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メソポタミア殺人事件|徹底解説・あらすじ・ネタバレ・登場人物など【ポワロ49】

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メソポタミア殺人事件』は伯爵夫人に呼び出されたポワロがイラクへと向かい、密室殺人に遭遇するエピソードです。この記事では、あらすじと登場人物、ネタバレ、原作とドラマの違い、感想などをまとめています。

Murder in Mesopotamia
項目
シーズン 8
エピソード 2
長さ 1時間38分
放送日(英) 2001年6月2日(土)
放送日(日) 2002年1月2日(水)
出演者 キャスト一覧
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あらすじ

 伯爵夫人からイラク首都のバグダッドへと呼び出されたポワロは、たまたま遺跡発掘現場を訪れていたヘイスティングス大尉と合流する。伯爵夫人と再会できずにいたポワロは、大尉と共に発掘隊の宿舎へと向かいますが、そこでは発掘隊のアラブ人が殺害されるという事件が発生しているようだった。

 そんな折に、ライドナー博士の妻であるルイーズから、命を狙われているかもしれないと相談される。ルイーズは脅迫状を受け取っている様子で、夜中に窓の外で不気味な顔を目撃し、ことさらひどく怯えていた。そんなルイーズが宿舎の一室で殺害されてしまう。その現場は密室状態で不可能犯罪の様相を呈していた。

事件概要

伯爵夫人は二重の手がかりに登場した女性です。ポワロといろいろあった女性が手紙でポワロを呼び出すという物語の発端ですが、事件の方にはほとんど関係がなかったりします。ただ、伯爵夫人の真意がラストに明かされます。

事件の発端といえるのは、ルイーズによる脅迫状の相談です。ルイーズにはライドナー博士以外にも結婚歴があり、ほとんど面識のないその元夫は列車事故で死亡したことになっています。夫と死別したルイーズは別の男性との結婚を進めようとしますが、結婚の話が持ち上がると決まってルイーズに脅迫状が届きました。しかしながら、ライドナー博士と婚約した時には脅迫状が届かず、無事に、結婚することができました。もう脅迫状は届かないと考えていたルイーズだったのですが、またしても脅迫状が届いてしまいます。この脅迫状に関する疑問、例えば、ライドナー博士との結婚時には脅迫状が届かなかったのはなぜか、そして、見かけ上は何も問題がなさそうなルイーズに再び脅迫状が届いたのはなぜかなどなどは、真相へとつながる謎になっています。

ルイーズが殺されたのは宿舎の部屋で、頭を強く打ったために死亡していました。現場となった部屋は密室状態、すなわち、窓には鉄格子があるため人の出入りはできず、唯一の出入口である扉は衆人環視の状況下にあり、誰にも見られずに部屋に入るというのは不可能でした。なお、衆人環視については微妙な空白時間があったりもします。ルイーズ殺害について、容疑者は宿舎の人間に絞られることになりますが、それぞれ犯行推定時刻にアリバイらしきものがあります(手口が謎めいているので、たとえ離れた場所にいたとしても、犯行は可能なのかもしれません)。

ルイーズ殺害に関連して、アン・ジョンソンという調査員も飲み水と硫酸をすり替えられて殺されてしまいます。アンはルイーズの死体が見つかる直前に、悲鳴を耳にしており、このことからルイーズが死んだ部屋の窓は開いていたと推測されます。そんなアンは、亡くなる前、ポワロに“窓”というメッセージを残しますが、このメッセージもまた謎めいています。

アラブ人殺害事件についてですが、これは、物語の途中で真相が明かされます。アラブ人を殺したのはジョゼフ・マーカードで、麻薬中毒者でした。そんな彼はアラブ人殺害を自白する手紙を残して、拳銃自殺します。印章が紛失するという事件も密かに起きていたり、神父が怪しかったりしていますが、これらはルイーズ殺害にあまり関係がありません。

登場人物

  • エルキュール・ポアロ
    ベルギーの著名な探偵
  • エイミー・レザラン
    ライドナー夫人の看護にあたる(小説では物語の語り手)
  • エリック・ライドナー
    イラクのアッシリア遺跡調査隊の隊長を務める考古学者。ルイーズの夫
  • ルイーズ・ライドナー
    エリックの妻。絶世の美女だが、神経質で何かに怯えている。元夫フレデリ ック・ボスナーとの過去がある
  • フレデリック・ボスナー
    ルイーズの最初の夫。スパイ容疑で逮捕され、脱走後に死亡したとされていた
  • アン・ジョンソン
    調査隊員。ルイーズの叫び声を聞いたと証言する
  • リチャード・ケアリー
    調査隊員。ルイーズと惹かれ合っていたとされる
  • シーラ・ライリー
    メイトランド署長の娘。ルイーズの人間性についてポアロに語る(原作ではライリー医師の娘、ライリー医師は原作のみの登場)
  • ラヴィニ神父
    碑文学者
  • ジョーゼフ・マーカド
    歴史家。麻薬中毒者
  • マリー・マーカド
    ジョーゼフの妻
  • ビル・コールマン
    発掘助手
  • メイトランド
    現地の警察署長。ポアロに事件捜査を依頼する
  • デイヴィッド・エモット
    発掘助手(原作のみ)
  • カール・ライター
    写真家(原作のみ)
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ネタバレ

