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モルグ街の殺人|あらすじ・ネタバレ解説

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 「モルグ街の殺人」はエドガー・アラン・ポー(Edgar Allan Poe)の短編小説です。1841年に発表されたこの小説は史上初の推理小説として歴史に名を残しています。

項目 説明
タイトル モルグ街の殺人
評価
著者 エドガー・アラン・ポー
出版社
シリーズ 1作目
発表 1841年
Audible版 なし
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あらすじ

 モルグ街に悲鳴が鳴り響く。近隣住民や憲兵がレスパネエ夫人とカミイユ・レスパネエ嬢が暮らす家に入ると、四階の部屋がひどく荒らされていた。部屋の中にはカミイユの死体があった。絞殺された彼女は逆立ち状態で煙突の中に押し込められていた。中庭にはレスパネエ夫人の死体が横たわっていた。夫人の死にざまは無惨で、かき切られた首はほとんど胴体と繋がっていなかった。

 現場に集まった人々は、現場に駆け付けるまでに声を聞いたと証言する。しかし、それぞれの証言に食い違いがあった。さらに、死体が発見された部屋は密室状態になっており、犯人の逃走経路は不明だった。夫人は大金をおろしていたので、部屋には金があったのだが、まったくの手付かずで、物取りの犯行とは思えなかった。

ネタバレ

犯人は逃げ出したオランウータンでした。飼い主は水夫で、オランウータンで一儲けするつもりでした。

犯人の逃走経路は窓です。警察は見落としていましたが、実は開くようになっていました。完全な密室ではなかったわけですが、四階ですので、避雷針を伝って移動する必要があります。そんなことが簡単にできるのは、並みの人間ではありません(というよりも、オランウータンでした)。

犯人が獣だとわかれば、いろいろなことが理解できます。お金に興味がないのは間違いないですし、人とは思えない力技を発揮していたのは、人ではなかったからです。現場にいた人が聞いた声というのも、そもそも人語ではありませんでした。なお、夫人の首が切られていたのは、オランウータンがカミソリを使ったからです。凶器ともいえるカミソリは、オランウータンが飼い主のもとから持ち出しています。

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感想と考察

1841年に発表された作品で、なおかつパリが舞台ですので、耳慣れない言葉が登場します。現代風に書き換えるのは、権利的にも容易なはずですが、歴史的な作品なので、なるべく原文に近い状態で読んでおきたいです(そもそも原文は英語なのですが)。

物語の真相は、もう既に、それほど珍しくないと思います。<動物が犯人>ということでまとめてしまえば、いろいろ類似する作品があります。飼い犬が逃げ出して子供に怪我を負わせてしまったりする世の中ですので、それほど現実離れしていないように思えます(過去には、調教した猿をつかって盗みを働いた悪い奴もいたりします)。モルグ街に登場するオランウータンはエイリアンばりに狂暴でしたが、実際のオランウータンは、それほど狂暴な動物ではなさそうです。もちろん狂暴になるときもあるようですが、ややイメージと食い違うかもしれません。

フェアか

読者に対して全ての証拠が提示されていたかというと、そういうわけではなさそうです。見落としや誤解が謎を深めていたので、納得できない部分もあるかもしれません。ただ、真相が見抜けるように書かれていたら、結末の驚きは失われしまいそうです。

災害と犯罪

1841年頃は、まだ指紋を調べたりして証拠を集めるという捜査手法がありませんでした(科学的捜査方法は1900年代にコナン・ドイルやエドモン・ロカールが確立したといわれています)。事件が発生して、現場を調査し、解決に至るというのは、当たり前の流れですが、1840年頃は、現場に証拠が残されているという考え方も一般的ではなかったはずです。想像するに、犯罪に対する認識は災害と同じで、成すすべなくやり過ごすというのが当時のスタンスだったかもしれません。そう考えると、根拠を提示して事件を説明するという科学的なアプローチは、画期的だったのではないかと思います。

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まとめ

 「モルグ街の殺人」について、あらすじ、真相、感想などをご紹介しました。この作品は青空文庫で公開されているため、とても手に取りやすい状態になっています。ちなみにですが、オラウータンは誤りで、オランウータンが正しいです。

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