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TRICK シーズン2【あらすじ・ネタバレ・考察・感想】

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 2002年に放送された「TRICK(トリック)・シーズン2」全エピソードのあらすじ、ネタバレ、感想などをまとめています。

キャスト
役名 キャスト 役どころ
山田奈緒子 仲間由紀恵 マジシャン
上田次郎 阿部寛 科技大の教授
矢部謙三 生瀬勝久 公安の警部補
石原達也 前原一輝 矢部の部下
山田里見 野際陽子 奈緒子の母親
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六つ墓村

 どすこい超常現象、もとい、どんとこい超常現象を上梓した上田次郎のもとに、六つ墓村(むつはかむら)にある旅館の亭主・田島がやってきます。田島は毎年1月11日に起きる死亡事件の調査を上田に依頼し、依頼を受けた上田は山田を連れて、旅館へと向かいます。

第1話:六墓

 自称実力派マジシャンの山田奈緒子は、例のごとくマジシャンの仕事をクビになる。そして、上田の怪しい電話を見抜きつつも、温泉旅行に釣られ、六つ墓村へと向かう。六つ墓村にある水上荘(みずかみそう)では、毎年1月11日に死人が出るという。その謎を調査するためにやってきた日本科学技術大学の教授・上田次郎は山田をだまして水上荘を訪ねたのだった。水上荘には、山田の母・里見からお守りを授かった県議会議員・亀岡と秘書の鶴山が宿泊していた。毎年同じ時期に利用している彼らに対して、この年は、謎を聞きつけた推理作家・栗栖禎子(くりすていこ)とアシスタントの藤野も泊っているようだった。旅館に着いた山田は秘湯を探して「心のやましい者は立ち入ってはならぬ。背中わらしがとりつくぞ」という張り紙を見つける。その先の蔵に忍び込んだ山田は背後から誰かに首を絞められる。

ネタバレ

六つ墓村の水上荘では、4年前に心臓麻痺(蔵に閉じ込められて恐怖のあまり心臓麻痺を起こした)、3年前に交通事故、2年前に脳溢血、1年前に肺炎で宿泊客が死亡しています。いずれも1月11日でした。また5年前の1月11日にも六つ墓村で川島という男性の死亡事故が起きています。この5年前の事件を担当したのは矢部だったので、死体が出ていないにも関わらず、事故と判断されました。

村人は水上荘で起きた奇妙な出来事と落武者の祟りを結び付けているようです。400年ほど前、戦から逃げ延びた落武者達は村人に騙されて皆殺しにされました。村人は落武者達が持っていたという宝を探しますが、村のどこを探しても見つからず、そしてそのあと、村で不吉な出来事が立て続けに起こります。六つ墓村には、その名前の通り、六つの墓があり、それらは落武者の霊を鎮めるために建てられた墓でした。墓を建てから今もなお、1月11日には落武者が村人を殺しにくると信じられているようです。

旅館の死亡事件が落武者の祟りであるかどうかは、このエピソードでは明らかにされません。それどころか、推理作家の栗栖禎子が今年の死人になってしまいます。1月11日を迎えた直後、手毬唄の着メロが鳴り響き、それはどうやら栗栖の携帯から聴こえてくるようでした。設定とは違う着メロとすぐに切れた電話に怖気づいた栗栖は部屋に閉じこもり、その部屋を上田と山田が監視していました。それにも関わらず、栗栖は布団で死亡していまいた。

第2話:落ち武者の謎

 栗栖が死に、一か所に集まる水上荘の宿泊客達だったが、またもや手毬唄の着メロが鳴り響き、栗栖のアシスタント・藤野が取り乱し始める。そして、水を一杯飲まされた藤野は、苦しみ、死亡する。警察が到着し捜査が始まる中、耳障りなほどに丁寧な喋り方をする番頭・平山平蔵(ひらぞう)が朝食の準備を進め「お食事券のことは…」などと電話をしながら、仕事をするのだった。そんな平蔵が武者に襲われる。一命を取りとめた平蔵だったが、命を狙われた理由に心当たりはないという…(なお、武者は平蔵に警告文を残し、そこに「落武者より」と差出人も書かれていたのだが、文章に「!」が使われていたことから矢部は、古の落武者ではなく現代人が犯人であることに気付く!!!)。

ネタバレ

平蔵は、その昔、それなりに金持ちの家の息子でしたが没落し、その後、水上荘で働くことになります。平蔵は水上荘の先代当主の娘・美佐子に恋愛感情を抱かれるようになり、駆け落ちを持ち掛けられます。しかし平蔵はそんな美佐子を無視し、結局、美佐子は行方不明となってしまいます。これが平蔵の秘密と言えるわけですが、水上荘で起きた連続死亡事件との関係は、このエピソードでは明らかにされません。

調査のため、栗栖が死んだ部屋に泊まった山田は、そこで、首を絞められるような感覚を味わい、さらに、部屋に飾られた絵から落武者が1人消えていることに気付きます。障子の外には落武者の影もありました。まず、首を絞められるような感覚ですが、これは室内にガス(二酸化炭素)が充満していたためであり、首を絞められたというのは錯覚でした。ガスは蔵に噴出しており、山田が蔵で首を絞められたように感じたのも、実はガスで息苦しくなっているだけでした。山田が首を絞められていると錯覚したのは、背中わらしの張り紙が暗示になっていたようです。なお、山田が寝ていた部屋には蔵からパイプなどを介してガスが運ばれています。

落武者が消える絵ですが、これは、絵が左右にスライドする仕組みになっていました。絵が右に寄っているときは落武者が6人みえるようになっていますが、絵が右に寄ると、左端にいた落武者は隠れます。障子の外の影武者は、影が大きくなったのでこちらに向かって来ているようにみえましたが、実際は、遠ざかっていました。

