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ミステリと言う勿れ|あらすじ・ネタバレ解説【ドラマ全話】

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2022年に放送されたドラマ『ミステリと言う勿れ』のあらすじ・事件概要、真相、登場したトリック、ドラマの感想などをまとめています。

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登場人物(キャスト)

主な登場人物とキャストについてまとめます。各話の登場人物はエピソード別にまとめています。

役名 キャスト 説明
久能整
くのう・ととのう
菅田将暉 アフロの大学生
風呂光聖子
ふろみつ・せいこ
伊藤沙莉 女性刑事
犬堂我路
いぬどう・がろ
永山瑛太 ある事件の関係者
ライカ
らいか
門脇麦 ある病院の患者
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第1話(容疑者は一人だけ)

ある日、久能整(くのう・ととのう)は寒河江殺害の一件で取り調べを受けることになる。
被害者の寒河江は前日の22時頃に久能に似た人物と口論している姿が目撃されているということだった。久能と寒河江は同じ大学に通っており同じ学年で、さらに、高校も同じだった。

刑事の取り調べを受けた久能は犯行を否定するが、その後、久能の指紋が付着した凶器のナイフが発見される。さらに、久能のノートパソコンからは、寒河江から金を借りたことを示す借用書がみつかり、取り調べにあたった刑事達は久能への容疑を深めることになる。非常に不利な状況に追い込まれた久能だったが、無実を主張し続け、刑事の一人である風呂光聖子(ふろみつ・せいこ)にある調査を依頼する。それは、誰かが久能の自宅アパートに忍び込んでいないかを調べるというものだった。風呂光は引き受けたのだが、結果は芳しくなく、特に誰かが忍び込んだ様子はなかった。

主人公が犯人?

被害者が死亡する前に口論する様子が目撃され、凶器からは指紋が検出され、金を借りていたという動機もある、という状況です。久能が犯人としか思えないほどに証拠が揃っています。しかし、久能本人は犯行を完全に否定しています。突破口となるのは、1年前に久能がアパートの鍵を落としたという事実です。鍵は誰かに拾われて無事でしたが、この鍵を拾った人物であれば、合鍵を作ることができたはずです。

ネタバレ

真犯人は薮鑑造(やぶ・かんぞう)警部補です。すなわち、刑事が証拠を捏造し、一般市民である久能に罪をなすりつけようとしていました。藪は交通事故で妻子を失くしています。この事故を起こした運転手が寒河江であると考えていた藪は、妻子を失ったという恨みを晴らすため、寒河江を殺害しました。久能のアパートの鍵を拾ったのは藪で、藪は将来の犯行を見据えて、合鍵を作っていました。

藪は寒河江が交通事故の運転手だと考えていたようですが、実は、運転手は寒河江ではありませんでした。車は確かに寒河江のものでしたが、運転していたの寒河江の先輩でした。つまり、藪は関係のない人物を勘違いで殺害していました。

ゲスト
役名 キャスト 説明
寒河江健
さがえ・けん
藤枝喜輝 被害者の学生
久能と高校も大学も同じだったが特に交友があったわけではない
薮鑑造
やぶ・かんぞう
遠藤憲一 警部補
妻と娘を自動車事故で亡くし復讐のために寒河江を殺害した
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第2話(バスジャック事件・前編)

ある日、久能は印象派展に向かうためにバスに乗り込む。そして、不運にも、乗ったバスがバスジャックされてしまう。バスジャック犯は犬堂オトヤと名乗った。久能は途中立ち寄った公園のトイレに助けを求める紙切れを残すが、何者かにやって破りすてられてしまう。一方その頃、風呂光達は巷で発生している連続殺人を調べていた。そんな折にバスジャックの通報が入るが、怪しい動きをしているバスはなく、誤報と処理されてしまう。

