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西洋の星の盗難事件|徹底解説・あらすじ・ネタバレ・登場人物など【ポワロ19】

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 西洋の星の盗難事件』は「西洋の星というダイヤを盗む」という脅迫文がダイヤの持ち主に届き、本当に盗まれてしまうエピソードです。この記事ではあらすじと登場人物、ネタバレ、トリック解説、感想・考察などをまとめています。

The Adventure of the Western Star
項目 内容
シーズン 2
エピソード 9
放送日(英国) 1990年3月4日(日)
放送日(日本) 1990年5月29日(火)
出演者 キャスト一覧
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あらすじ

 ベルギー人女優のマリー・マーベルのもとに届いた一通の脅迫文。同じ頃、レディ・ヤードリーのもとにも、脅迫状が届いていた。二人は西洋の星・東洋の星と呼ばれるダイヤの持ち主だった。調査のため、ポワロはヤードリー卿の屋敷を訪れる。しかし、東洋の星を身に付けたレディ・ヤードリーが現れた瞬間に、ダイヤは何者かに盗まれてしまう。翌朝、マリー・マーベルの西洋の星も、マーベルの夫であるグレゴリー・ロルフに扮した人物によって盗まれてしまう。遺留品や目撃者の証言により犯人は中国人であると考えられるが…。

事件概要

西洋の星の持ち主マリー・マーベルはホテルに滞在しており、ダイヤはホテルに預けていました。これを盗み出したのがマーベルの夫グレゴリー・ロルフに変装した中国人らしき人物です。西洋の星には、実は、東洋の星と呼ばれる対のダイヤがあり、その持ち主がレディ・ヤードリーです。夫のヤードリー卿は対の宝石の存在など知らなかったようですが、諸事情により東洋の星を売却しようとしていました。ところが、ポワロと大尉がヤードリーの屋敷を訪れた時、東洋の星も盗まれてしまいます。遺留品として中国の布切れが現場から見つかります。脅迫状を届けたのが中国人らしき人物であることも根拠となり、犯人は中国人であると考えられます。

ジャップ警部が追っている人物はバン・ブラクスというオランダ人実業家です。違法な手段であろうがなかろうが構わずダイヤを集めており、そのしっぽを掴むため、警部は彼を調べています。バン・ブランクスも西洋の星・東洋の星の盗難に関わってきます。

登場人物

登場人物名 説明
エルキュール・ポワロ ベルギー出身の著名な私立探偵
灰色の脳細胞を駆使して事件の真相を解明する
アーサー・ヘイスティングス ポワロの友人、陸軍大尉
探偵事務所のパートナー
ジェームス・ジャップ スコットランド・ヤード主任警部
ポワロとは旧知の仲
フェリシティ・レモン ポワロの秘書
完璧主義なポワロの要求にも冷静に対応
メアリ・マーヴェル 映画スター、西洋の星の持ち主
ドラマ版ではベルギー人女優で、マリー・マーベルと呼ばれる
グレゴリー・B・ロルフ 映画スター、メアリの夫
ドラマではグレゴリー・ロルフと呼ばれている
ジョージ・ヤードリー 子爵
家宝である「東洋の星」の売却を検討する
モード・ヤードリー ジョージの妻。東洋の星の持ち主
ドラマではレディー・ヤードリーと呼ばれている
マリングズ ヤードリー家の執事
邸宅の状況を証言する
ホフバーグ 宝石商
ドラマ版では「東洋の星」のイミテーションを作成した人物
ヘンリク・バン・ブラクス 宝石コレクター、オランダ人
(ドラマオリジナルキャラクター)
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ネタバレ

西洋の星を持ち出したのはグレゴリー・ロルフです。彼は中国人に変装し、ダイヤを盗み出しました。東洋の星と呼ばれるダイヤは存在せず、レディ・ヤードリーが持っていたのは実はレプリカでした。レディ・ヤードリーは、それが盗まれたような芝居をしていました。

レディ・ヤードリーは昔、グレゴリー・ロルフと不倫の関係にありました。それが原因で恐喝され、レディ・ヤードリーは所持していた東洋の星をグレゴリーに渡します。このことを夫のヤードリー卿は知りませんでした。犯人のグレゴリーは受け取った東洋の星を西洋の星と呼び、保険をかけ、盗まれたようにみせることで、金を手に入れようとしていました。しかし、保険金をかけていなかったことが明らかになり、計画は破綻します。その後、ポワロに説得された宝石商ホフバーグに裏切られ、レプリカのダイヤを渡されます。このことに気付かぬままバン・ブラクスと取り引きして金を手に入れようとし、ジャップ警部に捕まります。