血の涙を流す落武者の掛け軸は、落武者の目に太陽の光が集まることで、目の裏側にある赤い蝋が溶けてました。これは、1月11日にだけ起きる怪奇現象でしたが、そのトリックは、毎日太陽の位置が変わることを利用していました。落武者の目にはガラス製の水差しを通して光を集めており、この水差しに差し込む太陽光は一年周期で角度が変わるため、目に光が集まるのは一年に一回だけでした。

山田と上田は5年前に死んだ県議会議員の秘書・川島の手帳をみつけ、あいうえお…で区切られたアドレス帳の一部がなくなっていることや、手毬唄が宝の在り処を示していることに気付きます。そして掛け軸に描かれた絵にそっくりな洞穴をみつけ、その奥へと進みますが、落とし穴にはまってしまいます。

第3話前半:手毬歌の謎

 洞窟に入り、出られなくなってしまった山田と上田は、その奥で白骨化した死体を発見する。その死体は亀岡議員の秘書だと思われた。そこに現れたのは水上荘の亭主で、二人は亭主に助けられるが、落とし穴を上がるとそこには亀岡議員と秘書の姿があった。

ネタバレ

この事件の黒幕は亀岡議員です。秘書の鶴山と水上荘の亭主も共犯です。5年前、亀岡は六つ墓村開発で賄賂を受け取っていました。このことを秘書の川島が告発しようとしたため、亀岡、鶴山、亭主の田島は川島を囮(おとり)にし罪をかぶせるため、事故にみせかけて殺害しました。殺されてしまった川島でしたが、賄賂授受の証拠を簡単には見つからないように隠していました。それが、落武者の財宝で、川島は手毬唄の謎が解かれた時に、汚職事件の事実も発覚するように仕込んでいました。ヒントは血の涙を流す落武者の掛け軸で、実は、掛け軸の後ろに、賄賂を受け取ったという受領証が隠されていました。そして、手帳のアドレス帳は「いかこしちつふらわ」がなくなっており、並び替えると「わらしかふちいこつ(わらしか淵遺骨)」となります。

財宝の謎が解かれてしまうと汚職事件が明るみに出てしまうため、亀岡議員達は謎を解きそうになった人物を殺害していました。それが4年前に死んだ人物と、今回死亡した推理作家とアシスタントでした。なお、2年前に脳溢血、1年前に肺炎で死亡した人物は、議員が病気で死亡しそうな人物を旅館に泊めさせていました(3年前の交通事故は詳しく語られていないが、おそらく、事故にみせかけて殺害したのだと思われます)。そして今回、田島が一応偉い教授である上田に依頼に来たのは、連続死亡事件が落武者の呪いであるということを上田に証明させるためでした。

推理作家とアシスタントを殺害したのは亀岡らでしたが、一番最初の手毬唄の着メロはアシスタントの藤野が流した音でした。日頃、栗栖に虐げられていた藤野は栗栖に仕返しするため、手毬唄の着メロで栗栖を怖がらせようとしていました。その方法は、着メロを録音したテープをテープレコーダーで再生し、栗栖の携帯が鳴っているようにみせるというものでした。藤野は、まず、カバンの中でテープを再生し、さらに、自分の携帯で栗栖に電話しました。これによって、栗栖の携帯に着信があったという事実が作られます。栗栖の携帯の着メロは、あらかじめ、鳴らないように設定していました。

栗栖は山田と同様に絵から飛び出す落武者などの体験をしショックで死亡したようです。死なせるつもりはなかった様子の藤野は栗栖の死体に駆け寄り「こんなことになるなんて」などと叫んでいます。その藤野は亀岡が用意した毒入りの水で殺されます。手毬唄の着メロは、議員たちが藤野のテープを盗み、流していました。

平蔵が襲われたのは亀岡の勘違いが原因で、美佐子の話は全く関係がありませんでした。平蔵は「お食事券のことは存じております。お連れの方がお取りになられたんですよね」と電話をしていましたが、亀岡はこれを「汚職事件のことは存じております。お連れの方(つまり川島)が囮になられたんですよね」と聞き間違えました。

洞窟の遺骨は美佐子で、川島ではありませんでした。証拠がないと考えられていた亀岡ですが、藤野が使ったカセットテープがゴミ箱から見つかり、これが決定的な証拠となります。このカセットテープには山田里見のお守りの匂いがしっかりとついており、お守りを持っているのは亀岡だけでした。山田が亀岡議員にみせたトランプ当てのマジックも、実は、匂いで亀岡が手にしたトランプを当てているだけでした。

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100%当たる占い師

 一等賞の米俵を当てた山田奈緒子は、上田にガラポンのインチキを見透かされ、百発百中占い師・鈴木吉子と対決することになります。

第3話後半:百発百中占い師

 ガラポンで一等賞を当て、自宅へと米俵を持ち帰る山田だったが、帰宅するとそこには上田の姿があった。ガラポンには一等が入っていないはずなのに一等を当てた山田はさぞかし奇妙だ、そんなふうにインチキを匂わせる上田に、山田は従うしかなった。上田は矢部に占い師・鈴木吉子の調査を依頼されており、その占い師の言ったことに従わないと、必ず不幸が起きるのだという。山田は鈴木のもとへ行き、そこで手相をみてもらう。すると鈴木は、石段を上ると大事なものを失う、と忠告するのだった。うさんくせぇ、と思っていた山田は石段を上りきるのだが、その後、上田の姿がみえなくなってしまう。

