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名探偵ポワロ

アクロイド殺人事件|ポワロ46【あらすじ・感想・考察・ネタバレ】

3.0
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 アクロイド殺人事件」のあらすじとネタバレ、トリック考察、感想です。ある小さな村で女性の自殺事件が発生し、さらに、ロジャー・アクロイドが何者かによって殺害されます。

The Murder of Roger Ackroyd
項目 内容
シーズン 7
エピソード 1
長さ 1時間39分
放送日(英国) 2000年1月2日(日)
放送日(日本) 2000年12月30日(土)
出演者 キャスト一覧
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あらすじ

探偵業を引退したポワロはキングズ・アボット村で暮らしていた。静かなその村で、ドロシー・ファラーズという女性が自殺する。ドロシーと男女関係にあった地元の実業家ロジャー・アクロイドは、ドロシーが昔亡くなった夫の件で恐喝されていたと確信し、恐喝者を探し出そうとしていた。しかし、そのロジャーが何者かによって殺害されてしまう。死体が見つかったのはロジャーの書斎で、発見したのはシェパード医師と執事のパーカーだった。書斎の窓枠にはロジャーの養子であるラルフ・ペイトンのものと思しき足跡が残されていたが、肝心のラルフは姿を消してしまい行方不明になっていた。ラルフがロジャーと口論していたことに加え、ラルフには遺産という動機もあった。ラルフによる犯行が疑われる中、書斎の違和感や紛失した手紙に気付いた執事が殺されてしまう。

解説

 ロジャーの死体が発見されるまでの経緯は以下の通りです。フローラの証言が確かであれば、22時10分頃まで被害者のロジャーは生きていたことになります。もし、フローラの話に嘘があったとしても、被害者は21時30分頃までは生きていたと考えられます。

死体発見までの流れ
  • 21:00
    シェパードがアクロイドの屋敷を辞去
  • 21:30
    秘書がアクロイドの声を耳にする
    (姿を見たわけではない)
  • 22:10
    フローラが書斎でロジャーに挨拶する
    執事が書斎の前でフローラを見かける
  • 22:20
    電話で呼び出されたシェパードが執事と共に死体を発見する

 最後に被害者をみた人物がフローラであれば、フローラが疑わしいのは間違いありませんが、もっと怪しい人物がいます。それがラルフで、遺産という動機はもちろん、窓枠の足跡や被害者との口論という証拠もあり、その上、行方不明にもなっています。ラルフはフローラとの婚約を発表するはずだったので、村で盗み聞きされた内容(医師の妹が耳にした会話で、ラルフと女性が話していた内容)と相まって、二人の共犯も疑われます。そんなわけで、非常に怪しいラルフですが、ラルフの生死や行方は最後まで明かされません。

 死体発見時から少し変わった椅子の位置や消えた手紙など、真犯人を突き止める証拠らしきものが登場していますが、ロジャー殺害の犯人とは直接結びつかない証拠もいくつかあります。一つ目がアクロイドの自室から消えたお金、二つ目がポワロが拾った指輪、三つ目が東屋で目撃された女性です。解雇されたメイドも真犯人とはあまり関係のない事柄です。これらの証拠は真犯人とは異なる二つの真相を示唆するものです。

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ネタバレ

 犯人はジェイムズ・シェパードです。シェパード医師がドロシー・ファラーズを脅しており、このことを突き止めたロジャーは口封じのためシェパードに殺されました。紛失した手紙はドロシーが送ったもので、そこにはシェパードこそが恐喝者であることが記されていました。しかし犯行後、シェパードがこれを持ち去ったため、手紙が消えていました。

 シェパードがロジャーを殺害したのは21:00頃で、シェパードが屋敷を後にした時、既にロジャー・アクロイドは死んでいました。21:30の声は録音されたものであり、シェパードはタイマーを使って再生装置を動かしていました。なお、この装置はシェパードが死体を発見した時に回収しています。一緒に死体を発見した執事にみられないようにするため、椅子を使って装置を隠していましたが、装置回収後に椅子を元の位置へと戻したことで執事に違和感を与えることになります。これが執事殺害の動機へと繋がります。

 22:10頃にフローラが挨拶したというのは嘘です。フローラは書斎には入っておらず、入ったふりをしていました。その理由はお金を盗んだことを隠すためです。フローラは2階にあるロジャーの部屋から金を盗み、階段を降りてきたところで人の気配に気付きました。階段から降りてきたことが知られると金を盗んだことがバレるかもしれないので、咄嗟に、階段のすぐそばにある書斎から出てきたようにみせました。

