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アストリッドとラファエル1|あらすじ・ネタバレ解説・感想【文書係の事件録】

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アストリッドとラファエル 文書係の事件録 シーズン1(原題:Astrid et Raphaëlle)』は、フランス発の犯罪ミステリードラマです。パリの犯罪資料局で文書係として働く自閉症のアストリッドと、パリ警視庁の警視ラファエルがコンビを組み、難事件を解決していきます。論理的で几帳面なアストリッドと、直感的で大胆なラファエルという正反対の二人が、互いの違いを認め合い、友情を深めていく人間ドラマも深く描かれています!この記事では、シーズン1全話のあらすじとネタバレ、登場人物、感想などをまとめています。

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登場人物

アストリッド・ニールセン
演:サラ・モーテンセン(少女期:アメリア・ラックマン) / 日本語吹替:貫地谷しほり(少女期:兒林美沙紀)
パリ犯罪資料局の文書係。自閉スペクトラム症の当事者で、驚異的な記憶力と論理的思考力を持ち、犯罪学に精通しています。対人関係に困難を抱えていますが、ラファエルとの交流を通じて成長していきます。
ラファエル・コスト
演:ローラ・ドヴェール / 日本語吹替:林真里花
パリ警視庁の警視。大胆で行動力があり、直感で捜査を進めます。おおらかで包容力があり、アストリッドの才能を見抜き、彼女を捜査に引き込みます。息子がいますが、離婚して親権を失っています。
ニコラ・ペラン
演:ベノワ・ミシェル / 日本語吹替:川田紳司
パリ警視庁の警部。ラファエルの同期で相棒。博識ですが、時にうんちくを披露しがちです。ラファエルに密かに想いを寄せています。
アルチュール・アンギャン
演:メレディン・ヤクビ / 日本語吹替:中村章吾
パリ警視庁の警部補。ラファエルとニコラの部下。察しが良く、PCを使った調査能力に長けています。アストリッドの特性を理解し、適切に接します。
カール・バシェール
演:ジャン=ルイ・ギャルソン(パイロット版:ダニエル・ロベ) / 日本語吹替:藤真秀
パリ警視庁の警視正。ラファエルたちの上司。当初は迅速な捜査終了を優先しがちでしたが、次第にラファエルたちの真相究明への意思を尊重するようになります。
アンリ・フルニエ
演:ウスキ・キアル / 日本語吹替:佐々木睦
監察医。元特殊部隊の軍医。アストリッドに鑑識結果の盲点を突かれることがありますが、彼女の能力を認め、敬意を払うようになります。
ジュリアン・フレデリック
演:ブルース・テソール / 日本語吹替:おかやまはじめ
科学捜査官。現場で出会ったアストリッドに一目惚れします。
アラン・ガイヤール
演:ジョフロワ・チボー / 日本語吹替:伊藤和晃
犯罪資料局の長官。アストリッドの亡父の友人で、アストリッドの後見人として彼女を見守ります。シーズン1終盤で事件に 巻き込まれます。
アンギュス・ニールセン
演:アリオシャ・イトビッチ / 日本語吹替:前田一世
アストリッドの亡父。警察官。娘の自立を願い、犯罪資料局での居場所を用意しました。
マチルド・ニールセン
演:エリザベス・モーテンセン / 日本語吹替:野沢由香里
アストリッドの母。アストリッドが幼い頃に家を出て行きましたが、後に再会します。演じるエリザベス・モーテンセンは、アストリッド役サラ・モーテンセンの実母です。
ウィリアム・トマ
演:ジャン=ベノワ・スーリエ / 日本語吹替:粟野志門
アストリッドが通う「社会力向上クラブ」のリーダー。アスペルガー症候群。ITと鉄道に詳しく、アストリッドの良き理解者であり助言者です。
アピュ・タナカ
演:ニシダ・アキヒロ / 日本語吹替:浦山迅
アストリッドが通う日本食料品店の店主。アストリッドの特性を理解し、優しく接します。
テオ・コスト=ルジェ
演:ティミ=ジョイ・マルボー / 日本語吹替:大平あひる
ラファエルの息子。週末をラファエルと過ごします。賢く、時に事件解決のヒントを与えます。
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第1話/第2話 パズル

駐車場で医師リオネル・ルノワールが焼身自殺を図る事件が発生。ラファエル警視は、ルノワールが直前に大金を引き出していたことや、息子の結婚を控えていたことから自殺に疑問を抱き、過去の類似事件を調べ始めます。犯罪資料局で資料を探す中で、文書係のアストリッドと出会います。アストリッドは、ラファエルが申請した資料に加え、過去に起きた2件の医師の不審死に関する資料も提示。3件の事件に共通する奇妙な点に気づいていたアストリッドの洞察力に驚いたラファエルは、彼女に捜査協力を依頼します。