ネタバレ

完璧に当ててみせる占い師・鈴木吉子には予知能力があり、吉子は時間の穴を使って未来をみているようです。磁場の関係で時空が歪んでいるというのが、時間の穴が存在する理由のようです。この磁場の影響で、1月にも関わらず、吉子の家は暑くなっています。上田を探すため、矢部を連れて鈴木吉子の家へ向かった山田ですが、そこで、テレビをみせられ、七日前に吉子が今日の天気や芸能人の病気を言い当てている様子を目の当たりにします。これら時間の穴の謎などは、このエピソードでは明らかにされません。

第4話:100%未来予知~新たなナゾ

 映像のトリックを見破った山田は鈴木吉子が胡散臭いことを長部に示してみせる。長部は山田達と吉子の家にやってきた男で、吉子の能力を信じている様子だった。上田の声が聞こえた気がした山田は上田を探して、縛られたお婆さんを助ける。そのお婆さん・大内マツから神隠しの昔話を聞き、その後、瀧山から手を組まないかと持ち掛けられる。瀧山は時間の穴を信じており、それを探し出そうとしていた。吉子の後をつけて穴をみつけるという瀧山は山田と矢部に無線機を渡し、バックアップを依頼する。吉子に「叫」の文字が書かれた箱は開けるなと言われていた瀧山だったが、吉子の姿を追って入った小屋で箱をみつけ、それを開ける。無線で瀧山とやり取りをしていた山田と矢部は瀧山の絶叫を聞き小屋へと向かうが、そこに瀧山の姿はなく、「叫」の箱もなかった。しかし翌日、その小屋で瀧山の死体が発見される。

ネタバレ

テレビの予言はアテレコしているというトリックでした。つまり、音声だけは当日のものだったため、芸能人の病気を言い当てることができました。

お婆さんが捕らえられていた理由はカバンの中の金が紛失したためでした。お婆さんはそのカバンを見張っていたため、金を盗んだ犯人に違いないと思われたようです。その真相はカバンの持ち主によるインチキでした。そもそもカバンに金は入っておらず、入っていたのはドライアイスでした。最初は重かったので、金が入っていると思い込んだようです。

お婆さんが話した神隠しは、江戸時代からの伝説で、女の子が姿を消し、その後しばらくしてまた戻ってくるという内容でした。その女の子は次の日のことを言い当てるという不思議な力を持っていたようです。これは単なる言い伝えではなく、トリックがあります。

瀧山が吉子にみせられた未来予知は封筒を使っていました。まず、瀧山は空の封筒を確かめ封をし、その後、直筆の手紙を書いて吉子に手渡しました。このあと封筒を破るとなぜか手紙が入っており、吉子が封筒から瀧山直筆の手紙を取り出すというものでした。これは、封筒が二重になっているというトリックでした。封筒にはあらかじめ紙が入っており、瀧山がみた時その手紙はみえないようになっていました。のりなどを使うことで、封をして破いた後に入れておいた手紙がみえるようになっており、あとは、封筒を手にした吉子が紙を取り出すときに瀧山が書いた手紙とすり替えていました。

山田が予知能力と称して信者達にみせた手品は一番下のカード(スペードの7)を憶えておくというトリックでした。山田は矢部に、憶えたカードの下にあるカードを取り出すように紙で指示し、矢部に信者・中野が選んだカードを選ばせました。山田はまずトランプの一番下のカードを憶え、矢部に指示を出しました。そして、そのままの状態で中野に渡し、上から適当な枚数のカードを引かせました。その後、中野が引いたカードの一番上を憶えさせ、トランプを回収します。このとき、トランプの束を中野が選んだカードに上から重ねることで、憶えたカードの下に中野のカードが置かれるようになります。なお、このトリックは何も考えずにシャッフルすると憶えたカードの位置がずれるため、成功しなくなります。

時間の穴に入って消えたという瀧山ですが、実は「04」の箱に入っていました。瀧山は「04」が「叫」だと思い込み、この箱を覗いているところを後ろから襲われました。「叫」の箱があると思い込んでいた理由は吉子が箱の話をしていたためでした。

上田らしき人物が現れ、山田には上田からの手紙がお婆さん経由で届きます。そこには上田の予言が書かれており、当たり前のことだけではなく、瀧山の依頼について書かれていました。この予言の秘密はこのエピソードでは明かされません。

第5話:百発百中占い師の謎~解決編

 未来がみえるという山田は鈴木吉子と対決する。それは、毒入りの水を3つのコップの中から当てるという内容だったのだが、山田は完全に吉子に敗北する。入っていたのは毒ではなく塩であったし、そもそも山田は毒入りコップを外していた。吉子の信者達に詰め寄られた山田は、昼ごはんがお金に変わる、時計の針が逆に回転する、炊いたご飯がただのお米に戻る、よろい武者が歩き出す、などと予言する。滅茶苦茶な予言をする山田の仲間とみなされた矢部は逃げ出し姿を消す。その後、なぜか、その予言が事実となる。

ネタバレ

山田のやけくそ予言を真実にしたのは上田でした。まず上田は中野が選ぶお重を予想し、そのお重だけにお金を入れました。予想は中野が小市民であること、賞味期限が新しいものや雑誌は上から二番目を選ぶ性質があること、右利きなどを根拠に、一番奥右端の上から二番目ということになりました(おそらくまぐれです)。炊いたご飯がお米に戻ったのはご飯を全部食べて生米を入れたからであり、時計は鎧を着たまま細工し逆回転になるようにしていました。

