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ホームズ

ギリシャ語通訳|ホームズ【あらすじ・感想・ネタバレ解説】

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 ギリシャ語通訳は、タイトルの通り、ギリシャ語の通訳が奇妙な体験をする話で、シャーロック・ホームズの兄マイクロフト・ホームズが登場する作品でもあります。この記事では、原作小説とグラナダ版ドラマの簡単なあらすじ及び詳細、原作とドラマの違い、作品の感想などをまとめています。

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あらすじ

 「ギリシャ語通訳」のあらすじをタイムラインで簡単にまとめます。マイクロフトが依頼人となります(正確には、マイクロフトが相談を受け、それをシャーロックに伝えます)。

ハイライト
  • 発端
    シャーロックがワトソンに兄のマイクロフトについて話す
    マイクロフトに会うためディオゲネス・クラブへ
  • 展開
    マイクロフトがシャーロックにギリシャ語通訳の件を伝える
    通訳のメラスが体験した不可解な出来事を話す
    (メラスはどこかへ連れていかれ通訳をさせられた)
  • 結末
    メラスが連れていかれた場所が判明する
    ホームズ達がその場所へと向かう

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小説

 原作は1893年に発表されました。この作品が収録された短編集「シャーロック・ホームズの思い出」は同じ1893年に発行されました。原作でもドラマでも、この作品が、マイクロフト初登場の作品となっております。

The Adventure of the Greek Interpreter
項目 内容
発表 1893年9月発表(ストランド)
発表順 24作品目(60作中)
発生時期 1888年9月12日
発生順 18件目(60作中)

ストーリー

グラナダ版ドラマとは終盤のストーリーが異なります。

 ある日、ワトソンはホームズに兄がいることを知る。兄の名前はマイクロフト・ホームズで、シャーロックによれば、自分よりも兄の方が優れているという。ホームズはワトソンを連れ、兄が所属する「ディオゲネス・クラブ」へと足を運ぶ。そこでワトソンはマイクロフトの驚異的な推理力を知ることになる。そのマイクロフトが、ホームズに奇怪な事件があると話し始める。それは、ギリシャ語通訳のメラスが体験した事件だった。

 メラスはラティマーという青年に通訳を依頼された。2日前の夜だった。ラティマーは英語しか話せなかったが、仕事でギリシャ人の友人が訪ねてきたため、通訳が必要になったという。仕事を引き受けたメラスは、ラティマーが用意した馬車に乗せられて目的地へと向かった。不思議なことに、その馬車の窓には目隠しがされていた。行き先がわからぬまま、メラスは馬車に揺られ続け、1時間半ほど経ったあと、ようやく、とある屋敷に辿り着いた。

 屋敷には眼鏡の男性がおり、その男性はラティマーをハロルドと呼んでいるようだった。メラスは中年男性に案内され、とある部屋で、顔が絆創膏だらけの男と対峙した。絆創膏の男はギリシャ語しか話せないという。メラスは英語の質問をギリシャ語に訳した。絆創膏の男は答えを石盤に書いた。質問は書類に署名を求める内容だったが、絆創膏の男は、それを拒否し続けた。

 メラスはギリシャ語の質問の中に自分の疑問を紛れ込ませ、いくつかの事実を掴んだ。絆創膏の男はクラティディスという名前で、アテネからイギリスにやって来たという。捕らえられて既に3週間が経過し、食事は与えられていないという。メラスの質問によってここまでは明らかになったのだが、途中でソフィーと呼ばれる女性が闖入したため、通訳は中止になってしまい、それ以上の情報は得ることができなかった。通訳としての報酬を貰ったメラスは、他言無用をいいつけられ、来た時と同じように馬車に乗せられ、近くの駅で降ろされたという。その後、メラスから相談を受けたマイクロフトは、ロンドン中の新聞に、ギリシャ人男性のポール・クラティディス、および、ギリシャ人女性のソフィーに関する広告を出したのだった。その返事は、まだないという。