バスの中では、バスジャックの被害者だと思われていた坂本が犯人の一味であることが判明する。その後、バスは犬堂の屋敷に到着する。一室に集められたバスの運転手と乗客達はバスジャック犯である犬堂から、「自分が犯した最も重い罪」を語るよう強いられる。

動機の謎

バスジャックに巻き込まれたのは、久能とバス運転手の煙草森誠(たばこもり・まこと)を含めて8名です。残る6名は、奈良崎、淡路、露木、柏、坂本、そして熊田ですが、坂本はバスジャック犯の一味であることが判明しています。バスジャックの犯人は犬堂乙矢(いぬどう・おとや)と坂本であるのは間違いありまえんが、なぜバスジャックを起こしたのかは不明です。

連続殺人の接点

警察はバスジャックとは一見関係のなさそうな、連続生き埋め殺人事件を捜査しています。しかし、捜査が進むにつれて、生き埋め殺人の被害者がバスジャックされたバスを利用していたということが明らかになります。このことに気付いた刑事はバスジャックの通報について詳しく調べ、ついに犬堂の屋敷へとたどり着きます。

ネタバレ

バスジャックの動機は連続生き埋め殺人の犯人をみつけることにありました。バスジャック犯である犬堂乙矢達は連続殺人で妹の犬堂愛珠(いぬどう・あんじゅ)を失っていました。妹の死を知った犬堂は探偵を雇って愛珠の足取りを調べさせ、愛珠がバスを降りた直後に行方不明になっていることを突き止めました。このとき愛珠と一緒にバスに乗っていたのが、バスジャックの被害者である奈良崎、淡路、露木、柏、熊田の五人です。「自分が犯した最も重い罪」を語らせたのは、殺人犯の罪の意識を語らせる目的があったようです。

ゲスト
役名 キャスト 説明
犬堂乙矢
いぬどう・おとや
阿部亮平 甲矢の弟
バスジャックの実行犯
犬堂甲矢
いぬどう・はや
久保田悠来 乙矢の兄
坂本正雄と名乗り、その後、犬堂我路と名乗るが本名は甲矢
犬堂愛珠
いぬどう・あんじゅ
白石麻衣 犬堂我路の妹
連続生き埋め殺人の最初の被害者となる

第3話(バスジャック事件・後編)

犬堂家のバスジャックに巻き込まれたバスの乗客達は、犬堂の屋敷へと連れていかれ、そこで「自分が犯した最も重い罪」を語ることになる。淡路一平(あわじ・いっぺい)は子供の頃に犯した万引きを告白する。それはいじめが原因だった。露木リラは元彼の「こんな小さな世界」という言葉に傷つき、主婦の柏めぐみは不妊で悩んでいた。

久能整の語りがそれぞれの考え方を変えていく中、屋敷に風呂光ら警察官が突入してくる。直後に整が熊田翔こそが本物の犬堂我路であることを明かす。正体を明かした我路は乗客一人一人を問い詰め、淡路が愛珠の財布を盗んだことや、柏が具合の悪そうな愛珠を見捨てたこと、露木も知らんぷりをしていたことなどが判明する。

真犯人

バスに乗っていた人物の中に生き埋め犯がいるのは間違いないようです。バスジャック時の乗客は整を含めて、奈良崎、淡路、露木、柏、坂本、熊田の7名でした。このうち、坂本と熊田は犬堂家の人物であり、整は愛珠の生き埋め事件に関係がありません。よって、奈良崎、淡路、露木、柏の4名と、バス運転手の煙草森が容疑者となります。どうやら煙草森にはゴミを見えないように隠す癖があるようです。

ネタバレ

連続生き埋め殺人の犯人は煙草森です。愛珠はバスの中で具合が悪くなり、終点で降車することができませんでした。運転手である煙草森はこのことに気付かず、愛珠を乗せたままバスを走らせることになります。途中、愛珠が座席から倒れたため、煙草森は愛珠のことに気付きましたが、責任を負いたくないという自分勝手な都合で、愛珠を生き埋めにします。このとき煙草森は、人が死ぬという瞬間に快楽をおぼえます。そして、次々にバスの乗客を生き埋めにしました。

