no murder, yes life
ホームズ

曲がった男|ホームズ【あらすじ・感想・ネタバレ解説】

3.0
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 曲がった男(背中の曲がった男)は、ある大佐が死亡し、大佐の死体のそばに倒れていた妻に容疑がかかるというお話です。この記事では、原作小説とグラナダ版ドラマの簡単なあらすじ及び詳細、原作とドラマの違い、作品の感想などをまとめています。

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あらすじ

 「曲がった男」のあらすじをタイムラインで簡単にまとめます。今回の事件は変死です。

ハイライト
  • 発端
    バークレー大佐が死亡し妻に疑いがかかる
    ホームズとワトスンが調査することになる
  • 展開
    ホームズが死体がみつかった現場を調べる
  • 結末
    ホームズ達が真相を知るある人物と出会う

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小説

 原作は1893年に発表されました。このエピソードが収録された短編集「シャーロック・ホームズの思い出」も1893年に発行されました。

The Crooked Man
項目 内容
発表 1893年7月発表(ストランド)
発表順 22作品目(60作中)
発生時期 1889年9月11日~同年9月12日
発生順 27件目(60作中)

ストーリー

グラナダ版ドラマも同じストーリーです。

 ホームズはワトソンにバークレー大佐の死について話す。二日前だった。大佐はバークレー夫人の帰宅後、夫人と喧嘩になった。使用人達はドア越しに二人の口論や悲鳴を耳にした。運転手が中に入ろうとしたが、ドアに鍵がかかっていたため、庭から回って部屋に入った。そこで運転手は大佐の遺体と気を失った夫人の姿を発見した。不思議なことに室内に鍵はなかったが、棍棒が大佐のそばにあり、警察はバークレー夫人による夫殺害を疑った。

 翌日、ホームズは大佐の屋敷を調べ、人と生き物の足跡を見つける。この足跡からホームズは、大佐が部屋の鍵をもったある人物をみて驚き、倒れたときに頭をぶつけたと推理する。さらにホームズは、ミス・モリソンと会い、事件のあった夜、バークレー夫人はある男性と会っていたと話す。その男は、二十年前、バークレー大佐と同じ連隊の伍長だったヘンリー・ウッドという人物でマングースを連れていた。

ネタバレ

ホームズはウッドと会い、大佐とウッドの過去を知る。その昔、大佐とウッドは、ナンシーを射止めようと必死だった。当時軍曹だったバークレーは、嘘の作戦でウッドを貶めた。罠にはまったウッドは捕虜となり、体が変形するほどに拷問や虐待を受けた。そんな彼も、なんとか逃げ出しイギリスに戻ってくることになる。

ウッドがバークレー夫人と再会したとき、ウッドは自身の過去をすべて話した。ウッドの忌まわしい過去を知ったバークレー夫人は夫のバークレー大佐に説明を求め、口論となった。そこへウッドが現れ、大佐は驚きのあまり気を失い死亡したのだった。

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原作とドラマの違い

 「曲がった男」というのが邦題ですが、原作では「かたわの男」という訳もあるようです。片端(かたわ)は不完全というような意味がありますが、好ましくない表現のため今日つかわれることはありません。昭和初期の頃の文学作品など、古い作品では登場します。

 内容に関して、原作とドラマはほぼ同じです。大きな違いといえば、原作では依頼を受けたのがホームズだけであるという部分です。原作のあらすじでは、ホームズがワトソンに事件を話していますが、ドラマではワトソンも依頼の場に同行し、その後の調査にも関わっています。

ドラマ

 グラナダ版ドラマは、1984年5月22日に放送されました。シーズン1の第5話(52分)です。

The Crooked Man
項目 内容
シーズン 1
話数 6
放送順 6
放送日(英) 1984年5月22日(火)
出演者 キャスト一覧

ストーリー

原作と同じストーリです。

 ある屋敷で凄まじい夫婦喧嘩の後、バークレー大佐の遺体が見つかる。そばには、意識不明の妻・ナンシーの姿があり、彼女には夫殺害の容疑がかかる。調査依頼を受けたホームズとワトソンは、依頼主のマーフィー少佐からナンシーがインドに住んでいた頃、ヘンリー・ウッドという伍長に恋をしていたという話を聞く。ウッド氏は行方不明となり、ナンシーはバークレーと結婚を決意したという。

