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推理ゲーム

殺意の階層|あらすじ・ネタバレ

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殺意の階層は探偵・樫畠(かしはた)を主人公としたミステリーゲームです。樫畠は友人である西河正人の死をきっかけに、ゲームソフト開発会社「パワーソフト」で起こる一連の事件の捜査に関わっていきます。

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事件の発端(10月1日)

樫畠探偵事務所に一本の電話がかかってくる。相手は中村警部で、樫畠の大学時代の友人である西河正人が城ヶ崎で転落死体として発見されたという。樫畠は身元確認のため城ヶ崎へ向かうことになる。

現場で確認された主な証拠は下記の通りです。西河正人は他殺の可能性が濃厚となります。

  • 現場の崖の上には西河の鞄が残されており、中には青いフロッピーディスクが入っていた。鑑識に回されますが、中身は判読不能
  • 崖の柵にはペンキ塗りたての張り紙がありましたが、一部が剥げている
  • 崖の下で西河の遺体と対面した樫畠は、遺体の背中と裾にペンキが付着していることに気づきます。自分で飛び降りたなら胸や腹に付くはずだと考え、他殺の可能性を疑う
  • 西河の手帳には「ねがわくば きくのもとにて あきしなむ そのながつきの もちづきのころ」という全てひらがなの短歌が残されていた
  • 西河が勤めていたパワーソフト社の富野社長が現れる
    • 西河が社内で恨まれていた可能性があるこ
    • 夜10時以降は交通手段がない
    • 西河は運転免許を持っていない

捜査(10月2日)

樫畠は富野社長から個人的に事件の調査を依頼され、中村警部の助手という形でパワーソフト社内での捜査を開始する。与えられた 期間は3日間。捜査を進める中で、西河殺害だけでなく、2年前の沙代子の死や社内の人間関係にも謎が多いことが明らかになります。

  • 西河の部屋を調査し、机の上に無記名の黒いフロッピーディスクを発見。PCで再生するとゲーム音楽が流れる
  • 遺留品の青いフロッピーディスクも試しますが、「プログラムディスクを入れてください」と表示されるのみ
  • 机の引き出しから、社員の石橋和彦が西河に100万円の借金をしていることを示す借用書が見つかる
  • 事務員の片桐花枝から、社内の複雑な人間関係について多くの情報が得られる
    • 西河と富野社長の娘・美沙子は婚約していた
    • 西河は新作ソフト「イメルダの伝説」を開発中だった
    • 社長の甥・松丘順次は社長と会社の設立の件で揉めている
    • 松丘はショップ店員の長島理歌と付き合っている
    • 営業担当の石橋和彦はカーマニアで女好き
    • 営業担当の森田陽祐は事務の吉川慶子と付き合っていたが最近ふられた
    • 森田と石橋はそりが合わない
    • 森田と別れた慶子は別の男(後に石橋と判明)と付き合い始めた
  • プログラマーの諸尾託也は薬嫌いで、石橋に金を貸していると証言
  • 松丘順次からは、美沙子には2年前に交通事故で亡くなった姉・沙代子がいること、西河の新作ソフト(完成品)を探してほしいと頼まれる。青いフロッピーはプライベート用、黒いフロッピーは「イメルダの伝説」のワークディスクの一部だと判明する
  • 石橋和彦は借金を認め、社長と松丘の不仲の原因は社長が松丘を専務にする約束を守らないからだと話す。また、社長は妻を亡くしてから人が変わったとも
  • 富野美沙子は、西河との婚約は父が決めたこと、今の仕事よりファッション関係の仕事がしたい、姉の沙代子は2年前に交通事故で亡くなったと話す。姉の部屋は父が鍵をかけてそのままにしてあるとのこと
  • 富野社長は、西河が「イメルダの伝説」を開発していたこと、松丘との不仲(専務の約束)、美沙子と西河を婚約させたこと、沙代子の死については事件に関係ないと話す
  • 美沙子の案内で沙代子の部屋を調査。机の引き出しから沙代子の日記とブローチを発見。日記には事故直前に「K・I」という人物に失恋したことが記されており、自殺の可能性が浮上する。ブローチには「FROM K・I TO S・T」と刻まれていました。「S・T」は富野 沙代子、「K・I」は社内の人物なら石橋和彦(Ishibashi Kazuhiko)が該当
  • 石橋が社内の女性(理歌、美沙子、慶子)に片っ端から声をかけていたことが判明する
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第二の事件(10月3日)

樫畠は中村警部から、諸尾託也が自室で事故死したとの連絡を受け、パワーソフトへ急行します。その後、諸尾の死は事故に見せかけた殺人である疑いが強まり、行方不明の石橋への疑念が深まります。

