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名探偵ポワロ

五匹の子豚|ポワロ50【あらすじ・ネタバレ解説・感想・考察】

4.0
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「五匹の子豚」のあらすじとネタバレ、トリック考察、感想です。過去に起きた事件の真相を確かめるため、ポワロが事件を再調査します。

Five Little Pigs
項目 内容
シーズン 9
エピソード 1
長さ 1時間33分
放送日(英国) 2003年12月14日(日)
放送日(日本) 2005年8月25日(木)
出演者 キャスト一覧
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あらすじ

キャロライン・クレイルが夫殺害の罪で処刑された。14年前のことだった。死んだキャロラインは娘に手紙を残していた。その手紙には無実を訴えるような内容が書かれていた…。娘のルーシー・ルマルションは真相を明らかにするため、ポワロに事件の調査を依頼する。依頼を引き受けたポワロは当時の担当弁護士やクレイル夫妻の友人達から話を聞くことになるが、被害者のアミアス・クレイルを殺害したのは妻のキャロラインに違いないと、ほとんどの関係者が確信しているようだった。

事件概要

今回ポワロが調査するのは14年前に完結したはずの殺人で、それは、妻が夫を殺害するという事件でした。被害者となった夫のアミアスは毒殺で、犯人として妻のキャロラインが逮捕されます。そして、裁判を経て絞首刑となりました。事件は片付いているように思えますが、実は絞首刑となったキャロラインが無実を訴えるような手紙を残していた…というのが調査の背景です。キャロラインは裁判で必死に無実を訴えていたわけではなく、むしろ絞首刑を受け入れているような様子でした。犯人でもないのに絞首刑になったというのは不思議ですが、もしもキャロラインが犯人でないのなら、そういった不可解な状況になります。

娘の依頼を引き受けたポワロは関係者から話を聴き調査を進めますが、ほとんどの関係者がキャロラインが犯人だと信じています。これにはいくつかの根拠があります(裁判で有罪になったので当たり前なのですが)。まず、犯行に使われた凶器・毒物についてです。被害者はビールのグラスに入れられた毒物を飲んで死亡していました。毒物はコニインで、これはクレイル夫妻の友人宅にあったものが使われています。毒物を持ち出した人物は目撃されていないようですが、この毒物を持ち運ぶために使ったと思しきキャロラインの香水瓶には彼女の指紋が付着していました。

キャロラインには完璧すぎる動機もあります。夫のアミアスは浮気性でした。女のことで夫妻が喧嘩をすることは珍しくなく、事件が起きる前も激しく口論しているようでした。当時、画家であるアミアスは絵のモデルにエルサ・グリヤーという女性を連れ込んでいました。このエルサがかなりやんちゃで、キャロラインをひどく困らせていました。特に、アミアスが妻を捨てて私(エルサ)と結婚する、という発言が周囲をざわつかせます。その他、幼い頃にキャロラインが妹のアンジェラ・ウォレンに文鎮を投げて失明させたなどのエピソードがキャロラインの印象を悪くします。

決定的なのは、家庭教師のミス・ウィリアムズの話です。ウィリアムズはキャロラインを敬愛していたため、この話を公に証言していませんが、アミアスの毒殺死体がみつかった時、ウィリアムズはキャロラインがビール瓶の指紋を拭って被害者の指紋を押し付けたりする姿を目撃していました。ただし、毒物が入っていたのはビールのグラスであり、ビール瓶に毒物は入っていませんでした。

キャロラインに対する有利な証拠というのは、ほとんどありません。唯一、妹のアンジェラが無罪を信じているようでしたが、客観的な根拠があるわけではなさそうでした。そんなアンジェラもキャロラインから手紙を受け取っており、そこには「何も心配する必要はない」というような内容が書かれているようでした。

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ネタバレ

犯人はキャロライン・クレイルではありません。真犯人はエルサ・グリヤーです。犯人ではないキャロラインが有罪を受け入れたのは、妹のアンジェラをかばっていたためです。キャロラインは妹が犯人だと勘違いしていました。失明の件で負い目のあったキャロラインはアンジェラの身代わりとなって罰を受けます。勘違いが発生した原因は毒殺事件発生前に妹がビール瓶をいじっていたからです。この姿を目撃したキャロラインは妹がビール瓶に毒を盛ったと思い、ビール瓶の指紋を拭き取るなどの行動をとりました。妹はアミアスによく怒鳴られていたので、動機も思い当たる節があったといえます。