そもそも上田が隠れていたのは、山田と一緒に行動していてみつかった場合、逃げにくくなるからでした。占いのあと上田が消失したようにみえていたのは、上田が連絡の取れない場所にいたからでした(いかがわしいお店にいたのか上田)。矢部の部下である石原から山田と矢部の行動を知った上田は二人の行動を影で見張っていました。そして、山田が手品で寄付金をかすめ取ろうとするのを目撃し、予言の手紙で山田を遠ざけようとしました。手紙は前日に上田からお婆さんに渡されたにもかかわらず、翌日の出来事が書かれていました。実は、お婆さんが受け取った手紙は白紙で、翌日、こっそり上田が手紙をすり替えていました。

山田は一度上田をみつけ、それを夢だと思っていたようですが、現実でした。上田が夢のようにみせるため、変な行動をとったようです。

吉子の家が何故か暑いのは、フェーン現象だと説明されています。磁場の影響ではなさそうです。

信者達に見つかった山田、上田、そして長部は、秘書・清水の協力のもと、脱出を図ります。ところが長部のカバンを持って逃亡した清水が消失し、その後、死んで折れ曲がった状態の清水が見つかります。時間の穴に落ちたと言われていた清水でしたが、実際は、近くにあった祈りの岩への抜け道を通って逃げていました。清水は、山田達を助けるふりをして、長部のカバンに入った金を盗もうとしており、そのために、叫び声をあげたり、血のりを残したりして時間の穴に落ちたようにみせようとしていました。しかし、逃亡中に吉子に見つかってしまい、祈りの岩で待ち伏せされ、吉子に殺害されました。

神隠しの伝説には、祈りの岩への抜け道を使ったトリックが隠されていました。神隠しにあった少女は抜け道を通って祈りの岩へ向かっただけであり、それが姿を消したようにみえていました。祈りの岩では、長老達が大切な行事の予定を読み上げるという風習があり、少女はそれを耳にしていたため、翌日の予定を知ることができました。

占いのトリック

100%当たる占いのトリックは、占いに来た人々が同じ場所で鉢合わせするように指示を与えていました。そもそも鈴木吉子は普通の占い師でしたが、予言めいたことをして、その評判を高めていました。そこに清水が現れ、寄付金を集める仕組みを作り出しました。

長部の正体ですが、彼は鈴木吉子に婚約者を殺されていました。長部の婚約者は吉子を取材し、吉子のインチキを見破りました。それを告発しようとしますが、吉子の信者に襲われて死んでしまいます。このことに恨みを抱いた長部は復讐のため、吉子のもとへとやってきました。長部の持っていたカバンには金が入っていると思われていましたが、札束は偽物で、束の上と下以外はただの紙切れでした。どうやらカバンを持ち歩いていたのは、清水の死を誘発するためだったようです。

結末

大内マツが鈴木吉子の育ての母であったことが明らかになります。マツは吉子がマツに毒を盛っていたと話し、そして自ら毒を飲んで死亡します。そのあと、吉子は山田に毒入りコップを当てる勝負を持ち掛けます。勝負は吉子と山田、そして長部が1つずつコップの水を飲み干すというものでした。マツの飲んだコップをみていた上田は毒が気泡を生じさせることに気付きますが、時間が経過しすぎたため、どのコップにも気泡は生じていませんでした。コップは見分けられないと思われた状況ですが、気泡が生じていないのはコップが動かなかったから、そして、真ん中にあったはずの縁に傷のあるコップが右端に移動していることから、山田達は左端のコップが毒入りであることを見抜きます。

山田は真ん中のコップを飲み干し、毒入りでないことを証明し、続いて長部が右端の水を飲みます。毒入りではないと思われたコップでしたが長部が苦しみ出し、のたうち回ります。それをみていた吉子は勝ち誇った様子で左端のコップを持ち上げ、それを一気に飲み干します。それを見届けた長部は、正気を取り戻し、毒が入っていたような演技をしていたと話します。毒を飲んだ吉子は倒れ、血をたらし、死亡します。

おまけ

山田が当てた米俵は大家さん達が食べていました。全部食べたのは「ごはんならいくらでも食える」と言っていた上田でした。

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サイ・トレイラー

 証券マンの岡本が上田にサイ・トレイラー深見博昭の真贋調査を依頼します。深見はサイ・トレイリングという能力で、物に残された人の意思を辿ることができるという人物でした。そんな深見がゾーーンにあるという死者の意思を通じて、次々に行方不明者の死体を発見していきます。

第6話:失踪者を必ず見つけ出す男

 証券マンの岡本宏に深見博昭の調査を依頼された上田と山田は深見のいるパラサイコロジーアカデミーへと向かう。山田は拾った財布の持ち主を深見にサイ・トレイリングで探らせる。当たるはずがないと思われたが、深見は見事に持ち主を探し出してみせた。サイ・トレイリングを目の当たりにした山田は得意の手品で対抗するが、深見にあっさりトリックを見破られ、大恥をかいてしまう。さらに悪いことに深見は二度とサイ・トレイリングを行わないと言い捨てるのだった。

 岡本は失踪した婚約者・小早川恭子を深見に探させようとしていたのだが、山田の失態により、その計画は破綻してしまった。汚名返上も兼ねて山田は深見に再挑戦し勝利する。そして、恭子唯一の肉親である伯父・小早川辰巳がスポンサーに名乗り出て、深見はサイ・トレイリングで失踪した女性達の遺体を次々に発見していく。