 ホームズとワトソンがクラブを後にし、ベイカー街221Bに戻ると、そこには先回りしたマイクロフトがいた。広告の返事があったという。どうやら、ギリシャ人女性はベクナムのマートルズ荘にいるらしかった。ホームズ達は通訳のメラスを連れてベクナムへと向かおうとするが、メラスは既に姿を消していた。

 夜遅く、ホームズ達はマートルズ荘に辿り着き、屋敷に忍び込むと、どこからともなくうめき声が聞こえた。ホームズが先頭になり、声のする部屋に入ると、煙が充満していた。その部屋には火鉢があり、メラスとポールの姿あった。残念なことに、ポールは死んでいたが、メラスはまだ息が合った。メラスによれば、通訳のため、再び屋敷に連れてこられたという。署名を拒否したポール、そして、口外したことを知られたメラスは、部屋に閉じ込められてしまった。

ネタバレ

ギリシャ人のソフィーは金持ちの娘だった。友人を訪ねるため、イギリスにやって来たが、このとき、ハロルドと出逢い恋に落ちた。そして、駆け落ちしようとする。ソフィーの友人達は駆け落ちに驚き、ソフィーの兄ポールに連絡した。そのポールはハロルドと中年男性のウィルスン・ケンプに捕まってしまった。二人は財産を得るため、ポールに署名を求めていた。ポールの顔に絆創膏が貼られていたのは、妹のソフィーに知られないようにするためだった。しかし、メラスが通訳に来た日、ソフィーは兄の存在に気付いたのだった。

ホームズ達が屋敷でメラスを助け出す前、ハロルドとケンプはソフィーを連れて、逃げたという。月日が流れ、ホームズにとある新聞の切り抜きが届く。そこには、旅行中の英国人男性二人が刺殺されたと報道されていた。二人の男は女性一人を連れていたという。地元の警察は男二人の喧嘩が原因と考えているようだが、ホームズは女性がポールの仇をうつため、二人を殺害したと考えているようだった。

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原作とドラマの違い

 中盤まで、ドラマと原作はほぼ同じですが、原作は絆創膏、ドラマは包帯など、細かな違いはあります。また、終盤のストーリーは大きく異なります。原作では、新聞でホームズが犯人達やギリシャ人女性の行方を知りますが、ドラマでは、ホームズ達が犯人達を追って汽車に乗り込みます。その汽車で、ソフィーとケンプは捕まり、逃走しようとしたハロルドは対向列車にひかれ死亡します。

 原作にはホームズ達が汽車に乗り込むという描写は一切ありません。そのため、マイクロフトの奪った拳銃で犯人を追い詰めるシーンもありません。なお、原作は、ホームズが新聞の切り抜きを読んで、ホームズは一緒にいた妹のソフィーが兄殺害の復讐を果たしたと考えます。

 ソフィーに関しても違いがあります。原作では、最初の通訳でソフィーは兄の存在に気付きます。しかし、ドラマでは気付かず、ハロルドに恋をしたままです。特に大きな違いは、原作では妹が復讐するような結末になっていますが、ドラマでは共犯者のように扱われているという点です。

ドラマ

 グラナダ版ドラマは、1985年9月1日に放送されました。シーズン2の第2話(50分)となります。このドラマシリーズでは、以降の作品でもマイクロフトが何度か登場します。その頻度は、主演ジェレミー・ブレット氏の体調などが影響しているため、原作よりも多くなっています。

The Greek Interpreter
項目 内容
シーズン 2
話数 2
放送順 9
放送日(英) 1985年9月1日(日)
出演者 キャスト一覧

ストーリー

原作とは終盤のみストーリーが異なるため、序盤や終盤の内容は省略しています。

 兄のマイクロフト・ホームズを訪ねたシャーロック・ホームズは、マイクロフトからギリシャ語通訳のメラス氏が関わった不思議な出来事を知ります。

 通訳を依頼されたメラスは、ある屋敷へ向かいます。その屋敷には包帯を巻かれた男がおり、その男はギリシャ語しか話せないようでした。ポール・クラティデスという名前のギリシャ人は、ある文書への署名を迫られていました。通訳の最中、ソフィアと呼ばれる女性がその場に現れ通訳は中断。メラスは、そのまま帰されてしまいます。

