no murder, yes life
国内推理ドラマ

TRICK シーズン3【あらすじ・ネタバレ・考察・感想】

5.0
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 2003年に放送された「TRICK(トリック)・シーズン3」の全エピソードのあらすじ、ネタバレ、感想などをまとめています。

キャスト
役名 キャスト 役どころ
山田奈緒子 仲間由紀恵 マジシャン
上田次郎 阿部寛 科技大の教授
矢部謙三 生瀬勝久 公安の警部補
菊池愛介 姜暢雄 矢部の部下
山田里見 野際陽子 奈緒子の母親
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言霊で人を操る男

 上田は山田を連れて言霊使い・芝川玄奘(げんじょう)が居座る村へと向かいます。言霊を操る玄奘は言ったことが現実になるという能力の持ち主です。

第1話:密室の謎 言霊で人を操る男

 いつも通りマジシャンを解雇された山田奈緒子は「どんとこい超常現象」「なぜベストを尽くさないのか」で有名な上田教授とともに、長野県蝨郡(しらみぐん)蛾眉村(がびむら)字虻(うじ)へと向かう。上田は村の開発を進める相沢即史(そくし、ではなく、そくふみ)から依頼を受け、村に居座る言霊使い・芝川玄奘のインチキを暴こうとしていた。上田と山田は消える山のトリックなどを見破るが、村に集まった玄奘の崇拝者を説得することはできなかった。“神の像の像”を探す南方熊作が現れる中、依頼人の相沢が、玄奘の言霊通りに自殺してしまう。

ネタバレ

村に到着するまえに、上田が上げ底の段ボール箱を使って、必ず赤い球を取り出す手品を披露しています。異様にでかい蓋が怪しすぎます。

玄奘は小屋でトランプの色が揃うトリックを披露しています。これは、赤いスートのカードと黒いスートのカードを1枚ずつ軽く貼り合わせていたようです。まず、赤いカードと、やや大きめの黒いカードを用意します。そして、黒いカードの裏に赤いカードを軽く糊付けします。糊付けされているということもあり、最初にみえるのは黒いカードのみです。カードをみせた後は、束ねてカードの裏面がみえるようにします。このとき束の一番上にあるカードは赤いカードになっているはずですが、黒いカードと貼りついています。そのため、カードをみせるときは、赤いカードだけをはがすようにして、おもて面をみせる必要があります。残りの束も赤いカードが現れるようにカードの縁を掴んで束をしならせれば、赤いカードだけが現れるはずです。赤いカードに触れずにカードの束をしならせた場合、小さい赤いカードだけはしならないので、黒カードから剥がれます。そして、赤いカードは手に引っかからないので、カードを落とすようにすれば、赤いカードが常に現れることになります。

山が消えるトリックは、小屋自体がクレーンに吊るされて宙に浮いていました。高いところからみると真ん中の山(の山)がみえましたが、低いところから見えると、目の前の森に隠れてみえなくなります。なお、山の名前はげんこつ山、の山、たぬき山です。

密室

依頼人の相沢は相沢は玄奘に“自殺する”という内容の言霊を受けており、鍵のかかった小屋で死んでいました。死体発見現場が密室だったこと、小屋の中のコップに毒物が付着していたこと、「私は死をえらぶ…」と書かれた遺書らしきメモなどの証拠から、警察は自殺と断定します。しかし、コップが綺麗に片付けられているなどの不審点もありました。

実際、相沢は自殺ではなく他殺でした。自分のテントで毒入りの水を飲んでしまった相沢は変な声が聞こえてきたため、外に逃げました。すると周囲で大量の柴咲香(しばさきこう)が焚かれていました。柴咲香に人を操る作用があると信じていた相沢は、煙から逃げるため、小屋へ逃げ込み施錠しました。しかし、既に毒を飲んだ後だったため、小屋の中で息絶えました。部屋が荒らされていたのは相沢は苦しんだためだと考えられます。遺書の全文は「私は死を選ぶ おそれなどない これが私の意思である」となっており、つまり「私は死を選ぶ恐れなどない(私が死を選ぶことはない)」という意味でした。これは山田が言った「明日は雨が降る 天気ではない」と同じで、二つの意味にとれる文章となっています(明日は雨でいい天気ではない、明日は雨が降るような天気ではない)。

第2話:言霊で人を操る男…解決編

 相沢の殺人を見破った山田だったが、決定的な証拠はなかった。玄奘は井上兄弟に言霊を与え、さらに、上田の命を賭けて山田に挑戦する。玄奘が仕掛けたのは、山田が絶対に黄色い紙を手にするというもので、山田は本当に黄色い紙を手にしてしまう。勝負に負けた山田は上田と逃亡。道中、二人ははぐれ、上田は井上真一が弟の真二を殺害し、さらに真一も死亡するという現場に遭遇する。一方奈緒子は村で母親・里見の姿を目撃する。どうやら里見は“神の像の像”を探している様子だった。その後合流した山田と上田は、謎の女性が持っていた“神の像の像”を盗み出し、さらに、地主の江藤が裏切者であることに気付く。

