no murder, yes life
名探偵ポワロ

死者のあやまち|ポワロ68【あらすじ・ネタバレ解説・相関図】

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死者のあやまち」のあらすじと登場人物の相関図、真相、トリック考察、感想などをまとめています。お祭りの出し物で殺人ゲームを行うことになったオリヴァ夫人が、誰かが殺されるかもしれないという予感を抱き、ポワロに相談します。

Dead Man’s Folly
項目 内容
シーズン 13
エピソード 3
長さ 1時間29分
放送日(英国) 2013年10月30日(水)
放送日(日本) 2014年9月22日(月)
出演者 キャスト一覧(imdb)
キャスト一覧(allcinema)
原作者 アガサ・クリスティー
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あらすじ

暴風雨の夜に、ジョージ・スタッブス卿と妻のハリエット・スタッブスがナス屋敷に到着する。その1年後、ナス屋敷に滞在していたオリヴァ夫人は、ナス屋敷のお祭りで謎解きゲームを行うことになる。紆余曲折ありながらも準備を進めるオリヴァ夫人だったが、不穏な気配を感じとり、ポワロに手紙を送る。
非常事態の手紙を受け取ったポワロは車でナス屋敷へと向かい、オリヴァ夫人が殺人を予感していることを知る。翌日、祭りが始まり、ハティことハリエットが姿を消す。ハティの行方がわからぬまま、祭りは進行し、ついに、ボート小屋でマーリーンという少女の死体がみつかってしまう。

相関図

複雑な相関関係があるというわけではないですが、登場人物が多いです。ナス屋敷の住人は、スタッブス卿と妻のハティ、秘書のブルイス、そして、敷地内に住んでいるフォリアット夫人の4名なので、人数は多くありません。しかしここに、ナス屋敷の隣人夫婦が加わって、若干ややこしくなっています。

死者のあやまちの登場人物相関図

殺されたマーリーンには祖父がおり、さらに、妹もいます。なお、妹のガーティーは終盤に少し登場するだけです。

フォリアット夫人はナス屋敷の元住人で、ハティの面倒をみていた女性です。そういった事情もあってか、スタッブス卿の手に屋敷が渡った後も、敷地内で暮らしています。なお、フォリアット夫人は夫や二人の息子が亡くなったと話しています。

解説

祭りの最中にみつかった死体はマーリーンという女の子で、殺人謎解きゲームでは死体役をやっていました。マーリーンは、祭りの前に、ポワロに殺人事件の話をしています。何かを知っている様子のマーリーンが殺害されるというのは、ハロウィーン・パーティーに似た状況ですが、マーリーンの話を聞いていたのはポワロだけとなっており、全く同じシチュエーションではありません。

マーリーンの死体が見つかったボート小屋は、殺人推理ゲームで使われており、鍵がかけられていました。死体役のマーリーンは小屋で待機していたわけですが、ゲームの参加者がどこかに隠された鍵をみつけて小屋の扉を開けるというゲームの流れだったため、マーリーン自身が扉を開けることはないはずです(そもそも死体役)。つまり、マーリーンが扉を開けるとしたら、それは主催者側の人間が訪ねてきたからということになり、犯人は絞り込まれます。

そして、祭りのときのアリバイから、ローバートン夫妻は容疑者から外れますが、それでも容疑者は多いです。

祭りの最中には、ハティも行方不明になっています。お祭りの前日、ハティは夕食中に突然席を立っています。そしてお祭り当日の朝には、いとこからの手紙に取り乱しています。そんな奇妙な行動の目立つハティがどこかに消えてしまい、いとこのエティエンヌ・ド・スーザがナス屋敷へとやってきます。いとこについてハティは、人殺しであるというようなことを口走っているようでした。

のちに、マーリーンおよびハティを殺害した容疑で、エティエンヌ・ド・スーザが捕まります。ハティが人殺しと呼んでいた人物であり、現れたその日に殺人が起きたので、かなり怪しい人物といえます。状況証拠だけではなく、ハティの指輪という物的証拠も、エティエンヌ・ド・スーザの上着のポケットからみつかります。ただし、ハティの死体はみつかっておらず、ハティを殺した理由も不明です。なお、マーリーンはハティ殺しを目撃されたからやむを得ず犯行に及んだというのが警察の考えです。

マーリーンだけではなく、のちに、祖父のジョン・マーデルも水難事故で死亡します。事故ということになっているようですが、これは他殺です。殺人や失踪とは直接関係のない事実として、サリー・レッグとマイケル・ウェイマンの不倫が隠されています。東屋の落とし物はサリーのもので、ふたりが待ち合わせしているようなシーンも映っていました。

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ネタバレ

マーリーンを殺したのはハティ・スタッブスで、マーデルを殺したのはジョージ・スタッブスとフォリアット夫人です。ハティ、スタッブス卿、フォリアット夫人は共犯でした。マーリーンはスタッブス卿が起こした過去の事件を知り、卿を脅迫していました。マーリーンに事件のことを教えたのはマーデルで、マーデルも口封じのために殺されました。

スタッブス卿は実はフォリアット夫人の息子で、女性を暴行して殺したという過去がありました。フォリアット夫人は息子が死んだと話していましたが、これは嘘です。さらに、ハティも偽者で、本物のハティは東屋の下に埋められています

いきさつ

殺人を犯したジョージ・スタッブス――本名はジェームズ・フォリアット――は海外へと遠ざけられたわけですが、ある日、英国に帰ってきます。その後、金に困っていた様子のジェームズは母親であるフォリアット夫人を説得し、夫人が面倒をみていたハティの財産を奪う計画を立てます。ハティはお金持ちでしたが、知恵遅れがあり、騙しやすい人物でした。

