ミステリーのサブジャンル『特殊設定ミステリー』の中からオススメな推理小説を10作品ご紹介します。特殊設定ミステリーは超能力や霊能力など超自然的な力が登場するミステリーです。
おすすめ10選
比較的最近出版された作品を多く選んでいます。ランキングではありませんので、上の方が面白いということはありません。
medium 霊媒探偵城塚翡翠
死者が視える霊媒・城塚翡翠と、推理作家・香月史郎。心霊と論理を組み合わせ真実を導き出す二人は、世間を騒がす連続死体遺棄事件に立ち向かう。証拠を残さない連続殺人鬼に辿り着けるのはもはや翡翠の持つ超常の力だけ。だがその魔手は彼女へと迫り――。ミステリランキング5冠、最驚かつ最叫の傑作!
講談社
折れた竜骨
第64回日本推理作家協会賞長編および連作短編集部門受賞。
ロンドンから出帆し、波高き北海を三日も進んだあたりに浮かぶソロン諸島。その領主を父に持つアミーナはある日、放浪の旅を続ける騎士ファルク・フィッツジョンと、その従士の少年ニコラに出会う。ファルクはアミーナの父ローレントに、御身は恐るべき魔術の使い手である暗殺騎士に命を狙われている、と告げた……。いずれ劣らぬ怪しげな傭兵たちが顔を揃える中、殺人劇の幕が上がる。いま最も注目を集める俊英が渾身の力で放ち絶賛を浴びた、魔術と剣と謎解きの巨編。第64回日本推理作家協会賞受賞ほか、各種年末ミステリ・ランキングで上位を総なめにした、俊英渾身の本格推理巨編。
東京創元社
楽園とは探偵の不在なり
二人以上殺した者は”天使”によって即座に地獄に引き摺り込まれるようになった世界。細々と探偵業を営む青岸焦(あおぎしこがれ)は「天国が存在するか知りたくないか」という大富豪・常木王凱(つねきおうがい)に誘われ、天使が集まる常世島(とこよじま)を訪れる。そこで青岸を待っていたのは、起きるはずのない連続殺人事件だった。かつて無慈悲な喪失を経験した青岸は、過去にとらわれつつ調査を始めるが、そんな彼を嘲笑うかのように事件は続く。犯人はなぜ、そしてどのように地獄に堕ちずに殺人を続けているのか。最注目の新鋭による、孤島×館の本格ミステリ。
早川書房
感想
- 独創的な設定と世界観が面白い!
「二人以上殺すと天使に地獄に落とされる」という斬新な設定に惹きつけられました。天使の出現によって倫理観が変化した世界が、退廃的かつ独特な美しさを持って描かれています - メッセージ性
「人を殺すとはどういうことか」「正義とは何か」といったテーマを感じとれました。一人までなら殺してもOKという設定から生まれた倫理観の描写は深く考えさせられます - 読みやすい
文章は読みやすかったです
心霊探偵八雲1 赤い瞳は知っている
学内で幽霊騒動に巻き込まれた友人について相談するため、晴香は、不思議な力を持つ男がいるという「映画同好会」を訪ねた。しかしそこで彼女を出迎えたのは、ひどい寝癖と眠そうな目をした、スカした青年。思い切って相談を持ちかける晴香だったが!? 女子大生監禁殺人事件、自殺偽装殺人……次々と起こる怪事件に、死者の魂を見ることができる名探偵・斉藤八雲が挑む、驚異のハイスピード・スピリチュアル・ミステリー登場!!
講談社
名探偵のはらわた
史上最強の名探偵VS.史上最凶の殺人鬼たち! シリーズ新刊『名探偵のいけにえ』が「2023本格ミステリ・ベスト10」ぶっちぎりの1位獲得! 怒濤の多重解決・どんでん返しに陶酔する。全ミステリファン必読の圧倒的傑作!!
「亘くん、きみは真実を語るべきだ」農薬コーラ毒殺魔、局部切断女、そして恐怖の三十人殺し! 昭和史に残る極悪犯罪者たちが地獄の淵からよみがえり、現代日本で殺戮の限りを尽くす。空前絶後の惨劇に立ち上がった伝説の名探偵は、推理の力でこの悪夢を止められるのか? 「疑え――そして真実を見抜け」二度読み必至の鮮やかな伏線回収、緻密なロジックによる美しき多重解決。本格ミステリの神髄、ここにあり。
新潮社
時空旅行者の砂時計
妻の祖先を襲った惨劇の正体を解明するべく、加茂はタイムトラベルする。待ち受けていたのは絵画『キマイラ』に見立てたかのような不可能殺人の数々で……。今最も注目される本格ミステリの書き手が放つ鮮烈なデビュー作!第29回鮎川哲也賞受賞作。〈竜泉家の一族〉三部作、第一弾
マイスター・ホラを名乗る者の声に導かれ、2018年から1960年にタイムトラベルした加茂。瀕死の妻を救うためには、彼女の祖先である竜泉家の人々が殺害され、さらにその後土砂崩れにより一族のほとんどが亡くなった『死野の惨劇』の真相を解明し、阻止しなくてはならないのだという。惨劇が幕を開けた竜泉家の別荘で加茂に立ちはだかるのは、飾られていた絵画『キマイラ』に見立てたかのような不可能殺人の数々だった。果たして彼は、竜泉家の一族を呪いから解き放つことができるのか。今最も注目される本格ミステリの書き手が放つ、鮮烈なデビュー作! 第29回鮎川哲也賞受賞作。
東京創元社
感想
- タイムトラベルとミステリーの融合が面白い!