 最後にラルフの行方ですが、彼は療養所に入院しています。特にどこかが悪いというわけではなく、容疑から逃れるために入院しています。ラルフをかくまうという口実で入院を斡旋したのは犯人のシェパードで、その狙いは、ラルフに罪をきせることにあったようです。事実、ラルフの靴の足跡を死体発見現場の窓枠に残したのは、シェパードでした。

 ラルフには秘密があり、実は彼はメイドのアーシュラ・ボーンと結婚していました。被害者のロジャーはラルフとフローラを結婚させようとしていたわけですが、ラルフとメイドの結婚を知ってラルフと口論になり、そして、結婚相手のメイドを解雇しました。東屋で目撃されたのはアーシュラで、医師の妹が耳にしたのもアーシュラとラルフの会話でした。

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トリック考察

 録音した被害者の声を再生して、被害者が生きているようにみせるというトリックが登場します。声を誰かが耳にし、被害者が生きているということが証明されれば、犯行時刻をずらすことができます。そのうえで、完璧なアリバイを用意しておけば、容疑者から外れることになります。同時に、罪をなすりつける人物が明確に決まっている場合は、その人物にアリバイがないという状況を作り出す必要があります。また、現場に残すことになる仕掛け(再生装置)を素早く回収する必要もあります。

 この事件の犯人は自宅で過ごし、妹という証人がいたように思います。なお、自宅の電話を鳴らすため昔の患者という共犯者も使っており、これは、妹に電話がかかってきたことを証言させるという効果がありました。犯人が用意した装置は比較的大型のものであり、野次馬になってこっそり回収するというのは難しそうな代物でした。そこで犯人は第一発見者となって装置を回収します。第一発見者になるにあたって、最初はもう一人の人物(執事)と一緒に死体を発見し、人払いをして一人になるという段取りを踏んでいます。

犯行時刻

 登場人物の中に秘密を持った人物が混じっており、この人物が嘘をついたため、被害者が死体発見直前まで生きているようにみえました。秘密というのは金の盗難で、金を盗んだ人物は何も知らず嘘をつき、その結果、被害者の犯行時刻に影響を与えました。

感想

「アクロイド殺し」といえば叙述トリックで有名だと思いますが、このドラマはあまりそのトリックを感じられない作りになっていると思います。原作の結末を知っていた私は、原作の犯人がドラマでは犯人らしくなく、なぜかジャップ警部が登場したので、警部を疑ってしまいました。犯人が原作とは違うのかもしれない、という感じで視聴していたので、原作とは違う楽しみ方ができた気がします。

黒井戸

このドラマを初めてみたとき、叙述トリックは映像化が難しいのかと思いましたが、日本で制作・放送された「黒井戸殺し」は叙述トリックが全面に押し出されるような内容でした。ということは、この「アクロイド殺人事件」は狙った通りの仕上がりになっているのかもしれません。

まとめ

 名探偵ポワロ「アクロイド殺人事件」について、あらすじ、真相、トリック考察および解説、感想・雑談をご紹介しました。

登場人物

 このエピソードには、ポワロ以外にジャップ警部が登場します。事件関係者は以下の通りです。

名前 説明 解説
ロジャー・アクロイド
Roger Ackroyd
化学会社社長
被害者
ドロシーが恐喝されていたことを知っていた
書斎で殺害される
ジェイムズ・シェパード
Dr. Sheppard
医者
犯人
ドロシーを恐喝していた人物
恐喝がロジャーにバレたため犯行に及ぶ
ドロシー・ファラーズ
Mrs. Ferrars
自殺した女性 ロジャーの恋人だった
シェパード医師に脅され自殺する
ラルフ・ペイトン
Ralph Paton
ロジャーの養子 ロジャー殺害発覚後行方不明になる
シェパード医師の手引きにより療養所に入っていた
フローラ・アクロイド
Flora Ackroyd
ロジャーの姪 金を盗んだことを隠すため書斎に入ったふりをする
ヴェラ・アクロイド
Mrs. Ackroyd
ロジャーの義妹 ロジャーの弟の妻でフローラの母親
アーシュラ・ボーン
Ursula Bourne
メイド 東屋で目撃された女性
実はラルフと結婚していた
パーカー
Parker
執事 椅子の配置や手紙の紛失に気付き殺される
キャロライン・シェパード
Caroline Sheppard
医師の妹 ラルフとアーシュラの話を耳にする

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