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プリマス行き急行列車|徹底解説・あらすじ・ネタバレ・登場人物など【ポワロ23】

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 プリマス行き急行列車』はプリマス行きの列車の中で殺人事件が発生するエピソードです。この記事ではあらすじと登場人物、ネタバレ、トリック解説・考察、感想などをまとめています。

The Plymouth Express
項目 内容
シーズン 3
エピソード 4
放送日(英国) 1991年1月20日(日)
放送日(日本) 1991年9月15日(日)
出演者 キャスト一覧
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あらすじ

 大富豪に娘に近づく男の身辺調査という仕事を頼まれてしまったポワロは、しぶしぶ、依頼を引き受ける。しかしその直後、列車に乗って出かけた令嬢が、何者かに殺害される。死体は列車の座席の下に隠されており、令嬢が所持していた宝石ケースが盗まれていた。令嬢は付き添いに、メイドを連れており、そのメイドが怪しい男を目撃していた。そして、容疑者として、令嬢の絶縁状態にある夫ルパートとフランス人伯爵ロシュフォールの名が挙がる。

事件概要

令嬢とメイドは12時14分パディントン発の列車に乗車しています。令嬢とメイドは同じ客室ではなく、令嬢だけ個室です。列車は14時50分頃にブリストン駅に到着し、そこで二人は乗り換えるはずでした。ところが令嬢は用事ができたと話し、ブリストンで降車せず、列車に乗車し続けました。なお、メイドはブリストンで降りています。その後、令嬢は15時25分頃に到着したウェストンという駅で新聞の遅版を新聞売りに執拗に求めていたようです。

ジャップ警部とヘイスティングス大尉は夫のルパートとロシュフォール伯爵を疑います。しかし、ポワロはマッケンジーという男が犯人であるということを突き止めます。このマッケンジーには共犯者がいました。

主要登場人物

登場人物名 説明 俳優
声優
エルキュール・ポワロ 私立探偵 デビッド・スーシェ
熊倉 一雄
アーサー・ヘイスティングス ポワロの友人
陸軍大尉
ヒュー・フレイザー
富山 敬、安原 義人
ジェームス・ジャップ スコットランドヤードの主任警部 フィリップ・ジャクソン
坂口芳貞
フェリシティ・レモン ポワロの秘書 ポーリン・モラン
翠準子
エビニーザ・ハリデイ
(ゴードン・ハリデイ)
アメリカの鉄鋼王。フロッシーの父
ドラマではオーストラリア人
ジョン・ストーン
小林 昭二、糸博
フロッシー・キャリントン
(フロレンス・キャリントン)
ハリデイの娘
被害者
シェラー・マクロード
勝生真沙子
ルーパート・キャリントン フロッシーの夫 ジュリアン・ワダム
江原正士
アルマン・ド・ラ・ロシュフール伯爵 フロッシーの元恋人
フランス人
アルフレッド・マイケルソン
西沢利明、檀臣幸
ジェーン・メイソン フロッシーのメイド マリオン・ベイリー
大方斐紗子、二宮弘子
レッド・ナーキー
(マッケンジー)
宝石泥棒
犯人の一人
ケネス・ヘイグ
小林勝彦
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ネタバレ

メイドのジェーン・メイソンが共犯者です。ブリストン駅で見かけた怪しい男の話は嘘です。このとき、既に令嬢は殺されていました。殺害の実行犯はマッケンジーで、この男も列車に乗っていました。動機は宝石です。ウェストンで新聞を買い求めた人物はジェーンです。ジェーンは青いコートを着て令嬢に変装していました。遅版を買おうとしていたのは、新聞売りに、令嬢の姿を印象付けるためです。

トリック

 メイドは虚偽を証言していました。怪しい男の存在*1や令嬢の話した内容は全て嘘です。この嘘の信憑性を高めるために、被害者に変装し、新聞売りを利用して目撃証言を捏造しています。嘘を見抜く手掛かりはないようですが、変装を見抜く証拠として、マッケンジーの家にあった青いコートが登場しています。