ネタバレ

山田が黄色い紙を手にしてしまった理由は、黄色い紙だけ金券だったためです。その額は3万円でした。“神の像の像”を持っていた謎の女性は里見で、つまり、奈緒子がぶん殴ったのは母親でした。像は里見が用意した偽物で、像の中には音に反応してスイッチが入るボイスレコーダーが仕込まれていました。山田奈緒子は願いが叶うと信じて「胸を大きく美しくしてください」と像に吹き込んでいました。切実でした。

井上兄弟殺害の謎を解いた山田と上田は、側近の鬼頭から玄奘がインチキ霊能力者であることなどの真相を聞き、矢部と一緒に捕まってしまいます。縄で縛られ、火あぶり寸前の三人でしたが、「なぜベストを尽くさないのか」という山田の言葉に上田が覚醒し、玄奘や鬼頭をやっつけます。

井上真二の死

井上真二は洞窟の中で倒れていました。洞窟の入口に兄の真一が座り込んでおり、凶器と思しきこん棒を持っていました。さらに、真一は自供らしき仕草もみせています。真二を洞窟の中でみつけたのは地主の江藤で、上田も近くにいました。上田は、真一の持っていたこん棒を預かって、その後洞窟の中に入りましたが、江藤に真一の方へ向かえと言われたため、すぐに洞窟から出ています。なお、上田は洞窟に入った直後に、洞窟内でこん棒を投げ捨てています。

兄の真一が犯人にみえる事件ですが、真二を殺したのは江藤です。江藤が真二に駆け寄ったとき、真二はまだ生きており、睡眠薬で眠らされているだけでした。江藤は上田を遠ざけたあと真二を殴って殺害し、凶器のこん棒と上田が捨てたこん棒をすり替えました。このすり替えたこん棒は洞窟の外の茂みに捨てていますが、後に山田と上田が発見しています。このこん棒には上田と手に付着した樹液が残っており、これが根拠となって、こん棒のすり替えが発覚します。

兄の真一が自供したのは、自分が殺したと思っていたからです。実は兄の井上真一は玄奘側に寝返っていました。しかし、弟の真二は相沢の味方という立場を貫いていました。玄奘の入れ知恵で真一は、真一が真二を殺害するという言霊を利用し、真二を殺すふりをしました。真一は真二を洞窟に閉じ込めただけですが、真二は鬼頭らに睡眠薬を盛られ、眠ってしまいます。眠った姿を目撃した真一は、もともと心臓の弱かった真二が自分のせいで死んでしまったと思い込み、自白するような態度をとっていました。

真二の日記には、ダイニホンアカマダラキュウケツツノムシに刺された、という内容が記されていましたが、実際には、睡眠薬が意識が朦朧としているだけでした。そもそも、ダイニホンアカマダラキュウケツツノムシという虫は存在せず、これは鬼頭らの考え出した嘘でした。玄奘を裏切らなければ虫に刺されないという風に洗脳していたようです。裏切った人物が死んだのも、原因はダイニホン…ではないようです。

井上真一の死

井上真一は玄奘に、黒い鳥居のある道を進むなと忠告されたにも関わらず、黒い鳥居の道を進み、崖から落下して死亡しました。鳥居は真っ白と黒の二種類あり、黒の方は真っ黒ではなく、どちらかといえばねずみ色で、ところどころに塗り斑もありました。このねずみ色の鳥居がいわゆるハズレで、崖へと通じる道になっていました。

真一がねずみ色を白と勘違いした理由は、真っ白の鳥居が“ガッツ石まっ虫”で覆われ真っ黒になっていたためです。白の鳥居には樹液が塗られており、これに反応したガッツが鳥居に群がっていました。ガッツの大群は、江藤がハネアリイヤーンで退治したため、上田や矢部が駆け付けたときには姿を消していました。

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瞬間移動の女

 詐欺まがいの商売で追われる身となった山田は、上田と共に神ヶ内村(かんがないむら)へと向かいます。村にはたいへん貴重な「ヲ-D2822難玉弐高式土偶(なんぎょくにこうしきどぐう)」を要求するスリット美香子なる人物がおり、山田はスキャット…スリップ……すりすりスリット美香子と対決します。

第3話:不可能犯罪の謎〜瞬間移動の女

 噴水の水をトレビの泉の水として売りさばこうとしていた山田は矢部達に追われることとなる。神ヶ内村の学芸員・芥川(ちゃがわ、ではなく、あくたがわ)に、難玉弐高式土偶の警備を依頼された上田は、逃走中の山田を連れ村へと向かう。土偶は空間にスリットをつくって瞬間移動する女、通称スリット美香子に狙われていた。一年前、村ではミカリ様と呼ばれ崇拝された人物のミイラが見つかったが、発見した西村博士(ひろし)が何者かに殺害され、ミイラは行方不明となっていた。

ネタバレ

スリット美香子は体育館で、箱に入れた500円玉を水槽の中から取り出すという瞬間移動を披露しています。最初、美香子は上田が印をつけた500円玉を箱に入れたようにみせていましたが、実際は手に持っていました。箱を振って音がしたのは、袖に音が鳴る小さな箱を隠していたためです。水槽の中にはアクリルで出来たコインが入っており、美香子はこれを布にくるんで取り出していました。このアクリルコインと500円玉をすり替え、500円玉を観衆にみせることで、水槽から500円玉を取り出したようにみせていました。

