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サイレンSIREN|あらすじ・ストーリー・ネタバレ【ゲーム】

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 SIREN・サイレン』のあらすじ・ストーリー、真相などをまとめています。サイレンは2023年に発売20周年を迎えました。

異界入りまで、あと107日……
ソフト情報
項目 説明
ハード
(発売当初)
PS2
発売日 2003年11月6日
平成15年
発売元 ソニー
ジャンル ホラーアドベンチャー
ミステリーゲーム
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あらすじ

 ××県三隈郡に位置する羽生蛇村(はにゅうだむら)は、1976年――昭和51年8月3日深夜0時に大規模な土砂災害に見舞われ壊滅する……。

 27年後の2003年、すなわち、昭和78年の8月1日。高校生の須田恭也[すだ・きょうや]は、羽生蛇村の大量虐殺という都市伝説に興味を持ち、夏休みにひとり、村を訪れる。しかし、愛車(マウンテンバイク)がパンクしてしまい、森の中をとぼとぼと歩くことになってしまう。途中、犬を連れた神代美耶子[かじろ・みやこ]が地面を叩いているような様子を目撃するが、須田に気付いた彼女はすぐにどこかへ消えてしまう。

 須田が森を進むと、深夜にも関わらず、男女の声が響いてくる。声の方へ向かうと、森の奥で奇妙な儀式が行われているようだった。そこには美耶子の姿があった。美耶子に気付いた須田恭也。しかし、みつかってしまう。慌てて走り出すが、どういうわけか、警官が発砲しながら追ってくる。逃げ込んだ先に停まっていたトラックに飛び乗り、急いで発進させたのだが、今度は勢い余って警官をはね飛ばしてしまう。「大丈夫ですか?」トラックから降りて、警官の様子を確かめる須田だったが、まさにそのとき、大地の鳴動と共に、村が一瞬で赤い海に包まれる。そして、大音量のサイレンが鳴り響くのだった。

 瀕死のはずの警官が立ち上がった。そして須田は撃たれ、崖下へと落ちていく。気が付くと、足元には赤い水が広がっていた。そこに、尼のような衣装をみつけた女性が現れる。八尾比沙子[やお・ひさこ]だった。不思議なことに、恭也の銃創は完治していた。幻視(視界ジャック)もできる。恭也は比沙子について、教会へと向かうのだった…。

登場人物

須田恭也が八尾比沙子と出会うまでは、多少の例外はありますが、概ね恭也の視点で時系列通りに物語が進みます。しかし、以降は、様々な人物が登場し、ストーリーが多視点で描かれることになります。そこでまずは登場人物についてまとめたいと思います。

名前 説明
須田恭也
すだ・きょうや
高校生。オカルト好き
警官に撃たれるが生きていた
神代美耶子
かじろ・みやこ
14歳の少女。犬連れ
盲目なのだが幻視(視界ジャック)で愛犬の目を借りていた
八尾比沙子
やお・ひさこ
赤い尼の衣装を身にまとう女性
求導女と呼ばれるなにやら怪しげな女性
竹内多聞
たけうち・たもん
調査のため羽生蛇村を訪れていた大学講師
安野を待たせ一人何かを調べている様子
安野依子
あんの・よりこ
大学四年生。多聞の教え子で多聞にぞっこん、勝手についてきた
じっとしていろ、と多聞に言われるが守らず志村の自殺を目の当たりにする
宮田司郎
みやた・しろう
穴を覗いて驚いている羽生蛇村の医者
理沙と会い行動を共にする
恩田理沙
おんだ・りさ
都会の生活に馴染めず羽生蛇村へ戻ってきた
姉の美奈を探している(お姉ちゃんなの?きゃー、の人)
恩田美奈
おんだ・みな
宮田と共に働く看護師
美奈の姉
牧野慶
まきの・けい
羽生蛇村の求導師
求導女(八尾比沙子)を探し回っている
前田知子
まえだ・ともこ
中学二年生。赤いジャージ姿
牧野慶と遭遇し行動を共にする
四方田春海
よもだ・はるみ
小学生四年生
教師の高遠とともに小学校から脱出する
高遠玲子
たかとお・れいこ
小学校教師
春海とともに小学校から脱出し、その後も春海を守り続ける
志村晃
しむら・あきら
羽生蛇村の猟師。猟銃片手に訳知り顔で登場するじいさん
安野依子の横で自殺する
美浜奈保子
みはま・なおこ
落ち目のタレント。心霊番組のレポーターとして村を訪れる
一人、山の中をぐるぐるとまわり、小学校に辿り着く