 捜査に着手し、バークレーの自宅へと向かったホームズは、事件があった日、教会から帰宅したナンシーはとても苦しそうにしていたという話を耳にする。死体を発見した使用人によると、死んだ大佐の顔はひどく恐怖で歪んでいたという。遺体のそばにはこん棒が落ちており、これが凶器と思われていたが、バークレー家のものではなかった。そして不思議なことに、遺体が見つかった部屋の鍵は、どこにもなかった。これらの証拠からホームズは、第三者の存在を疑う。そして、すぐに、人間の足跡と動物の足跡を発見する。

 その後、アン・モリソンという女性から、事件の夜、妻ナンシーが、体の不自由なヘンリー・ウッドと会い、ひどく動揺している様子だったという話を聞く。ウッドを見つけ出したホームズとワトソンは、ウッドから、彼の凄惨な過去を知る。セポイの乱で、ウッドの連隊は反乱軍に取り囲まれ窮地に陥っていた。ウッドはニール将軍に救援を要請するため志願する。しかし、恋のライバルだったバークレーがウッドを貶めるような指示を与えた。これが原因で、ウッドは敵に捕まり、何年もの間拷問され、体が変形してしまった。

 ようやくイギリスに戻ったウッドはナンシーに再会する。再会後、ナンシーを追いかけ、バークレーの屋敷に辿り着き、そこで夫婦の喧嘩を目撃する。ウッドはナンシーを守ろうとして窓から侵入。ウッドの姿を目撃したバークレー大佐はウッドの姿に恐怖し、脳卒中で死亡したのだった。

感想

死体の近くで気を失っていた女性は犯人なのか、それとも無実なのか、というわかりやすい謎が魅力的だと思います。あらすじでは触れていませんが、夫人の「デイヴィット」という言葉が、第三者の存在を示唆しており、その言葉の真意もまた謎に包まれています。なお、デイヴィットはダビデの聞き間違いでした。ダビデは、バークレーと同じようにウッド氏を罠にはめた人物のようです。

奇妙な動物の足跡がマングースというのも面白いです。マングースといえば沖縄だと思いますが、暖かい地域に分布している動物のようです。

ドラマのウッドが捕虜になったシーンは「インド大反乱」を思い起こさせます。ウッドはインド人に捕まったようです。「インド大反乱」は当時イギリスの植民地だったインドが植民地支配に対して起こした反乱のことです。

デイヴィット

 デイヴィットの謎解き部分です。デイヴィッドというのは、妻が夫を罵るために使った言葉でした。デイビッドがダビデだったと言われてもあまりピンと来ないのですが、ダビデは古代イスラエルの王らしいです。歴史の授業で習ったのかもしれません。

「ひとつ引っかかる点がある」私(ワトスン)は駅に行く道すがらに言った。「もし、亡くなった夫の名前がジェームズで、もう一人(曲がった男)がヘンリーなら、デイヴィットとは何者だろう?」
「僕が、君が好んで描きたがる理想的な推理力の持ち主であるならば、あれは叱責の言葉だと推理するね」
「叱責?」
「そうだ。御存じの通り、かのダビデは幾度か道を踏み外した。そしてある時、ジェームズ・バークレイと同じ過ちをした。ウリヤとバシテバの事件だよ。僕の聖書の知識は少々錆付いているかもしれないが、サムエル記の上か下にその逸話が登場しているはずだよ」

考察

被害者はビックリして死んだわけですが、老人だったので、ショック死もあり得そうです。死ぬほどウッドのことを後悔していたということかもしれません。ミステリーとしては、無実の女性を救うというストーリーでしたが、その背景には、愛と裏切りの物語が隠されていました。

まとめ

 シャーロック・ホームズの「曲がった男」について、原作とドラマのあらすじとネタバレ、感想などをご紹介しました。

登場人物

 登場人物をネタバレありで簡単にまとめます。原作およびドラマに共通する内容で一覧にしています。

名前 説明
シャーロック・ホームズ
Sherlock Holmes
諮問探偵
ボクシング姿をみせる
ジョン・ワトスン
John Watson
医師
調査を手伝うがホームズにけなされる
ヘンリー・ウッド
Henry Wood
曲がった男の正体
罠にはめられ捕虜となる
ジェイムズ・バークリー
James Barclay
ショック死した男
ウッドを罠にはめた人物
ナンシー・バークリー
Nancy Barclay
ジェイムズの妻で容疑者となる
昔、ウッドと恋仲だった

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