ゲスト
役名 キャスト 説明
煙草森誠
たばこもり・まこと
森下能幸 バスの運転手
連続生き埋め殺人の真犯人。病気で倒れた愛珠を埋め快楽殺人にめざめる

第4話(雨は爼上に降る)

闇サイトに爆破予告とアルファベットで作られた謎の文が書き込まれる。警察は爆破予告の文章から場所を特定し、爆発事件を防ぐのだが、2つ目の書き込みに関しては該当する場所が複数存在したため、捜査が難航していた。予告文と同時に書き込まれたアルファベットの文は爆破場所を示しているようなのだが、文章が意味を成しておらず、解読は不可能だった。このような状況に直面し、風呂光らは久能整を警察署に呼び出し、解読を依頼する。

謎の文をみた久能整は、すぐにそれが小説のタイトルになっていることを見抜く。そして、爆発物が設置された場所は著者の名前が入った建築物であることも指摘する。最初の予告は、アルファベットを並び替えるとKUROTOKAGE(黒蜥蜴;江戸川乱歩著)になり、次はXnoHIGEKI(Xの悲劇;エラリー・クイーン、別名バーナビー・ロス)だった。このことから警察は、新たに発生した3件目の爆破予告にも暗号の法則性を当てはめ、ABC SATUZINZIKEN(ABC殺人事件;アガサ・クリスティ)に関連する場所が爆破されると推測し、捜査を進める。その頃、捜査に参加していない一般人の整は変な男と遭遇する。

3つ目の爆破場所

警察は暗号の法則に従い、クリスティの名がつく喫茶店を調べますが、爆弾を発見することはできません。爆弾はどうやら別の場所に仕掛けられているようです。爆弾を仕掛けたのは、整が出会った男で、この男は事故に遭い一時的に記憶を失っています。そのため、爆弾を仕掛けた場所も憶えていません。

ネタバレ

3つ目の爆弾は爆弾魔の三船三千夫が通っていた小学校に仕掛けられています。三船が爆破予告事件を起こしたのは、小学生の頃のいじめが原因です。いじめを受けていた三船は爆発で嫌な思い出のある学校を消し去ろうとしていました。1件目と2件目の爆破予告は本命ではなく、暗号の法則性で警察を別の場所へと誘導するための罠でした。

整は三船との会話によって爆弾の設置場所に気付きます。設置場所は小学校の音楽室で、これを伝えられた風呂光らが爆弾を取り除きます。小学校の場所は、三船が3にこだわっていたこと(例えば、銀座線は東京地下鉄3号線、三好達治の詩、カルテットよりもワルツ、原子番号3のリチウムなど)や、「浅草に行った」「東京タワーに連れていってもらった」という動詞の違いなどから、絞り込まれ、音楽室というのは、3件分の暗号を三角柱にしてできた迷路から判明します。

のちに煙草森は殺害されます。整には、クール便で手が送られてきます。
ゲスト
役名 キャスト 説明
三船三千夫
みふね・みちお
柄本佑 爆弾魔
3つ目の爆弾を仕掛けた後に記憶喪失になる

第5話(ばちあたり夜話)

三船の携帯を拾おうとした整は土手で転んで怪我を負い、検査入院する破目になる。ベットは大部屋で、隣にはおじいさんが寝ていた。牛田(うしだ)と名乗る元刑事のそのおじさんは、整に殺人クイズを出し始める。

最初のクイズ

最初のクイズは殺人容疑で捕まった男性についてです。その男性は無実を主張しておいましたが、死体の近くにはその男性の毛髪が落ちていました。警察は、別の3件の殺人についても、その男に明確な動機があったため、合計4件の連続殺人犯として、その男を逮捕します。ところが、毛髪がみつかった事件に限っては、その男に動機がなく、被害者との接点すらもなさそうでした。

