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ゴルフ場殺人事件|あらすじ・ネタバレ解説【ポワロ44】

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 ゴルフ場殺人事件」のあらすじとネタバレ、トリック解説、感想・考察です。ベロルディ夫人の事件が起きた10年後、フランスのゴルフ場で大富豪が殺害されます。

Murder on the Links
項目 内容
シーズン 6
エピソード 3
長さ 1時間34分
放送日(英国) 1996年2月11日(日)
放送日(日本) 1997年12月31日(木)
出演者 キャスト一覧
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あらすじ

 アーノルド殺害の容疑で妻のベロルディ夫人が逮捕される。当初、アーノルドは押し入り強盗によって殺害されたと考えられていたが、夫人とジョージ・コナーが共謀しアーノルドを殺していた。ジョージ・コナーは死んだアーノルドの仕事上のパートナーだった。そのコナーは逃亡し行方を暗ますのだった…。

 10年後。ポワロは休暇でヘイスティングス大尉とフランスを訪れていた。滞在先のホテルでポワロは大富豪のルノー氏に声を掛けられ、詐欺事件の調査について軽く相談される。翌日に詐欺の詳細を伝えるはずだったルノーだったが、そのルノーが誘拐されてしまう。その後、ゴルフ場のバンカーでコートと下着だけを身につけた死体がみつかり、妻がルノー本人であることを確認する。ポワロはルノー殺害の捜査のため一旦イギリスへ戻り、フランスに残ったヘイスティングス大尉が現地での調査を続けることになる。そこに現れたのは、大尉が好意を寄せるイザベル・デュビーヌという女性だった。イザベルはヘイスティングスの捜査に同行し、不審な行動をとる。そんな中、死んだルノーの屋敷で浮浪者の死体が発見される。

事件概要

ポワロは10年前のベロルディ夫人の事件を調べるため、イギリスへ戻りました。そして調査の結果、ルノーの隣人がベロルディ夫人であることが判明します。隣人はベルナデット・ドブレーに名前を変えており、娘もいます。娘の名前はマルト・ドブレーで、殺されたルノー氏の義理の息子の恋人です。ルノー家とドブレー家は単なる隣人ではなく、お互いの子供が恋人同士という関係です。そして、実は、もう一つ隠された関係があります。

ヘイスティングス大尉が一目惚れした様子のベラ・デュビーヌはルノー氏の義理の息子の元恋人です。なお、義理の息子の名前はジャック・ルノーです。ジャックは父親殺害の事件が起きたとき、海外へ向かうため移動中でした。これによってジャックのアリバイは成立しますが、これは嘘であることが判明します。警察はジャックを犯人として連行しますが、ジャック自身は特に弁明せず、容疑を認めているような態度をとります。一方ベラはヘイスティングスの調査に付き添い、ルノー殺害に使われた凶器のナイフを警察署から持ち去ります。そして、ジャックが逮捕された後、ルノー氏殺害を自白します。ベラが自白し、ジャックも犯行を認めているというのは、不可解な状況ですが、これには理由があります。

最後に、10年前の事件についてですが、この事件の被害者はアーノルドというベロルディ夫人(現在はベルナデット・ドブレーという名前)の夫です。手口は、共犯者のジョン・コナーが強盗に扮して自宅に押し入り、アーノルドを誘拐するというもので、このとき、ベロルディ夫人は縛られていました。なお、共犯者のジョン・コナーは逃亡中です。

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ネタバレ

 犯人はマルト・ドブレーです。マルトの母親であるベルナデット(ベロルディ夫人)はルノー氏を強請っていました。実はルノー氏は、10年前の事件の実行犯ジョン・コナーで、これをネタにルノー氏は強請られていました。ルノー氏は強請りから逃れるために、狂言誘拐を計画し、浮浪者の死体を使って自分が死んだようにみせようとしていました。しかし、この計画をマルトに察知され、狂言誘拐の途中でルノーは殺されてしまいます。ルノーの妻が死体を確認した時、妻は浮浪者の死体があると思っていましたが、そこに横たわっていたのは夫の死体でした。

 マルトがルノー夫妻の計画に気付いたのは、塀のそばで夫妻の会話を耳にしたためです。夫妻は隠れて計画を話しているつもりだったようですが、実は筒抜けでした。なお、会話を聞くことができるという状況証拠は、ヘイスティングス大尉が若い男女の逢引きをみて気付いています。

