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名探偵ポワロ

葬儀を終えて|ポワロ56【あらすじ・ネタバレ解説・キャスト】

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「葬儀を終えて」のあらすじと真相、登場人物・キャスト、トリック考察、感想です。富豪のお爺さん・リチャードが亡くなり、つつがなく葬儀も終わりますが、そこで、コーラという親戚が「リチャードは殺されたんでしょう」と発言するエピソードです。

After the Funeral
項目 内容
シーズン 10
エピソード 3
長さ 1時間33分
放送日(英国) 2006年3月26日(日)
放送日(日本) 2006年12月14日(木)
出演者 キャスト一覧
原作者 アガサ・クリスティー
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あらすじ

アバネシー家当主であるリチャード・アバネシーが死亡する。葬儀に親族が集まり、リチャードの遺言が読み上げられる。全財産を相続するのは、誰もがジョージ・アバネシーだと考えていた。ジョージとリチャードは甥と伯父の関係だったのだが、生前、リチャードはジョージをとても気にかけていた。ところが、意外なことに、ジョージは相続人から外されていた。代わり遺産を受け取るのは他の親族全員で、平等に遺産を分配するという遺言内容だった。その後、リチャードの妹であるコーラ・ガラチオが「兄さん、ほんとは、殺されたんでしょ」とつぶやき、親族は騒然となる。

登場人物とキャスト

主な登場人物とキャストをまとめます。

名前 キャスト 説明
ギルバート・エントウィッスル
Gilbert Entwhistle
ロバート・バサースト
Robert Bathurst
弁護士
ポワロに捜査を依頼する
リチャード・アバネシー
Richard Abernethie
ジョン・カーソン
John Carson
葬儀が執り行われた富豪
ヘレン・アバネシー
Helen Abernethie
ジェラルディン・ジェームズ
Geraldine James
リチャードの義妹
夫は他界している
ジョージ・アバネシー
George Abernethie
マイケル・ファスベンダー
Michael Fassbender
ヘレンの息子
リチャードに可愛がられていた
スザンナ・ヘンダーソン
Susannah Henderson
ルーシー・パンチ
Lucy Punch
ジョージのいとこ
ロザムンド・シェーン
Rosamund Shane
フィオナ・グラスコット
Fiona Glascott
ジョージのいとこで、スザンナの妹
マイケル・シェーン
Michael Shane
ジュリアン・オヴェンデン
Julian Ovenden
ロザムンドの夫
コーラ・ガラチオ
Cora Gallaccio
モニカ・ドラン
Monica Dolan
リチャードの末の妹
ギルクリストというコンパニオンがいる
ティモシー・アバネシー
Timothy Abernethie
ベンジャミン・ウィットロウ
Benjamin Whitrow
リチャードの弟
車椅子の男性
モード・アバネシー
Maude Abernethie
アンナ・コールダー=マーシャル
Anna Calder-Marshall
ティモシーの妻

解説

物語は葬式から始まり、最初から、沢山の登場人物が現れます。まず、死んだリチャードですが、このお爺さんは妻に先立たれており、子供はいません。しかし、ジョージという甥を可愛がっていました。このことから周囲はジョージが遺産を引き継ぐと思っていたようです。なお、ジョージは亡くなったリチャードの弟の息子です。ジョージの母親はヘレンという女性で、彼女は葬儀に参列していますが、夫の方、すなわち、リチャードの弟は他界しているので、当然、葬儀には姿をみせていません。

重要な登場人物となるのが、コーラ・ガラチオで、彼女はリチャードの妹でした。このコーラは、葬式にも関わらず、他とはちょっと違った服装で現れており、親戚からは変な人と思われています。このコーラが、「リチャードは他殺だ」発言をし、翌日、なんと、殺されます。凶器は斧で、顔はつぶされていました。睡眠薬を飲んでいたようなので、眠っている間に殺害されたようです。