犯人はエリック・ライドナー博士です。ライドナー博士は列車事故で死んだと思われていたルイーズの元夫で、脅迫状を送っていたいたのも実はライドナー博士でした。

列車事故に遭ったライドナー博士は自分が死んだようにみせたあと、ルイーズの結婚を阻止するために、脅迫状を送っていました。ライドナー博士とルイーズが結婚した時、脅迫状が届かなかったのは、ライドナー博士が送り主だったからです。そして、再びルイーズに脅迫状が届いたのは、ルイーズがリチャード・ケアリーという調査員と不倫していたためです。不倫に気付いた夫、すなわちライドナー博士が脅迫状を送り、その後、犯行に及んだということになります。脅迫状の筆跡がルイーズに似ていたのは、博士がルイーズの自作自演にみせるために、あえて筆跡を似せていました。

犯行の手口ですが、ルイーズは窓から顔を出した時に、上から石臼を落とされて死亡しました。その後、第一発見者となった犯人;ライドナー博士が死体や絨毯を動かして、窓の付近で死んだらしいという証拠を全て隠滅しました。ルイーズが窓から顔を出したのは、窓の外に仮面が浮いていたからです。仮面を見たルイーズは誰がこんなくだらない悪戯をしているのかと思い、窓から屋上を見上げました。その瞬間に、屋上にいたライドナー博士が石臼を落としました。

印章はウィリアム・コールマン(愛称ビル)が失くしていました。彼は倉庫に置いたと証言していますが、これは嘘です。また、ラヴィニー神父は盗っ人で、そもそもラヴィニー神父という人物ではありませんでした。

 ネタバレありで事件関係者をまとめると以下のようになります。

名前 説明 解説
ライドナー博士
Dr. Leidner
考古学者
犯人
被害者の夫
妻の不倫を知り犯行に及ぶ
ルイーズ・ライドナー
Mrs. Leidner
博士の妻
被害者
ある調査隊員と不倫をしていた
窓の外の仮面を覗き石を落とされ死亡する
アン・ジョンソン
Anne Johnson
調査員
二人目の被害者
ルイーズの悲鳴を耳にした女性
口封じのために殺害される
リチャード・ケアリー
Richard Carey
調査員 ルイーズとの関係が噂されていた
実際に不倫相手だった
ビル・コールマン
Bill Coleman
調査員 ヘイスティングス大尉の甥
印章を失くしたが、このことを隠していた
ジョゼフ・マーカード
Joseph Mercado
マリーの夫
麻薬中毒者
アラブ人殺害の犯人
アラブ人殺害を悔いて自殺する
マリー・マーカード
Mrs. Mercado
ジョゼフの夫 ルイーズ殺害時は髪を洗っていたと話す

トリック

 高所から物を落として殺害するという手口が登場します。この殺害方法を隠蔽し、何者かに殴られたようにみせるため、犯人自らが第一発見者となり証拠(窓のそばに転がった死体、血の付着した絨毯など)を隠滅しました。これにより、何者かによって殴られて死亡したらしいという見立てとなり、結果的に密室ができあがっています。

 今回の事件に使われた石臼はそこら辺に転がっているため、特に隠蔽の必要はありませんでした。これは、ありふれたものを使うトリックであると言えるかもしれません。その他、確実に被害者が窓から顔を出すようにするため、事前に、仮面を使って被害者を怖がらせておくというトリックも登場しています。夜であれば、窓の外の仮面は心霊現象のようにみえますが、昼間だと、何かで吊り下げた仮面というのがバレバレになります。被害者は夜の仮面でひどい目にあっているので、怒りからその正体を突き止めるために窓から顔を出すというのは、心理的に納得できそうな行動です。

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原作小説とドラマの違い

デヴィッド・スーシェさん主演のドラマ版は原作に概ね沿っていますが、いくつかの変更点があります。

  • ヘイスティングズ大尉の登場
    原作には登場しないヘイスティングズが、ポワロの友人として登場し、事件に絡みます。これにより、原作の語り手であるエイミー・レザランの活躍が原作よりも少なくなっています
  • 登場人物の削除
    ライリー医師、ライター、エモットといった一部の原作キャラクターがドラマでは登場しません
  • 登場人物の設定変更
    シーラはライリー医師の娘からメイトランド署長の娘に変更されています。また、ビル・コールマンはヘイスティングズの甥という設定が追加されています
  • 追加されたエピソード
    遺跡の中でアラブ人が首を絞められる事件や、ジョーゼフ・マーカドが自ら命を絶つエピソードは、原作にはないドラマオリジナルの内容です。ポワロがバグダッドへ向かうきっかけになったロサコフ伯爵夫人に関する内容もドラマオリジナルです
  • ルイーズ・ライドナーの配役
    原作では「絶世の美女」と描写されるルイーズですが、ドラマ版の女優は原作の設定よりも年齢が高くなっています
  • ロケ地
    イラクではなくチュニジアで撮影されており、異国情緒あふれる雰囲気は出ていますが、原作の設定とは異なります

感想

ポワロと蚊の争いが笑えます。蚊ぐらいいいではないか、と思ったりもしますが、土地柄、恐ろしい感染症を持っていそうな蚊なので、抹殺した方がいいに違いありません。それにしても、手帳に手が届かなくなって蚊を一度リリースするという無計画さは、だいぶ名探偵らしくないです。

伯爵夫人から連絡を受け取り、はるばるイラクまでやってきたポワロですが、伯爵夫人の用件は金でした(ホテルの支払いのためにポワロは呼び出された)。ポワロは都合のいい、おサイフ的な存在だったということで、ポワロにとっては悲劇でしかないと思いますが、なぜだかとっても顔がにやけてしまいます。

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