水面のスリットはフェノールフタレインという酸性やアルカリ性を調べる薬品によって色が生じていました。水面にはアクリルで作った細いコの字型の容器が設置されており、ここにアルカリ性の液体が入っていました。フェノールフタレインは石けん水のようなアルカリ性の液体と反応すると色が赤紫色に変わります。色が元に戻ったのは、酸性の液体が容器に入れられ、中性になったためです(フェノールフタレインは酸性と中性で無色になる)。

美香子は和装本の文字が消え、上田のノートの中から出てくるという瞬間移動もみせています。和装本の文字が消えたのは、本が蛇腹のように閉じられていた(蛇腹折りになっていた)ためです。美香子はまず表側をみせた後、本を持ち替えて、逆側から開くことで裏側をみせました。表側には文字が書かれていますが、裏側は白紙です。上田のノートの文字はあらかじめ用意していたようです。いつ仕込まれたかは明言されていませんが、上田が気絶しているときなど、チャンスはあったように思います。美香子は山田の寝相の悪さや寝言について知っているようなので、上田が旅館の外で美香子の瞬間移動をみたときに仕込まれたかもしれません。

スリットの真相、金庫を大事そうにしているサングラスの男・三沢の正体、上田が夜中に旅館の外でみた美香子の瞬間移動などは、次話でトリックが明かされます。

第4話:スリットに潜む罠〜瞬間移動の謎解決編

 夜八時に難玉弐高式土…を盗み出すと予告したスリット美香子は、予告通り、土偶が保管されたミュージアムへとやってくる。土偶はいくつもの扉の奥で展示されており、すべての扉には鍵がかけられていた。扉の鍵はほんの少し前に全て取り替えられており、さらに、唯一の裏口も鉄アレイの入った段ボール箱によって塞がれていた。どう考えても侵入は不可能と思われたが、美香子が姿を現した直後、誰もいないはずのミュージアムから物音が聞こえ始める。警備にあたっていた山田達は、一旦裏口を確認し、その後、正面の入口から土偶のもとへと向かった。するとそこには、スリット美香子の姿があった。土偶の部屋から逃げ出した美香子を追う一行だが、美香子はまたしても姿を消す。美香子がミュージアムから出た気配はなかったが、なぜかミュージアムの外から正面入り口を通って再び姿を現すのだった。

 美香子が何度もミュージアムに現れたが、土偶は盗まれておらず、他に紛失したものもなかった。しかし、よくよく調べてみるとミュージアムにあった土偶は偽物で、本物は、男の勲章のようなサングラスをした三沢の金庫の中に入っていた。そして、三沢の死体が“口上の月岩(こうじょうのつきいわ)”の中から見つかる。土偶を狙っていた美香子だったが、迫力に欠けると言い、今度はミカリ様のミイラを発見したという。そのミイラを美香子が小屋に閉じ込められた状態で移動させてみせるという。上田達は美香子を閉じ込めてみせるが、翌朝、本当にミイラが発見される。ミイラのそばには、村の助役である川端の死体があった。

ネタバレ

一連の事件の犯人はスリット美香子ですが、美香子には共犯者がおります。芥川です。芥川は難玉弐高式土偶を三沢に横流しし、代わりに金を受け取っていました。その後、芥川は三沢から本物の土偶を使って強請られることになります。つまり、芥川の動機は三沢の強請りといえます(原因は芥川の悪行にあります)。

一方スリット美香子の動機は父親殺害の復讐でした。美香子の本名は西村美香子で、父親は一年前のミイラ発見時に謎の死を遂げた西村でした。生前西村はミイラを盗もうとしている人物がいることに気付いており、このことを美香子に伝えていました。美香子は父の死が殺人であると訴えましたが、取り合ってもらえず、結局、西村の死は事故として処理されてしまいます。このことに憤りを覚えた美香子はミイラを盗み、父を殺害した人物への復讐を決意します。

土偶騒動

ミュージアムに現れた美香子は扉の鍵を持っていました。芥川が全員を裏口に向かわせたあと、美香子は鍵で南京錠を開け土偶の部屋へと向かいました。このとき、各扉は南京錠がかかっているようにして扉を閉めておきました。そこへ裏口から戻ってきた芥川がやってきて、鍵がかかっているような演技をしながら扉を開けていました。

土偶の部屋で姿をみせた美香子は、部屋を出て裏口から外に逃げました。重すぎる段ボール箱で塞がれていた裏口ですが、実は、一番下の段ボール箱だけは空でした。美香子は一行が裏口付近を通り過ぎた後、段ボール箱をずらして裏口から表に出ました。裏口の鍵や段ボールは、盗難品の確認に戻った芥川が元に戻しています。

土偶が偽者だったのは、芥川が本物を横流ししたため、そもそも偽物が置かれていました。なお、美香子が現れた後に聞こえた物音は録音テープの音です。

三沢の金庫には最初から本物の土偶が入っていました。美香子が持っていた土偶が偽者です。美香子は布で隠して土偶を足元に落とし、落ちた土偶を芥川が回収し鞄に隠していました。

スリット

矢部と菊池がみたゴルフ場のスリットはアルミのような鏡面の素材を破いたことで作られていました。美香子が用意したのは、くの字に折れ曲がった衝立と、スリットの背景になる壁紙です。衝立の表面は鏡面になっており、壁紙は回転する円盤に貼り付けられていました。この円盤が回転すると壁紙の模様が動いているようにみえる仕組みです。鏡面になっている理由は周囲の景色を映すことで衝立の存在を隠すためですが、鏡に映り込んだ井戸が山田にヒントを与えてしまいました。