事件の真相と展開

アストリッドは、3件の事件全てに「カトレア・トリアナエ」というラン科の植物が関わっていることを指摘。この花にはスコポラミンという毒が含まれており、専門家が使用すれば自我を奪い自殺を強要できることを突き止めます。被害者たちがコロンビアでの売春ツアーに参加していたことが判明し、ツアーを主催したノジカール研究所のイアン・マルコムに容疑がかかりますが、彼もまた不審死を遂げます。アストリッドの助言から、マルコムの家政婦でコロンビア人のヴィオレッタ・フローレスが捜査線上に浮上。ヴィオレッタは、過去にツアー参加者によって姉を殺されており、復讐のために医師たちをスコポラミンで操り自殺に見せかけて殺害していたことを自白します。

人間関係

この事件がアストリッドとラファエルの出会いとなり、正反対の二人の間に奇妙な信頼関係が芽生え始めます。アストリッドは苦手な「予定外」の出来事にも少しずつ適応しようと努力し、ラファエルはアストリッドの才能と特性を理解しようと努めます。

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第3話/第4話 呪われた家

弁護士リュドヴィク・カーリシアンが法廷で弁論中に急死し、直後に彼の車が爆破されます。監察医フルニエは心筋梗塞と診断しますが、アストリッドは極度の恐怖による「たこつぼ型心筋症」だと見抜きます。カーリシアンが直前に連絡を取っていた行方不明のマックス・リボーの屋敷は、過去に複数の不審死が起きている「呪われた家」として知られていました。屋敷の地下室でリボーの遺体が発見されますが、ラファエルはそこで幻覚を見てしまいます。

事件の真相と展開

アストリッドは地下室に残されたライ麦粉に付着した麦角菌が幻覚の原因だと突き止め、屋敷で起きた怪奇現象や過去の事件との関連を示唆します。捜査を進める中で、リボー、カーリシアン、そして国会議員ウィルフレッド・タルカンの3人が、30年前にロー ル・ガナの恋人ジャバを屋敷の地下室で殺害していたことが判明します。罪悪感に苛まれたリボーが自首しようとしたため、タルカンがリボーを殺害し、カーリシアンには麦角菌を嗅がせて恐怖による心臓発作で死に至らしめたのでした。ラファエルはロール・ガナの息子がディエゴ・アンサテであることを突き止め、母子を再会させます。また、この事件の捜査中に、ラファエルはアストリッドの母マチルドが療養所にいることを知ります。

人間関係

ラファエルはアストリッドを犯罪資料局内の彼女の「秘密の部屋」に初めて案内され、二人の絆が深まります。ラファエルはアストリッドの母について調べ始めます。

第5話 ミッシング・リンク

国立自然史博物館で古生物学者ダナ・バレットが溺死体で発見されます。遺体には「ダーウィンの系統樹」のタトゥーがあり、アストリッドはタトゥーに新しい枝が付け足されていることに気づき、ダナが古生物学に関する大発見をしたことを示唆していると推測します。監察医フルニエは溺死と判断しますが、アストリッドは発見時の状況から「乾性溺水」の可能性を指摘し、殺害現場が別の場所であると考えます。

事件の真相と展開

ダナの大発見は、長年定説とされてきた恐竜の系統樹を覆すものでした。犯人はダナの上司レイモン・スタンで、彼が過去に見落とした化石をダナが再調査して大発見に至ったことに逆上。ダナを別の場所で溺死させ、遺体を博物館に運び込み、発見された化石を別の骨とすり替えていました。アストリッドの鋭い観察眼と知識が事件解決に繋がります。

人間関係

ラファエルはアストリッドの買い物に同行し、彼女が幼い頃から通う日本食料品店の店主タナカと出会います。タナカはアストリッドの特性を理解し、優しく接しており、ラファエルはアストリッドとの関わり方について助言を受けます。ラファエルは極秘でアストリッドの母マチルドの居場所を突き止めます。

第6話 閉ざされた部屋

有名な推理作家アンリ・フランクールが自宅で服毒死しているのが発見されます。部屋は内側から鍵がかかっており、自殺と思われましたが、アストリッドは遺体の状況や現場の不自然さから他殺を疑います。フランクールは「エリック・エルネスト」という筆名で活動しており、次回作で30年前に起きた山小屋火事の真相を暴こうとしていたことが判明します。

