no murder, yes life
ホームズ

美しき自転車乗り|ホームズ【あらすじ・感想・ネタバレ解説】

4.0
この記事は約7分で読めます。
記事内に広告が表示されます

 美しき自転車乗り(孤独な自転車乗り)は、家庭教師の女性が変な男に自転車で追いかけられる話です。この記事では、原作小説とグラナダ版ドラマのあらすじ及び詳細、原作とドラマの違い、作品の感想などをまとめています。

スポンサーリンク

あらすじ

 「美しき自転車乗り」のあらすじをタイムラインで簡単にまとめます。序盤から中盤は、依頼人が登場して調査するといういつものパターンになっています。

ハイライト
  • 発端
    ヴァイオレットが相談にやってくる
  • 展開
    ワトスン博士が調査へ向かう
  • 結末
    ホームズとワトスンが自転車乗りの正体に気付く

スポンサーリンク

小説

 原作は1903年に発表されました。1905年に発行された短編集「シャーロック・ホームズの帰還」に収録されています。

The Adventure of the Solitary Cyclist
項目 内容
発表 1904年1月発表(ストランド)
発表順 31作品目(60作中)
発生時期 1895年4月13日~同年4月20日
発生順 35件目(60作中)

ストーリー

グラナダ版ドラマも同じストーリーです。

 シャーロック・ホームズはヴァイオレット・スミスという若くて美しい家庭教師から連絡を受け取る。彼女は、毎週末、ロンドンの婚約者に会いに出かけていたが、駅まで自転車で行き来しているとき、見知らぬ人物が彼女の後ろに付き纏うことを不気味に感じていた。

 ヴァイオレット・スミスは、彼女の母親と共に暮らしていた。貧しい生活だったが、彼女の叔父であるラルフ・スミスの友人二人が南アフリカからイギリスへやって来て、最も近い親戚の世話を頼まれたと告げる。二人の友人のうちカラザースという男は愛想がよく、家庭教師の仕事を与えた。ところが、もう一人のウッドリーは下品だった。

 ホームズから情報収集を頼まれたワトソンは、ストーカーが、元聖職者のウィリアムソンという人物の所有物に沿った生け垣に隠れ、姿を消したことを突き止める。そこには、ウッドリが定期的に訪れているようでもあった。翌日、ホームズはバイオレット・スミスから手紙を受け取る。そこには、ロンドンに永住するため、カラザースの家を出ようとしていることが書かれていた。

ネタバレ

ホームズとワトソンはバイオレットの身を案じて、彼女のもとに駆け付け、謎のサイクリストを捕まえる。しかし、既にバイオレットは誘拐されていた。ホームズ達がバイオレットを見つけたとき、彼女はウィリアムソンによってウッドリと強制的に結婚させられていた。ホームズが結婚は無効であることを指摘し、さらに真相を明らかにする。

カラザースとウッドリは、南アフリカからイギリスへ戻ってきて、遺産を得るため、どちらかがヴァイオレットと結婚しようとしていた。そして、どちらかが結婚したあと、カラザースとウッドリは金を分け合うはずだった。しかし、カラザースがバイオレットに恋をし、強引なウッドリから守ろうとしていた。ストーカーの目的は、実はバイオレットをウッドリらから守ることにあったのだった。

スポンサーリンク

原作とドラマの違い

 この作品は様々なタイトル訳があります。ドラマは「美しき自転車乗り」ですが、原作は「孤独な自転車乗り」として知られています。原題は「The Solitary Cyclist」なので、孤独な…の方が原題に忠実です。内容に関して、細かい設定の違いなどはありますが、ドラマと原作はほぼ同じ物語です。なお、ボクシングや化学実験の失敗シーンはドラマオリジナルです。

ドラマ

 グラナダ版ドラマは、1984年5月15日に放送されました。シーズン1の第4話(52分)です。

The Solitary Cyclist
項目 内容
シーズン 1
話数 5
放送順 5
放送日(英) 1984年5月15日(火)
出演者 キャスト一覧

ストーリー

原作と同じストーリです。

 ウッドリとカラザースは、バイオレット・スミスの叔父が、遺産を残さず亡くなったと伝える。カラザースは、バイオレットに娘の家庭教師にならないかと持ち掛ける。その仕事は非常に高給でバイオレットは満足していた。しかし、謎の自転車乗りにつけまわされるようになり、彼女はホームズに助けを求めたのだった。