リチャードの遺言が意外なもので、他殺疑惑も浮上し、さらに、殺人まで起きるという怒涛の展開に、弁護士のギルバート・エントウィッスルは力不足を感じ、名探偵のポワロに調査を依頼します。そして今度は、コーラのコンパニオンだったギルクリストが毒を盛られます。幸い、軽傷で済み、すぐに退院していますが、狙われた理由は不明です。また、鏡という話題で、葬儀のおかしな点に気付いたヘレンも何者かに襲われてしまいます。ただ、ヘレンも命に別状はありません。

リチャードが毒殺されたかもしれないというのは、遺体が火葬されているため、調べようがありません。主治医は病死と診断したようですが、確証はない様子です。なお、毒殺の可能性を探偵に伝えたのはギルクリストです。ギルクリストは、リチャードがコーラの自宅を訪れて毒殺されるかもしれないと伝えていたことも証言しています。その証拠として、リチャードからコーラに宛てた手紙もみつかります。

リチャードとジョージの口論や、ヘレンが屋敷にいなかったこと、俳優夫婦のアリバイ証言が嘘であること、読み上げられた遺言書には偽造の可能性がある、などなど、いろいろ事実が明らかになりますが、殺人とは直接関係がありません。また、葬儀の後には権利書が盗まれるという事件も発生していますが、これもコーラ殺害とは関係がほとんどありません。なお、権利書がないと屋敷を売却できないため、相続人達に金が渡りません。

親族達の会食で孔雀石のテーブルが話題に上がっていますが、これが重要なヒントとなっています。ギルクリストがテーブルに飾られたガラスケースの造花がとても美しかったと発言していますが、これはヘレンが割ってしまっています。ギルクリストがいつその造花をみたのか謎です。

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ネタバレ

犯人はギルクリストです。ギルクリストはコーラ殺害をリチャードの相続争いに偽装するため、コーラに変装して葬儀に参列していました。つまり、リチャードの他殺を仄めかしたコーラは偽者で、その正体はギルクリストでした。コーラが死んでも、その財産がギルクリストに相続されることはありませんでしたが、遺産を受け取ることとなったスザンナ・ヘンダーソンが、ギルクリストに絵を譲っています。価値のない絵だと思われていましたが、実は、レンブラントの絵が隠されていました。この貴重な絵の存在を隠すために、ギルクリストは絵が模写であるようにみせていたようです。

手口ですが、葬儀の日、ギルクリストはまずコーラを睡眠薬で眠らせました。そして、変装して参列します。親戚はコーラと疎遠だったため、誰も気づきませんでした。翌日、コーラを殺害。顔を潰したのは、本物のコーラの顔を知られてないためです。しかし、ヘレンだけは変装に気付きました。ヘレンが感じていたのは、コーラの首を傾げる方向が違うというもので、これは犯人であるギルクリストのミスでした。その後、ギルクリストは自らヒ素を飲み、被害者を装います。ギルクリストが割れたはずの造花とケースを知っていたのは、コーラだったからです。食事会での発言も、ミスだったといえます。

以上が殺人の真相です。リチャードは病死で事件性はなく、ギルクリストの策略と、遺言の変更という別の人物の計画が重なり、真相がみえにくくなっていました。

遺言についてですが、読み上げられたのは偽物で本物とすり替えられていました。すり替えたのはジョージです。ジョージは自分が相続人なるのを阻止しようとしていました。何故かというと、それは、リチャードが実の父であることが判明したからです。母親はヘレンに間違いないので、つまり、ジョージは、リチャードとヘレンの不倫で生まれた子供でした。こんな大事なことを隠されていたジョージはリチャードと口論になり、その後、リチャードに対して復讐心を燃やすこととなります。

その他、弁護士を除き、隠し事だらけです。まず、ヘレンですが、前述の通り、彼女はリチャードと不倫をしていました。葬儀の翌日、遺品整理と偽ったのは、リチャードの遺灰を散骨するためで、関係を勘繰られないために嘘をついたようです。そして、スザンナですが、彼女はジョージと大人な関係にありました。スザンナが弁護士にホテルを伝えた時、慌てた様子だったのは、そのホテルで密会していたからです。そもそもスザンナはその土地に詳しくないはずでした。

