no murder, yes life
名探偵ポワロ

鳩のなかの猫|ポワロ59【あらすじ・ネタバレ解説・感想・考察】

3.5
この記事は約8分で読めます。
記事内に広告が表示されます

鳩のなかの猫」のあらすじとネタバレ、トリック考察、感想です。名門の女子校で次期校長を選ぶ手伝いをすることとなったポワロですが、その女子校で体育教師が殺害されるという事件が発生します。

Cat Among the Pigeons
項目 内容
シーズン 11
エピソード 2
長さ 1時間33分
放送日(英国) 2008年9月21日(日)
放送日(日本) 2010年9月14日(火)
出演者 キャスト一覧
原作者 アガサ・クリスティー
スポンサーリンク

あらすじ

名門メドウバンク校を訪問したエルキュール・ポワロは後継者選びのための、教員の身辺調査を引き受けることとなる。エンジェルなる人物が校内に忍び込んでいるということが示唆されるなか、スプリンガーという体育教師が何者かによって殺害される。評判の悪かったスプリンガーの死体は体育館でみつかり、発見したのは、寮母と別の教師だった。その後、学園にいた王女が行方不明となり、次々と事件が発生する。

解説

まず最初にクーデターによる銃撃戦が繰り広げられています。追い詰められていた男性のうち一人は国王で、もう一人は友人のボブです。この二人は銃撃戦の結果、命を落とします。国王とボブは、何か大事なものを隠したような会話をしていますが、何をどこに隠したのはかまでは語られません。

クーデターとメドウバンク校は、一切関係なさそうにみえますが、実は、ボブの姪が学園に在籍しています。それがジェニファー・サットクリフです。ジェニファーにはラケットを交換した親しい友達がおり、その子の名前がジュリア・アップジョンで、ジュリアの母親がアップジョン夫人です。この夫人が“エンジェル”という工作員にそっくりな人物が学園にいる、という発言をします。

ボブが隠したのは宝石で、それを“エンジェル”という人物が狙っています。宝石は学園のどこかにあるわけですが、どこにあるのかはわかりません。終盤に差し掛かるにあたって、ジェニファーのラケットの柄の中からルビーが見つかります。スプリンガーの死後、ジェニファーのラケットがなくなっていましたが、ジェニファーはジュリアとラケットを交換していたため、ルビー入りのラケットはジュリアが持っていました。このことに気付いた真犯人は、夜中にジュリアの部屋に忍び込もうとします。

エンジェルが潜む学園で、スプリンガー殺害を皮切りに、次々と事件が起きることになります。まず、クーデターで死んだ国王の王位継承者であるシャイスタ王女が失踪し、英語教師のリッチが襲われ負傷。さらに、フランス語教師のエリーズが殺されます。他にも、スプリンガーに似た人形がみつかったり、英語教師や秘書のシャプランドが何かを隠している様子だったりと、謎がてんこ盛りです。これに加えて、ハンサム庭師のアダム・グッドマンが諜報員だった、という事実も明かされることになり、だいぶ込み入った感じになります。

殺人事件について簡単にまとめると、まず、スプリンガーの死体は深夜にみつかりました。発見したのは寮母のジョンスンさんと次期校長と噂されているチャドウィックです。夜遅くに体育館の明かりをみて、生徒が悪さをしていると思い、夜中に二人は体育館へと向かったわけですが、そこにあったのは、槍投げ用の槍でさされたスプリンガーの死体でした。死んだスプリンガーは暴力的な教師であり、同僚からも嫌われていました。他人の弱みを握って楽しむという性格の持ち主だったようです。

スプリンガーに続き、英語教師のリッチも体育館で頭を殴られます。彼女は、消えた王女について調べていたところを襲撃されました。殴られたリッチを発見したのは、次期校長(噂)のチャドウィックで、発見時、彼女は、遠くまで聞こえるほどの叫び声を上げています。この声を耳にした、秘書のシャプランドと庭師のグッドマンが、体育館へと駆けつけます。

最後に殺されたのがフランス語教師のエリーズ・ブランシュで、彼女は、真犯人を脅迫していました。凶悪な殺人犯を脅し、逆に殺害されています。手口は、体育館で襲われたリッチのときと同じで、エリーズも頭を土嚢で殴られていました。

スポンサーリンク

ネタバレ

犯人は秘書のアン・シャプランドです。アンこそがエンジェルであり、彼女はボブがラケットに隠したルビーを手に入れようとしていました。アンがラケットにルビーが入っているのを知っていたのは、アンがボブの恋人のアンジェリカだったからです。

アンは前任の秘書に金を渡して辞めさせ、秘書として学園に入り込みました。そして、ルビーを手に入れるために体育館に忍び込みましたが、アップジョン夫人のエンジェル発言を耳にしたスプリンガーに尾行されます。スプリンガーの目的はアンの弱みを握ることでしたが、アンにあっさりと殺されます。

フランス語教師のエリーズを殺したのは、脅迫されたからであり、土嚢を使ったのは、リッチ襲撃事件と手口を揃えるためです。アンが関与したのはスプリンガーとエリーズの殺害のみで、リッチを襲ったのは別の人物です

体育館でリッチを襲ったのはチャドウィックです。自分が校長になると信じていたチャドウィックは秘書のタイプライターに挟まった手紙をみて、校長がリッチの経歴を調べようとしていることを知りました。このことからチャドウィックは次期校長がリッチであることを悟り、リッチに対する負の感情が芽生えてしまいました。そして、事件があった日の夜、体育館のあかりを見て駆け付けたチャドウィックは、そこにいたリッチを殴ってしまいます。彼女の絶叫は、倒れた人をみつけたからではなく、自分の恐ろしい行為に絶望したからでした。なお、チャドウィックは謎解きの直後にアンに撃たれ、そのまま息をひきとります。

