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エジプト墳墓のなぞ|あらすじ・ネタバレ解説【ポワロ34】

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 名探偵ポワロ第34話「エジプト墳墓のなぞ」のあらすじとネタバレ、トリック解説、感想・考察です。王家の谷でメンハーラ王の墓を暴いた調査隊員のリーダーが墓の中で急死し、発掘に関わった隊員も次々に死んでいきます。

The Adventure of the Egyptian Tomb
項目 内容
シーズン 5
エピソード 1
放送日(英国) 1993年1月17日(水)
放送日(日本) 1993年7月3日(土)
出演者 キャスト一覧
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あらすじ

 王家の谷でメンハーラ王の墓を発見した調査隊だったが、墓に入ると突然リーダーのウィラード卿が心臓発作で死亡してしまう。ウィラード卿の妻レディー・ウィラードは調査を引き継ぐ息子ガイ・ウィラードを案じ名探偵ポワロに相談する。ウィラード卿の死が病死であることは明らかだった。しかし、隊員の一人がニューヨークで自死し、もう一人が敗血症で命を落としてしまう…。

 ポワロとヘイスティングス大尉が調査のために、王家の谷に到着すると、今度は調査隊員の一人が破傷風によって死亡する。メンハーラ王の呪いとも思える連続死亡事件。ポワロが毒を盛られ、そしてまた、食事中にロバート・エイムズ医師が体調不良を訴える。

事件概要

最初に亡くなったのはジョン・ウィラードで調査隊のリーダーでした。死因は心臓発作です。二人目が資産家のフェリックス・ブライブナーで、王家の谷で敗血症を発症し死亡しました。三人目はルパート・ブライブナーでNYで拳銃自殺しています。四人目はメトロポリタン美術館の研究者ヘンリー・シュナイダーで死因は破傷風です。破傷風の血清を使用したにも関わらず、死亡してしまったようです。ルパートを除き全員が病死といえます。食事中に具合が悪くなった医師のロバート・エイムズですが、彼は大事には至っていません。なお、王家の谷でポワロも毒を盛られ、殺されそうになります。

自殺したルパートは遺書を残していました。遺書には不治の病を患ったためと書いてありました。自殺する前に、大尉がルパートと話していますが、このとき彼は白い絹の手袋をしていたようです。さらに、王家の谷にいたとき、手に発疹があったことも判明します。

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ネタバレ

犯人はロバート・エイムズです。医師という立場を利用して、病死にみせかけて次々の隊員を殺害していました。動機は金です。エイムズ医師は、敗血症で死んだフェリックス・ブライブナーの遺産を相続する立場にありました。それは、フェリックスの甥であるルパートが、酔った勢いで、エイムズに全ての財産を渡すという遺言状を残したためです。つまり、フェリックスが死に、ルパートも死ねば、遺産はエイムズのものになります。

ウィラード卿の死は、偶然起きた、突然死でした。犯人はこれを利用して、呪いで人が病死しているようにみせるため、次々に隊員を殺していました。エイムズは、敗血症と破傷風を意図的に発症させ、二人殺害しています。自殺したルパートは、当時、不治の病だったハンセン病であると診断し、自殺に追い込みました。自ら被害者になることで容疑者から外れようともしています。ポワロに毒をもったのも、アヌビスをみせたのも、エイムズです。これらはポワロと大尉を追い払うことが目的でした。

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トリック

 医者が犯人でした。治療する振りをして、破傷風などの感染症をうつし、患者を次々に殺していました。経緯はどうであれ、死因は敗血症*1や破傷風となります。犯人は呪いで死んだという偽装も用意しています。

*1敗血症は感染症が原因で生じる臓器不全

自殺教唆

 医者が嘘の診断を下して、患者を自殺に追い込むという殺害方法が登場します。自殺した患者は遺書にハンセン病と書いていたようですが、ポワロ達は読み間違えたようです*2

*2ハンセン病患者は英語でleperですが、この英単語には、のけ者、という意味もあるようです。吹き替えではトリックがわかりにくくなっています(トリックというか誤解ですが)。遺書を読んだポワロはのけ者になったから自殺したと勘違いしていました

考察

 医師が死亡診断書に偽りを書くというのではなく、実際に感染させて死亡させていました。ナイフで刺し殺して、診断書を偽装しても同じことのように思えますが、もしも土葬の場合、後々に証拠が残ってしまうかもしれません。

呪い

 人が次々に死んでも怪しまれないようにするため、墓の呪いを利用したようです。標的は遺産相続に関連する二人だけでしたが、隊員をもう一人殺害することで、呪いに信憑性を持たせようとしていたのかもしれません。

感想

アヌビスが登場したあたりで、これは呪いではないと確信した気がします。影とはいえ、実体があり過ぎだったような……。とはいえ、呪いが似合うエジプトで、墓を暴いたリーダーが突然、死亡したら、呪詛を信じたくなってしまいそうです。真相は医者が犯人だったわけですが、これは、むしろ、呪いよりも恐ろしい結末でした。

王家の呪い

王家の呪い(ファラオの呪い、ツタンカーメンの呪い)、という都市伝説があるようです。王家の谷でツタンカーメンの墓を発掘し、ミイラを取り出したカーナヴォン卿や関係者、そして、家族が次々に死亡したという伝説です。ほんとうのところ、亡くなったのはカーナヴォン卿だけだったようです。カーナヴォン卿もはっきりと病死であることがわかり、発掘が関係していたわけではありませんでした。呪いが捏造されたのは、新聞会社がライバルに対抗するため、呪いで死んだように報じていたためだったようです。アガサ・クリスティーのこのエピソードはこの王家の呪いをモチーフにしており、病死したウィラード卿がカーナヴォン卿のようにみえます。推理小説なので、ミイラの呪いが犯人だったら、ある意味、ぶっ飛びますが、激怒する人もかなり現れる気がします。

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