テレビ朝日系ドラマ『大追跡-警視庁SSBC強行犯係-』のあらすじやネタバレをまとめています。主演は大森南朋さん、相葉雅紀さん(嵐)、松下奈緒さんで、そのほかにも豪華キャストが出演しています。脚本は『HERO』や『ガリレオ』シリーズを手掛けた福田靖さんです。初回世帯視聴率は9.7%、個人視聴率は5.3%を記録し、好調なスタートとなっています。
登場人物
- 名波凛太郎(ななみ りんたろう)相葉雅紀
一流大学卒業後、外資系証券会社を経て国家公務員総合職中途採用試験に合格し警察庁に入庁。久世官房長官の甥。新人ながらも積極的に捜査に介入する。計算高く、相手の心理を読んで行動する一面もある - 伊垣修二(いがき しゅうじ)大森南朋
SSBC強行犯係の《機動分析》担当で、名波のバディ。当初は名波の型破りな行動に戸惑い、気を遣う様子をみせるが、次第に名波のペースに巻き込まれていく - 青柳遥(あおやぎ はるか)松下奈緒
警視庁捜査一課の主任。SSBCの役割を重視し、名波の現場への介入を厳しく拒否する。伊垣とは元夫婦で、4年前に離婚しており、13歳になる一人娘がいる - 八重樫雅夫(遠藤憲一)
警視庁捜査一課長 - 久世俊介官房長官(佐藤浩市)
名波凛太郎の伯父であり、元警察庁長官。名波のバックグラウンドとして登場する - 木沢理(きざわ おさむ)伊藤淳史
SSBC強行犯係情報分析担当 - 小山田 勝也(おやまだ かつや)髙木雄也 Hey!Say!JUMP
SSBC強行犯係機動分析担当 - 城 慎之介(じょう しんのすけ)野村康太
SSBC強行犯係機動分析担当 - 光本 さやか(みつもと さやか)足立梨花
SSBC強行犯係技術支援担当 - 仁科 瑠美(にしな るみ)丸山礼
SSBC強行犯係情報支援担当 - 葛原 茂(くずはら しげる)光石研
SSBC強行犯係係長 - 佐倉 大(さくら だい)本田大輔
青柳班の刑事 - 中津川 一樹(なかつがわ かずき)宮地真史
青柳班の刑事
あらすじ(ネタバレ注意)
第1話
第1話では、久世官房長官(佐藤浩市)が襲撃される事件が発生します。防犯カメラの分析などを行ったSSBC(捜査支援分析センター)からの情報提供により、捜査一課が容疑者を逮捕。そんな中、SSBC強行犯係に、元外資系ファンドマネージャーでキャリア組の名波凛太郎(相葉雅紀)が配属されます。
その後、ベンチャー企業「プレイヴァージ」の社長・桐生聡史(窪塚俊介)が刺殺される事件が発生します。副社長の玉井涼介(中 村俊介)も襲われ、軽傷を負います。名波は刑事のように現場に踏み込もうとし、捜査一課の主任・青柳遥(松下奈緒)と対立します。
伊垣修二(大森南朋)と名波は、防犯カメラの映像から犯人らしき黒ずくめの男を特定し逮捕しますが、その男は闇バイトでした。捜査一課は元社員の川瀬浩一(浜野謙太)を犯人と疑いますが、一方で伊垣と名波は、副社長・玉井が防犯カメラの多い駐車場で襲われたこと、足の怪我からの回復が早かったこと、そして病院からの逃走など、証言や行動に不審な点を見つけます。
社長のスマホの解析により、玉井が会社の金を使い込み、それが社長にバレたために殺害を計画したことが判明します。玉井を襲った犯人は彼の弟で、耳の形から特定されました。弟は闇バイトに金を渡し、玉井を襲う芝居をしてフィリピンへ逃亡していました。これらの揺るぎない証拠を突きつけられ、玉井は自白し、事件は解決に至ります。
捜査一課長の八重樫雅夫(遠藤憲一)は、名波が久世官房長官の甥であることを知り、それまでの態度から一転して名波に協力的になり、捜査を許可します。また、殺害された社長が川瀬に謝罪のメールを送ろうとしていたことも明らかになります。
第2話
過去に爆弾事件を起こした指名手配犯・荒川泰三(吉岡睦雄)。伊垣修二(大森南朋)が監視映像で荒川を発見する。名波凛太郎(相葉雅紀)は伊垣の制止を振り切って荒川に声をかけたところ、荒川は爆弾をちらつかせながら逃走し、工事現場のプレハブ小屋に立てこもってしまう。
捜査が行き詰まる中、タクシー運転手の証言から荒川の恋人・星野ゆかり(伊藤歩)の存在が浮上する。伊垣と名波はゆかりの部屋を捜索し、爆弾製造の痕跡を発見。捜査一課との連携が絶たれたSSBC強行犯係は、独自にゆかりの行方を追跡し、高輪のファミレスで彼女を発見する。
一方、捜査一課長の八重樫雅夫(遠藤憲一)は、官房長官の久世(佐藤浩市)からの指示で突入をためらっていた。そんな中、伊垣からの連絡で、荒川ではなくゆかりが爆弾を所持していることが判明し、名波の圧力もありSITが突入する。逮捕された荒川はやはり爆弾を所持していなかった。
