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名探偵ポワロ

死との約束|ポワロ61【あらすじ・ネタバレ解説・相関図・感想・考察】

4.5
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死との約束」のあらすじとネタバレ、トリック考察、感想です。非常に評判の悪い、そして、実際に毒親的な行動を繰り返すボイントン夫人が登場するエピソードです。このエピソードは原作小説や三谷幸喜氏脚本のドラマと大きく異なる作品になっています。

Appointment with Death
項目 内容
シーズン 11
エピソード 4
長さ 1時間33分
放送日(英国) 2009年12月25日(金)
放送日(日本) 2010年9月16日(木)
出演者 キャスト一覧(imdb)
キャスト一覧(allcinema)
原作者 アガサ・クリスティー
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あらすじ

発掘見学のために訪れたシリアのホテルでポワロは、ボイントン夫人と遭遇する。ボイントン夫人ことレオノラ・ボイントンには三人の子供がおり、夫人は彼/彼女らを精神的に支配しているような人物であった。ホテルから発掘現場へと向かったのは、ポワロ以外にも、ボイントン家の面々や、精神科医、医師、アメリカ人などなども一緒だった。発掘現場に到着後、ポワロは見学ツアーなどに参加する。そんなある日の朝、ボイントン夫人がハチに刺される。特に問題はないようだったのだが、その後、日光浴をしていたボイントン夫人が死体となって発見される。

相関図

登場人物がなかなか多いので、人物紹介および相関関係をまとめておきたいと思います。基本的に、ボイントン一家以外は他人です。

まず、ボイントン家ですが、ボイントン卿(発掘している人)とボイントン夫人は夫婦です。どちらも再婚らしく、それぞれ連れ子がいます。ボイントン卿の連れ子がレナード・ボイントン、そして、夫人の連れ子はレイモンド、キャロル、ジニーの3人です。あとは、乳母のテイラーがいます。

レナードはタクシーでお金を払えなかった人です。レイモンドは、冒頭のシーンで倒れた女性を助けた青年。キャロルはソバージュの女性で悪夢をみてうなされています。ジニーは可愛らしい女性で、シスターと会話しています。

ドラマ名探偵ポワロ「死との約束」の登場人物相関図

その他の人物は発掘の見学に居合わせた人々であって、特につながりが語られるわけではありません。なお、最初、倒れた女性はサラ・キングで、レイモンドに好意を寄せています。また、ジニーの部屋に入ってきたシスターはアニエシュカという名前です(シスターの恰好なので、誰なのかわかりやすいです)。

解説

やっぱり、という感じでボイントン夫人が殺されます。その後、ジニー・ボイントンの誘拐未遂が発生し、シスターが負傷。ボイントン家の乳母テイラーが自殺するという事件も発生します。

ボイントン夫人の死体がみつかるまでの経緯は、まず、朝食のときに夫人がハチに刺されます。その後、夫人は日光浴を始め、他のメンバーは見学ツアーへと向かいます。ツアーに参加していないのは、ボイントン卿と息子のレナードで、レナードは午後1時頃に夫人に話し掛けています。しかし、レナードは夫人に無視されています。

見学の際中に発作を起こしたため、ジェラールはキャンプに戻っています。このとき、ジェラールに付き添ったレイモンドとジニーも一緒でした。

その後、他の見学を終えたメンバーが戻りますが、ボイントン卿が騒ぎ出し、ボイントン夫人の死体がみつかります。死体に駆け寄ったのは、ウェストホルム卿夫人とサラ・キング医師でした。

ツアーに参加していたら犯行は不可能そうなので、容疑者はボイントン卿、レナード、ジェラール、レイモンド、ジニーに絞られそうです。しかし、ジェラールとジニーはテントで一緒だったためアリバイがあります。ただし、どちらも眠っていたので、目覚めた時、すなわち、ボイントン夫人の死体がみつかった時は一緒だった、という程度のアリバイです。

ボイントン夫人はノミのようなもので刺され、刺された後、グリグリされていました。サラ医師によれば、“死後一時間は経過していない”ということなので、ついさっき死んだかもしれないし、30分前に死んだかもしれない、ということになりそうです。ただ、死後硬直が始まっていたらしく、サラが死体のまぶたを下ろそうとしましたが、うまくいきませんでした。