この事件の犯人は捕まった男ではありません。真犯人は美容師で、この美容師こそが4件すべての殺人を犯した犯人です。美容師は逮捕された男に罪をきせるため、3件の殺人を犯し、最後に自分が殺したかった人物を殺害しました。その死体のそばに逮捕された男の髪の毛を落とすことで物証を残しました。美容師である犯人は、客としてやってきた逮捕された男の髪の毛を簡単に入手することができました。

二つ目のクイズ

警察がある女性の殺害事件を通り魔殺人として捜査します。殺人事件が起きた日、現場の近くでは、空き巣事件も発生していました。殺人と空き巣は特に関連付けられていませんでしたが、ある日、引っ越し際中の住民が自宅に誰のものかわからない謎の靴が置いてあることに気付きます。

実は、女性の殺人犯と空き巣の犯人は同一人物で、謎の靴は犯人のものでした。女性を殺害した犯人は近くの家に空き巣に入り、身に着けていた衣類などを他人の家の中、それもゴミ屋敷に隠していました。

最後のクイズ

最後は殺人鬼・羽喰玄斗(はぐい・げんと)の事件に関するクイズです。羽喰はコールガールをターゲットにした連続殺人鬼で、ある日、警察はある女性が羽喰と接触するという情報を入手します。この情報を使って牛田の相棒だった霧島(きりしま)が羽喰を追い詰めようとしますが、失敗してしまいます。このとき、羽喰と接触するはずだった女性は死亡し、霧島は重傷を負います。その後、羽喰は行方不明となり、後遺症を抱えることになった霧島は警察を退職します。

ネタバレ

最後のクイズの犯人は霧島です。霧島こそが女性殺害の犯人で、重傷を負ったのは自分で自分を傷つけたからでした。動機は不倫で、被害者の女性は霧島の不倫相手でした。この事件に羽喰は関わっていません。そして、既に霧島によって殺害されています。霧島は羽喰を殺害し死体を埋めた後、女性が羽喰と接触するという偽の情報を流しました。そして、相棒の牛田を遠ざけ、犯行に及びました。

ゲスト
役名 キャスト 説明
牛田悟郎
うしだ・ごろう
小日向文世 元刑事
実は既に死亡している
霜鳥信次
しもどり・しんじ
相島一之 現職の刑事
牛田の相棒だったが実は殺人犯

第6話(暖かいのか温かいのか)

ライカに導かれ整は病院の温室でバッグを発見する。そのバッグは温室の管理人が隠したもので、もともとは病院に入院していたお婆さんの遺品だった。そのバッグには大金が仕舞われており、管理人の梅津は、つまり金を盗んだのだった。ところが、お婆さんは遺言を残していた。誤嚥性肺炎で突然亡くなったお婆さんはそのことを梅津に伝えることができなかった。そして、その遺言には梅津に財産を残すという内容が書かれていたのだった。

ゲスト
役名 キャスト 説明
梅津真波
うめづ・まなみ
阿南敦子 病院の温室の管理人
懇意にしていたお婆さんの遺品を盗み出した
第6話に「天使の連続放火事件」の話も描かれていますが、第7話の項目にまとめています。

第7話(天使の連続放火事件)

温室を後にした整は病院の桜の木にピン止めされた手紙を発見する。その手紙に書かれた住所に向かうと、そこは火事現場だった。現場には警察の他に野次馬がおり、そこには下戸陸太(おりと・ろくた)、通称カエルの姿があった。現場で整の姿を目撃した下戸は、その後、整を疑うようになり、整を始末しようとする。下戸の罠にはまり放火現場へと連れてこられた整だったが、下戸の赤色が苦手という特徴を利用し、窮地を脱する。そして、ついに連続放火犯の天使のもとへと向かう。

