品などについても尋ねており、ゲーム内容について、医師はあまり憶えておらず、逆にロリマー夫人はよく憶えているというようなことが判明します。

殺される前、シェイタナはディナーで意味深な発言をしています。最初の「毒を盛られても素知らぬ顔で通す女」はアン・メレディス、「医者にも毒を盛る機会はある」はロバーツ医師、「銃の事故」は少佐、「家の中での事故」はロリマー夫人に向けられた内容でした。容疑者達はシェイタナに秘密を握られているらしく、このことが、殺人の動機になっているようです。そしてその秘密は徐々に明らかになります。

まず、毒を盛られても…と言われていたアン・メレディスですが、彼女は元々家庭教師でした。いくつかの屋敷を転々としているアンですが、ある屋敷では、女主人が誤って研磨剤入りのシロップを飲んでしまい亡くなるという事件が発生しています。そのシロップを用意したのがアンだと疑われ、アンには一度殺人の嫌疑をかけられています。しかし、誰がシロップをすり替えたのかは分からず、結局は事故として処理されたようです。

独身のロバーツ医師は、性欲過剰症を患う既婚の女性患者と不倫関係にあったようです。その女性患者はロバーツによる予防注射を受けた後、エジプトへ旅立ち、そこで感染症にかかって亡くなっています。

デスパード少佐は探検中に同行していた教授が感染症で亡くなったという経験をしています。公には病死とされていますが、軍の内部では、少佐が教授を銃で撃ったという噂が広まっています。最後にロリマー夫人ですが、夫人は二度結婚しており、最初の結婚では夫が階段から転落して亡くなっています。この件は事故として処理されているようですが、真相は不明です。

なお、シェイタナ殺人事件の後、誰かが彼の屋敷に侵入しています。侵入者の目的は金品ではなく、他の何かを探していたようですが、これは殺人とはあまり関係がありません。

スポンサーリンク

ネタバレ

犯人は医師のジョン・ロバーツです。実は、被害者のシェイタナが自らを殺すような人物を集めて挑発し、犯人を犯行へと導いていました。究極のスリルを求めていたシェイタナは、自ら睡眠薬を飲んでいました。シェイタナには生に関心がなく、精神面での問題もあったようです。

シェイタナのディナーでの発言や重大発表の告知を耳にした犯人のロバーツは、シェイタナが眠っている姿を目撃し、衝動的かつ無計画に犯行に及びました。ロバーツ医師は女性患者を殺害していました。予防注射の際に、ロバーツは故意に注射針を汚染し、女性の体内に細菌を入れました。その女性はエジプトで感染症を発症し死亡しましたが、死ぬ直前にシェイタナにすべてを話していました。

ロバーツがその女性患者に脅迫されていました。女性患者と不倫していた、と言われていたロバーツ医師ですが、不倫の相手は女性ではなく、女性の夫でした。ロバーツが綺麗な秘書に興味を示さなかったのは、そのためです。また、秘書が聞いた医師と女性患者の口論は、女性が夫との不倫を責めていたのであり、さらに、ブリッジの練習と称していたのは、不倫相手である夫と密会するためでした。

ロバーツは観察力に優れた人物で、部屋の様子をよく覚えていました。しかし、ブリッジについてはあまり記憶がありませんでした。グランドスラムが起きたゲームで彼はダミーだったため、ゲーム展開を観察する機会があったはずですが、それでも、彼は何も覚えていませんでした。つまり、彼は他のことに気を取られていた可能性があったということになります。

他の三人の容疑者の秘密ですが、これは事件には直接影響がありません。ただし、ロリマー夫人は自分の娘をかばうために、嘘を証言したり、やってもいない罪を認めたりしています。実は、ロリマー夫人とアン・メレディスは親子で、夫人にとってアンは娘でした。父親は階段から転落して死んだ男性で、夫人はこの男性、つまり夫を突き飛ばして殺していました。

盗み癖のあったアン・メレディスには、女主人殺害の嫌疑がかけられていましたが、アンは犯人でありません。そして事故でもなく、真犯人はアンの友人のローダ・ドーズでした。なお、ローダ・ドーズはシェイタナ殺人事件の後に、アンを川に沈めて殺害しようとしていますが、逆に自身が川に落ち死んでしまいます。