土偶騒動のときにミュージアムの外でみせたスリットは暗幕と回転する壁紙が使われていました。美香子は暗幕を破ってその中に入り、姿を消していました。

上田が夜中にみた美香子の瞬間移動は美香子のような服を着た芥川が協力していました。上田が最初にみたのは芥川で、体型は服に継ぎ接ぎのようにして作り出した黒い部分で誤魔化していました。上田と山田は痩せて見える服を芥川の研究室で手に入れたと言って芥川を追い込みます。研究室には穴が開いており、上田達が本当に服を手に入れたようにみえましたが、実はこれは罠でした。服は上田達が用意した偽物で、穴は、穴が開いているようにみえる紙が貼ってあるだけでした。

岩の中の死体

三沢の死体が“口上の月岩”の中から見つかっていますが、これは、滝に死体を落とせば、地下水路を通って岩の中に現れるという仕組みでした。ミカリ様がみせたという超能力も、このトリックを使っていたようです。

ミイラと川端

美香子が閉じ込められた翌朝、ミイラと川端の死体が見つかります。この川端こそが、ミイラを盗み、美香子の父を殺した犯人でした。川端が死んだのは、ミイラを取り出したためで、ミイラには毒が塗られていました。その毒は太陽光を浴びると効果が現れるという毒物で、墓暴きを懲らしめるために塗布されていたようです。

美香子はもちろん、共犯者の芥川もミイラの隠し場所やミイラ泥棒・西村殺害の犯人を知りませんでした。そこで美香子は強請られている芥川を利用し、瞬間移動の超能力を村人に信じ込ませました。美香子のスリット能力を信じた川端はミイラの在り処を知っているという美香子からミイラを隠そうとしましたが、毒にやられ死亡しました。

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絶対死なない老人ホーム

 死なない老人ホームの調査のため、上田と山田は老人ホームの赤地先生と対決します。

第5話:新展開!…絶対死なない老人ホームの謎

 手品で大量のパンの耳を手に入れた山田が帰宅すると、部屋には調査依頼を受けた上田がいた。依頼人は京國屋書店の社長夫人で、その内容は、夫人の母が入居しようとしている絶対死なない老人ホームの調査だった。書店で上田次郎フェアを開催するというエサを撒かれた上田は依頼に飛びつき、早速、老人ホームへと向かった。一見、何の変哲もない老人ホームだったが、病院で死亡したはずの古川というじじいが入居しており、さらに上田は、赤地先生と呼ばれる男がほぼ空になったグラスのビールを溢れさせる姿も目撃したという。

 山田の亀を人質にとった上田は山田を連れ再び“魯人(ろじん)老人ホーム”を訪れる。元通りになる招き猫、元に戻る縄などのトリックを看破した山田は、猟銃で自殺する古川と副理事長・千田鶴二郎の蘇りトリックも見破り、千田を強引に救急車に乗せてみせる。山田は二人の自殺が狂言で、古川も千田も生きていると考えていた。しかし、千田は病院で死亡が確認される。

ネタバレ

グラスに1/3ほどしか残っていないビールが溢れたのは、赤地がビールの中に何かを入れたためのようです。山田は手に隠した塩や砂糖を使ったと話しています。

招き猫が元通りになるという復元能力は、破壊された招き猫と全く同じ招き猫がもう一つありました。赤地はあらかじめ一方の招き猫の手を破壊していました。このときに生じた欠片を隠し持ったまま、もう一方の招き猫を破壊しました。破片を取るふりをして、あらかじめ持っていた破片を取り出し、これを上田に渡しました。つまり、上田が持っていた破片は赤地が壊した招き猫の破片ではありませんでした。赤地は、箱の中に手が欠けた招き猫を仕込んでおり、これを取り出して、破壊した招き猫が復元したようにみせました。

ロープのマジックはロープを複雑に折り曲げて持ち、真ん中を切っているようにみせていました。実際に切ったのはロープの端の方です。ロープの持ち方は詳しく紹介されておらず、持つシーンもカットされているようです。

古川と千田の自殺と蘇りについて、山田は銃に仕込まれているのが空砲で、赤地、理事長の万田亀太郎、古川、千田は演技しているだけだと考えていました。赤地が弾を手に持っていたのもあらかじめ仕込んでいただけです。古川に関しては、確かに山田の推理通りだったようですが、千田は本当に死んでしまいます。

第6話:絶対に死なない老人ホームの謎〜解決編

 副理事長・千田の死亡によってボロ負けした山田達は一旦、老人ホームを離れる。千田には借金があったことから、警察は借金の苦にした自殺として処理しようとする。対して山田と上田は、千田が老人ホームの金に手を出そうとしたため、理事長の万田が空砲と実弾をすり替えて千田を殺したと主張する。山田達の推測を聞いた赤地と万田は再び復元能力をみせつけるが、このトリックを見破った山田が、老人ホームの老人達は全員赤地のぐるではないかという疑問を持つ。山田は入居老人である吉川の家族を訪ね、写真を受け取るが、そこに写っていたのは確かに老人ホームの吉川らしかった。