トリック

 犯人は保険金を手に入れるため、所持する宝石を盗まれたようにみせました。使われたトリックは変装です。中国人に変装したり、中国の布切れや残り香をあえて残すことで、どこかの中国人が犯行に及んだようにもみせました。

狂言

 東洋の星の盗難騒動はレディ・ヤードリーの自作自演でした。彼女が持っていたのはレプリカのダイヤであるため、売られそうになっていたダイヤを盗まれたようにみせることは好都合だったといえます。もしも、売却の段取りが進んでいれば、それがレプリカであることがバレていたはずです。そうなると、グレゴリーの立場も危うくなります。なお、レディ・ヤードリーは犯行を中国人になすりつけるため、中国の布切れを現場に残すといった偽装工作もしています。

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ドラマと原作の違い

原作小説とデヴィッド・スーシェさんが主役を演じる海外ドラマ「名探偵ポワロ」は結末が大きく異なります。主な相違点は以下の通りです。

  • ドラマでは、レディー・ヤードリーがポワロの事務所を訪れすべてを告白します。ポワロはホフバーグと交渉してグレゴリーにはレプリカのダイヤモンドをつかませ、マリー・マーベルには辛い真実を告白します。東洋の星はレディー・ヤードリーに返され、グレゴリーとバン・ブラックスは空港でジャップ警部らに逮捕されます
  • バン・ブラックスというダイヤモンドの収集家が登場人物に加わり、ジャップ警部が彼を追う筋書きが追加されています
  • メアリ・マーベルがベルギーの映画スターに変更され、ポワロの故郷が強調される描写があります。ポワロとマリー・マーベルがフランス語で会話する場面も追加されました
  • マリー・マーベルが宿泊しているホテルでポワロに事情を話します
  • ヘイスティングスがヤードリー夫人訪問のことをポワロに話すのが汽車の中です
  • ヘイスティングスの「おとぼけ」に拍車がかかっており、ビリヤード三昧の生活や、レディー・ヤードリーへの冷徹な対応、タクシーに無視されるなどの描写があります
  • ポワロが散髪して左右のもみあげの長さの違いを気にしているユーモラスな場面が追加されています

感想と考察

 タイトルにもなっている西洋の星ですが…「実はそんな宝石はない」というミステリーでした。犯人のグレゴリーはだいぶ残念でした。保険金詐欺で、保険金かけ忘れるなんて、間抜け過ぎます。いや、そこはミスしないでしょ、と思います。プールや海に行って水着を忘れるようなものです。もしかすると、保険金の契約上、いろいろな制約があって、後で確かめてみたら実は保険金がかかっていなかった、などなど、いろいろな事情があるかもしれません。通常では想像しえないこの行動が、別のミスリードを誘う展開になったかもしれません。

 グレゴリーが東洋の星を西洋の星という名前に変えたり、レディ・ヤードリーの狂言に関わったのは、グレゴリーが東洋の星を持っているということが発覚しないようにするためだと考えられます。グレゴリーは宝石盗難の完全犯罪を成し遂げようとしていたようです。しかしながら、保険金をかけ忘れるという致命的なミスを犯しています。

中国人が犯人だみたいな展開は、ここが日本人でなくて良かった、と思ったりします。もしかすると、中国人も日本人も同じようなものだと思っている人もいるかもしれませんが(これはイギルス人もフランス人同じだと言っているのに等しいわけですが)。もし日本人の犯行にみせるのなら、日本刀を凶器にしたりするのでしょうか。日本刀が凶器だから日本人が犯人というのも、無理矢理な気がします。この辺は私の発想が貧弱なためでしょう。イタリア人の犯行にみせるため犯行現場にピザを置いておくとか、実は宅配ピザの配達員が犯人だったとか、もはや、意味がわからないです。

レディ・ヤードリーの送った手紙がどんなのだったのか気になります。シャーロック・ホームズシリーズにも、貴族の女性の恋文が登場しますが、その内容までは登場していない気がします。もしかすると、テレビで映せないほどに卑猥な内容なのかもしれないです。

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