ロザムンド・シェーンとマイケル・シェーンの夫婦ですが、ロザムンドは妊娠を隠していました。一度は中絶を考えますが、思いとどまり、懺悔のため、シスターのもとへ向かいました。一方マイケルは、別の女性と不倫をしていました。

ティモシー・アバネシーとモード・アバネシーの夫婦は、権利書を盗み出した犯人でした(実行犯は妻のモード)。ふたりは、財産を手に入れるため、権利書を盗み出したのですが、自分達も相続人になる遺言が読み上げられたため、慌てて、弁護士のカバンに権利書を戻しました。

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トリック考察

 変装という単純なトリックだと思いますが、真相が明かされたときの衝撃は大きいように思います。変装トリックでは、被害者を生きているようにみせるなどして、アリバイを捏造することが多いと思いますが、このエピソードでは、遺産相続の争いにみせるという目的のために変装トリックが使われていたようです。

 動機は金でしたが、大金を狙うのではなく、必要なそこそこの金を狙うというものでした。殺人を犯すならそれに見合った報酬をと考えるような気がするので、この部分が盲点になっていたと思います。

 変装だけでは遺産をめぐった一族の血肉の争いにみせることはできないので、殺人を仄めかす発言や証言(嘘)なども加えています。死んだお爺さんが火葬されていたことや遺言が変わったことなど、幸運が重なっている部分もあると思いますが、そもそも動機がわかりにくいので、犯人は容疑者になりにくかったように思います。服毒で被害者になるというトリックも使っているので、2重のトリックを仕掛けていたといえそうです。

原作

原作は第44作目の長編小説「葬儀を終えて」ですが、ドラマ化にあたって変更されている部分が多いです。いとこ同士の不倫、中絶を希望する妻、偽の遺言などなどはドラマオリジナルです。

みんなの感想

 原作小説のレビューをご紹介します。

サスペンスフルな展開とは、解説にある通り。出だし「だってリチャードは殺されたんでしょう」にはとても惹きつけられ、意外な展開が…。とても面白かった。

これはすごかった。最近読んだポアロシリーズの中ではダントツ。解説の折原一さんもこの作品をクリスティーの全作品の中で最高傑作だと褒め称えていて、確かにそれほどの作品だよなあと納得。

名作傑作目白押しのクリスティ作品の中で、さすが解説者がベストに挙げるだけある。

コーラの殺されたんでしょ発言。これはたしかに一番簡単で効果的だと納得しました。

長い!でも、後半は一気に読めちゃう。さすがクリスティー。

感想

ギルクリストさんの暴走がなかなか忘れられず、ドラマ名探偵ポワロの中で印象に残っている犯人に違いないです。小さなティーショップを開きたかったの、みたいな可愛らしい動機や、庶民的な人物像にやや共感していたのですが、主人の顔を斧でギッタギタにぶっつぶしただけではなく、さらに自ら毒も飲んだだけあって、やっぱり、尋常ならざる人物でした。

それにしても、シリーズを通して、男性達の不倫が激しい気がします。わかりやすい動機なので仕方がないかもしれませんが、男女をみたら不倫していると思えくらいに不倫が登場していないでしょうか。

キャストについて

ギルクリストを演じていた俳優さんはコーラ・ガラチオを演じていた方と同じです。そういうわけで、“登場人物とキャスト”の項目にギルクリストは掲載していません。

まとめ

 名探偵ポワロ「葬儀を終えて」について、あらすじ、登場人物、キャスト、真相、トリック考察・解説、感想などをご紹介しました。

犯人

  • ギルクリスト
    Miss Gilchrist
    遺産争い偽装するため、変装して葬式に入り込みリチャードの殺人を仄めかした。葬式に現れたのは偽物でギルクリストの変装。動機は絵画で小さなコヒーショップを開くための資金にしようとしていた。自ら毒をのみ被害者を装ったりもしている。

紹介動画

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