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羊たちの沈黙はなぜ名作なのか?【考察】

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 「羊たちの沈黙」が名作といわれる理由の考察です。あくまで個人の感想ですが、この作品は名犯人を生み出した傑作ではないかと思っています。以下は主に小説を想定していますが、映画にも共通する内容になっています。

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小説の評価について

映画が有名な「羊たちの沈黙」の原作は小説です。海外ではホラー小説の賞を受賞しておりますが、国内ではミステリー・ランキングの常連です。

例えば、『このミステリーがすごい!』のキング・オブ・キングス(1988年から2018年までの作品を対象にしたランキング)では、海外部門の3位にランクインしています。その他、東西ミステリーベスト100(国内と海外のミステリーランキング)では9位に輝いていたりします。同ランキングの11位が「オリエント急行殺人事件」ですので、名作ミステリと名高いあのオリエント急行よりも順位が上だったりします。

簡単にまとめると、「羊たちの沈黙」はミステリーとしての評価が結構高いということになります。

ミステリー?

読んだり見たりするとわかりますが、ミステリーとはいっても、謎解き重視の作品では全くありません。主人公(クラリス)が犯人(バッファロー・ビル)を追うというミステリーらしい内容ですが、物語の雰囲気はサスペンスです。※サスペンスとミステリの違いについては下記をご覧ください

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ハンニバル・レクターの存在

主人公が犯人を追うという物語はごくありふれていると思います。こういった物語は捜査が進むにつれて手掛かりが増えていき、最終的に真犯人へとたどり着きます。「羊たちの沈黙」はその過程に、ホラーっぽい演出や、グロテスクで残酷な描写があったりします。

こんな風にまとめると、名作ではないように思えてきますが、ここに登場するのがハンニバル・レクターという人物です。レクター博士のポジションは、言ってしまえば、ただの情報提供者だったりします。つまり、役割だけをみると村人Aみたいな感じですが、村人なのに主人公ばり(むしろそれ以上)の存在感があったりします。

なぜ、こんなに探偵役の主人公よりも目立っているのかというと、それは、キャラ設定やキャストの影響もあると思いますが、何よりも名犯人だからです。

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名犯人

レクター博士はヤバイ殺人鬼なので監禁状態です(余談ですが、『監禁された天才的な犯人』というのは他の作品にも影響を与えていると思います)。バッファロー・ビルを追うクラリスに協力して、探偵役の師匠みたいなこともしますが、やっぱり犯人です。ネタバレになってしまうので詳しくは書けませんが、展開も結末も、名犯人といえる活躍を披露します。

「羊たちの沈黙」やその他のハンニバルシリーズはグロテスクな描写が有名ではあります。しかし、レクター博士という犯人を生み出して、それが活躍する物語を描いたという点で、非常に斬新な作品だったのではないかと思います。

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