タイムトラベルというSF要素と、クローズドサークルで起こる連続殺人というミステリー要素がうまく組み合わさっていると感じました。本格ミステリーとしての面白さももちろんあって、タイムトラベルという特殊設定でありながらも、本格ミステリーとして論理的に犯人やトリックが解き明かされていきます。「読者への挑戦」もあり、本格ミステリーをかなり意識して書かれた作品であることが、うかがい知れます - ちょっと読みにくいかも
デビュー作ということで、それは偉大な作家先生達と比べると劣ってみえてしまうかもしれません…(でもオススメ)
屍人荘の殺人
神紅大学ミステリ愛好会会長であり『名探偵』の明智恭介とその助手、葉村譲は、同じ大学に通う探偵少女、剣崎比留子とともに曰くつきの映画研究部の夏合宿に参加することに。合宿初日の夜、彼らは想像だにしなかった事態に遭遇し、宿泊先の紫湛荘に立て籠りを余儀なくされる。全員が死ぬか生きるかの極限状況のもと、映研の一人が密室で惨殺死体となって発見されるが、それは連続殺人の幕開けに過ぎなかった。――たった一時間半で世界は一変した。究極の絶望の淵で、探偵たちは生き残り謎を解き明かせるのか?! 予測不可能な奇想と破格の謎解きが見事に融合する、第27回鮎川哲也賞受賞作。
東京創元社
星詠師の記憶
被疑者を射殺してしまったことで、一週間の自主謹慎に入った刑事の獅堂は、故郷の村を訪れている。突然、学ランの少年・香島が、彼の慕う人物が殺人事件の犯人として容疑をかけられている、と救いを求めてきた。殺人の一部始終が記録されている証拠の映像は、紫水晶の中にあり、自分たちはその水晶を研究している〈星詠会〉の研究員であると語るのだが――。
光文社
感想
- 未来予知とミステリーの融合が面白い!
緻密なロジックで謎を解き明かす本格ミステリーに未来予知が加わります。予知映像という特殊な手がかりが、どのように推理にいかされるのか…というのが注目ポイントです。未来予知という不思議な力でありながら、論理的な推理展開が待っています。「読者への挑戦」もありますよ! - どんでん返しと魅力的なキャラもいいです!
七回死んだ男
同一人物が連続死! 恐るべき殺人の環。殺されるたび甦り、また殺される祖父を救おうと謎に挑む少年探偵。どうしても殺人が防げない!? 不思議な時間の「反復落し穴」で、甦る度に、また殺されてしまう、渕上零治郎老人――。「落し穴」を唯一人認識できる孫の久太郎少年は、祖父を救うためにあらゆる手を尽くす。孤軍奮闘の末、少年探偵が思いついた解決策とは! 時空の不条理を核にした、本格長編パズラー。
講談社
赤ずきん、旅の途中で死体と出会う。
日本の昔話をミステリで読み解き好評を博した『むかしむかしあるところに、死体がありました。』に続き、西洋童話をベースにした連作短編ミステリが誕生しました。今作の主人公は赤ずきん! ――クッキーとワインを持って旅に出た赤ずきんがその途中で事件に遭遇。「シンデレラ」「ヘンゼルとグレーテル」「眠り姫」「マッチ売りの少女」を下敷きに、小道具を使ったトリック満載! こんなミステリがあったのか、と興奮すること間違いなし。全編を通して『大きな謎』も隠されていて、わくわく・ドキドキが止まりません!
双葉社
一覧表
タイトル | 評価 | 備考 |
---|---|---|
medium 霊媒探偵城塚翡翠 |
あらすじ | |
折れた竜骨(上巻) 折れた竜骨(下巻) |
あらすじ | |
楽園とは探偵の不在なり | – | |
心霊探偵八雲1 赤い瞳は知っている |
– | |
名探偵のはらわた | – | |
時空旅行者の砂時計 | – | |
屍人荘の殺人 | – | |
星詠師の記憶 | – | |
七回死んだ男 | – | |
赤ずきん、 旅の途中で死体と出会う。 |
あらすじ |
特殊設定ミステリーとは?
特殊設定ミステリーはミステリーのサブジャンルで、非現実的な世界観でありながらもロジカルな謎解きが繰り広げられます。例を挙げると、『このミス』のキング・オブ・キングスで1位に輝いた『生ける屍の死』も特殊設定ミステリーです。今は、1900年代前半に比べ捜査技術が飛躍的に進歩し、謎解きやトリックが成立しにくくなっています。そんな事情から、非現実的な要素を取り込んだミステリーが流行っていると考えられます。
ただ、作者が独自に世界を作り上げるので、そのルールが複雑になってしまい、読者が置いてけぼりになるということが結構あるみたいです。まぁ確かに、謎解きとかの段階で「えっ、それはいいの?」と思うことはありますね。
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