放火犯の正体

天使と呼ばれる人物による連続放火事件が起きます。天使の標的となるのは、子供が虐待されている家庭で、天使は両親を焼き殺すことで子供を解放しています。この天使は井原香音人(いはら・かねと)という人物で、下戸は共犯者のようです。香音人と下戸が犯人というのは間違いありませんが、実は、隠れた事実があります。

ネタバレ

井原香音人は既に死亡しています。下戸が見ていた井原(視聴者が見ていた)は幻覚でした。火災現場で整が目撃したのは下戸の姿だけで、その場に香音人はいませんでした。誰もいないにも関わらず下戸が誰かに一生懸命話し掛けていたので、整は不審に思い、下戸を凝視していました。

香音人は母親から虐待を受けていましたが、ある日、その母親が火事で死亡します。火災で母親が死んだということに香音人は快感を覚え、これが連続放火の動機となります。その後、犯行を繰り返していた香音人は下戸の自宅にも放火します。こうして香音人と下戸は知り合い行動を共にしますが、実は下戸も虐待を受けていた子供でした。

天使として虐待を受けている子供を開放していた香音人ですが、一度捕まってしまいます。しかし、ボヤを起こしたという罪にしか問われず、すぐに釈放されます。釈放後、香音人は天使の活動を再開しますが、あるとき、天使の放火事件を取り扱うサイトの管理人と接触することになります。その管理人は天使の放火で虐待から解放された男の子でしたが、実の両親を亡くしたため、苦労の多い毎日を送っていました。

管理人の話を聞いた香音人は天使の活動に疑問を感じ始めます。そんな時、香音人が下戸の苦手な赤いリンゴをアジトに持ち込みます。これを目撃した下戸は、香音人に裏切られたと思い、香音人を刺し殺します。殺害後、下戸は香音人の死体を冷凍庫に隠し、一人で天使の活動を続けます。しかし、整に香音人が既に死亡していることを突きつけられ、正気を取り戻します。そして、真相を語り、警察に逮捕されます。

ライカも虐待を受けていた子供の一人で、天使の放火によって両親を死なせていました。

ゲスト
役名 キャスト 説明
井原香音人
いはら・かねと
早乙女太一 天使
実は既に死亡している
下戸陸太
おりと・ろくた
岡山天音 カエル
牛田の相棒だったが実は殺人犯

第8・9話(アイビーハウスの謎解き)

久能整は子供の頃に親しくしていた美吉喜和(みよしきわ)の墓参りへ行き、そこで天達春生と偶然出会う。喜和が亡くなる前まで天達と喜和は恋人同士だった。そんな天達が整をミステリー会へと誘う。ミステリー会には、天達は高校時代の同級生が参加するらしく、彼らの前で、整の謎解きの実力を見せて欲しいとのことだった。刑事の風呂光聖子も一緒に、ということだったのだが、天達には風呂光を誘う以外に、「嘘をつく人」をみつけて欲しいと頼む。そして、ミステリー会に参加することになった風呂光には「嘘をつかない人」をみつけて欲しいと頼むのだった。

謎解き

ミステリー会には、整、風呂光、天達以外に、天達の高校時代の友人である橘高勝(きつたか・まさる)とアイビーこと蔦薫平(つた・くんぺい)、さらに、ネットで知り合ったという男性二人も参加します。なお、男性二人はデラ、パンというハンドルネームを使っており、本名はわかりません。

ミステリー会が開かれたのは蔦の別荘で、会で出題された謎解きも、別荘に関連するクイズで、以前のオーナー夫人がバルコニーから転落して亡くなったという事件を扱っていました。夫人の死は事故として処理されましたが、どうやら、夫は他殺を疑っているようでした。その犯人を探すというのがクイズの主旨です。

