駄犬さんライトノベル『誰が勇者を殺したか 預言の章』は『誰が勇者を殺したか』の続編です。前作が非常に高い完成度で完結していたため、続編の刊行には期待とともに不安の声も聞かれましたが、多くの読者から好評を得ています!この記事では、あらすじ、特徴、感想、ネタバレなどをまとめています。
項目 | 評価 |
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【読みやすさ】 スラスラ読める!? |
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【万人受け】 誰が読んでも面白い!? |
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【キャラの魅力】 登場人物にひかれる!? |
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【テーマ】 社会問題などのテーマは? |
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【飽きさせない工夫】 一気読みできる!? |
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【ミステリーの面白さ】 トリックとか意外性は!? |
あらすじ
魔王を倒す勇者を求め、預言者は〈世界編纂〉という能力を用いて何度も世界をやり直していた。幾度となく繰り返される歴史の中で精神的に疲弊していく預言者は、ある街で『金の亡者』と噂される冒険者・レナードとその一行に興味を抱く。預言者は彼を勇者と認め、その行く末を見守ることにするが……、レナードは従来の勇者像とはかけ離れた人物だった。
前作
前作『誰が勇者を殺したか』については下記のページにまとめています!
小説の特徴
本作は、前作で語られた物語と同じ時間軸の別の場所で展開されるサイドストーリーのようなお話であり、預言者の視点を通して、もう一人の勇者の物語が描かれます。過去の出来事やキャラクターたちの内面が掘り下げられ、それが現在の物語にどう繋がっていくのかが明らかになります。
舞台設定
人間と魔王が存亡をかけた戦いを繰り広げる、中世風のファンタジー世界が舞台で、預言者や勇者といった存在が登場する世界観です。物語は前作と同じ時間軸で展開されますが、視点が変わり、魔王がまだ生きている時代背景が主に描かれます。
テーマ
もう一人の勇者の物語として、後悔との向き合い方、逃げることの意義、そして「勇者とは何か」という問いが様々な角度から描かれています。人を大切にすることの重要性もテーマとして感じとれます。
作風
全体的に読みやすく、読後感がよさそうです。ミステリー要素は薄いものの、前作よりもバトル描写が増え、王道から少し外れた少年誌的な胸熱展開や、登場人物の人間ドラマが魅力的に描かれています。
主人公
主人公のレナードは、周囲からは金にがめつく悪評高い冒険者です。しかし、物語が進むにつれて、いろいろと変化していきます。
感想
前作の魅力を引き継ぎつつ、新たなキャラクターとテーマを掘り下げた、見事な続編だと思いました。特に、主人公レナードのキャラクター造形が秀逸で、目が離せない存在でした。また、予言者という存在を通して、運命や宿命といったテーマにも深く切り込んでいたと思います。前作を読んだ方はもちろん、勇者パーティーのメンバーが好きなら、絶対に読むべきです!
高評価のポイント
- 前作の世界観をより深く理解できる!預言者の視点から物語が語られることで、新たな発見がある
- 主人公レナードのキャラクターが魅力的で共感できるし、登場人物たちの過去や葛藤が丁寧に描かれている!
- ストーリー展開が面白く、飽きさせない!ラストの展開が熱く、感動的!
低評価のポイント
- 前作に比べてミステリー要素が薄い…
- レナード以外のパーティメンバーの掘り下げが不足している…そして勇者パーティーの存在感が強すぎる
- 過去のループに関する設定が十分に活かされていないような気もする
ネタバレ
主人公レナードの悪評は、魔人たちの手足となって動く裏切り者をおびき出すための演技でした。彼の真の目的は、過去に自身が見殺しにしてしまった勇者ルークの仇である魔人ベルゼラを討伐することです。レナードのパーティメンバーであるエフセイ、ニーナ、ソフィアもまた、過去の戦いでルークやその妻レイに助けられ、生き残ったことに後悔を抱いていました。
結末
レナードたちがベルゼラに追い詰められたところに、預言者の導きによって勇者アレス(ザック)率いる勇者パーティ・騎士レオン、僧侶マリア、賢者ソロンが駆けつけ、ベルゼラを倒します。
レナードはザックの両親であるルークとレイに関わりがあることも判明。実は、かつてレナードが勇者と崇めていた人物がザックの父親であるルークでした(前作の物語と繋がります)。レナードはルークたちの生き様から影響を受けていました。
預言者もまた、レナードとの関わりを通して、勇者を見出すことへの苦悩から救いを見出します。物語の終盤では、魔王討伐後の後日談として、レナードたちがその功績を褒め称えられる場面が描かれています。
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