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ロング・ナイト沈黙的真相|あらすじ・ネタバレ解説・相関図

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 ロング・ナイト 沈黙的真相』のあらすじと真相、登場人物、相関図、感想などをまとめています。ロング・ナイトは2020年に中国で放送されたサスペンスドラマで全12話です。原作は推理作家の紫金陳(ズ・ジンチェン)氏による「長夜難明(長い夜)」です。

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あらすじ

 2010年、江潭(ジャンタン)市にある地下鉄の駅で、大型スーツケースを持った男がスーツケースに爆弾が入っていると騒ぎ始める。男は駆けつけた公安の刑事によって逮捕されるが、スーツケースに入っていたのは爆弾ではなく、男性の死体だった……。

 騒動を起こしたのは弁護士のジャン・チャオ(張超)で、スーツケースに入れられていたのは、検察官のジアン・ヤン(江陽)だった。警察の取り調べに対し、ジャン・チャオはジアン・ヤン殺害を認めるが、初公判で供述を覆し、無実を主張し始める。厄介な事件を扱うこととなった局長はイエン・リアン(厳良)を捜査チームに加える。イエンは性格に難のある刑事だったが、腕は確かだった。

 イエン・リアンの取り調べに対し、ジャン・チャオは真犯人をみつけるよう話す。そして、24日目に全てが明らかになるとも伝えるのだった。後の捜査により、ジャン・チャオには確かなアリバイがあることが判明する。

 その頃、新聞記者のジャン・シアオチエン(張暁倩)に郵便で手紙と写真の切れ端が届く。差出人は“HGP”と名乗る人物で、手紙の内容は写真を新聞の一面に載せなければ、市内のどこかを爆破するという脅迫だった。九分割された写真は三日ごとに一つずつ送られ、24日後に全てが揃う。そしてそのとき、ジアン・ヤン殺害の犯人が明らかになるという。

 イエン・リアンは差出人を特定するため、新聞スタンドの張り込みを指示する。さらにジアン・ヤンの元恋人であるウー・アイコー(呉愛可)に事情を聴き、ジアン・ヤンがホウ・グイピン(侯貴平)の事件を調べていたことを知る。イエン・リアンはHGP=ホウ・グイピンであると推察するが、10年前の2000年にグイピンは死んでいた。

 ホウ・グイピンは田舎の村で教師を務めていた大学院生で、教え子が暴行され自殺した事件について警察に再調査を訴えていた。しかし、その後、ホウ・グイピンは謎の死を遂げる。公安の記録には、教え子に暴行をはたらいたのち、自殺したと記載されていたのだが、グイピンの恋人だったリー・ジン(李静)は自殺に疑いをもち、2003年にジアン・ヤンに再捜査を依頼していた。そして、このリー・ジンが2010年の地下鉄事件で逮捕されたジャン・チャオの妻だった。

上記のあらすじは、1話と2話の内容をまとめています。

登場人物とキャスト

主な登場人物とキャストです。リアオ・ファンさんとホアン・ヤオさんはwikipediaのリンクとなっていますが、それ以外の方はgoogle検索結果のリンクとなっています。

名前 キャスト 説明
ジアン・ヤン
江陽
バイ・ユー
白宇
検事
トランクの死体
イエン・リアン
厳良
リアオ・ファン
廖凡
刑事
ホウ・グイピン
侯貴平
ルー・スーユー
陆思宇
教師
ジャン・チャオ
張超
ニン・リー
宁理
地下鉄事件の容疑者
リー・ジン
李静
タン・ジュオ
譚卓
ジャン・チャオの妻
ジャン・シアオチエン
張暁倩
ホアン・ヤオ
黄堯
新聞記者
ジュー・ウェイ
朱偉
ジャオ・ヤン
赵阳
刑事
チェン・ミンジャン
陳明章
ティエン・シアオジエ
田小洁
監察医
リー・ジエングオ
李建国
ツァオ・ウエイユイ
曹卫宇
捜査課課長