ネタバレ

山田のカードが消える手品は、最初にみせたトランプと、その後にみせたトランプが全て入れ替わっていました。最初の6枚は、ダイヤのクイーン、クラブのクイーン、ダイヤのジャック、ハートのキング、クラブのジャック、スペードのキングでした。なお、深見はこの中からハートのキングを選んでいます。続いて山田が深見に見せた5枚のカードは、スペードのクイーン、ダイヤのキング、ハートのクイーン、クラブのキング、ハートのジャックでした。この中に、最初の6枚と同じカードはありません。なお、このマジックはプリンセス・カード・トリックと呼ばれます。

カード はじめ さいご
スペードJ
スペードQ
スペードK
クラブJ
クラブQ
クラブK
ハートJ
ハートQ
ハートK
ダイヤJ
ダイヤQ
ダイヤK

テレビ番組で山田がみせたのはアイマスクに仕掛けがあり、実はあのアイマスクはメッシュ製で、向こう側が透けてみえていました。

深見の財布の持ち主発見と遺体発見、そして、岡本が遭遇した人面タクシーの謎については、このエピソードでは明らかにされません。

第7話:失踪者必ず発見の謎〜解決編

 小早川恭子の遺体をサイ・トレイリングで見つけ出すというその夜、依頼人の岡本が人面タクシーを目撃し取り乱す。山田達は、その現場へと赴き、同じように人面タクシーを目撃するのだった。人面タクシーのトリックを見破った山田は、サイ・トレイラー深見こそがタクシーの運転手だと指摘する。しかしその動機までを言い当てることはできなかった。その後、深見と岡本がぐるであることがわかる。その矢先、岡本がホテルから飛び降りて死亡し、深見も変わり果てた姿でみつかる。小早川辰巳はゾーーーンに怯えて発狂し、恭子の遺体を掘り返す。

ネタバレ

深見が最初にみせた財布の持ち主を当てるサイ・トレイリングは、岡本がぐるでした。岡本は財布の落とし主(江戸っ子組長)と知り合いでした。あらかじめ組長の財布を盗んでおいた岡本は、まず上田が財布を拾うように仕向けました。上田が財布を拾ったのを確認した後、依頼人というかたちで上田に近づき、深見のもとへ行くように導きました。そして岡本は組長を呼び出し、その待ち合わせ場所を深見に伝えました。深見は財布のサイ・トレイリングをするふりをして、岡本と組長の待ち合わせ場所に山田と上田を連れて行きました。山田と上田が財布のサイ・トレイリングを依頼するとは限りませんが、他人のものなど持ち歩いていることはないので、深見らは二人が拾いものの財布について依頼すると確信していました。

人をすり抜けたと思われていた人面タクシーですが、これは、タクシーが十字路で右折しただけでした。山田達はタクシーが直進して突っ込んできたと勘違いしていたわけですが、これは、道路工事の電灯が切り替わったためでした。はじめ、タクシーが山田達に向かってきたとき、タクシーの走っている道路脇だけ道路工事の明かりが灯っていました。しかし、タクシーが右折した後はその明かりが消え、代わりに、タクシーが左折する方向の道路の明かりがつきました。この照明の切り替えだけではなく、タクシーが十字路に進入する直前のまばゆい光や霧によって、山田達は視界と方向感覚を奪われ、その結果、タクシーがすり抜けたと思い込みました。発光と照明の切り替えは、十字路の手前に仕掛けられたワイヤーがスイッチになっていたようです。なお、岡本が見たと言っていた人面タクシーの話は山田達をおびき出すための嘘です。

人面タクシーを運転していたのは深見で、彼のアリバイは音に反応してつく照明と音声テープによって捏造されていました。不思議なことにこのアリバイは、小早川恭子が失踪した日の小早川辰巳のアリバイと似ていました。つまり、小早川辰巳には恭子失踪時の確かなアリバイがないということになります。

サイ・トレイリングの真相

失踪者の遺体をみつけた深見こそが真犯人であると考えられますが、彼は、渡米していたため、小早川恭子を除き、他3名の犯行は不可能でした。そんな深見が遺体の場所を言い当てることができたのは、岡本が遺体の場所を教えていたためです。

岡本は婚約者の失踪を知り、すぐに小早川辰巳を疑いました。そんな折、深見は岡本に接近し、辰巳のアリバイを知ります。アリバイトリックに気付いた深見は岡本に辰巳を見張らせ、そして、岡本は辰巳の連続殺人を目撃しました。恭子を含む4人の女性を殺害したのは小早川辰巳で、辰巳は快楽のために次々と女性を殺していきました。深見と岡本は犯人を知っており、特に岡本は辰巳が遺体を埋める姿をみていたわけですが、その時点で通報しなかったのは、犯行を続けさせることで、辰巳を確実に死刑にするためでした。岡本が深見に協力していたのは金が理由で、深見は死んだ恭子の実の父親でした。唯一の親族である辰巳が死ねば、恭子の生命保険や遺産は父の深見のものとなります。深見はその財産を岡本と山分けする約束をしていました。

深見と岡本がたくらみは、辰巳に恭子の遺体を掘り返させることにありました。そもそも深見達は恭子の遺体が埋められている場所を知りませんでした。そこで、上田達を巻き込み、テレビを使って失踪人の捜索を言いふらすことで、まずは辰巳を引きずり出しました。辰巳は投機に失敗して金に困っていましたが恭子の遺体を自分でみつけて財産を手にするわけにもいかなかったので、深見が見つけてくれるというのは金を手に入れるまたとないチャンスとなりました。

深見は人面タクシーで辰巳を怯えさせ、さらに、死者の意識が残留するゾーーーンを信じさせることで辰巳を追い込みました。深見の死んだふりで完全にゾーーーンを信じた辰巳は、ゾーーーンから解放されるため、恭子の遺体を掘り返しました。この現場を山田、上田、矢部、石原に押さえられ、辰巳は逮捕されます。なお、深見の死んだふりは脇の下にボールを挟んで脈を一時的に止めるというトリックでした。