事件の真相と展開

30年前の山小屋火事では、フランクールの恋人ソフィー・ノーベルが亡くなっていました。捜査を進める中で、「エリック・エルネスト」の正体がフランクールではなく、彼の友人アラン・ラマルクであることが判明。ラマルクはソフィーに報われない恋心を抱いており、30年前にソフィーをレイプし、口封じのために殺害していました。フランクールが真相に気づき、次回作で暴露しようとしたため、ラマルクはフランクールを殺害し、自殺に見せかけようとしたのでした。また、事件に関わったモンスニもラマルクによって殺害されていました。

人間関係

アストリッドは、母マチルドが家を出て行った際に残した「秘密箱」がパズルに興味を持つきっかけだったとラファエルに話します。ラファエルはマチルドの居場所を見つけたことをアストリッドに打ち明けますが、アストリッドは動揺を隠し、重要なことではないと受け流します。

第7話 フルカネリの指輪

パリの地下採掘場跡で、天井崩落により若い男性の遺体が発見されます。遺体は屍蝋化しており、身につけていた認識票から60年前に失踪したガブリエル・アンリと判明。遺体の体内からは、錬金術のシンボルが刻まれた指輪が見つかります。アストリッドは指輪の暗号解読に挑みます。ガブリエルの従兄弟エチエンヌ・ラロシュも何者かに殺害されていました。

事件の真相と展開

ガブリエルとエチエンヌは、地下鉄工事中に偶然金塊と指輪を発見していました。ガブリエルは指輪がより大きな宝の隠し場所を示していると信じ、暗号を解読しようとしていました。エチエンヌを殺害したのは、ガブリエルの妹カトリーヌ・ルベールで、兄殺害の自白を強要し、指輪の秘密を聞き出そうとしていました。指輪が示す「宝」は、現代では価値のない燐の製造法が書かれた紙切れでした。

人間関係

アストリッドは、ラファエルの誕生日パーティーに招かれ、人混みと喧騒に動揺しますが、ラファエルに「あなたは私の指抜きのような存在です」と伝え、二人の友情が深まります。アストリッドは母マチルドからのメールを受け取りますが、削除してしまいます。

第8話 存在しない男

バスの中で電子タバコを吸っていた男性が突然死亡します。死因は炭疽菌による感染症と判明し、アストリッドたちは一時的に隔離されます。被害者は3年前に放火事件で死亡したとされていた警察官ルイ・ヴァルメラスで、過激派グループに潜入捜査していま した。

事件の真相と展開

実は3年前の放火事件で死亡したのはルイの身代わりとなった夫マキシムで、ルイは警察から逃れるために死を偽装していまし た。ルイを炭疽菌で殺害したのは、彼の妻で上司だったダフネ・シモニでした。ダフネは夫が生きていることを知り、彼と過激派リーダーの関係、そして二人の間に子供がいることを知って犯行に及びました。

人間関係

アストリッドは科学捜査班のジュリアン・フレデリックからデートに誘われますが、好意がないことを伝えて断ります。ニコラは同僚アルチュールからラファエルへの恋心を指摘され、動揺します。

第9話 消えた遺体

ウィリアムの兄で医師のポール・トマが亡くなり、葬儀中に遺体が行方不明になります。ポールは生きており、ある食品添加物の危険性に関する研究をしていました。ポールを昏睡状態にしたのはフグ毒で、彼が食べた寿司が原因でした。ポールは添加物開発者ドクール教授が研究資料を探しに来たところを殺害した犯人だと主張しますが、ドクールは既に刺殺されていました。

事件の真相と展開

ポールを昏睡させたのは、添加物の危険性を隠蔽したい人物による犯行でした。ドクール教授を殺害したのは、ドクールと同じ研究所の生物学者オーギュスト・ルガニュールで、添加物の使用を推進していました。ウィリアムの婚約者でハッカーの「ベレジン28」が捜査に協力し、暗号化されたポールの研究資料を見つけ、ルガニュールに命を狙われますが救出されます。

人間関係

アストリッドはラファエルに嘘をつくことに耐えられなくなり、ポールとウィリアムを署に連れて行きます。ラファエルはアストリッドに母マチルドとの再会を勧め、二人はタングラムの大会で対戦相手として再会します。

第10話 五線譜の暗号

若い女性の惨殺遺体が発見され、現場に残された証拠からすぐに容疑者マルク・ヴァレンヌが逮捕されます。しかしアストリッドは、被害者の状況(即死なのに目を閉じている)や証拠の不自然さから、過去の未解決事件との関連に気づき、同一犯による連続殺人だと確信します。