ファミレスでゆかりを説得する伊垣と名波。ゆかりは荒川との出会いから、彼の「社会を変えたい」という理念に共感して手伝ったと告白する。しかし、荒川は逮捕時に「見下したヤツをみんなぶっとばしてやる!」と叫んでいた。ゆかりは荒川の動機が私怨だったとこを知り、失望することになる。名波の言葉に心を動かされたゆかりは、爆弾のタイマーを停止させ、事件は解決となる。
事件解決後、八重樫は捜査一課が犯人を逮捕したと会見しますが、記者からはSSBCの功績を指摘する声も上がっていた。
第3話
世田谷の閑静な住宅街で持田祥子(畑奈緒子)が襲われ、階段から転落。首に赤い火傷のような跡が2つあり、左足の靴を履いていないことが判明する。SSBC強行犯係の伊垣修二(大森南朋)は、数年前に名古屋で連続して起きた、女性がスタンガンで襲われ左足の靴を奪われる未解決事件との類似性を指摘する。捜査一課長の八重樫雅夫(遠藤憲一)から捜査中止が告げられるが、名波凛太郎(相葉雅紀)の提案でSSBC強行犯係は独自捜査を続行。葛原茂(光石研)もこれを「別班」の存在意義を示すチャンスととらえる。
防犯カメラ映像から有力な容疑者・仙波達也(杢代和人)が浮上する。2年前の名古屋の事件当時も達也は名古屋にいたが、達也の父親は与党自明党の幹事長・仙波啓一郎で、父親の圧力によって捜査が妨害されたようだった。
名波は伯父の久世俊介(佐藤浩市)から仙波の元秘書に関する情報を得て、元秘書から達也が5歳で母親が出て行って以来、父親に反抗していることを聞き出す。その後、青柳遥(松下奈緒)が達也を現行犯逮捕するが、達也は「拾っただけ」と話す。
防犯カメラに映った達也のサングラスに映り込んだスマホのパスコード(母親の生年月日を逆読みしたもの)を木沢理(伊藤淳史)が特定。スマホから貸倉庫の利用アプリが見つかり、貸倉庫には多数の女性の左靴が並べられていた。
被害者の持田祥子が死亡し、達也は強盗致傷および強盗致死の容疑で逮捕されることになる。そして、父親の仙波啓一郎は離党を余儀なくされる。
第4話
SSBC強行犯係は報道番組の取材を受けることになり、木沢理(伊藤淳史)は自身の地理的プロファイリングの実績を誇らしげに語る。しかし、直後に都内で立て続けに放火事件が発生。8件中7件は防犯カメラ映像がジャミング(通信妨害)され、手がかりが掴めない。唯一映像が残った1件目も、フードを被った女性が映るのみだった。
木沢は8件の放火現場を地図にプロットし、犯行が円で囲まれたエリアで行われていると指摘。地理的プロファイリングで犯人の拠点を特定する。しかし、そこは広大な墓地であり、木沢のプロファイリングは外れてしまう。その矢先、9件目の放火はこれまでのプロファイリングから大きく外れた場所で発生してしまう。放火地点を外すという失態に対して、SNSでは「SSBC強行犯係は無能集団」と誹謗中傷が飛び交うようになる。
八重樫一課長(遠藤憲一)はSSBCを罵倒し、木沢は自信を失い警察を辞めようとまで考える。そんな中、名波凛太郎(相葉雅紀)は木沢への誹謗中傷を繰り返すSNSアカウント「アルベルト三世」に注目する。投稿は放火事件の発生後から始まったようだった。さらに、犯人が地理的プロファイリングの専門知識を持つ可能性を指摘し、木沢が所持する専門書を購入した人物を特定する。
捜査一課は1件目の放火犯として富樫繁之の不倫相手である大野小百合(西原亜希)を逮捕する。彼女は1件目の犯行は認めたが、2件目以降の連続放火には関与を否定する。SSBCは放火犯が2人いると判断し、1件目の放火を起点に、地理的プロファイリングを逆手に取った連続放火が行われていると推測する。
木沢の新たなプロファイリングを信じた伊垣修二(大森南朋)と名波は、犯人と思われる男がジャミングを仕掛けた場所へ張り込み、犯行に及ぼうとした男を追い詰める。そこに青柳遥(松下奈緒)が駆けつけ、男を取り押さえる。青柳は伊垣の位置情報を事前に共有させていたのだった。
逮捕されたのはい元高校物理教師の佐久間光昭(河相我聞)。彼は昨年、木沢の地理的プロファイリングによって逮捕された連続下着泥棒犯だった。テレビで自慢げに語る木沢の姿を見て、恨みを募らせた佐久間は、木沢のすべてを奪う復讐として地理的プロファイリングを逆手に取った連続放火を開始していた。その事実を聞いた木沢は、自分を狙わず無関係な人々を巻き込んだ犯人に怒りを爆発させる。
第5話
