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探偵 神宮寺三郎 Innocent Black|ネタバレ徹底解説【あらすじとストーリーなど】

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探偵 神宮寺三郎 Innocent Black』はアドベンチャーゲーム〈神宮寺三郎〉シリーズの第8作目で、シリーズ15周年を記念して2002年10月24日にPS2向けに発売されました。シリーズ初のPS2作品ということで、グラフィックの向上が図られています。この記事ではあらすじ、登場人物、ネタバレ、感想などをまとめています。

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あらすじ

新宿歌舞伎町に事務所を構える探偵・神宮寺三郎は、かつて自身が入院していた二宮病院の院長・二宮彰男から、家出をした娘・葉月の捜索を依頼される。
葉月をみつけたあと、彼女の証言から副院長・阿部進の不審な行動が明らかになる。この小さな家出事件をきっかけに、神宮寺は二宮病院に潜む巨大な闇、すなわち保険金殺人を企む組織の存在に少しずつ迫っていく。

捜査を進める中で、息子を病院で亡くした老婆・北川文枝が神宮寺に調査を依頼する。この調査も一旦解決したかにみえたが、その後、フリージャーナリストの氷室透子が現れ、神宮寺の調査に誤りがあったこと、そして北川文枝への依頼も透子が仕組んだものであったことを明らかにする。透子は、関東明治組と袂を分かった暴力団・岩辺組が二宮総合病院の阿部と手を組み、保険金殺人を実行している可能性が高いことを神宮寺に示唆する。物語はさらに大きな事件へと発展していく。

登場人物

  • 神宮寺 三郎(じんぐうじ さぶろう)声 – 小杉十郎太
    本作の主人公。新宿歌舞伎町に事務所を構える私立探偵。寡黙でクールな性格ですが、情に厚く、弱きを助け悪を許さないという信念を持っています。過去の事件で入院した二宮病院の院長からの依頼をきっかけに、巨大な陰謀に巻き込まれていきます。洋子との関係性にも変化が生じ、シリーズの中でも特に苦悩し、非情な決断を迫られることになります
  • 御苑 洋子(みその ようこ)声 – 折笠富美子
    神宮寺探偵事務所の優秀な秘書であり、神宮寺の長年のパートナー。冷静沈着で、神宮寺の良き理解者であり、時には彼を支え、時には叱咤激励する存在です。本作では、神宮寺との関係性に大きな変化が訪れ、物語の結末に深く関わることになります
  • 熊野 参造(くまの さんぞう)
    新宿淀橋署の警部。神宮寺とは旧知の仲で、互いに信頼し合う関係。警察の立場から神宮寺の捜査に協力し、情報提供や事件の裏付けを行います。シリーズを通して神宮寺の頼れる協力者の一人です
  • 今泉 直久(いまいずみ なおひさ)声 – 岸祐二
    関東明治組の若手組員。神宮寺とは情報交換を行う協力関係にあります。裏社会の情報に精通しており、神宮寺の捜査に不可欠な情報を提供します。本作では、彼が所属する明治組も事件に深く関わっていくことになります
  • 風林 豪造(ふうりん ごうぞう)声 – 中庸助
    関東明治組の組長。裏社会の顔役として、神宮寺に協力することもあります。その存在感は大きく、物語に重厚感を与えます。本作では、彼自身も事件の被害に遭うという意外な展開が描かれます
  • 三好 志保(みよし しほ)
    新宿淀橋署の婦警。熊野警部の部下であり、神宮寺の捜査に間接的に関わります。真面目で正義感の強い性格です
  • 二宮 葉月(にのみや はづき)声 – 田中潤
    二宮彰男の一人娘。物語の冒頭で家出をしており、神宮寺が捜索を依頼されるきっかけとなります。明るく活発な性格で、シリアスな物語の中で一服の清涼剤のような存在感を放ちます。彼女の証言が、事件の真相に迫る重要な手がかりとなります
  • 二宮 彰男(にのみや あきお)声 – 楠見尚己
    二宮病院の院長であり、葉月の父親。かつて神宮寺が入院した際に世話になった人物です。娘の家出を神宮寺に依頼しますが、彼自身も病院に潜む闇に深く関わっていることが明らかになります
  • 阿部 進(あべ すすむ)
    二宮病院の副院長。葉月の証言から不審な行動が明らかになり、事件の核心にいる人物の一人として浮上します。ゴルフが趣味
  • 杉原 奈々美(すぎはら ななみ)声 – 岩本裕美子
    二宮病院の看護師。二宮院長や葉月からの信頼が厚い人物です
  • 氷室 透子(ひむろ とうこ)声 – 田中敦子
    フリージャーナリスト。神宮寺の調査に誤りがあると指摘し、彼に接触してきます。事件の真相に迫るため、神宮寺と協力関係を結びます
  • 江波 耕介(えなみ こうすけ)
    明治組の若手構成員。今泉の部下であり、神宮寺の身辺警護などを担当します
  • 岩辺 圭一郎(いわべ けいいちろう)
    明治組から脱退し、本作の主要な敵対勢力である岩辺組を立ち上げた人物であり、岩辺組のリーダー。冷酷非道な手段を選ばず、保険金殺人などの犯罪に手を染めています
  • 李 宗一(り そういち)声 – 子安武人
    岩辺組に雇われた冷酷な殺し屋。その圧倒的な戦闘能力と非情さで、神宮寺を追い詰めます
  • 王 龍京(おう りゅうきょう)声 – 真殿光昭
    香港マフィアのボス。足が不自由
  • 林 麗華(りん れいか)
    李宗一と王龍京の幼なじみ
  • 天沼 かすみ(あまぬま かすみ)声 – 村井かずさ
    神宮寺が常連として通うバー「かすみ」のママ。神宮寺の良き相談相手であり、彼が心を休めることができる場所を提供します。直接事件に関わることは少ないですが、神宮寺の心情描写に重要な役割を果たします
  • 吉井 誠(よしい まこと)声 – 樫井笙人
    物語に登場する脇役の一人。神宮寺の捜査中に接触する人物で、事件の断片的な情報を提供します
  • 原 良輔(はら りょうすけ)声 – 鈴木正和
  • 吉井誠同様、物語に登場する脇役の一人。情報提供者のひとり

