道尾秀介さんのミステリー小説『カエルの小指 a murder of crows』は、人気作『カラスの親指 by rule of CROW’s thumb』の続編です。前作のテーマをさらに深ぼりしたような印象の作品となっています。この記事では、あらすじ、感想、ネタバレなどをまとめています。
項目 | 評価 |
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【読みやすさ】 スラスラ読める!? |
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【万人受け】 誰が読んでも面白い!? |
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【キャラの魅力】 登場人物にひかれる!? |
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【テーマ】 社会問題などのテーマは? |
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【飽きさせない工夫】 一気読みできる!? |
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【ミステリーの面白さ】 トリックとか意外性は!? |
あらすじ
詐欺師から足を洗った武沢竹夫(通称:タケ)は実演販売士として平穏な日々を送っていたしかし、その日常がキョウと名乗る謎めいた中学生の登場によって一変する。
キョウは、母親を騙し自殺に追い込んだ詐欺師・ナガミネへの復讐を依頼。過去の罪を償い、新たな人生を歩むことを決意したタケだったが、キョウの悲痛な願いを聞き、再びペテンの世界へと足を踏み入れる。かつての仲間、まひろ、やひろ、貫太郎、そしてやひろと貫太郎の息子である天才少年・テツと共に、タケはキョウを救うための壮大な計画を練り上げる。その計画は、人気テレビ番組『撲滅ウォリアーズ』を舞台にした、大胆かつ緻密なものだった――。
物語が進むにつれて、キョウの真の目的、そして登場人物たちの隠された過去が明らかになっていき、事態は予想外の方向へと転がり始める。
小説の特徴
- 緻密に練られたプロット:複雑に絡み合った伏線が物語の終盤で鮮やかに回収される!カタルシス間違いなし!
- 予測不能な展開:二転三転するストーリーに裏切られて最後まで飽きない!
- 魅力的なキャラクター:個性豊かな登場人物たちが再び登場!
- 心温まるテーマ:詐欺という犯罪を描きながらも家族や友情といった普遍的なテーマが描かれている印象
- 読みやすい文章:道尾秀介さんならではな文章に思えます!読書初心者でも抵抗なく物語に入り込めるはず
こんな人にオススメ
- 大どんでん返しのあるミステリーが好き!
- 人間ドラマに心温まりたい!
- 道尾秀介さんの前作『カラスの親指』が気に入った!
ぜひ、あなたも『カエルの小指』の世界に浸ってみてください。
読者の感想:共感と感動の声が続々
前作同様、今回も、展開が目まぐるしく変わっていきます。いい意味で騙されまくって、ほんと気分爽快です。たとえるなら、相ハートフル詐欺って感じでしょうか。フタを開けてみれば詐欺、って感じもします。登場人物たちが引き続き登場するので、その点も嬉しいポイントでした。
高評価のポイント
- 予想を裏切る展開:読者の期待を良い意味で裏切り続ける巧妙なストーリー
- キャラクターへの共感:登場人物たちの人間味あふれる描写
- テーマの普遍性:家族や友情といった普遍的なテーマ
低評価のポイント
- 既視感: 良くも悪くも前作と似た構成のため、新鮮味に欠けるかもしれないですし、前作と比較するとやや劣ると思えてしまうかも…
- 一部設定の無理さ:子供たちの頭が良すぎ!そんなやついないだろ!って思うかもしれません…あとは子供が犯罪に加担するってどうなの?みたいな倫理的な疑問が思い浮かぶかもしれないです
ネタバレ
キョウは、母親を騙したナガミネに復讐するため、テレビ番組を利用してナガミネを世間に晒し、辱めようとしていました。そして、キョウの復讐心は、ナガミネを殺害するという衝動に変化していきます。
タケはキョウを詐欺に巻き込まないために、偽のナガミネ(本物のナガミネは長澤正志や兼澤高志など、複数の偽名を使い分けている)を用意していました。しかし、キョウはそれを承知の上で、タケたちを利用し、復讐を成し遂げようとしていました。キュウの計画は母親を騙したナガミネを母親が飛び降りた場所で突き落とし、その様子を実の父親に見せつけることだったわけです。そしてそして、キョウの父親は人気テレビ番組『撲滅ウォリアーズ』の司会者・瀬谷ワタルでした。
キョウは復讐を成し遂げるために、武沢に近づいていました。キョウは母親が生きていることを隠し、タケたちの同情を誘っていましたが…、実際、母親は病院で昏睡状態になっていました。
結末
キョウは復讐を思いとどまります。そして実の父親と向き合い、わだかまりは解けた様子です。
キョウの母親・寺田未知子が昏睡状態にあることを知った武沢は、未知子の回復を祈りながら、キョウと共に新たな人生を歩むことを決意します。
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