名探偵ポワロ第16話「二重の罪」のあらすじとネタバレ、トリック解説、感想・考察です。ある若い女性が運んでいた細密画が何者かに盗まれます。
項目 | 内容 |
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シーズン | 2 |
エピソード | 6 |
放送日(英国) | 1990年2月11日(日) |
放送日(日本) | 1991年1月22日(火) |
出演者 | キャスト一覧 |
あらすじ
ポワロとヘイスティングス大尉はバスで若い女性と顔見知りになる。メアリ・ダラントというその女性はクライアントに売るため、1500ポンドもの価値がある細密画をトランクにいれていた。そして、一行が目的地に到着すると、細密画の盗難が発覚する。盗まれた細密画はクライアントが代金を払って受け取っていた。細密画が盗まれたのは昼食休憩中だと考えられ、ある男が容疑者となります。大尉と警察はノートン・ケインというその男を見つけ捕まえますが、彼は犯人ではなかった。
事件概要
細密画を運んでいたメアリ・ダラントは古美術商の見習いで、おばのミス・ペンという女性と仕事をしています。ミス・ペンは足が悪く、車いすのため、移動は容易ではなさそうです。クライアントはベッカー・ウッドというアメリカ人で、年配の女性から細密画を手に入れています。つまり、犯人は金を手に入れて逃亡したということになります。なお、ウッドが所持していた細密画は盗難品かもしれないという理由で警察に没収されます。
ヘイスティングス大尉が追っていたノートン・ケインという男性は犯人ではありません。彼は作家で、ある女性と駆け落ちの真っ最中でした。不審な行動の理由も、この駆け落ちです。
ネタバレ
盗難はメアリの狂言です。本当は盗まれておらず、メアリは嘘をついていました。ウッドに細密画を渡したのはミス・ペンです。車いすで生活していますが、足は不自由ではありません。立って歩くことが、普通にできます。盗まれたようにみせた理由は細密画も手に入れるためです。盗難品は持ち主のもとに戻る可能性が高いため、成功すれば、販売代金だけではなく細密画も手元に残すことができます。
トリック
狂言盗難でした。メアリがバスの車内で「高価な細密画を運んでいる」と大きな声で話したのは、容疑者を増やすための発言でした。細密画を運んでいることがそもそも周知でなければ、容疑者はかなり狭くなります。
足
車いすに乗っている人物を見たら、おおくは、その人は歩けないと判断するはずです。犯人はこのような人の認識を利用し、容疑者から外れました。車いすで移動できたとしても、取引の相手がその特徴に気付かないはずがありません。
名前
ミス・ペンとウッドは会ったことがないはずです。しかし、ポワロに集められた時、ペンはウッドの名前を呼んでいます。これがミスとなり、ペンとウッドは初対面ではないことが証明されます。
考察
犯人はわざと高価な品物を運んでいると話していました。もしも、この嘘がなければ、大尉や警察はノートンを追わなかったかもしれません。とても怪しい人物(ノートン)がいたので、捜査は攪乱されましたが、彼は盗難には何も関係ありませんでした。おそらく、ノートンがいない場合でも、他のバスの乗客が疑われていたのだろうと思います。
固定観念
ミス・ペンのように障がい者を装って人をだますというのは、現代でもあるようです。障がい者を装うという部分が特に卑劣ではないかと思います。このような詐欺に引っ掛かってしまうのは、車いすに乗っている人は歩けない、という思い込みが影響しています。車いすの人が歩ける、というのは「シャーロック・ホームズの冒険」などにもありますが、このほかにも、ミステリー作品では、思い込みが登場することが多いです。
感想
犯人は最後走って逃げようとしました。面白いです。立ち上がれない、歩けない、もちろん走ることなんて不可能、という主張を貫けば、犯行を完全に立証することはできなかったかもしれないです。しかし、走って逃げてしまったら、もう言い逃れはできません。
二重とは
結局、何が二重だったのか、と悩んだりしています。車いすを使って人を騙したことと、細密画の盗難事件ことだと思いますが、細密画が盗まれたという嘘をついたことと、盗品になることを知りながら取引し金をだまし取ったことかもしれません。罪ということで考えるならば、詐欺(盗品となる…以下略)と虚構申告(盗難という嘘)になるのかなと思ったりもします。
sin
原題は「double sin」で二重の罪と訳せるようです。sinをサインと読むかシンと読むかで、文系か理系かを調べることが出来そうな気がします。しかしながら、私は理系なのにシンと読んだのであまりあてにはなりません(英語の「罪」という意味でシンと読んだのではなく、ローマ字読みで、日本語らしく、シンと読みました)。
まとめ
名探偵ポワロ「二重の罪」について、あらすじ、真相のネタバレ、トリック考察および解説、感想・雑談をご紹介しました。
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