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ネタバレ

氷室透子との協力関係が始まったあと、透子は岩辺組に命を狙われる危険な状況にもかかわらず、神宮寺との協力関係を一方的に破棄し、単独行動に出た結果、殺し屋に殺害されてしまいます。また、神宮寺自身も殺し屋に命を狙われ、事務所に戻った際にボディーガードとして派遣されていた関東明治組の組員2名が、神宮寺の行動が原因で犬死にするという悲劇的な展開もあります。

最終的に、神宮寺は岩辺組が二宮病院と結託して行っていた保険金殺人の証拠を掴み、警察に提出することで事件の真相を暴きます。しかし、事件解決後も神宮寺は個人的なケジメをつけるためと称し、殺し屋と単独でタイマン勝負に挑みます。

結末

神宮寺と長年のパートナーである御苑洋子の関係性が破綻します。神宮寺は洋子を事務所から解雇し、洋子は神宮寺の元を去ります。この決断は、神宮寺が洋子を危険から遠ざけるための苦渋の選択として描かれます。

この続きは続編の『KIND OF BLUE』で描かれることになります。

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感想

全体的に暗くダークで憂鬱な作風が特徴で、特に終盤は次々と登場人物が死んでいくハードな内容です。ラストもシリーズ史上屈指の憂鬱なエンディングであり、従来の神宮寺シリーズが持っていた事件解決後のカタルシスは、ほとんどありません。しかし、この徹底したハードボイルド路線は、ファンから高く評価される可能性もあると思います。

開発元が変更されたにもかかわらず、シリーズの核となるハードボイルドな世界観や雰囲気、そして質の高いBGMなどが見事に継承されています。ストーリーに関して、前半は丁寧な伏線と引き込まれる展開でしたが、後半は展開が怪しくなってきます。ハードボイルドな内容ですので、ミステリーを期待するとちょっと期待外れに感じるかもしれません。ゲームとして決して悪いわけではありませんが、ストーリー後半の展開やキャラクター描写、結末については賛否両論ありそうです。

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