多摩川の河川敷で暴力団『竜元会』の構成員である倉田一郎(眞島秀和)の遺体が発見される。遺体は死後1週間から10日が経過しており、腐敗が進んでいた。倉田は生前、スナックのホステスに「金づるを見つけた、ボンボンのピアニストだ」と話してたという。SSBC強行犯係は周辺の防犯カメラ映像を収集し、仁科瑠美(丸山礼)の顔認証技術を駆使して、同時刻付近に映っていた音大生で将来を嘱望されるピアニスト、浜田響(濱田龍臣)を見つけ出す。
捜査一課の青柳遥(松下奈緒)が浜田響の自宅へ向かう。響によれば、防犯カメラに映っていた時刻は留学特待生選考会のため、大学の練習室にいたとのことだった。響の母・百合子(山下容莉枝)は刑事の遥に異常なまでの警戒心をみせ、響が疑われていると分かると百合子はヒステリックに反論し始める。
SSBCが響のスマホを解析すると、当該時刻に大学から出たという痕跡はなかった。しかし、被害者倉田の「金づるのピアニスト」が響だと考えられること、そして防犯カメラ映像を見せたときの響と百合子の様子が不自然だったことなどから、八重樫捜査一課長(遠藤憲一)は引き続き響を最有力参考人として捜査を進めるよう指示する。
すると新事実が発覚する。殺害された倉田一郎には、倉田純一と純二という双子の息子がいた。二人は父親による虐待と育児放棄が原因で児童養護施設に引き取られ、それぞれ別の家庭に養子に出されていた。さらに驚くべきことに、浜田響はその双子の片割れだった。そしてもう一方は、稲城純一(濱田龍臣)という名前で、半グレ集団に属していた。どうやら響は3歳の時に倉田に暴力を振るわれ、左耳が聞こえなくなっていたという事実も判明する。
響のSNSには「アンガーハンマー」という名前で純一がアンチコメントを書き込んでいた。響の留守電には純一から「お前の邪魔者は消した」というメッセージも残されていた。そして、凶器と被害者である倉田の携帯電話が発見され、純一の指紋も検出される。
倉田は響の養母である百合子を「俺みたいなヤクザが実の父親だと知ったら、響は終わりだ」と脅迫し、100万円以上のお金を強請り取っていた。また、倉田が純一に対し「響の左耳が聞こえないのは俺がひっぱたいたからだ」「右耳まで聞こえなくしてやったら終わりだぜ」と語っていたことも判明する。純一は、響のコンサートでの演奏を聞き、努力を間近でみていたことで、弟の才能と未来を金のために奪おうとする父親への怒りが頂点に達し、犯行に及んでいた。純一は「俺バカだからさ、ほかの方法なんてなんも思いつかなくてさ」と、弟を守るための衝動的な犯行だったと語る。
事件発覚後、響のSNSは炎上する。しかし、響は遥に送ったメールで「僕がいるのは実力の世界、人の心を揺り動かす演奏をすれば 必ず認められると信じています」と強い決意を表明。そして、「もう一度純一に聞いてもらいたい」と、兄への想いを胸にピアノの道を続けることを誓う。
- 八重樫一課長の双子設定
八重樫捜査一課長(遠藤憲一)には、瓜二つの双子の兄・雅彦(寿司職人)がいる。コミカルなシーンを繰り広げながらも、「青森の兄貴が包丁で指切ったら、東京の弟が痛え~ってことになるんだよ」など、事件の鍵となる「双子の絆」について深く語ったりする - 捜査一課とSSBCの連携
当初は対立していた捜査一課とSSBC強行犯係だが、五話では、青柳遥が自然とSSBCの部屋に出入りし、八重樫一課長も葛原係長(光石研)に頭を下げて協力を求めるなど、協力体制が強化されている - 名波の事件
名波凛太郎(相葉雅紀)が、前職で同期だった柏木亮太(千葉雄大)らとの食事中に突然腹痛に襲われ、救急搬送される。その後、急性虫垂炎と判明し入院することになり、現場から一時的に離れる。のちに、久世俊介(佐藤浩市)との会話の中で、名波が人の役に立つ実感を求めて警察に転職したこと、そして二人が「あの事件」の解決を目指していることが描かれている
感想
スピード感があって、飽きさせない展開だったと思います。『科捜研の女』のような感じという印象でした。『別班(べっぱん)』というキーワードが頻発するのは、『VIVANT』にあやかろうとしているのでしょうか。
相葉雅紀さん演じる名波凛太郎は、従来の刑事ドラマにおけるキャリア組のイメージとは異なり、鼻持ちならないタイプではなく、むしろ計算高く周囲を動かす魅力的なキャラクターでした。大森南朋さん演じる伊垣は、名波に気を遣いつつも次第に熱くなる姿が印象的です。遠藤憲一さん演じる八重樫の分かりやすい性格はおもしろかったです。「エンケン劇場」と呼ばれているみたいですね。