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シタフォードの謎|あらすじ・ネタバレ解説【ミス・マープル8】

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シタフォードの謎』のあらすじと真相、原作小説との違い、考察、感想などをまとめています。ドラマ版ミス・マープルシリーズの第8(S2E4)です。首相候補の男性が不審な行動をとり始め、とある宿に泊まります。そこには様々な人物が宿泊しているようでした。

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あらすじ

 次期首相候補のクライヴ・トレヴェリアンは遺産相続で被後見人のジムと揉めているようだった。そんなトレヴェリアン大佐がシタフォード荘へと向かう途中、偶然にも列車内でミス・マープルと出会う。マープルは甥のレイモンドを訪ねようとしており、シタフォード荘の隣がレイモンドの家だった。

 同じ頃、ジムの婚約者であるエミリー・トレファシスはクラブでチャールズ・バーナビーという男性と知り合う。ジムが一人でシタフォード荘へ向かったため、エミリーはチャールズと共に後を追い、シタフォード荘へと向かう。途中、チャールズは新聞記者で、トレヴェリアンのスキャンダルを掴もうとしていることが判明する。

 トレヴェリアン大佐は何かを企んでいるらしく、偽名で宿屋に宿泊し、そこで降霊会が行われる。呼び出された霊によれば、トレヴェリアン大佐に死が迫っているらしかった。そして、本当にトレヴェリアンが死体となって発見される。

登場人物とキャスト

主な登場人物とキャストをまとめます。前のエピソードに引き続き、甥のレイモンドが名前だけ登場します。

名前 キャスト 説明
ミス・マープル
Miss Marple
ジェラルディン・マクイーワン
Geraldine McEwan
老婦人の名探偵
推理作家の甥に会おうとする
クライヴ・トレヴェリアン
Clive Trevelyan
ティモシー・ダルトン
Timothy Dalton
大佐
何やら行動が怪しい
ジェイムズ・ピアソン
James Pearson
ローレンス・フォックス
Laurence Fox
トレヴェリアンの被後見人
ジムと呼ばれている
エミリー・トレファシス
Emily Trefusis
ゾーイ・テルフォード
Zoe Telford
ジムの婚約者
チャールズ・バーナビー
Charles Burnaby
ジェームズ・マレー
James Murray
新聞記者
エミリーと共にシタフォード荘へ向かう
ジョン・エンダービー
John Enderby
メル・スミス
Mel Smith
トレヴェリアンの政務官
アハメド・ガリ
Ahmed Ghali
ジェフリー・キッスーン
Jeffery Kissoon
シタフォード荘の使用人
エヴァドネ・ウィレット夫人
Mrs. Evadne Willett
パトリシア・ホッジ
Patricia Hodge
宿泊客
バードウォッチングの女性
ヴァイオレット・ウィレット
Violet Willett
キャリー・マリガン
Carey Mulligan
宿泊客
ウィレット夫人の娘
エリザベス・パースハウス夫人
Miss Elizabeth Percehouse
リタ・トゥシンハム
Rita Tushingham
宿泊客
眼鏡を失くした女性
スタンリー・カークウッド
Stanley Kirkwood
ジェームズ・ウィルビー
James Wilby
宿屋の主人
最近従業員を解雇した
アーチー・ストーン
Archie Stone
マイケル・アトウェル
Michael Attwell
宿屋のコック
マーティン・ジマーマン
Martin Zimmerman
マイケル・ブランドン
Michael Brandon
宿泊客
医者を連れている男
アンブローズ・バート
Dr. Ambrose Burt
ポール・ケイ
Paul Kaye
宿泊客
ジマーマンの医者
ドナルド・ガーフィールド
Donald Garfield
マシュー・ケリー
Matthew Kelly
宿泊客

事件概要

エジプトの出来事はトレヴェリアン大佐の過去を描いています。大佐以外にも男性が登場していますが、何者なのかは、この時点ではわかりません。

その後、登場する被後見人のジム(ジェイムズ・ピアソン)は、遺産相続から外すという手紙を受け取ったために怒っています。その手紙を書いたのはどうやらトレヴェリアン大佐ではないようですが、真相は定かではありません。

トレヴェリアン大佐は何かこそこそとしており、偽名を使って宿屋を訪れます。宿屋には怪しい人物がたくさんいて、全員が容疑者といえる状況です。しかも、脱獄囚がうろついているという状況でもあります。いろいろとすっきりしない状態の中、怪しげな降霊会が行われます。その降霊会で、大佐が死が予言され、本当に大佐は死んでしまいます。

宿屋で降霊会が行われていた頃、ミス・マープルは、エミリー、チャールズ・バーナビー、エンダービーと一緒にシタフォード荘にいました。しかし、大佐宛のお菓子に毒が入れられていたことから、危険が迫っていることを知り、エンダービーとチャールズが宿屋へと向かいます。

