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白昼の悪魔【ドラマ名探偵ポワロ48】

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 白昼の悪魔』のあらすじとネタバレ、トリック考察、感想です。牧師様の妻が死亡する事件が発生し、その後、レストランで倒れたポワロが療養のために、島にあるホテルへと向かいます。そのホテルにはある女優を巡って不穏な空気が漂っていました。

Evil Under the Sun
項目 内容
No. 48
シーズン 8
エピソード 1
長さ 1時間38分
放送日(英) 2001年4月20日(金)
放送日(日) 2002年1月1日(火)
出演者 キャスト一覧
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あらすじ

 とある事情で体調を崩したポワロは休養のため、南海岸にあるリゾート・ホテルでの滞在を決める。ホテルにはアレーナ・スチュアートという美人女優が泊っており、夫や義理の息子も宿泊しているにも関わらず、他の男性客と非常に親しくしている様子だった。そんなアレーナには敵が多く、ポワロは事件を警戒するのだが、ピクシー・コーヴというビーチでアレーナの他殺体が見つかってしまう。

事件概要

冒頭で何やら事件が起きておりますが、これは、ピクシー・コーヴのアレーナ殺人事件と関係があります(ないわけがない、とも思えますが)。女性が絶叫し、自転車に乗ってどこかへ向かおうとしていますが、この女性は第一発見者です。事件で亡くなった女性は牧師の妻で、牧師はアレーナの殺人にも登場します。名前はスティーブン・レーンです。

このエピソードは殺人以外にも真相が隠れているタイプのエピソード(だいたいそうかもしれませんが)となっており、洞窟でみつかったヘロイン、旗の意味、不審なバードウォッチャーの存在などは女優の殺害には関係がありません。そして、被害者は誰からも嫌われていたような存在なので、登場人物のほぼ全員に動機があることになります。

最初に異変に気付いたのは、パトリック・レッドファーンとエミリー・ブルースターでした。倒れている人物の生死をパトリックが確認し、その後、パトリックを残してエミリーだけが、事件を報せるためその場を離れました。なお、その場に残ったパトリックはアレーナと怪しい関係だった男性客です。この頃、パトリックの妻であるクリスティーン・レッドファーンは、ピクシー・コーヴからやや離れたところでスケッチをしていました。クリスティーンは一人ではなく、ライオネル・マーシャルと一緒でした。このライオネルというのは被害者の義理の息子で、継母である被害者を慕ってはいませんでした。

死体発見現場であるビーチへ向かう方法は主に二つあり、一つはパトリック達が利用したボートで海を移動する方法、そしてもう一つは梯子を使って陸路を移動する方法です。死体発見後、この梯子付近からライオネル・マーシャルの眼鏡が発見され、ライオネルに疑いがかかります。彼は図書館で“危険な化学物質と毒”という本も借りており、動機も間違いないといえます。ただ、ライオネルにはクリスティーンと一緒だったというアリバイがあるため、犯行は不可能なように思えます。そして彼は、ラジオドラマの放送時間から、時間を勘違いしていたかもしれないとも話しています。ライオネルに犯行が不可能となると、他の人物に疑いの目が向きますが、パトリックとエミリーが異変に気付く前というのは、ほとんどの人物にアリバイがあります。

最後に、あらすじに記載した“とある事情”というのは、ポワロが倒れた場所がヘイスティングス大尉が出資していたレストランだったということです。なお、ポワロが突然倒れた理由は事件解決後に明かされます。

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ネタバレ

犯人はパトリック・レッドファーンとクリスティーン・レッドファーンです。エミリーがパトリックと一緒に目撃したのは、アレーナの死体ではなく、死んだふりをしていたクリスティーンでした。この時点でアレーナはまだ死んでおらず、近くの洞窟に隠れていました。アレーナはパトリックと逢引きするため、海岸で待っていましたが、そこにクリスティーンが現れたために身を隠しました。その後、パトリックによって首を絞められて殺害されました。レッドファーン夫妻の動機は金です。被害者には莫大な財産があり、それを犯人達は狙っていました。