岡本の死

岡本をホテルから飛び降りさせて死なせたのは深見です。深見は二つの部屋を予約し、岡本をかくまうふりをして、323号室へ連れて行きました。このとき深見は岡本に、警察が来たら窓から逃げろと伝えました。そして岡本を眠らせ、823号室へと運びました。準備を整えた後、深見は脅迫状を用意してサイ・トレイリングを始め、ホテルの823号室に警察を連れて行きます。矢部が823号室のドアを叩くと、睡眠薬で意識が朦朧とした岡本は深見の助言の通りに窓から逃げようとしました。こうして、岡本は高所から落下し死亡してしまいました。

天罰を下す子

 依頼人が上田を訪ね、上田が山田を誘うというのがいつもの流れですが、このエピソードでは、上田に山田が同行せず、上田は御告者(おつげもの)、山田は「笑顔がこぼれる会」の主催者と対決します。

第8話:天罰を下す子

 御告者・針生光太(はりゅうこうた)に天罰を依頼し、いとこを殺してしまったという女子大生・塚本恵美が上田を訪ねてくる。自分に天罰をかけて欲しいと懇願する塚本に惚れてしまった上田は、いつものように山田を調査に誘う。しかし山田は「笑顔がこぼれる会」に潜入しレポートを提出するというバイトのため、珍しく予定が埋まっていた。仕方がなく上田は一人で針生のもとへ向かい、そこで子供の光太と対峙。塚本の依頼通り、上田は天罰を依頼する。その後、上田は塚本を自宅へと連れ込み護衛する。一方、山田は「笑顔がこぼれる会」に潜入し、主催者・大道寺安雄のインチキを暴いていくのだが、大道寺らに捕まってしまう。なんとか逃げ出した山田だったが、逃げる途中で何かにつまづき、にゃーと叫んで、何につまづいたのか確かめると、それは大道寺の死体だった。

ネタバレ

針生光太による天罰の正体や大道寺殺害の真相、このエピソードでは明らかになりません。光太が上田に御告者の祭壇でみせた選んだものを当てるという能力についても明かされません。

最初に上田がみせた封筒のトリックはテープでどちらを選ぶか予言するというものでしたが、これは、音声が2パターン用意されているだけでした。上田は山田が選んだ封筒に応じて、どちらを再生するか決めていました。

祭壇奥の部屋で光太がベッドごと消えたのは、鏡を使ったトリックでした。部屋の奥にあったベッドは鏡の後ろに隠れており、上田は鏡に映った壁紙をみて、奥行きを勘違いしていました。

山田がみせたトランプのマジックは、どの数字を選んでも同じカードを選ぶというものでした。山田はサークル状にカードを並べ、そこから9の文字を描くようにして、2枚のカードをはみ出させていました。もっともはみ出た場所からカードを辿っていき、選んだ数字の数だけ進んだら今度は後退するという手順を踏むのであれば、進んだ数字だけ戻るので、元の位置(スタート地点)に辿り着きます。サークルに沿って後退した場合はスタート地点ではなくなりますが、到着するカードはいつも同じです。これは、ただ単にカードをサーク状に並べて、あるカードをスタート地点としてカードを巡っていき、同じ数字だけ戻ったらスタート地点に戻るのと同じです。

お金の入った封筒を当てるという大道寺の透視は、全ての封筒に万札が入っていました。つまり、大道寺はお金を燃やしていたということです。最初山田は、大道寺がお金の入っている封筒を知っているので、相手が選んだ封筒に応じてリアクションを変えるというトリックを披露しています。

第9話:天罰を下す子〜解決編

 大道寺殺害の容疑で山田はあっけなく捕まる。上田はちょいちょい山田の前に姿を現し山田の写真を撮っている様子である。それはさておき、塚本と行動を共にする上田に不幸が続き、上田の部屋にかくまわれていた塚本にも脅迫状が届く。そして、天罰依頼の仲介をしていた倉岡が死体となってみつかる。その倉岡の手帳から大道寺の名前がみつかり、大道寺は天罰で死んだことが判明する。そんな中、塚本が毒を盛られ体調を崩すが、毒を入れた経緯がわからなかった。

ネタバレ

不思議な力があると信じられていた針生光太ですが、天罰を下していたのは祖母の針生かずでした。光太と光太の母親・針生貴子はかずの悪行を知らなかったようです。

「笑顔がこぼれる会」の大道寺を殺害したのは針生かずです。かずは会員のふりをして大道寺に近づき、テーブルにあった果物ナイフで大道寺を刺し殺しました。そのあとも現場に残り、死体発見の混乱に乗じて逃げました。このとき山田が写真を撮っていたため、現像した写真にかずの姿が写っていました。かずの被害者は他にも数多くいたようですが、塚本のいとこと、倉岡殺害時にはアリバイがありました。つまり、この二人に関しては針生かずの犯行ではありません。

かずは上田に追い詰められたあと、部屋に入り姿を消していますが、これは部屋にあった大きな箱に隠れていました。その箱には鏡が仕込まれていたようです。その後、かずは服毒し自殺しています。

上田が天罰を依頼するために初めて祭壇を訪ねたとき、光太は上田の選んだ置物を当てていますが、これは、母親である貴子の表情を観察することで、正解に辿りついていました。