相関図

主要登場人物の相関図をまとめると次のようになります。

ロング・ナイトの登場人物相関図

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事件概要

2010年の出来事に、過去の事件が絡んできます。基本的に、2010年はイエン・リアン、2003年はジアン・ヤン、2000年はホウ・グイピンの行動が描かれています。演出によって、やや混乱することもありますが、イエン・リアンが登場したら2010年の出来事、グイピンは2000年と断定できます。ジアン・ヤンは重要人物ですので、2003年から2010年の地下鉄事件まで、その言動が描かれることになります。

物語の発端は地下鉄の爆弾騒動と、スーツケースの中から見つかったジアン・ヤンの死体で、これにホウ・グイピンの死が関わっています。検事であるジアン・ヤンはホウ・グイピンの死を再調査していたようですが、ジアン・ヤンには賄賂などの悪い噂がたっており、世間には悪徳検事と認識されていました。そんな検事が謎の死を遂げ、死体を運んでいた容疑者は無実を主張。さらに、HGPなる人物から手紙と写真が届きます。HGPはホウ・グイピンを連想させますが、彼は10年近く前に死亡しています。

ここまでは、おおむね1~2話までのストーリーとなっていますが、謎は既に出そろっています。まとめると次のようになります。

  • スーツケースの中に入っていたジアン・ヤンは何故死んだのか?犯人はジャン・チャオではないのか?
  • 手紙と写真の差出人であるHGPは何者か?
  • 写真には何が映っているのか?
  • ホウ・グイピンは自殺ではないのか?

用語:雪だるま連続殺人事件

イエン・リアンが解決した事件の一つです。ロング・ナイトは紫金陳(ズ・ジンチェン)氏による推理之王シリーズの三つ目の作品となっており、雪だるま連続殺人事件は一作目の「無証之罪」に登場します。現在、小説は翻訳されていませんが、ドラマ化はされています。タイトルは「バーニング・アイス無証之罪」です。

ロング・ナイトの中で『雪だるま連続殺人事件』という言葉が何度か登場しますが、特につながりはないので、雪だるま事件について知らなくても問題ありません。例えるならば、金田一耕助シリーズでいうところの本陣殺人事件、古畑任三郎シリーズでいうところのスマップ事件みたいな位置づけとなっています。

余談ですが、推理之王シリーズの二作目は「坏小孩」で「悪童たち」という翻訳が出版されています。ドラマ化もされており、タイトルは「バッド・キッズ 隠秘之罪」となっています。なお、いずれの作品にもイエン・リアンが登場しますが、俳優さんは三作品とも違う方が演じています。

タイトル 翻訳 ドラマ
無証之罪 バーニング・アイス
無証之罪
坏小孩 悪童たち バッド・キッズ
隠秘之罪
長夜難明 検察官の遺言 ロング・ナイト
沈黙的真相

用語:江潭市

物語の舞台となる江潭(ジヤンタン)市などは架空の都市ですので、実在しません。原作小説は浙江省にある杭州市や金華市が舞台と考えられており、ここから、ドラマに登場する江潭市は杭州市、清州市は金華市と推測されています。杭州市と金華市は実在する都市で、上海南部にある都市です。