ライオネルと一緒にいたクリスティーンがアレーナに変装するのは時間的に不可能なはずです。しかし、ライオネルの持っていた時計が進められていたため、彼が認識していた時間は正確ではありませんでした。時計を進めたのはクリスティーンで、彼女はライオネルが海に入っている間に時間をいじくっていました。ライオネルが話したラジオドラマの件は時間がずれていることを示唆していたということになります。なお、石段付近に投げつけられた瓶はクリスティーンが肌の色をアレーナに似せるために使った化粧品です。メイドが聞いた水の音というのは、これを洗い流すためのシャワーの音でした。クリスティーンは現場付近にライオネルの眼鏡をわざと落としたり、被害者が脅迫されていたような嘘を話すことで、犯人や動機を捏造しようとしています。

牧師の事件も犯人はレッドファーン夫妻で、叫んで自転車に乗った女性はクリスティーンです。この時も、アレーナ殺人事件と同様に、犯行前にクリスティーンが死体発見を報せ、その後パトリックが被害者を殺すという手口が使われています。

旗の色やバードウォッチャーは全てヘロインの密輸につながっていました。密輸していたのは、ホーレス・ブラットという男性(ポワロと変なサウナを堪能した男性)で、バリー少佐は密輸事件を捜査していました。

物語の発端でポワロが倒れたのは食中毒が原因でした。つまりそれは、大尉が出資したレストランが食中毒を起こしたということで、これが原因でレストランは営業停止になってしまいます。

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トリック考察

 犯行が起こったようにみせて完璧なアリバイを作るというトリックです。盗難で例えると、盗まれたと騒いで金庫を開けさせ、開いた瞬間に物品を盗み出すという手口になりそうです。殺人でこのトリックを用いる場合は犯行時刻を早めることになるはずです。そのため、早めた犯行時刻に強固なアリバイを作っておく必要があります。

 このエピソードでは、殺人が本当に起きたようにみせるため、死体役の共犯者が登場しています。共犯もまたトリックの一つといえます。さらに、共犯者にもアリバイを用意するため、腕時計を進めるというトリックも登場します。

感想

この作品を始めて知った時、私はまんまと騙されました。トリックを知っていると、第一発見者がもの凄く怪しかったりするわけですが、おそらく、この作品を通じて“第一発見者は怪しい”ということを学んだのだと思います。そして、ゲスト出演している登場人物の「この人死んでる」発言は信用できないというのも副産物的に学習した気がします。

まとめ

 名探偵ポワロ「白昼の悪魔」について、あらすじ、真相、トリック考察および解説、感想・雑談をご紹介しました。

登場人物

 このエピソードには、ポワロ以外にヘイスティングス大尉やジャップ警部が登場します。事件関係者は以下の通りです。

名前 説明 解説
アレーナ・スチュアート
Arlena Stuart
女優
被害者
美人と評判
パトリック・レッドファーンと不倫をしている
パトリック・レッドファーン
Patrick Redfern
ジャーナリスト
犯人
アレーナと不倫をしている男性
遺産を手に入れるためアレーナを絞殺する
クリスティーン・レッドファーン
Christine Redfern
パトリックの妻
犯人
パトリックの共犯者
アリバイ工作をし浜辺で死体のふりする
ホーレス・ブラット
Horace Blatt
宿泊客 ポワロとサウナを満喫した男性
その正体は麻薬密輸の犯人
スティーブン・レーン
Stephen Lane
宿泊客 妻をレッドファーン夫妻に殺害された元牧師
ジョゼフ・マーカード
Joseph Mercado
マリーの夫
麻薬中毒者
アラブ人殺害の犯人
アラブ人殺害を悔いて自殺する
マリー・マーカード
Mrs. Mercado
ジョゼフの夫 ルイーズ殺害時は髪を洗っていたと話す

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