 新聞広告によってソフィアの居場所を知ったシャーロック、ワトソン、マイクロフトは、その場所へと向かう。途中、メラスを訪ねるが、通訳の裏切りを知った犯人達が、既に、彼を誘拐していた。ホームズ達は急ぐが、ポールは死んでしまっていた。犯人達はソフィアを連れて、列車で逃げたとうだった。ホームズ達は、犯人の後を追い、列車に乗り込む。そして、ラティマーを見つけ出すが、彼は電車から飛び降りて逃げようとし、対向列車に轢かれてしまう。もう一人の犯人ケンプはマイクロフトによって捕まり、ソフィアも保護されるのだった。

感想

原作とグラナダ版ドラマで、大きく結末が異なる作品です。原作もドラマもマイクロフト初登場作品となっており、ドラマでは、マイクロフトの活躍が描かれています。出不精な人、という設定のはずなので、列車に乗り込むというのは、ちょっと違和感があるかもしれません。ただ、知人に相談され、その知人の命が脅かされたとなれば、マイクロフトも動き出すようです。冷酷な人物ではないようですね。

私はマイクロフトのファンなので、ドラマのマイクロフトがとてもかっこよくみえます。演じているのはチャールズ・グレイ(Charles Gray)という英国出身の俳優さんです。

読者の方にはどうでもいいことだと思いますが、マイクロフトが登場すると、記事の中でホームズという名前を使った時、シャーロックなのか、それともマイクロフトなのかが、わかりにくくなったりします。シャーロックという言葉は、ドラマのタイトルみたいになってしまうので、できれば使いたくなかったりしています。

小説の結末

 小説の結末(ラスト)です。ホームズとワトスンは新聞の切り抜きで、とある事件を知ります。明言はされていないですが、生き残ったギリシャ人の妹が、犯人の二人を殺害したようです。

事件から数ヵ月後、ブダペストから奇妙な新聞の切り抜きが届いた。そこには、ある女性を連れた二人組の男性が悲劇的な最期を遂げたと書かれていた。ハンガリー警察はどちらにも刺し傷があったことから、口論になった男二人が互いに致命傷を与えたと考えているようだ。しかし、ホームズの意見は異なるようだった。そして今でも、もしあのギリシャ人女性をみつけることができれば、彼女の犯行、すなわち兄の死に対する復讐が、どのように成し遂げられたかを知ることができるかもしれないと考えている。

考察

奇妙な出来事が発端となっています。広告を出して事件が進展し、問題の屋敷に辿り着いた時には既に関係者は始末されているような状況でした。謎解きにメインのミステリーというよりかは、サスペンスに近い作品だったのではないかと思います。

まとめ

 シャーロック・ホームズの「ギリシャ語通訳」について、原作とドラマのあらすじとネタバレ、感想などをご紹介しました。

登場人物

 登場人物をネタバレありで簡単にまとめます。原作およびドラマに共通する内容で一覧にしています。なお、主人公であるシャーロック・ホームズとワトスン博士は除いています。

名前 説明
マイクロフト・ホームズ
Mycroft Holmes
シャーロックの兄
メラスから事件について相談される
メラス
Mr Melas
ギリシャ語通訳
犯人に捕まり殺されそうになる
ポール・クラティデス
Paul Kratides
メラスが通訳した男
監禁され後に死亡する
ソフィア・クラティデス
Sophy Kratides
ポールの妹
イギリスへやって来てハロルドと恋に落ちる
ハロルド・ラティマー
Harold Latimer
メラスの雇い主でソフィアの恋人
財産を手に入れるためポールに署名を迫る
ウィルソン・ケンプ
Wilson Kemp
ラティマーの共犯者
ドラマではマイクロフトに出し抜かれ捕まる

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