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各話のストーリー

1話から最終話の12話まで、ハイライトをまとめます。内容にはネタバレが含まれます。

ハイライト
  • #01
    終わりの始まり
    地下鉄爆弾騒動が発生
    ジャン・チャオが逮捕され容疑を認める
    ジャン・チャオが初公判で無罪を主張する
  • #02
    パズル
    HGPから脅迫文と破られた写真が届く
    新米検事のジアン・ヤン登場
  • #03
    パンドラの箱
    ジアン・ヤンがホウ・グイピンの死について再調査を開始しようとするが、公安は非協力的
    監察医のチェン・ミンジャンから本当の検死報告書があることを知らされる
    ポストの張り込みでゴミ拾いホームレスが登場する
  • #04
    学校
    ホウ・グイピンが田舎の学校に赴任
    名誉校長登場
    茶髪がグイピンの教え子を連れて行く
    教え子が自殺してしまう
    イエン・リアンと部下が物干し竿について調べ始める
  • #05
    写真
    ホウ・グイピンが写真を現像しようとする
    写真屋の店主が原因となって、ホウ・グイピンを始末する計画が動き出す
    ホウ・グイピンに関して重要な事実を知った少女が現れる(匿名で警察に電話をかける)
    刑事のジュー・ウェイ登場
  • #06
    証言
    ジアン・ヤンとジュー・ウェイがホウ・グイピンに暴行された女性に話を聴くが、確証は得られない
    イエン・リアンにチェン・ミンジャンが証拠品を渡す
    新聞が急遽休刊となったため、HGPの脅迫通り、爆発事件が発生してしまう
    ホームレスの正体が明らかになる
  • #07
    ジアン・ヤンらはホームレスの捜索を開始する
    ホウ・グイピンに暴行された女性(ディン・チュンメイ)が行方不明になる
    爆発は粉塵爆発だったことが明らかにされる
    手すりが発見される
    茶髪、フー・イーラン、会長を逮捕するが失敗に終わる
  • #08
    孤立
    ジアン・ヤンとジュー。ウェイが襲われていた茶髪を助ける
    茶髪がグイピンは写真とリストを持っていたと話す
    茶髪が公けの場でジュー・ウェイに脅迫されたと証言する
    ジアン・ヤンがウー・アイコーと別れる
    ジュー・ウェイが警察学校に送られる
    介護用の手すりはジャン・チャオの両親が亡くなったあとに購入されたことが判明
    ジアン・ヤンがリー・ジンからグイピンの手紙と写真の受取票を受け取る
    ジアン・ヤンが写真屋の店主と接触
    写真屋のおじさんが踊り出す
    写真屋が火事になる
  • #09
    刑事
    ホームレスの目撃情報を得るが逃げられる
    新聞記者のジャン・シアオチエンがフー・イーランと会食「どこかで会っていないか」
    三年が過ぎ、ジュー・ウェイが復帰する
    復帰を祝う食事会でチェン・ミンジャンの退職と起業が判明
    ジアン・ヤンは結婚し子供がいる
    茶髪は失踪、写真館は火事になり主人は死亡
    ホウ・グイピンに暴行された女性(ディン・チュンメイ)を殺したとされる男が逮捕され、チュンメイの死体が発見される
    リー・ジエングオの妨害により、男が死亡する
    ジアン・ヤンらが男の死体を調べようとするが火葬されてしまう
  • #10
    残り時間
    ジアン・ヤンが収賄罪で捕まる
    二年後にジアン・ヤンが出所
    半年後、検察長によって重要な証拠が渡される
    ジアン・ヤンの財布…
    ジアン・ヤンの病気が発覚
    ジアン・ヤンは自殺か?
    イエン・リアンがおもちゃの車を調べ始める
  • #11
    目撃者
    カーングループの指示によって新聞が行方不明になる
    ネットで爆破のカウントダウンが始まり住民がパニックになるが、爆発は発生せずに済む
    イエン・リアンとジュー・ウェイが対峙する
    最後の証人が登場する
  • #12
    真相
    最後の証人を巡って銃撃戦が発生
    ジアン・ヤンの計画が明らかになる

ネタバレ

スーツケースの中で死体となって見つかったジアン・ヤンは、検事としてホウ・グイピンの死について調べていましたが、権力に妨害され、犯罪を立証できずにいました。その犯罪というのが、巨大企業のカーン(卡恩)グループと副市長の娘婿によって行われた性的な接待でした。

ジアン・ヤンが、刑事のジュー・ウェイや監察医のチェン・ミンジャンと共に捜査を開始したのは2003年でした。しかし、捜査妨害によってことごとく証拠を隠滅されてしまい、最終的にジアン・ヤン達が決定的な証拠を手に入れたのは2009年のことでした。その証拠というのがHGPの写真と接待被害者の名前を書いたメモだったわけですが、警察が敵になっているため、普通に公表しても、また証拠を握りつぶされてしまうかもしれません。そこでジアン・ヤン達は確実に告発する計画を立案。その一端が地下鉄の爆発騒動となります。

ジアン・ヤンは自殺です。介護用の手すりなどを使い、機械仕掛けで首が絞まるようにし、自殺を他殺にみせていました。理由は、評判のよくないジアン・ヤンが自殺したところで大して話題にはならないためです。