のちに、ボイントン夫人の子供達は養子であることが判明します。そして、もうひとり養子としてボイントン夫人に預けられていた子供がいることも明らかになります。この子供が、実は、登場人物の中に紛れ込んでいます。

このエピソードは、様々な秘密が隠されているというパターンで、ボイントン夫人殺害とは関係のないヒントが多々登場しています。以下では、夫人殺害に関するものと、それ以外に別けてまとめたいと思います。まず、夫人殺害に関するヒントです。

  1. ボイントン夫人の死体にロウが付着していた
  2. ボイントン夫人が日光浴をしていた場所近くで現地人のような服装の人物が目撃されている
  3. 乳母のテイラーのテントから注射器がみつかる
  4. 乳母の“お父さん”の一言
  5. ヤギの死体がみつかる
  6. ジェラールが乳母に処方した薬をポワロがなめるとフラフラした
  7. ポワロが大佐に頼んだ移民者とボイントン夫人の使用人のリスト

それ以外、とは言っても、複数の秘密が隠されています。

  1. ボイントン夫人が新聞を読めなくて怒っている
  2. レナードが現地の人間と取り引きをしている
  3. ボイントン夫人の会社の株が暴落しコープが損する
  4. ジニーが誘拐されそうになりシスターが殴られてた
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ネタバレ

犯人はセリア・ウェストホルムとテオドール・ジェラールです。セリアとジェラールは夫婦で、ボイントン夫人からジニーを救い出すために、犯行に及びました。実は、ジニーは、セリアとジェラールの実の娘でした。

セリアはかつてボイントン夫人の使用人で、客人として夫人の屋敷を訪れたジェラールと恋に落ち、ジニーを授かりました。しかし、ジニーはボイントン夫人に奪われてしまいます。出産後、セリアは屋敷を出たらしく、移民として海岸で保護されています。ポワロが大佐に要求していた使用人のリストと移民者のリストには、セリアらしき人物が記載されていたようです。

手口

ボイントン夫人はハチに刺されたわけではなく、セリア・ウェストホルムによって注射器で刺されていました。このとき、夫人は麻酔薬を投与され、日光浴を始めた後、全く身動きの取れない状況になっていました。

麻酔を打たれて動けなくなったボイントン夫人は、日差しにじりじりと焼かれながら、生き地獄を味わっていました。夫人が殺されたのは、ボイントン卿が騒ぎ出してサラとセリアが駆け付けたときで、このとき、セリアがボールペンを使ってボイントン夫人にとどめをさしました。

ボイントン卿が夫人を発見した時点で、夫人には血痕が付着していましたようですが、これはヤギの血でした。そして、ヤギの血を仕込んだのがジェラールです。ジェラールは、自分に投薬してあえて発作を起こし、ツアー最中にキャンプに戻るよう仕組んでいました。そして、ジニー、すなわち、自分の娘をテントで眠らせ、現地人の恰好をして、ボイントン夫人のもとへ向かいました。

ジェラールはロウで作ったボールの中にヤギの血を入れ、それを夫人に持たせました。日差しでロウが溶けることにより、時間差で血痕が広がるという仕掛けです。

自殺した乳母のテイラーは、ジェラールが幻覚剤を投与して自殺に追い込んでいました。乳母の“お父さん”発言は、乳母の父親のことではなく、虐待していたジニーの父親のことでした。ジェラールは、自分がジニーの父親であることを明かし、娘のジニーに暴力をふるったを責めていました。これがテイラーの精神を痛めつけ、テイラーは自ら命を絶ちました。

その他

ジニーを誘拐しようとしたのはシスターです。シスターは人さらいでした。金になる可愛らしい白人を狙っていたようです。往生際の悪いシスターは、謎解きの最中に逃亡するわけですが、砂漠で遭難します。

ジェファーソン・コープはボイントン夫人から虐待を受けていたもう一人の子供、すなわちレスリーでした。レスリーは女の子だと思われていましたが、実は男の子でした。コープはボイントン夫人に復讐するため、夫人の会社に関する悪い噂を流し、株価を暴落させました。夫人は新聞を見ることができなかったため、暴落を防ぐことができませんでした。