財産を手に入れるためにジェームズはジョージ・スタッブスに成りすまし、ハティと結婚します。計画は成功し、ジョージとフォリアット夫人はナス屋敷などの財産を手に入れることになります。

ハティを殺す必要はないようにみえますが、ジョージには、イタリア人の結婚相手がおり、この女性がジョージとの離婚を拒否します。結局ジョージは、ナス屋敷へとやって来たその日に本物のハティを殺害し、イタリア人の女性がハティになりすまします。つまり、ポワロやオリヴァ達の前に現れたハティは、偽者ということになります。

殺人と失踪

ハティ(偽者)はマーリーンを殺害後、ハイカーに変装して、逃亡しています。ポワロと自動車に同乗したハイカーの女性やスタッブス卿に怒鳴られていたハイカーは、実はハティでした。

パビリオンでポワロが発見したバックルはハティのもので、パビリオンは着替えの場所になっていました。死体発見場所が当初はパビリオンだったのに、ボート小屋に変更になったのは、変装のためだったということになります。また、コミックに書き込まれた落書きが「見よハイカーのザックを」に変更されたのは、ハイカーというのが、トリックそのものだったためです。

エティエンヌ・ド・スーザのポケットに指輪を仕込んだのは、ジョージ・スタッブス卿です。ハティが人殺しと騒いでいたのも、ド・スーザに罪をなすりつけるための嘘でした。

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トリック考察

 変装して逃亡するというトリックが登場しています。普段はあまり気に留めない人物が犯人だったという仕掛けがあったと思います。たとえ、変装してうまく逃げ去ったとしても、事件関係者がいなくなったとなれば、容疑者扱いされてしまいます。そのため、失踪を殺人にみせて、さらに罪をきせる人物を用意するということも必要になってきます。

 殺人の罪をなすりつけるために、遺留品などをこっそりポケットに忍ばせて容疑者にするというトリックが登場していました。

原作

原作は第48作目の長編小説「死者のあやまち」です。原作小説とドラマは概ね同じストーリーとなっていますが、登場人物や結末に違いがあります。ドラマの最後に犯人が自殺したり、ポワロが“Bon”と言ったりするのは、ドラマオリジナルです。

みんなの感想

 原作小説のレビューをご紹介します。

読み終わって、想像力豊かな人でないと解けない事件なのでは?なんて思ったけど、読み返してみるとちゃんと伏線が張ってあるし、しっかりミステリの形となっていて、さすがクリスティと思い直した。

何といってもフォリアット夫人が魅力的。ドラマ版もかなり面白かった。

犯人探しゲームの中で本当に殺人が起きる、という設定にひきつけられるけど、あまりその設定を活かしていなくて残念。でも、謎解きは面白かったです。

犯人でもなんでもない人が、わざとらしく怪しく書かれているのはちょっと好みではない。でも、犯人探しゲームで本当に殺人が起きるというシチュエーションやトリックはなかなか面白かった。

謎解きされてみればそれ以外考えようがないし、読み返すとそこらじゅうにヒントが散りばめてあるのに、どうして気付かないのだろう。それはさておき、美しいイギリスの庭や祭りが堪能できて楽しかった。

感想

マーリーンが亡くなったボート小屋は鍵がかかっていたから……、という推理が語られていましたが、最終的には、登場人物の中に犯人がいる、すなわち外部犯ではないという結論に落ち着いていたと思います。暗黙の了解として、登場人物の中に犯人がいるのはわかっているわけですが、その理由付けが、ミステリーっぽく登場していたという印象です。

推理作家の道尾秀介氏が深読み読書会というNHKの番組で、作者都合の密室というのを語っておられました。内容を簡単にまとめると、犯人としては、外部犯だとミスリードされて捜査が進む方が好都合のため、内部犯になってしまうような痕跡を残すのはかなりやらかしている、つまりそこには作者の都合が隠されている、というようなことです。「死者のあやまち」においては、マーリーン殺害の推理において、内部犯へともっていくような展開があったように思います。

まとめ

 名探偵ポワロ「死者のあやまち」について、あらすじ、真相、トリック考察および解説、感想・雑談をご紹介しました。最後に、登場人物、ロケ地、タイトルの意味についてご紹介します。

登場人物

事件関係者は以下の通りです。

名前 説明 解説
ハリエット・スタッブス
Hattie Stubbs
夫人
犯人
マーリーンを殺害後、旅行者に扮して逃亡、怒鳴られていたのはハティだった
本物のハティは既に死んでおり偽者。正体はジョージが結婚したイタリア女
ジョージ・スタッブス
Sir George Stubbs
主人
犯人
フォリアット夫人の息子で本名はジェームズ。婦女暴行事件を起こし海外へ
事件を知るマーリーンに正体がばれ、脅されていた
エイミー・フォリアット
Amy Folliat
居候
犯人
ジョージの母親。本物のハティの面倒をみていた
帰国したジョージにそそのかされ、ハティの財産を奪う計画に目をつむる

ロケ地

ナス屋敷はGreenway House(グリーンウェイ・ハウス)という邸宅で撮影が行われています。原作者であるアガサ・クリスティーが暮らしていた家です。

拡大地図を表示することで、外観を確認できます。

タイトルの意味

日本語のタイトルは「死者のあやまち」ですが、死んでいたと思われていた人物は生きていたので、確かに“あやまち”は犯していますが、“死者”ではありません。実は英語のタイトルである“Dead Man’s Folly”は、「死者のあやまち」だけではなく、「死者の建物」と訳すこともできます。つまり、あやまちという意味はミスディレクションであり、実は死者を埋めた場所に建てられた東屋を意味しています。なお、建物と訳す場合のfollyの正確な意味は、特定の目的はないが装飾のために過去に建造された建物;広いカントリーハウスの庭にしばしば建てられる、となっています。

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