ジアン・ヤンには協力者がいました。ホウ・グイピンの捜査に協力していたジュー・ウェイやチェン・ミンジャンはもちろんですが、スーツケースを運んで容疑者となったジャン・チャオと妻のリー・ジンも、計画のすべてを知った上で協力していました。そして、HGPから写真などを受け取っていた新聞記者のジャン・シアオチエンも協力者の一人です。ジャン・シアオチエンは実は接待の被害者でした。

HGPを名乗って郵便物を送っていたのはジュー・ウェイです。ドラマの中で小汚い男が登場していましたが、これがジュー・ウェイでした。送りつけていた写真はホウ・グイピンが撮った接待の証拠写真で、そこには、接待被害者や副市長の娘婿、警察関係者、茶髪などが映っていました。決定的な証拠を手にしたホウ・グイピンは口封じのために命を奪われてしまいます。

時系列

2000年に起きたホウ・グイピンの死から2010年の地下鉄事件までの出来事をまとめます。

ハイライト
  • 2000
    ホウ・グイピンが教師になる
    ホウ・グイピンの教え子が自殺し、ホウ・グイピンが茶髪を告発
    ホウ・グイピンが写真を撮影(HGPの破られた写真)
    写真屋が火事になる
    ホウ・グイピン死亡
  • 2003
    ジアン・ヤンがホウ・グイピンの事件を調べ始める
    ホウ・グイピンが暴行したとされる女性に尋問
    その女性が行方不明になってしまう
  • 2006
    茶髪の偽証によって左遷されたジュー・ウェイが復職
    ジアン・ヤンは妻子持ちとなる
  • 2007
    行方不明になっていた女性の死体がみつかり、容疑者が捕まる
    リー・ジエングオが容疑者の取り調べに割り込む
    取り調べ中に容疑者が死亡し、火葬されてしまう
    ジアン・ヤンへの脅迫が始まる
    ジアン・ヤンが賄賂を受け取ったことにされ逮捕
    ジャン・チャオがジアン・ヤンの弁護士とる
  • 2009
    ジアン・ヤンが懲役2年を終え出所し携帯修理を始める
    検察長がジアン・ヤンに保管していた写真とメモを渡す
    ジアン・ヤンの癌が発覚する
    ジアン・ヤンが告発の計画をたて、ジャン・チャオがより効果的な計画を立案する
    ジュー・ウェイ、チェン・ミンジャン、リー・ジン、ジャン・シアオチエンが計画に参加
  • 2010
    ジアン・ヤンが他殺にみせかけて自殺
    ジャン・チャオが死体を運搬し地下鉄で爆弾騒動を起こす
    ジャン・チャオが逮捕され、無実を訴える
    イエン・リアンが捜査に参加
    HGP(ジュー・ウェイ)から写真の切れ端と脅迫文が届く

感想

時系列が入り乱れていることもあり、最初はひどく濃い霧の中にいる感じでした。各話の最後に登場する破られた写真の演出に引き込まれたり、個人的に中国のミステリーというのが珍しかったりしたので視聴していたわけですが、水を運んでいたおじさんの正体が判明したあたりで、ちゃんと見ていてよかったなと思いました。

原作にも興味をもったのですが、翻訳されていないようで、残念です。ネットで原作者は中国の東野圭吾と称されていたりしたので、俄然興味も湧きましたが、翻訳作品は少ないです。(原作者の紫金陳氏は三十代で、東野圭吾氏は六十代なので、年齢はだいぶ違っています)

マオタイ酒

ジアン・ヤン、チェン・ミンジャン、ジュー・ウェイが飲んでいたマオタイ(茅台)酒は、500mlで5万円以上する超高級酒です。

まとめ

 「ロング・ナイト 沈黙的真相」について、あらすじ、真相、登場人物、相関図などをご紹介しました。

主謀者

  • ジアン・ヤン(江陽)
    権力者の悪行を暴こうとするが、ことごとく証拠を潰されてしまう。仕事や家族を失いつつも、最終的には決定的な証拠を手に入れることになる。確実に告発するため、大事件を発生させて注目を集めるという計画を立て、成功する。

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