喜和の死

ミステリー会で整は美吉喜和がストーカーに命を奪われたことを知ります。喜和の死体がみつかったのは、ミステリー会が行われている別荘の居間で、死因は、暖炉にくべられた夾竹桃(きょうちくとう)が発した毒ガスでした。喜和の横には、ストーカーも倒れており、ストーカーもまた毒の煙によって死亡しています。

喜和の事件が起きたのは数年前のことですが、風呂光いわく、最近、都内でストーカーによる殺人事件が多発して発生しているようです。このストーカー事件が、ミステリー会に関わってきます。

ネタバレ

ミステリー会で出題された謎解きについてですが、整と風呂光が調査を進めるにつれて、以前のオーナーというのが蔦の事で、死んだ妻が夫に復讐しようとしているのではないかという疑惑が浮かびます。しかし、ミステリー会で出題された事件は作り話でした。そもそも整と風呂光の調査によってみつかった新聞は偽物で、本に挟んであったSOSを意味する栞もクイズの仕掛けの一つです。

美吉喜和の死についてですが、喜和がストーカーに殺されたというのは間違いありません。喜和はストーカーに怯え、蔦の別荘に隠れていましたが、ストーカーに喜和の居場所がバレてしまい事件が発生しました。なぜ、ストーカーが喜和の居場所を知ったかというと、それは、橘高が教えてしまったからでした。

橘高はストーカー対策のため、喜和にかかってくる電話の取次ぎをしていました。そんな橘高が、友人のふりをしたストーカーに誤って喜和の居場所を伝えてしまいます。つまり、橘高が故意に教えたわけではありませんでしたが、完璧主義者だった橘高には自分の犯したミスを許すことができませんでした。その後、橘高は自分のミスを隠し続けることになります。

風呂光が話していたストーカーによる殺人事件も、実は橘高が関与しています。橘高は役所の人間という立場を利用し、ストーカー達に被害者の居場所を教えていました。なお、ミステリー会に参加していたデラとパンは刑事で、橘高を追っていました。

橘高はミステリー会に参加した人物を皆殺しにする計画も立てており、自分が別荘にいたという証拠を残さないようにするために、マイポットなどを持ち込み、常にニット帽を被るなどして、毛髪や指紋を残さないようにしていました。橘高が話していた“透明人間”というのは、つまり自分のことで、透明人間のようになって犯行を成し遂げるということを暗に示していました。

ゲスト
役名 キャスト 説明
天達春生
あまたつ・はるお
鈴木浩介 整が通う大学の准教授。専門は心理学
整をミステリー会に誘う
美吉喜和
みよし・きわ
水川あさみ 整が子供の頃にお世話になった女性
天達の恋人だったがストーカーに襲われ死亡する
橘高勝
きつたか・まさる
佐々木蔵之介 天達の高校時代の友人。独身
喜和のストーカーに喜和の居場所を教えてしまう
蔦薫平
つた・くんぺい
池内万作 天達の高校時代の友人。独身
ミステリー会が開かれた別荘の持ち主

第10話(デートならぬ遠出)

久能整とライカは初詣デートをすることになる。お参りの帰り道、深夜営業している焼き肉店に、ふたりは立ち寄るのだが、店員の様子がおかしいことに気付く。

おかしな店員

店員の様子や言動がどこかおかしいです。例えば、おすすめを訪ねると、メニューにはのっていない“酢もつ(湯通ししたもつにポン酢などをかけて食べる料理)”を提案したり、5円と10円が落ちていると言ったりしています。店員さんが泣いていたような様子もあり、配膳する手も震えています。

店内には店主と思しき男性もいるようですが、この男性の言動も怪しいです。網の取り換えを指示した店主ですが、焼き肉店で使われているのは、網ではなく鉄板でした。

ネタバレ

焼き肉店は強盗に襲われています。店主のように振舞っていたのは強盗でした。本物の店主は拘束されており、女性店員は本物の店主の娘でした。娘は久能とライカにSOSを発していました。おすすめメニューで答えたのは、タン塩、すもつ、ケジャン、テールスープで、頭文字をつなげると「たすけて」になります。そして、5円と10円は、ごとう、強盗を意味していました。