塚本恵美の正体

塚本のいとこ、および、倉岡を殺害したのは塚本恵美でした。その動機は遺産相続です。塚本には金持ちで死期の近いおじがおり、おじが病死する前にいとこを殺害すれば、塚本だけが唯一の相続人になることができました。塚本は莫大な遺産を手にするため、いとこや倉岡を天罰にみせかけて殺害し、自分にも天罰がかかっているようにみせることで、周囲に天罰を信じさせようとしていました。倉岡の手帳を使って脅迫状を書き、それを上田の家に置いたのは塚本で、毒は自ら飲んでいたようです。

塚本は自分に天罰がかかっているようにみせていましたが、実は上田が天罰を依頼したのは塚本ではなく山田でした。塚本に惚れていた上田は、とりあえず山田に天罰を与えようとしました。山田の様子を観察するため、上田はカメラをもって山田の前に現れ、写真を撮っていました。上田が塚本に疑いを持ったのは看板が倒れた時で、塚本は看板が倒れるのを知っていたように振舞っていました。

妖術使いの森

 トリック2最後のエピソードです。シーズン1に登場した黒門島(山田里見の出身地)の関係者が山田の前に姿を現します。

第10話:最終章 妖術使いの森

 入ったら二度と出られないという“白木の森(しろきのもり)”の調査のため、山田と上田は来さ村へと向かう。白木の森には明治維新の頃に殺害された妖術使いが今も住むとされ、重力を断ち切る板、心を読む岩、死人を生き返らせる棺桶などがあるという。調査のために集まったのは山田と上田だけではなく、他にも探検家達、ルポライター、建設会社の社員、そして、民俗学者もいた。一行は村長の押し切って森へと進み、丸太小屋で壁に付着した血痕を発見。心を読む岩には嘘を見抜かれ、死人を生き返らせる棺桶では見知らぬ人物が飛び出してくる。そして翌日には建設会社の日向(ひゅうが)が小屋の目の前で重力を断ち切る岩の下敷きになって死亡するという。奇怪な出来事が次々と起こる中、山田はかつて対峙した妖術使いと遭遇する。

ネタバレ

丸太小屋の血痕は岸本という学者のものです。岸本は山田達と調査に同行した民俗学者・柳田黒夫を助手で、半年前に妖術使いの正体を暴くため、白木の森に入りました。このとき、日向と依頼人の橋本も一緒でした。日向と橋本のねらいは、妖術使いが消したと言い伝えられている“つぼ八”を見つけることで、三人は本当につぼ八を発見します。つぼ八発見後、金が欲しかった日向は、つぼを研究機関に預けるべきだと主張する岸本を殴って殺害します。このとき、岸本の頭から噴き出した血が、小屋の壁に付着しました。

岸本殺害後、日向と橋本は死体を“死人を生き返らせる棺桶”に隠しました。逃亡中に森で妖術使いと出くわした二人は、つぼを持って逃げ切りましたが、そのあとも橋本は誰かに見張られているような感覚に襲われ、「お前のやった事は全て知っている」という脅迫状も受け取っていました。

山田達が棺桶を開けたとき、棺桶には岸本の死体が置かれているはずでしたが、死体はありませんでした。代わりに、謎の人物が飛び出してきたため、橋本は岸本が生き返ったと主張します。

謎の人物が出現したあと、棺桶には日向の死体も置かれ、そしてその死体が消失します。死体は棺桶から離れた場所でみつかりますが、なぜ死体が移動したのかという謎が残ります。どうやら、棺桶とトイレは洞窟で繋がっているようなので、この隠し通路を使えば、死体を消すことはできそうです。しかし、誰が動かしたのかというのは明らかになりません。

その他、毛生えの歌、日向を下敷きにした重力を断ち切る板、嘘つきに反応して火を噴いた心を読む岩などのトリックは不明のままです。

第11話:最終回!妖術使いの謎 完結編

 妖術使い・椎名桔平と遭遇した山田は椎名桔平を退治しようとするが、椎名桔平はテレポーテーションして姿を消す。椎名桔平を逃した山田は近くで橋本の死体をみつけ、そのそばで倒れている上田も発見する。全員のアリバイを調べたところ、上田だけアリバイがなかったが、山田が嘘を証言して上田のアリバイを捏造する。その後、あたりに毛生えの歌が響き、音源を探ってみると、その正体はスピーカーからの音声であったことが判明する。みつかったスピーカーのそばには、なんと民俗学者の柳田の死体があった。

 一方その頃、山田奈緒子の母・山田里見は来さ村の役場にいた。村長の依頼で看板に文字を書こうとして里見は、なにかを察知し、村長の部屋にあった美術品の模造品を移動するように命令する。村長はそのうちのひとつを大事そうに運ぶのだった。

ネタバレ

重力を断ち切る板、心を読む岩、死人を生き返らせる棺桶にはトリックがあり、それらを操っていたのは民俗学者の柳田黒夫でした。柳田は助手の岸本を殺害した日向と橋本に復讐するため、妖術の仕掛けを使って二人を恐怖に陥れ、罪を告白させようとしていました。

日向と橋本、そして柳田を殺害したのはルポライターの小松純子です。小松は死んだ岸本の恋人でした。柳田と小松は共犯で、どちらも岸本殺害に対する復讐が動機でした。しかし、自白を計画していた柳田に対して、小松は二人の殺害を企んでいました。小松は単独で犯行に及び、日向と橋本を本当に殺害しました。小松の犯行に勘付いた柳田は小松を説得しようとして、逆に殺されてしまいました。

橋本の死体発見時、小松順子にはアリバイがありましたが、これはアリバイを証言した柳田が嘘をついていました。二人の仲が悪いように見えていたのは共犯を見破らせないための作戦で、あえて口論することで、他の人物に不仲である印象を与えていました。