真犯人であるエルサは被害者のアミアスに捨てられたため、犯行に及びました。はっきりと面と向かって振られたわけではありません。しかし、エルサは被害者に結婚の意思がないことに気付いていました。事件が起きた日の朝、図書室でクレイル夫妻が口論をしていたという証言がありますが、これは喧嘩ではなく、二人が愛を確かめ合っていただけでした。このとき近くに座っていたエルサが夫妻の会話の一部始終を耳にしてアミアスの想いを知ります。直後、犯行を決意したエルサは、まずキャロラインが持っていたコニインをスポイトで盗み出しました。そして、被害者の1杯目のビールに毒を盛りました。コニインは効果が遅れて生じるということもあり、結果として、キャロラインが注いだ2杯目のビールが疑われることになります。コニインを友人宅から盗み出したのはキャロラインに間違いなく、その理由は自殺するためでした。真犯人のエルサはキャロラインが毒を盗む姿を目撃していましたが、そのことを黙っていました。

事件とは直接関係のないことでしたが、被害者の友人であるフィリップ・ブレイクは同性である被害者に好意を抱いていました。事件が起きる前の日、夜中に、キャロラインはフィリップを部屋を訪れていました。しかし、女性の関心のないフィリップは傷ついたキャロライン(この時はエルサの結婚発言の後であり、図書室でまだ仲直りしていない)を無下に扱いました。そして、腹を立てたキャロラインがフィリップを責めました。「まだアミアスを忘れられないの!?」というような暴言だったので、フィリップは本当のことを話すわけにはいきませんでした。

以上のように、いろいろと謎が解けたとはいえ、14年前の事件なので、エルサが犯人であるという証拠はありません。それでもポワロは無実の罪で処刑されたキャロライン・クレイルの名誉を回復させるために働きかけると話します。

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トリック考察

 事件発生から14年後に真犯人が明らかにされますが、それまでは完璧な完全犯罪でした。それにも関わらず真犯人がやったことといえば、軽く嘘をつくことぐらいだったと思います。すなわち、殺人が起きたら確実に疑われるような人物がいる状況で犯行に及び、ほんの少しだけトリックを用いて濡れ衣をきせたといえます。

 犯人がついた嘘というのは、毒を盗む姿を目撃したかどうかという点でした。毒を盗む姿を目撃したと証言すれば、盗んだ人物に濡れ衣を着せやすくなりますが、同時に、毒が身近に(夫妻の自宅に)あることを知っていた人物にもなってしまいます。そうなるとあらぬ疑いをかけられるため、知らんぷりをしたようです。

感想

仲の良さそうな家族のシーンから始まりますが、その後、父親が毒殺され、母親は絞首刑になるという恐ろしい展開が待っています。父親が堂々と愛人らしき女性を連れ込んでいるという、ある意味明け透けな一家なわけですが、これはミステリーならではの光景ではないかと思ったりもします。

まとめ

 名探偵ポワロ「五匹の子豚」について、あらすじ、真相、トリック考察および解説、感想・雑談をご紹介しました。

登場人物

 このエピソードには、ポワロ以外にヘイスティングス大尉が登場します。事件関係者は以下の通りです。

名前 説明 解説
キャロライン・クレイル
Caroline Crale
画家の妻 夫殺害の容疑で14年前に処刑される
娘や妹に無実を伝えていたが本当に無実だった
アミアス・クレイル
Amyas Crale
画家
被害者
キャロラインの夫
女癖が悪く愛人に毒殺される
エルサ・グリヤー
Elsa Greer
絵のモデル
真犯人
アミアスに結婚する気がないと知り犯行に及ぶ
コニインをビールに盛りアミアスを毒殺した
フィリップ・ブレイク
Philip Blake
株式仲買人 幼い頃からキャロラインやアミアスと付き合いがある
アミアスに対して恋愛感情を抱いていた
メレディス・ブレイク
Meredith Blake
フィリップの兄 保管していたコニインを自殺を考えていたキャロラインに盗まれる
アンジェラ・ウォレン
Angela Warren
キャロラインの妹 キャロラインに文鎮を投げつけられ片目を失明する
キャロラインはアミアスと不仲だったアンジェラが犯人だと勘違いしていた
ミス・ウィリアムズ
Miss Williams
家庭教師 死体発見時、キャロラインの不審な行動を目撃していた

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