須田、竹内と安野、美浜などは、部外者といえますが、それぞれの目的のため、羽生蛇村に集まりました。そして、サイレンや赤い水といった異変に巻き込まれてしまいます。他の登場人物は概ね羽生蛇村の住民ですが、恩田理沙はUターンした人物(村出身で村を出たが戻ってきた)です。村の関係者は、何が起きているのか全く理解できていない人物と、全貌を把握しているような人物にわかれます。

1日目は登場人物紹介と被りがちですので割愛しております

2日目

 サイレンが鳴り響く。猟銃を口に突っ込んで自殺したはずの志村晃(しむら・あきら)が蘇る。

 牧野慶(まきの・けい)と恩田理沙(おんだ・りさ)は病院で宮田司郎(みやた・しろう)を待っていた。しかしそこに屍人が現れ慶が襲われてしまう。その屍人は、理沙の双子の姉である恩田美奈(おんだ・みな)だった。美奈は理沙にゆっくりと歩み寄り、頬を寄せてくる。そして、理沙は美奈の記憶を共有することになる。美奈の記憶には、迫りくる宮田司郎の姿があった。

屍人(しびと):あらゆる傷が一瞬で治癒する。不死身。彼らには普通の人間が化物にみえる。

 その後、宮田はナース服を着た理沙と遭遇する。衝動的に宮田は理沙を殺害、既に彼女は屍人だった。理沙を振り払い、なんとか医院の地下室にたどり着いた宮田はミイラから土偶(宇理炎)を受け取る。

宇理炎(うりえん):二つの土偶。片方には剣、もう片方には盾が刻まれている。屍人を成仏させることができる武器といえるが、命と引換え。

 サイレンが鳴り響く。廃屋で須田がおかしくなる。危険な状態の恭也を見た美耶子は自分と須田の手を切り、傷口を重ね合わせる。すると、須田の異変が鎮まるのだった。美耶子が外に出ると、そこには姉の神代亜矢子(かじろ・あやこ)の姿があった。亜矢子は異変に巻き込まれた怒りを美耶子にぶつける。

 学校から離れてフラフラと歩き続けていた美浜奈保子は赤い水をたたえた湖にたどり着く。美浜は民話集で知った永遠の美しさと命を手に入れるため、自ら赤い水へと入水する。同じ頃、慶とはぐれてた知子は比沙子に出会っていた。比沙子から両親の無事を聞いた知子は、両親が待つ教会を目指しますが、途中で屍人に襲われてしまう。気がつくと、知子の周囲は美しい光とオーロラに包まれてた。すると突然、目から赤い何かを流した美浜が現れる。知子は恐怖するが、美浜が知子に襲い掛かることはなかった。そして、奈保子はルンルンで立ち去るのだった。

 知子は何とか教会へとたどり着いた。教会に両親がいるはず。知子は窓から教会の中を覗いた。そこには両親の姿があった。「お母さん、開けて」と声を掛けるが、両親は知子の姿に怯えていた。両親がみたのは、屍人化した知子の姿だった。両親に拒絶されたと感じた知子は、落胆しながら教会を去る。両親は娘への思いを捨てきれず、知子を追うのだが、二人も屍人になってしまうのだった。

 八尾比沙子は海岸線にいた。そこで何かを拾った。すると、海上に光の柱が現れ、その柱のそばには、白髪のもう女性が立っていたのだった。このとき比沙子は自分の役割を思い出す。そして、美耶子を探し始める。川辺から光の柱を眺めていた慶は儀式が失敗したことを悟る。

 須田恭也と美耶子は朝霧が立ち込める森の中から村を見下ろしていた。光の柱がみえた。美耶子は恐怖を感じ始める。須田は何が起こっているのか理解できない。それでも美耶子を励まし続ける。美耶子も徐々に心を開こうとしていた矢先、神代淳が現れる。そして淳は恭也に向けて銃を構え発砲し、撃たれた須田は谷底に落ちていく。美耶子は須田を探そうとするが、淳に連れ去られそうになる。そこに、これまでとは雰囲気の違う比沙子が現れるのだった