トレヴェリアン大佐の死体を発見したのは、宿屋に駆け付けたエンダービーとチャールズです。シタフォード荘から宿屋までは相当の距離があるため、シタフォード荘にいた人物にはアリバイがあることになります。ひどい雪だったことや宿屋は概ね施錠されていたことなどから、大佐を殺した犯人は宿屋にいると考えられます。

宿屋の宿泊客はそれぞれが隠し事をしているため、非常に怪しい人物になっています。それぞれが抱える秘密については、徐々に明らかにされていきます。

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ネタバレ

トレヴェリアン大佐を殺害したのは、新聞記者のチャールズ・バーナビーでした。大佐は立候補の資金を得るために、教授を殺害し、エジプトで発見した宝を独り占めしていました。教授には妹がおり、大佐はその妹を妊娠させていましたが、教授殺害という悪事を働いたため、妹を捨てました。妹の名前はヴァイオレットで、その後、スラム街で亡くなりました。お腹の中にいた子供は成長し、その子供こそが真犯人のチャールズでした。

チャールズはシタフォード荘にいたため、犯行は不可能に思えます。しかし、彼はスキーで宿へ向かい大佐を殺害し、その後、何食わぬ顔でエンダービーと合流していました。なお、宿屋への侵入経路は地下で、実は鍵が開いていました。宿屋の主人は施錠されていたと話していましたが、これは脱獄囚をかばうための嘘です。

その他、被害者を含む宿泊客などが隠していたことは次の通りです。

  • 被害者のトレヴェリアン大佐は宿泊客のヴァイオレット・ウィレットと結婚しようとしていた
  • 眼鏡を失くしたパースハウス夫人はエジプトで死んだ教授の妻で、大佐に復讐しようとしていた
  • 毒入りお菓子はパースハウス夫人がシタフォード荘の使用人であるガリと共謀して仕込んだもの
  • コックとして登場するストーンは脱獄囚。本物のストーンは既に解雇されている。パースハウス夫人の眼鏡がなくなったのは、ストーンと顔見知りだったためで、脱獄囚との入れ替わりに気付く可能性があったので、眼鏡が盗まれた
  • 脱獄囚は宿屋の店主の甥
  • ウィレット夫人は脱獄囚の恋人。バードウォッチングと称して、脱獄囚と会っていた
  • ジマーマンはフットボールのラジオを聞いてた。大佐に署名を求めていたのは、軍で起きた事故の責任から逃れるため
  • バートは元医師。星をみていたと適当な嘘をついているが、実際は屋上でアンテナ役になっていた。このとき、犯人のチャールズを目撃し恐喝に及ぶが、殺されてしまう
  • ドナルド・ガーフィールドは首相候補である大佐のスキャンダルを調べていた
  • 降霊会はジムが意図的にグラスを動かして大佐が死ぬようなメッセージを残した

結末

ミス・マープルに真相を明らかにされたチャールズ・バーナビーはエミリーに拳銃を向けられます。その拳銃でバーナビーは自ら命を絶ちます。最後、サソリを手にする大佐らしき人物が登場します。

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原作とドラマの違い

ドラマと原作小説はかなり異なる物語になっており、別の作品といった方がいいかもしれません。原作はノンシリーズの作品でミス・マープルは登場しません。原作の登場人物は大きく変更され、真犯人も異なります。その他、名前がかろうじて似ている登場人物もいますが、背景は異なりますので、ほぼドラマのオリジナルキャラといえます。

共通する部分は、降霊会が行われる点やスキーを使って移動するトリックなどです。被害者の名前は、どちらもトレヴェリアン大佐なので一致していますが、ファーストネームは異なっており、ドラマはクライヴで、原作はジョセフです。ドラマには大佐に背景としてエジプトの話が登場していましたが、原作では語られない内容です。

感想

意外な人物が犯人でした。完璧なアリバイがあり、怪しい素振りもみせていなかったので意外性は高かったと思います。それ以外に、エジプトのサソリや謎の降霊会、大雪、脱獄囚などなど盛り沢山な感じでした。

考察

メイントリックはスキー板でした。急いでいたはずのエンダービーはなぜスキーを使わなかったのかと思ったりもしますが、おそらくスキーが全く得意ではなかったということだと考えられます。スキーすれば移動時間を短縮できるという話題が全く登場しないのも不自然のような気もしますが、それらしい単語や描写が登場してしまうと、すぐにトリックに気付かれてしまいそうです。

まとめ

 ミス・マープル「シタフォードの謎」について、あらすじ、真相、ドラマと原作の違い、感想などをご紹介しました。

犯人

  • チャールズ・バーナビー
    Charles Burnaby
    被害者の息子。母親は被害者が見捨てた女性だった。惨めに死んでいった母親の復讐のため、父親を追い殺害した。

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