ネタバレ

粉みじんになった“おてもやん”が赤地の能力によって復元したようにみえましたが、覚醒した上田と発狂した山田が粉々にしたおてもやんと、最後に登場したおてもやんは別物でした。破壊されたおてもやんを片付け、もう一つのおてもやんを置いたのは老人ホームのお爺さんやお婆さんです。お爺さん達はパネルの裏に隠れ、パネルの回転に合わせて移動するなどして姿が見られないようにして、パネルの内側に忍び込みました。赤地が「もど~れ」と唱えている時、お爺さん達は必死におてもやんを食べていました。実はおてもやんはおかしでできており、数人で頑張れば消し去ることができました。食べ切ったあとは、持ち込んだおてもやんのパーツを組み立て、おてもやんを復活させました。

赤地は、あえてパネルを引きずるなと言って、引きずるという不自然さを隠しました。もしも、パネルが持ち上げられていたら、裏に隠れた老人の足がみえてしまいます。赤地が破片を砕いたのは食べやすくするためであり、「もど~れ」が長かったのは食べる時間を稼ぐためでした。

老人ホームの正体

赤地や理事長の目的は死んだ老人を生きているようにみせることにありました。老人ホームにいた老人達は全てバイト(時給560円)で、本物の老人は既に死亡しています。老人達の家族も老人ホームに協力しており、その理由は、老人が生きていれば相続税が発生しないからです。お金持ちが老人ホームに入れなかったのはまだ元気だったからであり、赤地達は今にも死にそうな老人だけを選んでいました。そして、死んだ後に入るため、偽物が老人を演じ続ける限り、絶対に死ぬことはありません。なお、面会時間が午後2時から4時までと短かったのは、その時だけ、バイトの老人達が集まるからであり、それ以外の時間帯は誰も老人ホームにはいなかったようです。

証拠は古川を看取った看護師の証言ですが、これは信憑性が低いものになってしまいます。しかし、もう一つの「うさぎおいし」が決定的な証拠となります。本物の古川は「兎美味しい」だと思っており、このことを偽物の古川は知りませんでした。本物が「うさぎ美味しい」だと思っていたという根拠は本物の古川が残した書にあり、これが古川の写真に写っていました。本来の意味である「兎追いし」と答えた偽物の古川は、教えてもらってない、と口を滑らせます。

赤地の目的

老人ホームには赤地の父親・茂蔵が入居していました。時計の修理をしていた茂蔵は船の事故で死亡しましたが、赤地が蘇らせ、老人ホームに住まわせていました。真相が暴かれた後、赤地は茂蔵も偽物で、記憶を失くした他人だと話します。しかし、茂蔵にしか修理できないと言われていた時計が鳴り響き、山田は茂蔵は本物だということに気付きます。その証拠に、赤地の腕には、柿の木から落ちたときに着いた傷の跡が残っていました。赤地が柿の木から落ちたというのは、茂蔵が語っていた思い出でした。

入居していた茂蔵は赤地の父親に間違いありませんが、船の事故に遭い死んだというのは嘘です。蘇らせたというのも、もちろん嘘です。実は茂蔵は船に乗っていませんでした。しかし、世間では船の事故で死んだことになっていました。このことを利用し、赤地は父を殺して保険金を手に入れようとしました。赤地は海辺で「もどれ」と呟きながら茂蔵を水死させようとしましたが、茂蔵は生きて帰って来てしまいます。しかし記憶はなくしており、茂蔵は息子が命を救うために「もどれ」と唱えていたと勘違いします。赤地が「もどれ」と声に出したのは、抵抗する茂蔵を海へ戻すためであり、命を取り戻すためではありませんでした。茂蔵が海から生きて帰ってくるとき、人にみられていたため、船の事故で死んだようにみせることはできなくなり、赤地は父の殺害を諦めます。しかし、茂蔵が徐々に記憶を取り戻し始めたため、殺人未遂を隠す必要性が生じました。

赤地の殺人未遂を隠すトリックが、死なない老人ホームです。赤地は、茂蔵が一度死んで蘇ったと偽り、偽物の老人達に混ぜることで、茂蔵も偽物であるようにみせようとしました。

一方、記憶が定かでない茂蔵は息子の能力を信じていました。警察に連れていかれそうになった赤地をみて、茂蔵は足が治ったといい、さらに、猟銃で自分を撃ち抜きます。息子が生き返らせてくると信じてやまない茂蔵は瀕死の状態で、力をみせてやれと息子に言いますが、当の息子は、迷惑そうに「無理ですよ」「僕にはそんな力はない。インチキですから」と答えます。そんなやり取りを最期に、茂蔵は絶命します。

死を招く駄洒落歌

 絶対に開けてはいけない扉を開けたために、封印されていた闇十郎なる人物が復活し、次々に殺人を起こしていきます。いつものインチキ超能力者との対決ではなく、殺人鬼との対決です。

第7話:死を呼ぶ駄洒落歌〜旧家の呪いに潜む謎

 山田が帰宅すると、そこには上田が座って待っていた。百人一首を使ったわかりやすい手品をみせた上田は亀山家の話を始める。亀山家は先祖が和歌の達人という名家だったが、屋敷を売り払うことになっていた。その屋敷には決して開けてはならないと言い伝えられてきた扉があり、顧問弁護士の松村はその扉の処置に困っていた。松村に立ち会いを依頼された上田は山田を連れて屋敷のある水行座村(すいぎょうざむら)へと向かう。