 ルノー氏が下着とコートだけを身につけていた理由は自分が死んだようにみせるためで、着ていた服は浮浪者に着せていました。そして、着ていたコートはルノー氏のものではなく、息子のジャックのものでした。つまり、コートのポケットに入っていた手紙はルノー氏宛ではなく、ジャック宛の内容でした。送り主は元恋人のベラです。なお、浮浪者はルノーの屋敷に物乞いにきて、その場で突然死しました。ルノー氏が殺したというわけではなく、自然死です。この偶然をルノー氏は利用しました。ルノー氏がポワロに話した詐欺事件は嘘で、そこには誘拐された背景を捏造するという目的があったようです。

 連行されたジャックと自白したベラはルノー殺害の犯人ではありません。ただし、現場にはいました。事件があった日、ジャックは父ルノー氏の死体を発見していました。このときベラは、ジャックが死体のそばいる様子を目撃します。そして、ベラはジャックが犯人であると思い込み、ジャックはベラが犯人だと勘違いします。お互いに相手が殺人を犯したと思った二人は、相手をかばうために罪を認めるような行動をとりました。死体発見現場に残された足跡はジャックのもので、布切れはベラのものでした。

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トリック

 浮浪者を使って死体をすり替えるというトリックです。このエピソードでは、自分が死んだようにみせるために、別の死体、すなわち浮浪者の死体が用意されています。また、死体を誤認識させるため顔を潰すという方法がとられています。死体発見現場に落ちていたパイプは顔を潰すための道具でした。

犯人と被害者

 10年前の事件に関して、犯人と被害者(ジョン・コナーとベロルディ夫人)は共犯でした。その後、共犯者が実行犯を強請るという展開になり、最後は実行犯が殺されます。犯人の共犯者が被害者になるというケースは比較的多く、この事件も類似の結末となっています。

考察

 浮浪者の顔を潰して死体を誤魔化すというのは、やや古典的かもしれません。現代では、身元の確認方法として、所持品の確認、指紋や歯の治療履歴、そして、DNA鑑定などがあるようですが、実は、警察庁のホームページに、身元不明者の情報を求めるページがあったりします。なので、いくらかは、身元のわからないご遺体が存在しているようです。現代の身元不明者と、顔を破壊することによって死んでいない人間を死んだようにみせるというのは、全く別の次元の話かもしれませんが、身元が判明しないこともあるというのは、今も昔も変わらないように思います。

感想

コートに下には下着しか身につけていなかった…となると、その人は夜の街に現れる不審者だったのではないのか、などという考えが頭をよぎったりもします。夜の街、というか夜のゴルフ場なので、ものすごく変わった趣味なわけですが、そんな方向へと導くような要素は一切現れず、ドラマは終了します。

恋のキューピッド

ポワロがヘイスティングス大尉の恋を手伝っています。灰色の脳細胞を使うと、恋心も見抜けるのかもしれません。そんなポワロは未婚のはずで、そういえば、“伯爵夫人”とはどうなったのかというのが気になるところです。

まとめ

 名探偵ポワロ「ゴルフ場殺人事件」について、あらすじ、真相、トリック考察および解説、感想・雑談をご紹介しました。

登場人物

 このエピソードには、ポワロ以外にヘイスティングス大尉が登場します。事件関係者は以下の通りです。

名前 説明 解説
ポール・ルノー
Paul Renauld
富豪
被害者
強請から逃れるため狂言誘拐を企てるが殺されてしまう
正体は10年前逃亡したジョン・コナー
エロイーズ・ルノー
Eloise Renauld
ポールの妻 浮浪者の死体を確認するはずが夫だったため動揺する
ジャック・ルノー
Jack Renauld
ポールの義理の息子 海外へは行かずその場に残った
ベラ・デュビーヌ
Bella Duveen
歌い手 ジャックの元恋人
後にヘイスティングス大尉と結婚する
ベルナデット・ドブレー
Bernadette Daubreuil
ポールの隣人 正体はベロルディ夫人でポールを強請っていた
マルト・ドブレー
Marthe Daubreuil
ベルナデットの娘
真犯人
ポールの狂言誘拐の計画を知り犯行に及ぶ
ジャックと結婚してポールの財産を手に入れようとしていた

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