誘拐されたと思われたいたシャイスタ王女ですが、王女は偽者でした。偽王女のねらいもルビーだったわけで、王女のふりをして学園にいれば、誰かがルビーを届けてくれると考えていたようです。王女が偽者であることは、ポワロがのぞき見した膝や、生徒には相応しくない下着などがヒントになっており、偽者は本物よりもいくらか年上でした。

スプリンガー人形を作って針でぶっ刺してストレスを解消していたのは、芸術系教師のブレイクでした。ブレイクはスプリンガーに前の職場で男子生徒と噂になってしまったという弱みを握られていました。スプリンガーの死後、ブレイクはすぐに人形を捨てましたが、これをスイ・タイという女子生徒が拾ってしまいます。

リッチが隠していたのは、未婚の母親だったという事実です。未婚のまま妊娠し、休職期間中に出産しようとしましたが、流産となり、赤ちゃんは亡くなってしまいました。体育館で襲われるなど、不幸続きのリッチでしたが、最後には、バルストロード校長に経営者として学校の立て直さないかと誘われることになり、これを彼女は快く引き受けます。

スポンサーリンク

トリック考察

 自分以外の人間が起こした犯罪と手口をそろえることで、同一犯による一連の犯行であるかのようにみせ、容疑者から外れるという、連続殺人のトリックが登場しています。ただ、トリックなどは仕込まずに、目的を達成するために目撃者や脅迫者など邪魔者を排除していったという印象が強い犯人だったと思います。

 犯人は教師襲撃事件に完璧なアリバイがあったため、二人目の殺人で、襲撃事件と手口を揃えました。

原作

原作は第51作目の長編小説「鳩のなかの猫」で、ドラマ化にあたって変更されている部分がいくつかあります。まず、ドラマでは、ポワロが校長の友人として冒頭から登場していますが、原作に友人という設定はなく、なかなか登場しません。また、ドラマで国王らが死んだのは銃撃戦となっていましたが、原作は飛行機事故です。

登場人物に関しても省略や設定の変更があります。最初の被害者となったスプリンガーが同僚の弱みを握って楽しんでいたということになっていますが、これはドラマオリジナルの設定となっています。

みんなの感想

 原作小説のレビューをご紹介します。

それにしても、ポアロは膝で年齢が分かるのね…。女の年齢は膝にあらわれるらしいので、膝の手入れしようかしらww

首と手は年齢を隠せないというけど、ポアロによれば、膝も重要なポイントだそうです。

ミステリーというよりサスペンスだった気がします。ポアロの登場が遅いので、これ、ポアロシリーズじゃなくても良いんじゃないかなーと思ったりしました。

解説にもあった通り、ミステリというよりかは、サスペンス仕立てです。“革命”というスケールの大きな話から始まり、いつしか舞台は女学校へ。消えた宝石と、殺された嫌われ者の体育教師。あらすじから、かなり期待して読んだのですが、最後まで読んでやっぱりこれはサスペンスだなと思いました。

ポアロに事件捜査の直談判をした少女ジュリアの勇気と行動力が素晴らしかった。ジュリア優秀。

感想

弱みを握ろうとして秘書さんを追跡してみたら、秘書さんはやばいやつでした。上には上がいるというか、そもそも次元が違う気もします。体育教師や秘書という登場人物のなかで、人形をつくって針で刺しまくっていた教師に、なぜか親近感を抱いてしまう感じです。

学園もの

ポワロの学園モノ(青春とか、初恋とかが描かれる物語)かと思いましたが、クーデターやスパイなどなどが絡んでいて、スケールは学園どころではありませんでした。

まとめ

 名探偵ポワロ「鳩のなかの猫」について、あらすじ、真相、トリック考察および解説、感想・雑談をご紹介しました。最後に、登場人物、ロケ地、タイトルの意味についてご紹介します。

登場人物

事件関係者は以下の通りです。

名前 説明 解説
アン・シャプランド
Ann Shapland
秘書
殺人犯
クーデターで死んだボブの恋人でラケットに隠されたルビーを奪うため学園に潜入
スプリンガーとエリーズを殺した犯人
チャドウィック
Miss Chadwick
教師
犯人
体育館でリッチの頭を殴った犯人
次期校長ではないことを知り犯行に及ぶ
シャイスタ王女
Princess Shaista
生徒 本物のシャイスタ王女ではなく偽物
ルビーを手に入れるために王女になりすましていた

ロケ地

ドラマで登場したメドウバンク校は、ジョイスグルーブというカントリーハウスで、「杉の柩」にも登場してます。

ロンドンから西に67キロほど離れた場所にあります。東京から熊谷くらいの距離です。

鳩のなかの猫の意味(ことわざ)

 英題の“cat among the pigeons”は、鳩たちの中に猫が1匹いるというような意味ですが、これは、学園に紛れ込んだ“エンジェル”を言い表しているようです。なお、タイトルは、イギリス英語の慣用句である“put/set the cat among the pigeons”からとられています。直訳すると鳩たちの中に猫を置くですが、辞書によれば意味は「トラブルを招きそうなことを言う、もしくは、行う」となっています。

コメント

タイトルとURLをコピーしました