最後にデスパード少佐ですが、彼は教授を銃殺しています。教授は探検中に新しい麻薬を見つけ、それを自ら試すことで狂気に陥り、妻に襲いかかりました。このとき助けに入ったデスパードが、教授の妻を守るために教授を撃ちました。公にしなかったのは、彼と教授の妻が男女関係にあったためです。二人は共謀して教授の死を病死としました。

あっ、忘れてた、という感じですが、シェイタナの屋敷に盗みに入ったのはジム・ウィーラー警視です。警視もまた、シェイタナに秘密を握られていました。詳細は語れませんが、人には言えない写真を撮られていたようです。

スポンサーリンク

トリック考察

 被害者が自分を殺すように仕向けたというトリックです。被害者自身が犯人であるともいえ、この場合、意味深な発言や無防備な状況などは、被害者が使ったトリックということになります。殺人犯の方は、カッとなってやったようなものなので、トリックなどは仕掛けていないように思います。

 犯人は、被害者の罠にはまって犯行に及び、その後は、適当に嘘をついていました。犯行の瞬間を目撃されなかったのは、単なる幸運かもしれませんが、シェイタナが意図的に見えにくい場所に座っていたとも考えられそうです。

原作

原作は第20作目の長編小説「ひらいたトランプ」で、ドラマ化にあたって改変されている部分が多いです。原作もドラマもシェイタナが被害者となるのは同じですが、殺されるという最高のスリルを味わおうとしたことや自ら睡眠薬を飲んだことなどは、ドラマオリジナルです。原作でシェイタナは、探偵役と犯人役を集めてパーティーを楽しんでいただけです(それはそれで趣味が悪いですが)。

他にも原作と異なる部分が多々ありますが大きな違いは例えば、ドラマで親子だったアン・メレディスとロリマー夫人は親子ではありません。ウィーラー警視が容疑者になるというのもドラマオリジナルで、そもそもウィーラー警視自体がドラマのオリジナルキャラです。原作ではバトルという警視が登場します。

みんなの感想

 原作小説のレビューをご紹介します。

何度も起こるどんでん返し。ページをめくる手が止まらなくなります。

アガサ・クリスティーの王道!って感じの作品でした(容疑者の性格や過去に犯した罪から犯人を導き出そうとし、最後の最後までどんでん返しが続く話)。今作は登場人物が少なくて読みやすかった。

謎解きにはブリッジが関わってくるので、知識があるかどうかでおもしろさが違ってくるのかも。オリヴァ、バトルと、馴染みの人々が活躍するのはうれしい。

後半の畳み掛けが私には少し納得がいきませんでしたけど、まぁまぁおもしろかったです。

感想

ドラマ名探偵ポワロでは、このエピソードで初めて推理作家のオリヴァ夫人が登場します。夫人はこの後も、ちょいちょい登場します(そしていつの間にか、ヘイスティングス大尉、ミス・レモン、ジャップ警部は登場しなくなっている)。オリヴァ夫人は、原作者のアガサ・クリスティがモデルなのかと思ったりもします。自分の作品に対する自虐的なネタが笑えます。

まとめ

 名探偵ポワロ「ひらいたトランプ」について、あらすじ、真相、トリック考察および解説、感想・雑談をご紹介しました。

登場人物

事件関係者は以下の通りです。

名前 説明 解説
シェイタナ
Shaitana
富豪
被害者
自分を殺しそうな人物を集めてパーティーを開く
自ら睡眠薬を飲んで犯人に殺人の機会を与えた
ロバーツ
Dr. Roberts
医師
犯人
女性患者の夫と不倫しこれが原因で女性患者を殺害する
シェイタナに挑発され衝動的に犯行に及ぶ
アン・メレディス
Miss Meredith
若い女性 ロリマー夫人の実の娘
雇い主を毒殺したのはアンではなく親友のローダ
ロリマー夫人
Mrs. Lorrimer
未亡人 実の娘であるアンがシェイタナを殺したと勘違いする
夫を突き落として殺したという過去がある
デスパード
Major Despard
少佐 教授の妻と不倫をしていた
薬物摂取により暴れ出した教授を銃で殺し病死にみせかけた

コメント

タイトルとURLをコピーしました