 同じ頃、多聞と依子は村の橋に立ってた。橋の欄干には「竹内」と刻まれており、多聞はそれが自分の姓だと語る。多聞はこの村の出身だった。すると突然、銃声が鳴り響く。銃弾は依子の胸を貫き、彼女は橋から崖下に転落してしまう。多聞は依子を捜すために崖下に降り、大木に寄りかかる彼女を見つける。まだ生きていた。しかし、屍人になるのは間違いなさそうだった。多聞は依子を狙撃した屍人を探し出すのだが、それは、志村晃だった。多聞家と志村家は顔見知りで、二人は互いの姿に驚きを隠せなかった。

 依子は多聞を追いかけるが、ついに力尽きて倒れてしまう。近くには、銃で撃たれ谷に落ちた須田が倒れていた。そこに宮田司郎が姿を現す。どこか冷たい雰囲気のあった宮田だが、彼は二人を助け、自分の医院に連れて行くのだった。その後、須田と依子は宮田医院の簡易ベッドで意識を取り戻した。依子は状況を理解できずにいたのだが、どうやら血液が輸血されたらしかった。宮田は意味深なことを言い残して部屋から姿を消す。

 玲子先生とはぐれてしまった春海は民家に身を隠していた。押し入れに潜んでいた彼女だったが、何やら楽し気な声を耳にし目を覚ますのだった。押し入れから覗くと、屍人になった前田知子とその両親が、不気味な姿で生活している光景が目に飛び込んできた。春海は前田一家に気づかれぬよう、民家から脱出。しかし、すぐにまた別の屍人と遭遇してしまう。それは屍人と化した玲子先生だった。自分を必死に守ってくれた先生の姿に愕然としながらも、春海はまた一人でその場から逃げ出すのだった。

 依子を追っていた多聞は宮田の医院にたどり着く。しかしそこに、依子の姿はなかった。院内で古いアルバムを発見した多聞は、ページをめくって、八尾比沙子の写真をみつける。写真は何年も前に撮られたものであるはずなのに、そこには、今と全く変わらぬ容姿の比沙子が写っていた。

 須田と依子は医院を出て、屍人ノ巣にたどり着いていた。須田は美耶子が自分を呼んでいると信じ、依子も多聞に呼ばれていると信じて、共に屍人ノ巣に進んでいく。

3日目

 日付が変わる頃、儀式が再開される。比沙子の声に応じて噴き出した炎は、生贄の美耶子を包み込む。堕辰子の復活を目の当たりにした比沙子は儀式が成功したと信じていた。そしてついでに、亜矢子も焼き殺してしまう。ところが、堕辰子が暴走し始める。生贄であった美耶子の血が不完全だったらしい。比沙子は儀式の失敗に落胆し、慶は恐ろしい光景に驚く。この時、須田恭也と依子、そして、多聞が登場する。堕辰子はとりあえず神代淳を突き飛ばして殺し、さらに須田へと襲いかかります。

 須田は夢を見ていた。穏やかな平原で美耶子と語り合っていた。美耶子は須田にすべて終わらせて欲しいと伝える。須田が目を覚ますと、そこには多聞と慶の姿があった。しかし慶はすでに意気消沈し、動くこともできそうになった。多聞は慶を置いて須田と二人でこの場所を脱出する決意する。

 疲れて眠り込んでいた春海だったが、気配を感じ、素早く身を潜める。そこに現れたのは、慶だった。そして、宮田司郎の姿もあった。二人はこのとき初めて気持ちをぶつけあい、互いを理解するのだった。宮田は自分のやるべきことは終わったと感じ、銃をこめかみへと持っていく。そして、一発の銃声が響き渡った…。

 多聞と別れた須田は美耶子を探していた。途方に暮れていた須田のもとに慶が現れる。須田は慶の様子が以前とは違うことに疑問を抱く。何か変わった様子の慶は、土偶(宇理炎)を須田に手渡し「全てを消し去れ」と告げて立ち去る。

 慶はサイレンの鳴り響く村を進む。時間を気にしながらも、目的地である水門に到着し、爆薬を使用して水門を爆破する。赤い水が勢いよく流れ出す。貯水池の水は全て流れ出した。貯水池の底には、異様な姿の人々がうごめいていた。その姿をみた慶は彼らの苦しみに同情し、救い出すことを決意する。貯水池の底に移動した慶は、土偶を天にかざすと、突如として地面に大きな穴が開き、巨大な炎が広がった。その炎は、池の底でうごめいていた人々を焼き払う。慶は炎の中に、理沙と美奈の姿をみた。宮田は最後の力を振り絞って彼女たちへと近づき、炎の中に身を委ねるのだった。