  • 諸尾はベッド頭上の棚に設置していたビデオデッキ数台が崩れ落ち、頭を割られて死亡していた
  • 死亡推定時刻は昨夜(10月2日)の午後7時から9時の間。死体からは大量の睡眠薬が検出される
  • 薬嫌いの諸尾が睡眠薬を飲んでいたこと、石橋が前日に「ビデオに埋もれて死んでしまう」と冗談を言っていた
  • 崩れたビデオデッキには、昨夜8時から始まる番組(外国語講座やニュースなど、諸尾の趣味とは異なるもの)が数十秒録画されたテープが入っていた
  • 現場から、端が溶けたヒューズ(針金のようなもの)が発見される。松丘によると開発で使うものらしい
  • 社員のアリバイ
    • 富野社長、慶子、理歌、花枝は事件当時、会議室でお茶をしていた
    • 美沙子は友人のブティックへ行っていた
    • 松丘は飲みに出ており、10時頃に戻った際に石橋のRX-7が出ていくのを目撃した
    • 死体の第一発見者である森田陽祐は、昨夜はジョギングと素振りで疲れて早めに寝たと証言。富野社長らが聞いていた8時頃の物音は、森田のトレーニングではなく、諸尾の部屋の棚が崩れた音だったかもしれない
    • 石橋和彦は外出しており、社内にいない
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第三の事件(10月4日)

中村警部から、横浜港で石橋和彦がRX-7に乗った状態で死体で発見されたとの連絡が入ります。石橋もまた殺害され、自殺に見せかけられていたことが判明。オルゴールやパネルの謎が深まります。

  • 石橋の死亡推定時刻は一昨日(10月2日)の夕方から深夜
  • 死因は後頭部の強い打撲で、溺死ではない
  • 車のシートが極端に前に出されており、石橋の身長(180cm超)にそぐわない
  • ブレーキ痕がなく、自殺や事故ではなく、他殺体が車ごと海に落とされた可能性が高い
  • 石橋の部屋を調査すると、壁に美沙子の巨大なパネルが貼られていました(以前訪れた時にはなかった)
  • 机から、諸尾から石橋宛の100万円の領収書が発見される。石橋は諸尾に借金を返済していた。これにより、石橋が借 金苦で諸尾を殺害したという動機はなくなる
  • 美沙子にパネルを見せると、どこかで見たことがあると発言する。また、部屋にあったオルゴールは以前石橋からもらったものだと証言
  • オルゴールを社内の人間に見せると、松丘が「電子オルゴールで、箱も回路も全て手作り」だと指摘。石橋が作ったとは考えにくいも
  • 松丘に黒いフロッピーディスク(西河の部屋にあったもの)を再度調べてもらうと、音楽を鳴らすプログラムだけが入っていることがわかる
  • オルゴールの曲を松丘に聴かせると、聴いたことはないが好みではないと話す(美沙子も同様の発言)

第四の事件(10月5日)

再び中村警部からの電話で、森田陽祐が自室で首を吊って死んでいるのが発見されたことを知ります。森田も自殺に見せかけて殺害されたことが濃厚となり、理歌の証言から松丘への疑いが強まります。

  • 森田の死亡推定時刻は昨夜(10月4日)11時から1時の間
  • 窒息死だが、遺体にはひどく殴られた跡と、二重に首を絞められた跡があった
  • 机から「井上涼子」宛の書きかけのラブレターが発見される
  • 首吊りに使われたロープの結び方は、左利きの人物によるもの
  • 富野社長によると、昨日森田は「犯人がわかった、自首を勧めに行く」と皆の前で宣言していたらしい
  • 第一発見者の吉川慶子は、森田が自分が疑われていることに焦って犯人捜しをしていたのではないかと考えている
  • 美沙子のパネルが元々西河の部屋のカレンダーの横に貼ってあったものだと判明。樫畠が西河の部屋でパネルを元の位置に貼ってみるが…特に何も起こらない
  • ショップ店員の長島理歌が行方不明になっていたが、倉庫に隠れているところを発見される
  • 理歌は昨夜10時頃、忘れ物を取りに来た際に、松丘が気を失った森田を担いで森田の部屋に入っていくのを目撃したと証言
  • 松丘に任意同行を求め取り調べると、昨夜森田が訪ねてきて「お前が犯人だ」と決めつけ、掴み合いの喧嘩になり、殴ったら気を失ったため部屋に運んだと供述。しかし、森田殺害については否認する

真相(ネタバレ)

松丘の取り調べが進む中、樫畠は西河の部屋に隠された証拠があるのではないかと考え、再び調査に向かいます。結果、西河殺害の犯人は松丘であることが確定しますが、残る3人の殺害については謎が残ります。