*1:マッケンジーのことだったと考えれば、確かに怪しい男は存在していました

容疑者達

 このエピソードには二人の容疑者が登場します。夫は競馬で負けて金に困っていました。新聞を求めた理由が競馬の結果を知るためだったと考えると筋は通ります。しかし、犯人ではありませんでした。そして、もう一人の容疑者である伯爵も殺人犯ではありませんでした。伯爵は令嬢の父親が会長を務める企業の株価を捜査して、大儲けしていました。新聞については、株価をみるために欲しがったと考えることができます。

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ドラマと原作の違い

デヴィッド・スーシェ主演のドラマ「名探偵ポワロ」版では、原作からのいくつかの変更点があります。

  • ハリデイの国籍
    原作ではアメリカの鉄鋼王ですが、ドラマではオーストラリア人となっています
  • ポワロの介入
    原作ではポワロは現場に出向かず、関係者の証言のみで事件を解決します。ドラマでは事件発生前からハリデイの依頼でロシュフール伯爵の調査に乗り出し、実際に列車に乗って捜査を行っています
  • ロシュフール伯爵の描写
    ドラマでは、ロシュフール伯爵がハリデイの会社の株で儲けて勾留されるなど、より悪人として描かれています
  • メイドの相棒の名前
    原作のレッド・ナーキーが、ドラマではマッケンジーという名前に変更されています
  • ルーパートの行動
    ドラマでは、ルーパートがフロッシーの遺産である宝石の受け取りを辞退し、妻の死を悲しむ情のある一面を見せます

感想と考察

令嬢が殺害されるというのは、予想外な展開でした。一見、悪いところのなさそうな令嬢でしたが、お金持ちというのは、犯人達からすれば罪なのかもしれません。それにしても、高価な宝石を持ち歩くなんて、不用心ですな。

私は宝石が盗まれたのは、強盗殺人にみせかけるために犯人があえて盗んだのだと思いました。しかし、実際は宝石が目当てだったようです。たしか大尉がそんなような発言をしていたので、その考えに飛びついたわけですが、いやはや、まんまと製作者の思惑に乗っかってしまったようです。ただ、物事には二つの側面があるキリッ、みたいなことを学んだ気がします。

トリックについて

 犯人のメイド、そして、マッケンジーは夫のルパートとロシュフォール伯爵に罪を着せようとしていたわけではなさそうです。犯人らは、夫が競馬で大敗したこと、および、伯爵が株取引をしていることを知らないはずです。なので、新聞購入は新聞売りに被害者の生存を証言させることが目的だったと考えられます。警部や大尉は新聞を買った理由を推理していますが、これは深く考え過ぎていたようです。ただ、犯人らは、怪しい男として絶縁状態の夫を想定していたかもしれません。令嬢と夫の関係であればメイドが知る機会もあったように思います。競馬で負けたことは知らなくても、金に困っていそうであることは、容易に想像できそうです。つまり、犯人はルパートに罪を着せようとしていた、とも考えられます。

もう一つの犯罪

 伯爵は嘘の情報で株価を操作して売却益を得ていたようです。メイドらによる殺人に、伯爵による相場操縦という犯罪が加わり、事件の複雑さが増しました。

遅版

私が新聞の早版と遅版を知ったのは名探偵コナンだったと思います。具体的には思い出せませんが、たしか、登場していました。今も、早版と遅版の区別があるようで、どうやら、輸送に時間がかかる地域は早版になるそうです。

犯人の男

犯人のマッケンジーは突然登場しました。マッケンジーが犯人で終わっていたら、非難囂囂(ごうごう)だったと思いますが、実は、メイドが共犯者でした。犯人は、物語の序盤に登場していて欲しいものです。とはいえ、ポワロがマッケンジーに辿り着いた理由は、やや省略気味だったかなと思ったりもします。

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