 依子はようやく多聞をみつける。喜びはしゃぎながら多聞へと近づく依子だったが、多聞の顔は歪んでいた。一方、多聞は苦しんでいた。そこに、依子が現れた。近づいてくる依子。しかし多聞には、依子が化け物にみえるのだった。

 そこへ、堕辰子が現れる。多聞と依子は絶体絶命の状況に陥る。しかし、水門の赤い水が彼らを救う。勢いよく流れ出た赤い水は、鉄砲水となって屍人ノ巣を襲い、巣を破壊する。堕辰子は濁流に耐えるのだが、壊れた巣の隙間から差し込んだ太陽の光を浴び、身を燃え上がらせる。

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結末

堕辰子から逃れた多聞は、屍人の巣からも離れ、古い民家へとたどり着く。そこは、彼が生まれ育った実家だった。足を踏み入れると、そこには、両親の姿がった。多聞は両親を抱きしめ、両親も多聞に優しく手を差し伸べるのだった。その時、ふすまを蹴破って、バットをひっさげた依子が現れる。多聞の両親が化け物にしかみえない依子は、二体の化け物をバットで殴って多聞を連れて行こうとする。何が起きたのかよくわかっていない様子の多聞は、両親を呼び続けながら、依子に引っ張られていくのだった。

須田恭也は八尾比沙子と対峙していた。比沙子の口調こそ優しいものの、不気味な笑顔を浮かべている。比沙子は須田の手にある土偶(宇理炎)に気付く。するとすぐさま比沙子の表情が変わり、土偶を渡せと手を伸ばしてくるのだった。

比沙子から逃れた須田は水鏡に堕辰子が逃げ込んだのを知る。水面を覗き込むと、背後に美耶子の姿が現れた。須田と美耶子が会話する中、美耶子は笑顔で須田を誘う。須田が戸惑っていると、美耶子の手が須田の手を水面に触れさせる。光が発せられ、須田は向こう側の世界、すなわち“いんふぇるの”へと入る。

“いんふぇるの”で須田恭也は、比沙子と対峙する。比沙子のそばには、光に焼かれた堕辰子が転がっていた。須田の姿を目にした比沙子は、すぐに須田が不完全な生贄の原因であることに気付く。そこに屍人化した神代淳が現れ、焔薙という日本刀を片手に須田へと襲い掛かる。比沙子は焦っていた。そしてついに、自身を生贄として捧げる。堕辰子は完全体となって、不気味な羽根を羽ばたかせるのだった。

神代淳を宇理炎で焼き払った恭也は焔薙を手にする。焔薙は“木る伝(きるでん)”を宿し、白く輝いていた。しかし、堕辰子は姿をみせずに襲ってくる。応戦は不可能と思われたが、視界ジャックで堕辰子の視点を奪うと、そこには美耶子の姿があった。どこかを指差している美耶子。導かれた先には光沢のある岩があり、その岩に堕辰子の姿がうつる。須田は堕辰子を斬った。その瞬間、比沙子の髪が白く染まり、御神体を抱きしめながら、崩れ落ちる地面と共に、どこかへと堕ちていく。

四方田春海は屍人ノ巣に取り残されていた。かつての校長先生に襲われていたところを屍人化した玲子先生に救われる。春海は玲子に「お母さん」と呟き、その場で気を失うのだった。

“いんふぇるの”から出た恭也は、美耶子との約束を果たすため、狂った音楽を聞きながら、屍人狩りを始める。彼は全てを葬っても、もうどこにも行くことはできない。しかし、ただ一人、春海だけは、土砂崩れが起きた昭和78年8月の羽生蛇村に還ってくるのだった――。

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ストーリー(簡単簡潔版)

大量虐殺に興味をもった須田恭也が、羽生蛇村を訪れる。しかしそこで、怪異に巻き込まれてしまう。銃で撃たれても死なない体になった須田は、村で神代美耶子と出会う。何かから逃げている様子の美耶子を須田は守ろうとするが、美耶子は八尾という尼のような女性に連れ去られてしまう。そして、美耶子は燃やされ、代わりに虫みたいな不気味な生物が姿を現す。その生物も、太陽の光を浴びて弱体化するのだが、八尾の力を受けて完全体となって復活する。これを須田恭也が撃ち滅ぼす。元凶は消え失せたように思えた。しかし、全てが元通りとはならず、須田は怪異状態の村を彷徨うことになってしまう。