  • 西河の手帳に残された短歌と、壁のパネル(美沙子の耳)をヒントに、棚のディスクケースの二重底から赤いフロッピーディスクを発見
  • 赤いディスクは「イメルダの伝説 第2版」のプログラムディスクで、パスワードが必要であり、間違えると内容が破壊される。データディスクとして黒いフロッピーが必要
  • ディスクケースの脇にあったバインダーから、西河の日記を発見
    • 日記には、会社の機密情報を横流ししている人物がいることが記されていた
    • 9月末には、誰かが自分の部屋で「イメルダ」の原本を探した形跡があり、安全のためパスワードを設定し、日記と共に隠したとある
    • 亡くなる前日、イメルダを探っていたのが松丘だと突き止め、直接話したこと、松丘から「話があるから、明日、城ヶ崎へ付き合ってくれ」と誘われたことや、彼と協力してイメルダを完成させようと決意したことが書かれていた
  • 西河の日記を突きつけられた松丘は、西河殺害を自白する
    • 動機は、会社設立の発案者である自分を社長が認めず、西河ばかりが評価され、美沙子と婚約したことで将来会社を継ぐのが西河になると考え絶望したため。逆恨み
    • 自棄になって他社の産業スパイのようなことをしていたのが西河にばれ、追いつめられた松丘は、城ヶ崎で西河を安心させておいて崖から突き落とした
  • 松丘は諸尾、石橋、森田の殺害については一貫して否認

真犯人(10月6日)

樫畠は松丘以外の人物が残る3人を殺害したと考え、その犯人は富野社長であると推理します。一連の事件の犯人として富野社長が逮捕され、事件はいちおう解決します。

  • 諸尾殺害時のアリバイ(会議室でのお茶)について、タイマーとヒューズを使ったトリックであれば、お茶会に合流する前の20分間で実行可能である
  • 石橋殺害の動機は、娘・沙代子を苦しめた(と社長が思い込んでいた)こと、美沙子にも手を出そうとしたことへの恨み
  • 石橋の車のシートが前に出されていたのは、社長の身長(160cm程度)に合わせたためではないか
  • 森田殺害について、ロープの結び方が左利きのものであり、社長室のスタンドが右側に置かれていた(左利きを示唆)
  • 取り調べで追いつめられた富野社長は、石橋、諸尾、森田の殺害を自白する
    • 沙代子の部屋で見つかったブローチ(K・I)から、石橋が沙代子を苦しめたと思い込み、謝罪と美沙子から手を引くよう頼んだが、石橋に嘲笑され衝動的に殺害
    • 死体を隠そうとしているところを諸尾に見られ、口封じのため睡眠薬入りのお茶を飲ませ、石橋が冗談で言っていたトリックを使って殺害。石橋に罪を着せるつもりだった
    • 森田が「犯人は貴様だ」と譫言で呟いた(実際は松丘との喧嘩で気を失っていた)のを、自分への言葉と誤解し、咄嗟に絞殺。自殺に見せかけた
  • 富野社長は、石橋殺害以外は後悔していると述べ、美沙子への謝罪を託し、逮捕される
  • 結末(10月7日)

    事件解決後、樫畠はいくつかの疑問点から、真の黒幕が別にいるのではないかと考え、パワーソフトを訪れます。実は、全ての事件の裏には、養父への復讐を企てた美沙子の存在がありました。しかし、その計画も最後の最後で破綻し、自らも命を落とすという結末を迎えます。

    • 樫畠は、西河が作ったと思われる手作りのオルゴールを、美沙子が「石橋からもらった」と嘘をついたことに違和感を覚えていた
    • パワーソフトの事務室で、富野沙代子宛に井坂浩一郎(Isaka Koichiro = K・I)という人物から届いたハガキを発見
      • ハガキの内容は、2年半前のことを詫び、会いたいというもの
      • 沙代子の失恋相手は石橋ではなく井坂であり、ブローチも井坂からのものだったことが判明
    • 美沙子がブローチやオルゴールの発見を巧妙に誘導し、父・富野社長に石橋への殺意を抱かせたのではないか?
    • 樫畠は、美沙子が富野社長の実の子ではないという事実に気付く
      • 美沙子の血液型がAB型である(花枝から聞いた情報)
      • 富野社長夫妻の血液型(社長O型、妻は美沙子と同じ血液型=AB型と美沙子は言っていた)
      • O型とAB型の両親からはAB型の子供は生まれない
    • 樫畠は美沙子を城ヶ崎へ呼び出し事実を突きつける
    • 美沙子は、自分が富野社長が過去に土地買収で追い詰めた一家心中の生き残りであり、その事実を隠し続けた養父への復讐として、今回の事件を計画していた。父や会社を継ぐ邪魔者を排除し、父を殺人者に仕立て上げ、財産を奪う計画だった
    • 樫畠は、パワーソフトが倒産寸前であり、「イメルダの伝説」が完成してもパスワードがなければ意味がないこと、そのパスワードは西河が愛する美沙子に託したであろうこと(オルゴールの中に隠されている可能性)を指摘
    • パスワードの在処を知った美沙子は、自分が投げ捨てたオルゴールを探そうと崖から身を乗り出し、誤って転落死する
    • 崖の下には美沙子の遺体と奇跡的に砂浜に残っていたオルゴールがあった

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