 亀山の屋敷には、寝たきりの当主・亀山鶴子、鶴子の孫の千鶴、千鶴の双子の妹である千里と千春などが暮らしていた。夜になり、一族が集まると、ついに開けてはならないとされてきた“いちまつ模様の扉”を開けることになる。大役を押し付けられた山田がいちまつ模様の扉を開けることになるのだが、扉の奥には何もなかった。

ネタバレ

上田がみせた百人一首の手品は残りの札を全て調べることで、抜き取られた札を探すというトリックでした。これは、百人一首に限らず、トランプでもできる手品です。

山田がいちまつ模様の扉を開けますが、部屋には何もありません。隙間風が入って変な音が響いているだけです。しかし、この部屋で亀山藤二郎が刺殺されます。藤二郎は寝たきりのお婆さん・鶴子の次男です。三年前にある女性と恋に落ちましたが、俗世の人間だったため、亀山家に無理矢理引き裂かれました。その後、その女性は自殺しているようです。

藤二郎殺害後、不気味なお面をつけた闇十郎なる人物が亀山麗香のもとに現れます。闇十郎は江戸時代の頃に生きた亀山家の祖先でした。そして、亀山家の中で、和歌で詠んだことを現実するという超能力が卓越した人物でもありました。そんな闇十郎は遊女と結婚しようとして、一族のものに焼き殺されてしまいます。その死体が隠されていたのがいちまつ模様の扉の部屋でした。開けてはならない扉を開けたため、闇十郎が復活したとも考えられますが、その真相は謎です。

叫びまくる麗香を千鶴が化粧で落ち着けると、「おしゃべりすずめは毒舌家。毒の舌もち、話に水差し、みずから毒飲み、哀れ泡吹く」という和歌がみつかります。水差しから毒を飲むと用心していた麗香は、一族や上田達が水を飲むのを見届けてからコップで水を飲みましたが、和歌の通り、泡を吹いて死亡します。闇十郎が犯人かどうかはさておき、麗香殺しについては、毒を仕込んだ方法が謎となります。

翌日の夜、黒い服装が多い千里が食事に姿を現さず、千里の部屋で「しのぶ恋、鐘の音鳴りて、明かり落ち、くら暗くなりくらくらと、恋しき人よ、身を焦がす」という和歌がみつかります。そしてこの和歌の通り、鐘が鳴り、停電して、浴槽で感電死した千里がみつかります。感電させるために、コンセントから伸びたコードが使われており、停電は、コードを浴槽に入れたためと考えられます。停電時、一族や山田達は千里の部屋に集まっていたため、全員にアリバイがあることになります。つまり、闇十郎なる別の人物が犯人ということになりますが、停電は二回起きており、最初の停電でコードが入れられたわけではないようです。

藤二郎、麗香、千里の殺害について犯人や動機、手口などは不明のままとなります。また、闇十郎の正体もこのエピソードでは明らかにされません。

第8話:死を招く駄洒落歌の謎〜解決編

 「しのぶ恋…」の和歌が千里を蔵に呼ぶ出すための恋文だったと推理した山田はどこかの金田一の如く、一族を追い詰めようとする。しかし、推理を披露する山田こそが犯人だと指摘されてしまう。翌日、動かすなという立て札を無視して重石を動かした山田は木の下敷きになり、七輪焚かれる部屋で監禁されてしまう。一方屋敷では「おしゃべりすずめはしゃべり過ぎ。桂の下に迷い込み、息もつかせぬ、生きては帰さぬ」という和歌がみつかり、山田の監禁が発覚する。上田と千鶴、そして捜査のために来ていた矢部は山田の捜索を開始し、まず桂の木へと向かう。しかし、桂の木周辺には何もなく、臼池(うすいけ)近くの小屋で山田を発見する。山田は無事だったが、小屋の中で「かみなり鳴りて我は神なり明神様と手をつなぎ崖の上より、天に舞う。空の上、訪れしかな」という和歌がみつかり、布施明神近くの崖下で、千春の死体がみつかる。

ネタバレ

小屋で発見された和歌には「かみなり鳴りて」と書かれており、この一文から、和歌は雷鳴の後に用意されたことがわかります。雷は上田達が臼池へと向かう途中に鳴り響きました。このとき、亀山家の一族は死んだ千春を除く全員が屋敷にいました。屋敷から出て行った人物はおらず、距離も離れているため、和歌を残すことは不可能です。上田達と山田を探していた千鶴は、和歌だけであれば小屋に準備することはできそうです。しかし、桂の木周辺を探した時以外はずっと上田や矢部と一緒だったため、千里の殺害は不可能にみえます。

山田が屋敷に戻った後、当主の亀山鶴子が亡くなります。これを機に、依頼人の顧問弁護士・松村が呼び出されます。山田は上唇についた牛乳で二番目に死んだ麗香の毒殺トリックに気付きます。そして、偽物の闇十郎を使って犯人に罠を仕掛けます。