ゲスト
役名 キャスト 説明
沙也加
さやか
志田未来 店員
久能とライカに強盗が入ったことを伝えようとする

第11話(横浜連続殺人事件)

バスジャック事件が解決し、久能整は印象派展のため、大阪へと遠出していた。その頃、風呂光刑事は、横浜で発生した連続殺人事件の応援のため、芝浜警察署に出向となっていた。

横浜で発生した事件は、既に三人の被害者が出ていた。いずれも女性で、遺体は交差点の真ん中にはりつけのようにして遺棄されていた。三人目の遺体からは、被害者とは異なる血液が検出され、DNA鑑定の結果、辻十岐子(つじ・ときこ)という女性のものであると判明する。辻十岐子は既に亡くなっており、殺人鬼の羽喰玄斗(はぐい・げんと)に殺された17番目の被害者だった。

羽喰玄斗

第5話に登場した羽喰玄斗が再び登場します。羽喰玄斗の殺人は20年以上前の事件ですが、その後、羽喰玄斗は行方不明になります(なお、ドラマ第5話で、刑事の霜鳥によって殺され埋められたことが明らかになっています)。

羽喰によって殺された女性の血液がみつかったことで、警察は羽喰の復活を疑います。その後、次の殺人が発生してしまいますが、遺体のそばに“羽喰十斗”(はぐい・じゅうと)という落書きが残されていたことや、現場付近でスーツケースの不審な女性が目撃されていることなどが明らかになります。また、犬堂我路(いぬどう・がろ)の通報がきっかけとなり、被害者が闇カジノでバイトをしていたことも判明します。

ジュートは、生き埋め事件で殺された犬堂愛珠(いぬどう・あんじゅ)が手紙に書き残していた人物と同じ名前です。ジュートの正体を探る犬堂家は愛珠の足取りを追って、警察よりも一足先に、闇カジノへと辿り着きます。そしてそこで、カウンセラーなる人物の紹介で、愛珠が闇カジノでバイトをしていたことを知ります。その後、愛珠が持っていた寄木細工の箱について調べるため、寄木細工ミュージアムへと向かい、学芸員の辻浩増(つじ・ひろまさ)と出会うことになります。

ネタバレ

ドラマ12話で語られる真相も含んだ内容になっています。

連続殺人犯は辻浩増です。辻は羽喰玄斗の息子で、本名は羽喰十斗でした。十斗には闇カジノの占い師という顔もあり、そこで被害者と知り合っていました。スーツケースの女性が目撃されていましたが、これは十斗が変装した姿でした。

羽喰玄斗の犯行には、被害者の名前に十が含まれるという規則性がありました。しかし、霜鳥が関わった事件で殺された被害者には十の文字が含まれていませんでした。このことに疑問を抱いた十斗は、ある日、霜鳥の別荘を掘り起こし、玄斗の死体を発見します。その後、十斗は警察に別荘の調査を再三促しますが、別荘が捜査されることはありませんでした。このことに憤りを感じた十斗は殺人鬼へと変貌し、横浜で次々に殺人事件を起こすことになります。

十斗の被害者に羽喰玄斗の被害者である辻十岐子の血液が付着していたのは、辻十岐子を殺したのが玄斗ではなく十斗だったからです。辻十岐子は十斗の母親で、玄斗が行方不明になり心を病んでいました。そして、十斗に殺害を依頼します。

結末

羽喰玄斗と同じように、名前に十が含まれる女性を狙っていた十斗は、刑事の猫田十朱(ねこた・とあけ)を標的にします。十朱に追い詰められ、殺されそうになる猫田でしたが、間一髪のところで我路が十斗を取り押さえます。我路の行動により、猫田は一命を取り留めます。なお、その後、十斗は我路の潜伏する船へと連れていかれ、事件の真相や愛珠についてを語ることになります。

