『赤毛組合(赤髪連盟・赤毛連盟)』は、赤毛の人物だけが加入を許された謎の組合が登場します。原作小説は1891年に発表されました。短編集「シャーロック・ホームズの冒険」として発行されたのは1892年です。赤毛組合、赤毛連盟、赤髪(あかげ)連盟、赤毛クラブなどなど、様々な日本語タイトルがありますが、いずれも同じ作品を意味しています。
項目 | 内容 |
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発表 | 1891年8月発表 (ストランド) |
発表順 | 4作品目 (60作中) |
発生時期 | 1890年10月29日~ 同年10月30日 (1887年という説もある) |
発生順 | 13件目 (60作中) |
あらすじ
質屋の店主であるジェイベズ・ウィルスン氏は安い給料で雇ったばかりの従業員ヴィンセント・スポールディングから赤毛組合の話を耳にする。その組合は赤毛の人物だけが入れ、高い給料を払われるという。赤毛だったウィルスンは組合の募集に応募し、ダンカン・ロスとの面接の結果、見事、合格する。その後、ウィルスンは小さな事務所で、1日4時間、百科事典を複写するという仕事を始める。書き写しは順調に進んでいたのだが、2カ月経ったある日突然、事務所が閉鎖され、赤毛組合は解散してしまう。当然、ウィルスンの仕事も、途中で終わってしまった…。そんな奇妙な体験をしたウィルスンは赤毛組合のことをシャーロック・ホームズに相談するのだった。
ウィルソンが、赤髪連盟のことをシャーロック・ホームズに話すと、ホームズと一緒にいたワトスンは大いに笑った。しかしながら、ホームズはウィルソンの馬鹿げた体験談にとても深刻な問題が潜んでいると感じていた。ホームズとワトスンは調査を開始し、まず、質屋へ向かった。ホームズは杖で舗道を叩き、近くの銀行を見て回った。ベイカー街へと戻りホームズは警察の検査官と銀行のメリーウェザーに会うのだった。
登場人物
登場人物を簡単にまとめます。主人公であるシャーロック・ホームズとワトスン博士は除いています。
名前 | 説明 |
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ジェイベズ・ウィルスン Jabez Wilson |
依頼人。赤毛の男性 質屋を営んでいる |
ヴィンセント・スポールディング Vincent Spaulding |
質屋の従業員 格安の賃金で働いている |
ダンカン・ロス Duncan Ross |
赤毛組合の組合員 |
名言
THE RED-HEADED LEAGUE IS DISSOLVED. 20 OCT. 9, 1890
赤毛連盟は解散 1890年10月9日
Arthur Conan Doyle , The Red-Headed League
‘As a rule,’ said Holmes, ‘the more bizarre a thing is the less mysterious it proves to be.’
「一般的に」ホームズは言った。「事件が奇妙であればあるほど、その謎は少なくなる」
Arthur Conan Doyle , The Red-Headed League
ネタバレ
四人の男達は銀行の金庫に潜み、待ち伏せすることになる。組合の正体はウィルソン氏を質店から遠ざけるために用意された偽の組合だった。赤毛というのはウィルソンを応募させる口実だったのだ。犯人は質店から銀行までのトンネルを掘っていた。
しばらくして、銀行につくられたトンネルからジョン・クレイが姿を現した。その男はだ実はウィルソンが雇った従業員ジョン・スポールディングだった。彼はすぐに取り押さえられた。スポールディングは確実に質屋に雇われるため、半分の賃金しか要求していなかった。質屋の従業員となったスポールディングは密かに地下室にこもり、トンネルを掘り続けた。そして、赤髪連盟を使って店主のウィルソンを店から追い出し、騒音著しい作業を進めた。そしてついにトンネルはつながったのだが、ホームズらに待ち伏せされてしまったのだった。
ドラマ
グラナダ版ドラマは、1985年9月22日に放送されました。シーズン2の第5話(53分)となります。
項目 | 内容 |
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シーズン | 2 |
話数 | 5 |
放送順 | 12 |
放送日(英) | 1985年9月22日(日) |
出演者 | キャスト一覧 |
原作とドラマの違い
原作とドラマについて、発端や展開、結末などはほぼ同じです。大きな違いは、ドラマにモリアーティ教授が登場する点です。ドラマにおいて、事件の黒幕はモリアーティ教授ということになりますが、原作小説に黒幕という設定はなく、すべてジョン・クレイとダンカン・ロスの犯行です。なお、小説にモリアーティ教授は一切登場しません。
感想
推理短編小説として、傑作や名作に名前が挙がることの多い作品です。江戸川乱歩が選んだ『世界推理短編傑作集』(短編集)では、数あるコナン・ドイルの作品の中で、この赤毛組合が選ばれています。赤毛の人物しか入れない奇妙な組合、事務所で行われた単純作業、ある日突然の解散、という出だしが興味をひくだけではなく、その結末にも驚きがあり、出オチ感は全くありません。
身体的特徴が入会条件というのは、今の世の中だと大炎上しそうです。仮に、赤髪連盟みたいな団体が現代にあったとしても、不審過ぎるので、あまり関わりたくないと思ったりしそうです。この赤髪事件で、依頼人は特に何も被害を受けていないので(地下に穴ができちゃいましたが)、楽な仕事でちょっと稼げて、おまけに、奇妙な体験もできてラッキーでした。
考察
邪魔な人物を遠ざけるためのトリックが登場します。赤毛の人物しか入会できないという条件が非常に怪しいですが、興味をそそられます。このトリックは「赤毛トリック」などと呼ばれ、類似のトリックが他のミステリー作品に登場します。
まとめ
シャーロック・ホームズの「赤毛組合」について、原作とドラマのあらすじとネタバレ、感想などをご紹介しました。
- 発端依頼人ウィルスンがやってくる
ウィルスンが突然解散した赤毛組合について話す
赤毛だけが入れる組合に入ったウィルスン。百科事典を書き写すという謎の仕事をして、高額報酬を得ていた - 展開一通り話を聞きホームズがワトスンを連れ調査へ出掛ける
ウィルスンの営む質屋、質屋周辺の建物を見て回り、解散 - 結末夜十時にベイカー街に集まる
集まった関係者を連れホームズある場所へと向かう
犯人
- ヴィンセント・スポールディング
Vincent Spaulding
その正体はジョン・クレイ(John Clay)。質屋の従業員となり、質屋の地下で穴を掘っていた - ダンカン・ロス
Duncan Ross
ヴィンセントの仲間
2分でわかる動画
『赤毛組合』のあらすじ、伏線、真相と結末などを2分くらいで動画にまとめています。
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