殺人の真相

藤二郎、麗香、千里、千春を殺害し、山田を閉じ込めた犯人は亀山千鶴です。闇十郎に変装していたも千鶴でした。動機はビジュアル系の亀山哲也に亀山家当主を継がせるためでした。藤二郎は鶴子の次男、麗香は長女であるため、当主を引き継ぐ可能性がありました。なお、千鶴の両親は他界しています。妹である千里や千春を殺したのは、哲也に恋心を抱いていたからであり、実は千鶴も哲也に想いを寄せていました。

藤二郎殺害については詳細に語られませんが、おそらくシンプルに暗闇の中で藤二郎を刺したようです。

麗香は千鶴が化粧をした時に上唇に毒を塗られていました。麗香がコップで水を飲むと上唇に塗られた毒が溶けだし、麗香は死亡します。水差しからも毒物が検出されたのは、犯人の千鶴が、死亡の混乱に乗じて水差しに毒を入れたためです。

千里の殺害は二度目の停電時に犯行が行われました。部屋に全員が集まっていた時の停電は千鶴が計画的に起こしたものでした。停電後、千鶴は蔵に呼び出してた千里を襲い、浴槽に入れて感電死させました。

千春の殺害は千鶴達が桂の木周辺を捜索しているときに行われました。千春は布施明神近くの崖から突き落とされたと考えられていましたが、本当の犯行現場は桂の木周辺でした。桂の木周辺と布施明神の近くには川が流れており、桂の木側が上流になっています。このことを利用して千鶴はあらかじめ桂の木の近くの崖に千春を呼び出しておき、そこで、千春を突き落としました。千春の死体は川を流れて下流へと向かい、川が蛇行する布施明神近くに流れ着きました。小屋に和歌を用意したのも千鶴で、上田と矢部が山田を手荒に扱っている最中に、書き残しました。

遺言

亀山鶴子が亡くなり、弁護士の松村によって遺言が読み上げられます。遺言状には「亀山の名を捨てよ」という一文だけが記されており、それはつまり、亀山家解散!ということでした。実は亀山家は借金だらけで、返済のために屋敷を売り払おうとしていました。相続のために殺人を犯した千鶴でしたが、借財で解散することになっていたため、すべて無駄なことでした。このことを知った千鶴は服毒し、満月の下で「月も見捨てしこの夜は金つき餅つき嘘をつき、夜明けはみえず命つき」と詠んで死亡します。

お金がない亀山家は、上田に払う報酬にも対策をしていました。上田がサインした「なぜベス」は契約書になっており、そこには、報酬は一切要求しないことを誓います、と記されていました。

黒幕

弁護士の松村は亀山家の懐事情をよく知っていました。このことを一族に伝えていなかったのは、自殺した妹の復讐のためです。松村の妹は藤二郎と恋に落ちた女性でした。松村は妹の死後、亀山家に弁護士として入り込んでいました。

いちまつ模様の扉

山田が開けた“いちまつ模様の扉”は一本の松が描かれていました。屋敷には、市松模様が施された扉が別にあり、それに気付いた山田はお宝だと信じて扉を開けます。中には紙束が入っており、それはなんと春画でした。つまり、亀山家の御先祖様は卑猥な書物を隠すために、大きな災いが訪れるとうそぶいていました。

念で物を生み出す女〜黒門島の謎Ⅱ

 山田と上田は霊能力者・長谷千賀子と対決し、その後、黒門島の人物とも遭遇します。

第9話:~最終章~念で物を生み出す女

 落花生売りのおじさんを予知能力的なやつで救った山田は帰省し、母・山田里見と父の馴れ初めを聞かされる。さっさと切り上げて帰宅すると、またしても上田が勝手に入り込んでいた。今回の依頼人は御獅舞村(おしまいむら)の北見という男性教師で、北見は村に現れた霊能力者・長谷千賀子について上田に相談しに来たという。千賀子は25年前、インチキと言われ御獅舞村を追われたが、最近、恨みを晴らすため村に戻り、居座っているという。村人が仕向けた討伐隊は行方不明になってしまい、千賀子の様子を見に行った依頼人・北見も心臓に針を実体化すると言われてしまう。

 上田と、精力剤を飲んで元気マンマンの山田は村へと出向き、今晩中に針が実体化する北見と共に夜を過ごす。どうやっても北見に針を仕込む余地などない状況であったが、夜中0時に北見が死亡し、解剖の結果、心臓から針が見るかる。

ネタバレ

北見が死んだのは心臓の針が原因のようですが、そのトリックはこのエピソードでは語られません。

北見が死んだ後、上田と山田は千賀子の小屋へ行きます。そこで千賀子は使用人の岸本誠一が思い浮かべた文字を当ててみせます。千賀子はまず、空箱に紙が出現するという超能力をみせています。これは、箱の中に底敷きの厚紙を入れることで、紙が現れたようにみせていました。紙はもともと箱の中に入っていましたが、底敷きの下にありました。千賀子は箱をひっくり返して開けるようにして底敷きを移動させ、紙有りと紙無しを操っています。岸本の文字は当てたわけではなく、答えを聞いた後に紙に書いていました。あぶりだしを使ったため、紙に浮かび上がったようにみえました。

散々毒見した後に金井源三が死んでいますが、これは、ガッツ…もとい源三が、寝室に隠していた水を飲んだためです。毒が入っていたのはこの水で、水差しの方には毒が入っていませんでした。水差しの水が減っていなかったというのがヒントになっています。