補足説明

本来は群像劇なのですが、簡単簡潔版ですので、須田恭也の物語を中心にまとめています。須田恭也以外にも、多くの人物が登場し、だいたい屍人になってしまいます。屍人化するというのは、ゲームシステムでいうところの敵になるという意味なので、こういった点で、本当に絶望的なストーリーだといえます。

解説と考察

 黒幕は八尾比沙子といえます。そして、怪奇現象の原因は、684年に八尾が堕辰子を食べちゃったことにあります。堕辰子ちゃんは常世の存在、すなわち神みたいな存在だったので、それを頂いてしまった八尾は呪われてしまいます。食べてはいけませんよ、と言われたわけでもなく、飢饉で飢餓だったのでつべこべいっている場合ではなかったということもあり、八尾には情状酌量の余地ありなのですが、その後、呪いをとくために生贄を捧げ始めます。これがどうやらただの自己満足らしく、生贄を捧げたら呪いから解放されるとは限らない、というのが通説となっています。もしかしたら呪いが解けるかもしれないので、何とも言えませんが、自身の贖罪のために他人の命を犠牲にするというのは非人道的です。

堕辰子

 堕辰子ちゃんは神なのですが、お腹が空いて力が出ない状態の村人A、村人B、村人Cに喰われてしまいます(ABCのうち一人は八尾です)。神様のくせに、なぜそんなにどんくさいのか。いや、“大神”というゲームに登場するスサノオ(ポンコツな神様)もいるように、きっと“やおよろずの神”的な感じで、いろんな神様がいるのかもしれません。もしかすると、ヒトの暮らす現世の空気が濁り過ぎて一種の酸欠状態だった、みたいなことも考えられるわけで。そうだとしたら、お腹が空いて死にそうな村人に食べられてもおかしくはないのですが。

 そもそも神ってなんだよ、と思わなくもない。神様の存在というのは、大変ナイーブな問題だと思いますので、なんともいえない(言いたくない)のですが、少なくとも私は見たことはもちろん、そこまで強くfeelしたこともないので、堕辰子ちゃんが存在する、というのが受け入れられなかったりします。もちろんこれは、ハリポタの世界観で魔法を否定するみたいな愚かなことだと思います。ディ〇ニーランドでミッキーに会って、あの中に人が入っているんだよと言う感じとも言えます。ですが、堕辰子ちゃんを信じるなら、あとは全て怪奇現象という一言で片づければいいでじゃないかと思ったりもします。なので、ルフィみたいに、不思議村だな、ぐらいに思うのが、むしろ健全かもしれないです。しかしながら、いろいろ考えてみるのが楽しいわけでして、巷には堕辰子宇宙生物説など、いろんな説があるようです。

呪い

 どこからやって来たのかわからない迷子の迷子の堕辰子ちゃんですが(迷子とは限らない)、確かなのは、“ちゃんだつ”を食べた八尾が、不老不死になったということです。それはむしろ羨ましい気もしますが、呪いのようです。このことから、現世(いわゆる現実世界)に存在するというのは、苦行であるという解釈ができそうです。現世が地獄みたいなところなので、呪われた八尾は永遠そこに留まらなくてはならなくなったということなのですが、ここからやや飛躍すれば、常世(堕辰子などが暮らす世界)は楽園だと考えることもできそうです。

 ここで、羽生蛇村は現世でも常世でもない世界だとし、屍人もどちらでもない存在ということにしたいと思います。屍人のみる世界が楽園みたいになっているというのは間違いないので、屍人は視界だけが常世という楽園に逝っているという過渡状態にあると考えられます。そうなれば、屍人は八尾とは違い、常世へ向かう可能性のある存在だといえます。なので、屍人は別に呪われているわけではないという解釈もできそうです。

ゲームの評価

 ゲームとしての難易度が高すぎます。ストーリーも難解で、さらに、絶望的(登場人物が屍人化していくという救いのない物語)です。なおかつ、怖いシーンも多いという。人を選びそうなゲームですが、面白いのは間違いないので、一人で黙々とプレイできる方がうらやましい限りです。いずれにしても、初心者にはハードなゲームだと思います。無理だと思ったら、慣れた人のプレイをみるのがいいかもしれません。みているだけではつまらないかもしれませんが、ストーリーは面白いと思います。ゲームとは関係ないですが、「どうあがいても絶望」というキャッチコピーや、“お母さん”コマーシャルや“お姉ちゃんなの?キャー”コマーシャルなど、いろいろと話題になったゲームでもあります。

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