愛珠や十斗はカウンセラーと呼ばれる謎の人物と会っており、愛珠が持っていた寄木細工の箱の中には、カウンセラーから送られた指輪が入っていました。なお、自殺願望のあった愛珠でしたが、寄木細工に感動し、職人との結婚を希望していたこともわかります。どうやら、愛珠の自殺願望は解消されていたようです。

ゲスト
役名 キャスト 説明
辻浩増
つじ・ひろまさ
北村匠海 横浜連続殺人の犯人
羽喰玄斗の息子で、名前は羽喰十斗
猫田十朱
ねこた・とあけ
松本若菜 刑事
辻浩増のターゲットとなり襲われるが我路に救われる

第12話(つかの間のトレイン)

印象派展を楽しんだ久能整は帰りの新幹線に乗っていた。隣に座った女性の手紙をちらりとみて整は、「なごやにはくるな」と呟いてしまう。

絵文字の手紙

整の横に座ったのは紘子(ひろこ)という女性で、名古屋に向かっていました。紘子は両親を亡くしたと思っていましたが、母親が生きて入院中であることや、父親からの手紙が届いていることに気付きます。そして、封筒に書かれた住所を訪ねることにします。

そんな紘子でしたが、久能の助言により、手紙に書かれた絵文字の頭文字をとると「だまされるな」「うそだ」「もどるな」「あぶない」などの不穏な言葉が隠されていることに気付きます。そこに、紘子の後をつけていた養母のサキが現れ、事情を語り始めます。

ネタバレ

実は紘子の父親は、かつて母親に暴力をふるっていました。紘子を守るために、母親は親友だったサキに紘子を預けますが、父親が改心したふりをして、サキに手紙を送っていました。つまり、手紙に書かれた絵文字の暗号は、紘子の実の母親が、父親の嘘をサキに伝えるために書かれたものでした。なお、使われた暗号は、紘子の実母と養母であるサキが幼い頃に遊びで使っていたものでした。

その後、紘子の父親は死んでしまいますが、心を病んでしまった実母がサキに手紙を送り続けていました。このことは、手紙の筆跡が変わったことからも明らかです。

父親の死

サキは、紘子の父親が病死したと語っていましたが、整はサキと実母が殺したのではないかと推理します。根拠は「ひろこしあわせで」と暗号で書かれていた手紙で、絵文字の読み方を変えれば、これは「ふたりでころした」と読むこともできます。このことを整が指摘しますが、サキが認めることはありませんでした。

ゲスト
役名 キャスト 説明
美樹谷紘子
みきたに・ひろこ
関めぐみ 新幹線で久能整の隣に座った女性
実の父親に会うため名古屋へ向かっていた
美樹谷サキ
みきたに・さき
高畑淳子 紘子の養母。紘子の後をつけていた
DV加害者だった紘子の父親を殺害した

特別版

ドラマ特別版については別のページにまとめています。

トリック一覧

ドラマに登場したトリックや結末を簡単にまとめます。

話数 トリック
1 警察関係者が犯人。刑事が証拠を捏造していた
2 殺人犯を見つけるためにバスジャックを起こす
3 乗客ではなく運転手が犯人だった
4 暗号で法則性を仕掛けて爆破場所をミスリードさせる
5 罪をなすりつけたい人物が恨んでいる人物を殺す
美容師が手に入れた毛髪を犯行現場に残す
ゴミ屋敷に凶器などの物証を隠す
刑事が警察に偽情報を流して殺人鬼の犯行にみせる
6 遺産は遺言で盗んだ人物に相続されることになっていた
7 主観(幻覚)を共有する
8 実際の事件のように思えたが実は作り話
9 ストーカーに被害者の居場所を教え殺人を誘発する
10 暗号でSOSを出す
11 占いで本名を聞き出す
女装(変装)して犯行に及ぶ
12 暗号

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