 ホームズはワトソンを現場に送って、謎の自転車乗りが関係していると思われるチャーリントンホールのテナントについて問い合わせます。このワトソンの調査に不満を持ったホームズは、自ら、ファーナムのパブへ足を運ぶ。そこで、ウッドリに襲われるが反撃する。

 翌日、バイオレットを案じたホームズは、ワトソンと共にファーナムへ急ぐが、残念ながら、バイオレットが誘拐されてしまう。ホームズ、ワトソン、そして、謎の自転車乗りは、バイオレットの足取りを追うが、聖職剥奪されたウィリアムソンによって、ウッドリと結婚させられていた。激怒した自転車乗りはウッドリを撃つ。実は、変装したカラザースだった。

ネタバレ

ウッドリとカラザースは、もともと、共犯者だった。彼らはバイオレットの叔父が持っていた財産を手に入れようとしていた。叔父が遺産を残さなかったというのは全くの嘘で、遺産を手にするためには、バイオレットと結婚する必要があった。

拒否されたウッドリは強制的に結婚しよとするが、カラザースはバイオレットに恋をした。カラザースは謎の自転車乗りとなって、彼女を守ろうとしていた。逮捕されたウッドリは十年の懲役、カラザースは六か月の懲役を言い渡される。そして、ウッドリとの結婚が無効になったバイオレットは婚約者と無事結婚。カラザースが釈放されるまで、カラザースの娘・セアラの世話をするのだった。

感想

ストーカーが実はいい奴(味方)だったというのが、とても面白いです。一定の距離を保って何もしてこない、など、そのヒントも隠されていました。付き纏っているのではなく、護衛していたのですが、きっと、その事情を話すわけにもいかなかったのだと思います。もし話したら、恋する相手に自分は金目当てで近づいたと告白することになってしまいます。

ホームズ(ジェレミー・ブレットさん)のボクシングシーンは見どころだと思います。なお、原作では、ホームズの語りによって、そのシーンが回想的に描写されています。

ボクシング

 ボクシングについての描写です。以下引用文はホームズの台詞となっており、あっさりと語られています。

奴(ウッドリ)は罵り、話の最後を凶暴な裏拳で締めくくった。僕は完全にはよけきれなかった。それから数分は愉快だったよ。左ストレート対、強打の悪党。僕はご覧の有様で切り抜けた。ウッドリ氏は荷車で家に運ばれた。田舎の旅行はかくして終わった。

考察

美しき自転車乗りことバイオレットの遺産相続が事件のきっかけとなっています。ただ、遺産相続とストーカーのつながりは不明で、最後まで明らかになりません。このエピソードでもっとも謎めいているのは、何もしてこないストーカーで、これが本当に不気味です。(基本的にストーカーというのは、なにもしてこないような気もします)

原作が発表されたのは1903年です。この頃にストーカーという言葉があったとは思えませんが、それらしき人物がコナン・ドイルの作品に登場していることから、似たようなことをしていた人は存在したようです。何もしないけどずっとついてくる人という薄気味悪さは、今も昔も変わらないようです。

まとめ

 シャーロック・ホームズの「美しき自転車乗り」について、原作とドラマのあらすじとネタバレ、感想などをご紹介しました。

登場人物

 登場人物をネタバレありで簡単にまとめます。原作およびドラマに共通する内容で一覧にしています。

名前 説明
シャーロック・ホームズ
Sherlock Holmes
諮問探偵
ボクシング姿をみせる
ジョン・ワトスン
John Watson
医師
調査を手伝うがホームズにけなされる
ヴァイオレット・スミス
Violet Smith
依頼人であり被害者
音楽の家庭教師
ボブ・カラザーズ
Carruthers
ヴァイオレットの雇い主
自転車乗りの正体
ジャック・ウッドリー
Woodley
カラザーズの友人
遺産を狙っていた
ウィリアムスン
Williamson
ウッドリーの仲間

コメント

タイトルとURLをコピーしました