レナードが現地人と何やらやっていたのは、白骨を捏造するためでした。ボイントン卿が発掘した大発見は、息子が用意した偽物だったということになります。レナードがそんなことをしたのは、父親に大発見をさせたかったからでした。ポワロが発見した歯は、どうやら、捏造を示唆していたようです。

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トリック考察

 犯行時刻を早めるトリックが登場していました。犯行時刻もしくは死亡推定時刻が、発見された時よりも前であるということになれば、当然、発見時に、被害者に近づいた人物も容疑者から外れることになります。

 被害者が既に死んでいたようにみせるため、ヤギの血が使われています。この血はロウが溶けることを利用し、遅れて広がるようにしています。犯人達が被害者に近づいていないときに殺人が起きたようにみせるためのトリックだったと考えられます。

原作

原作は第23作目の長編小説「死との約束」ですが、ドラマ化にあたってかなり違う物語になっています。まず、原作小説にボイントン卿や乳母のテイラーは登場しませんし、シスターもドラマオリジナルのキャラクターで、誘拐騒動は原作に登場しません。

被害者となるボイントン夫人は原作小説とドラマで共通の登場人物となっており、支配的な親というキャラクターも変わりありません。しかし、原作では、看守だったという設定になっており、これが犯人の犯行動機になっています。ドラマは、ボイントン夫人の支配下にある子供を助けるため、という動機でしたが、これはドラマオリジナルとなっています。

ドラマでは描かれていませんでしたが、原作には、ボイントン夫人の子供達についてエピローグが挿入されており、全員が幸せな生活を送っていることがわかります。

ちなみに「死との約束」を映像化した作品として、三谷幸喜氏脚本、勝呂武尊(すぐろ・たける)シリーズの「死との約束」も有名だと思います。こちらは、原作に忠実な内容となっています。

みんなの感想

 原作小説のレビューをご紹介します。

一気読みしたあと、ドラマ名探偵ポワロも見ましたが、個人的にはドラマも好き。原作はラストがほっこりですね。

三谷幸喜のTVドラマを見てしまったので、登場人物が野村萬斎やら松坂慶子やらに変換されて浮かんだ。

「ナイルに死す」に続く中近東シリーズの作品。エキゾチックなゴージャスさではナイルに及ばないが、安定した面白さは保証できる。

原作は、殺人にトリックなどがなく、ただ被疑者が全員嘘をついていて、食い違う彼らの供述から真相に迫ってゆくタイプのストーリー。解決編のどんでん返しぶりはさすが。

オリエント急行の話が出てきたくだりにドキッとした。クリスティの色んな作品に言えることだけど、人の心を少しずつ紐解いていく過程がやっぱり面白い。派手なトリックがなくても楽しめる。

感想

娘を解放するためにお父さんとお母さんが助けにくるといういいお話でした。しかも、父も母もその場で自害してしまうという結末です。胸が苦しくなるラストでした。この結末は、ドラマオリジナルですので、他のポワロのエピソードとは違う印象です。

まとめ

 名探偵ポワロ「死との約束」について、あらすじ、真相、トリック考察および解説、感想・雑談をご紹介しました。最後に、登場人物とロケ地についてご紹介します。

登場人物

事件関係者は以下の通りです。

名前 説明 解説
ボイントン夫人
Lady Boynton
被害者 養子の子供達を乳母に虐待させていた
麻酔を打たれて放置されたあと刺殺される
セリア・ウェストホルム
Dame Celia Westholme
旅人
犯人
ジニーの実の母親
ボイントン夫人に駆け寄りボールペンで
テオドール・ジェラール
Dr. Gerard
精神科医
犯人
ジニーの実の父親
自分に薬を投与し意図的に発作を起こしキャンプへ戻った

ロケ地

ポワロやボイントン夫人達が滞在していたホテルはモロッコにあるMahkamat al-Pasha(マカマト・アル・パシャ、地図ではMahkama of Pacha)で撮影されています。少なくとも、ホテルではなさそうです。

拡大地図を表示することで外観などを確認できます。

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