源三死亡後、矢部が千賀子の小屋を訪れます。そこで、封筒を一つ選ぶように命じられます。封筒の中には消えた討伐隊員の名前を書いた紙が入っており、千賀子は矢部が選んだ封筒の人物だけ死ぬと言います。矢部が小屋を出て村へ戻り、途中、縛られた討伐隊を見つけますが、金井省吾だけが死んでいました。矢部が封筒を開けると、そこには、なんと金井省吾の名前が書かれた紙が入っていました。一見すると千賀子が予言したようにみえますが、これは、千賀子が省吾の死を知っていて、すべての紙に省吾の名前を書いたというトリックでした。

なお、25年前、千賀子が夫に飲ませたという水は、ただの水で、夫が回復したのは暗示・プラシーボ効果だったようです。

黒門島

省吾の死体発見後、山田は一人で千賀子の下へと向かいます。千賀子は山田に呪いの封筒を渡し、死んで欲しい人物の名前を書くように命じます。するとそこに討伐隊が現れ、小屋に火を放とうとします。岸本の母親が千賀子だったと判明し、その直後に、千賀子が苦しみ出します。山田が呪いの封筒に書いたのは千賀子で、死をもって千賀子は呪いの封筒の力が本物であることを示します。さらに千賀子は自分に能力を与えた人物が近くにいると話し息絶えます。能力を与えたその人物というは討伐隊のことで、討伐隊員達は全員黒門島から来た男達でした。黒門島の男達に囲まれた山田は薬で眠らされてしまいます。

第10話:解かれた封印 霊能力の真実

 上田が千賀子の小屋に駆け付けた時、そこには誰もいなかった。山田は黒門島で目を覚まし、黒津分家の一同と対峙する。黒津分家と同級生の自己紹介のあと、山田はカミヌーリの力を試され、その結果、山田の霊能力者としての力が証明される。黒津分家は山田里見の“神の憎悪の像の像”によって封印された武器を解放する五文字の言葉を探しており、それはどうやら、奈緒子の父・剛三が里見にプロポーズした時の言葉らしかった。そんな言葉知らん。山田は上田と共に、「あああああ」から「んんんんん」までを全て口にし正解に辿りつこうとする。その頃、矢部と菊池が盗まれた金井家の2000万円を発見し、捜査のため、岸本誠一が訪れている黒門島に矢部達も姿を現すのだった。

ネタバレ

山田が赤と青の玉を当てたのは、玉を握っていた黒津康男が選ぶ玉を操作していたためです。康男は最初、赤い玉だけを握っていました。山田の赤や青という言葉に応じ、康男は玉を左右に振り分けていましたが、実際は全て赤の玉でした。二つ目のコップを用意した後、康男は青い玉だけを握っていました。つまり、山田からみて、手前のコップには赤い玉、奥には青い玉だけが入っていました。そして、山田に布を被せた直後、石のテーブルを反時計回り90度回転させ、山田からみて右が赤、左が青になるようにコップの配置を変えました。これと似たトランプマジックにアウト・オブ・ディス・ワールドというものがあります。

真犯人

2000万円を盗み出したのは岸本誠一です。カバンが省吾のものであると言っていたのは嘘だったようです。岸本は2000万円を盗んだ後、源三(ガッツ)や息子の省吾に疑われました。そこで、黒津分家と共謀し、母・千賀子に罪をなすりつけつつ、二人を始末しました。木に「すぐにここを立ち去れ…」という脅迫文を念写にみせかけて書き残したのも、上田の突き落としたのも岸本です。岸本の足の怪我は上田を突き落としたときに失くした靴を隠すための嘘でした。神の憎悪の像…がある洞窟で岸本が火を放とうとしたのは関係者を皆殺しにするためです。

第一話から登場してた南方熊作は黒津家の使者と名乗っていましたが、その正体は公安部の警部でした。南方は黒津家に潜入していた捜査官でした。

五文字

神の憎悪の…の五文字は「あああああ」から「んんんんん」の組み合わせの中にはありませんでした。これは既に黒津家が試していました。正解はフランス語で愛してるの意味となる「ジュヴゼーム」で、日本語にはない発音が答えになっていました。

武器

ジュヴゼームで開いた扉の奥には妖術使いのお面と箱があり、その箱の中に武器が入っているようでした。ただし、最初に開けたものは死ぬとされているようです。山田がこの箱を開けると、毒ガスが噴き出し、周囲の人物は一目散に逃げます。やや離れたところにいた警官達や岸本は助かりますが、黒津分家の人間は逃げ遅れ死亡します。箱を開けた山田は無事で上田も無事でした。上田は山田のために逃げなかったということにしていましたが、実は、脱兎の如く逃げたにも関わらずズボンを引っかけて転び、その結果、毒ガスが空気より重くて地面側に溜まることに気付いただけでした。

結末

山田と上田は別れ際に封筒を交換します。封筒には手紙が入っており、二人はお互いの姿が見えなくなってから封筒を開けると約束します。山田が上田に送った手紙には「なぜベストを尽くさないのか」と書かれていました。一方、山田が受け取った手紙には“門構えに火”の文字が書かれていました。それは、里見と剛三が読み方を決めた文字で、その読み方はジュヴゼームです。

手紙を読んだ山田が海辺でたそがれていると、背後の砂場から上田が姿を現します。

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