事件の真相と展開

犯人は科学捜査班の助手エステバン・アセガで、彼は証拠を捏造して無関係の人物に罪を着せていました。アセガはアストリッドの連続殺人に関する洞察に気づき、彼女を拉致。アストリッドの後見人であるガイヤールは、アストリッドを守ろうとしてアセガに殺害されてしまいます。ラファエルはアストリッドが残したメッセージを解読し、アセガの正体と居場所を突き止め、アストリッドを救出します。

人間関係

ガイヤールの死に深く悲しむアストリッドですが、ガイヤールが彼女の自立を願っていたことを知り、法的に責任を負う成人として独り立ちすることを決意します。警視総監は、アストリッドの捜査への貢献を認め、司法警察員試験に合格することを条件に捜査への参加を許可します。ラファエルはニコラに自分の気持ちを告白し、二人の関係に進展が見られます。

感想・レビュー

『アストリッドとラファエル 文書係の事件録』はミステリーでありながら人間ドラマが深く描かれていると思います。自閉スペクトラム症という特性を持つアストリッドと、情熱的で大らかなラファエルという、一見正反対の二人が出会い、互いの違いを認め合いながら唯一無二のバディとなっていく過程がとても丁寧に描かれていました。

アストリッドの驚異的な記憶力と論理的な思考力は、ラファエルの直感や行動力と見事に組み合わさり、難事件解決の鍵となります。特に、アストリッドが膨大な犯罪資料の中から事件との関連性を見つけ出したり、現場の些細な違和感に気づいたりするシーンが印象深いです。
一方で、彼女が抱える対人関係の困難や、感覚過敏による生きづらさも隠さずに描かれており、応援したくなります。

ラファエルの魅力は、その包容力と偏見のなさです。最初はアストリッドの特性に戸惑いながらも、すぐに彼女の才能と人柄を尊重し、対等なパートナーとして接しようと努力します。彼女の不器用さや苦手な部分も丸ごと受け入れ、優しくサポートするラファエルの姿は、見ていてとても心地よかったです。二人が少しずつ心を通わせ、互いを「指抜き」などと表現し合うシーンは、二人の間に育まれた深い友情を感じさせます。

また、二人を取り巻く脇を固めるキャラクターたちも魅力的です。最初はアストリッドを奇異な目で見ていた警察署の同僚たちや監察医フルニエも、彼女の能力を認め、次第に協力的な態度に変わっていきます。
アストリッドが通う「社会力向上クラブ」のメンバーたち、特にリーダーのウィリアムは、自閉スペクトラム症の先輩としてアストリッドに的確なアドバイスを与え、彼女の精神的な支えとなります。彼らとの交流を通じて、アストリッドが社会との繋がりを少しずつ広げていく姿も、このドラマの大きな見どころです。

シーズン終盤、アストリッドの後見人であるガイヤールが事件に巻き込まれてしまう展開は衝撃的で悲しいものでしたが…、彼の死がアストリッドが法的な自立を目指すきっかけとなるなど、彼女の人生における大きな転換点として描かれています。また、ラファエルとニコラの関係にも進展が見られ、今後の二人の関係がどうなるのか気になるところです。

シーズン1 エピソード一覧

通算話数 シーズン話数 タイトル 放送日
1 Pilot “Puzzle” 2019年4月12日
2 1 “Hantise 1” 2020年3月13日
3 2 “Hantise 2” 2020年3月13日
4 3 “Chainon Manquant” 2020年3月20日
5 4 “Chambre Close” 2020年3月20日
6 5 “Fulcanelli” 2020年3月27日
7 6 “L’Homme qui n’existait pas” 2020年3月27日
8 7 “La Mort et Compagnie” 2020年4月3日
9 8 “Invisible” 2020年4月3日

NHK吹き替え版

NHKの吹き替え版放送は前後編にわけて放送されたエピソードがあるため、オリジナル版とは話数が異なっています。

日本語版放送回 タイトル オリジナル版話数 放送日
(1) パズル 前編 Pilot 2022年7月24日
(2) パズル 後編 Pilot 2022年8月7日
(3) 呪われた家 前編 1 2022年8月14日
(4) 呪われた家 後編 2 2022年8月21日
(5) ミッシング・リンク 3 2022年8月28日
(6) 閉ざされた部屋 4 2022年9月4日
(7) フルカネリの指輪 5 2022年9月11日
(8) 存在しない男 6 2022年9月18日
(9) 消えた遺体 7 2022年9月25日
(10) 五線譜の暗号 8 2022年10月2日

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