山田に推理や柳田の残した暗号「岸本は復讐を望んでいない小松くんへ」を突きつけられた小松順子は罪を認めますが、「狼なんか怖くない」の歌いながらどこかへ消えてしまいます(その後どうなったかは不明です)。

犯人の小松が姿を消した後、村から脱出しようとする一行でしたが、村長や銃を構えた村人に出口を塞がれます。そこに里見が現れ、「有毒ガス危険!」と書いた紙をもって村長たちを退かせます。さらに、奈緒子が「森でうんこしてもみあげでふいた」という紙を上田に渡し、託された上田が村人達を脅して、無事脱出に成功します。

重力を断ち切る板

重力を断ち切る板、というものはなく、椎名桔平岩が磁石で出来ているだけでした。これは地面に埋まったスイッチのONOFFで磁石に切り替えることができる仕掛けです。柳田は磁石が岩にくっつかないことを実演していましたが、柳田がもっていたU字磁石は磁石ではなく、柳田が持っていたスコップの方が磁石でした。このスコップ、実は、調査隊が道に迷った時にも使われていました。柳田は調査隊を迷わせるため、スコップを持って上田に近づき、上田の方位磁石を狂わせていました。

心を読む岩

心を読む岩は、柳田が地面に埋め込まれたスイッチを押すことで、火が噴き出していました。コインのトリックについてですが、手順は、はじめに表(もしくは裏)になっているコインを憶えておきます。そして、コインをひっくり返した音も記憶します。最後に、残されたコインの表の数を数えれば、持ち出されたコインが表か裏かわかるようになります。たとえば、6枚のコインがあり、そのうち3枚(奇数枚)が表だったとすれば、裏も奇数枚になります。この状態で1枚ひっくり返せば、表も裏も偶数枚になります。このとき表が4枚なのか、それとも2枚なのかはわかりませんが、2回ひっくり返せば奇数枚に戻り、3回で偶数枚、4回で奇数…というパターンを繰り返していきます。

取り出されたコインが表なのか裏なのかを当てるには、残されたコインの表裏も確認する必要があります。6枚のうち3枚が表で、2回ひっくり返されたら、表も裏も奇数枚残っているはずです。しかしコインが1枚取り除かれているので、偶数枚と奇数枚が混在することになります。2回ひっくり返した状態(奇数枚残る状態)で、偶数のコインがあったら、そのコインが取り除かれたことがわかります。偶数枚残る状態のときは、奇数のコインが取り除かれています。

死人を生き返らせる棺桶

岸本が飛び出してきたと思われていた棺桶ですが、飛び出してきたのは柳田でした。トイレの扉越しに喧嘩をしていた小松も共犯者です。柳田はトイレの隠し通路を使って棺桶へいき、変装してそこから駆け出し、トイレへと戻りました。

毛生えソング

毛生えの歌はスピーカーから流れていました。柳田が死んだとき、テープレコーダーに歌が録音されていたため、全員にアリバイがあることになりましたが、柳田は歌が聞こえてくる前に殺されていました。柳田のレコーダーに歌が録音されていたのは、実はずっと歌が流れていたからです。歌が流れるスピーカーはふたつあり、片方は通常歌、そしてもう片方は逆位相にした歌が同時に流れていたため、ノイズキャンセリングのような要領で、ある地点では音波が相殺され聞こえなくなっていました。(消音スピーカーという名称で車や航空機に使われているようです)

森に入った人物はなぜか毛が伸びていましたが、その原因は森の木の樹液です。この樹液には毛を生やす効能があり、森にいるだけでも効果があるようです。伸びる場所は人それぞれのようで、上田はもみあげ、矢部はすね毛、石原は頭髪、柳田は眉毛、小松は手の甲、橋本はヒゲ、橋本の妻マリアは髪、日向は耳毛、探検隊は鼻毛が伸びています。唯一、山田だけ毛が伸びていないようにみえます。伸びた場所がわかりにくいだけかもしれませんが、一切伸びていないのだとすれば、それは、山田が本物の超能力者であることを示唆しているのかもしれません。

つぼ八

森でつぼ八を見つけた日向と橋本ですが、闇市場に出回っていたつぼ八は偽物でした。橋本はロッカーにつぼ八を隠しましたが、これを村長・大橋大三郎がすり替えていました。つまり本物のつぼ八は村長が持っており、これは山田里見が発見しています。模造品を強調していること、つぼを運ぼうとした村の女性職員の代わりに村長がつぼを運んだことなどが、つば八発覚のヒントになっています。

手紙

最後、里見から渡された上田の手紙には、『「頭を坊主にしなさい」と言われている人の職業は何?』と書かれていました。この正解は警官(けいかん、毛いかん)です。最後に映し出されたポスターに答えが書いてあります。里見は上田と山田が手紙を読んでしまうと、二人は二度と会えないと言っていましたが、読むなと言われる読みたくなるタイプだった上田は、さっさと手紙を読んでいます。そして、山田と再会しないと答えがわからないという状況に陥ります。

妖術使い

妖術使いは、村長と小松でした。つぼ八を手に入れた日向達の前に現れたのが村長で、山田達の前に現れたのが小松純子です。山田は椎名桔平の顔を目撃していますが、これは幻覚だったようです。山田がみた妖術使い・椎名桔平は、里見の出身地である黒門島を追われたと言っていました。どうやらその妖術使いは黒津の分家の生き残りだったようです(シーズン1最終章に登場した黒津次男と黒津三男が黒津の分家でした)。

感想

トリック1に続きトリック2も、とても面白いです。ゾーーーンが強烈な印象を残すのは間違いないような気がします。シーズン1の記事にも書きましたが、ゾーーーンは、おっかぁさま!に並ぶ、名言だと思います。

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