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孤島パズル|あらすじ・感想・ネタバレ【有栖川有栖】

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 有栖川有栖さんの〈学生アリス/江神〉シリーズ『孤島パズル』は、南国の孤島を舞台に、連続殺人、 宝探しなどが登場するミステリーです。この記事ではあらすじ、感想、ネタバレなどをまとめています。

項目 評価
読みやすさ
好みの分かれやすさ
キャラクターの魅力
テーマ性
飽きさせない工夫
ミステリーとしての面白さ
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あらすじ

 アリス、江神、そして新入部員のマリアは、マリアの親戚が集まる南国の島・嘉敷島へ旅行に出掛ける。目的は、マリアの祖父 が遺したダイヤモンドの在りかを示すパズルを解くこと。しかし、平和なバカンスは一転、島で連続殺人が発生する――外部との連絡が途絶えた孤島で、アリスたちは不可解な事件に挑むが、ライフルを使った犯行、複雑なアリバイ、そして過去の悲劇が絡み合い、物語は予想外の結末を迎える。

孤島パズル
東京創元社
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小説の特徴

  • 本格ミステリー:緻密なトリック、読者への挑戦状、論理的な推理などが展開される本格ミステリー!
  • パズル要素:モアイ像の謎、ジグソーパズル、そしてアリバイなどの様々なパズル要素!
  • 美しい情景描写:南国の孤島を舞台!夏の孤島、モアイ像、そして海など美しい風景描写がロマンチック
  • 読みやすさ:軽妙な文章で読みやすく、ミステリー初心者でも楽しめそう!
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感想

 パズル要素とキラキラした感じの青春とミステリーが融合した読み応えのある作品で、ミステリーとしての完成度が高いのはもちろんですが、登場人物たちの人間味が魅力的だとも思いました。江神さんの冷静でありながらも、どこか悲しげな雰囲気が印象的です。また、アリスとマリアの友情や、事件の切ない結末も心に残りました。全体的に漂う切ない雰囲気が、読み終わった後に少し寂しさを感じさせたりもしました。
 初めて読んだ時は、密室にそのパターンがあったかと思えましたし、ある事実から犯人を絞ったところなんかが、よかったと思います。

高評価のポイント

  • 本格的な謎解き:パズルを解くような緻密な推理、伏線の回収が見事!
  • キャラがいい!:江神さんのクールな謎解き、アリスとマリアの掛け合いが面白い!
  • 切ない結末:シンプルだけど、美しくて切ないラストに感動
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低評価のポイント

  • 犯人:主人公以外のキャラ付けが弱く犯人の意外性が薄いかも…
  • 動機:犯人の動機が淡白で感情移入しにくい
  • 派手さ:本格ミステリーとしての完成度は高いが、派手なトリックやどんでん返しを期待する読者には物足りないかもしれません

ネタバレ

 真犯人は竜一の養女で、英人の婚約者だった女性・有馬礼子です。礼子はマリアの親戚でもあります。

  • 3年前の事故
    3年前、マリアの従兄である英人が、島の反対側に住む画家の平川和人と口論の末、海で溺死。しかし、実際は和人が英人を殺害していた
  • 動機
    礼子は、和人が英人を殺害したことを知り、復讐を決意
  • 連続殺人の手口
    礼子は、島に滞在していた過去の事件関係者を次々と殺害。ライフルを使い、アリバイを偽装しながら犯行を重ねた
  • 密室トリック
    最初の殺人事件で、被害者自身(須磨子)が相続順位を操作するために密室を作り出した
  • アリバイ工作
    礼子は、ボートと自転車を使い、アリバイを偽装。しかし、その過程で落とした紙切れが、江神によって見破られるきっかけとなる

結末

 礼子は、復讐を遂げた後、自らの罪を償うため、自ら命を絶ちます。マリアは、親しかった礼子が犯人だったという事実に大きな衝撃を受け、大学を休学してしまいます…。事件後、アリスは江神と共にマリアの帰りを待つことになり、島に残されたのは失われた命と癒えることのない悲しみだけ、という感じで終わります。

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