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亜愛一郎の狼狽|あらすじ・感想・ネタバレ【泡坂妻夫】

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 『亜愛一郎の狼狽』は奇術師としての経歴も持つ泡坂妻夫(あわさか・つまお)さんが生み出した、名探偵・亜愛一郎(あ・あいいちろう)が活躍する短編集です。この記事ではあらすじ、感想、ネタバレなどをまとめています。

項目 評価
【読みやすさ】
スラスラ読める!?
【万人受け】
誰が読んでも面白い!?
【キャラの魅力】
登場人物にひかれる!?
【テーマ】
社会問題などのテーマは?
【飽きさせない工夫】
一気読みできる!?
【ミステリーの面白さ】
トリックとか意外性は!?
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あらすじ

 全8編からなる連作短編集です。本職はカメラマンながら、その風貌からは想像もつかないほどドジでビビリな青年・亜愛一郎が主人公。ひょんなことから様々な事件に巻き込まれ、持ち前の鋭い観察眼と独特な推理力で、事件の真相を解き明かしていきます。各編のタイトルは下記の通りです。

  • DL2号機事件:
    旅客機DL2号に爆弾を仕掛けるという予告があり、警戒に当たる刑事……
  • 右腕山上空:
    お菓子メーカーが宣伝のために飛ばした気球の中で、芸人が手に拳銃を持ち死亡しているのが発見された
  • 曲った部屋:
    欠陥住宅の団地で殺人事件が発生
  • 掌上の黄金仮面:
    巨大な観音像の掌の上で、黄金仮面をかぶったサンドイッチマンが銃殺される
  • G線上の鼬:
    タクシー運転手が強盗に襲われ、逃げ出したところ、タクシーの中で犯人が死んでいた
  • 掘出された童話:
    挿絵画家が一荷が以前仕事をしたことのある出版社を訪問すると、そこには亜が来ていた。亜は青蘭社が以前に出版し、一荷が挿絵を描いた絵本を読んでいる。どうやら、その本にある誤植が気になったらしい
  • ホロボの神
    太平洋戦争で従軍した中神は、久しぶりに自分の戦地、ホロボ島に赴く船の上にいた。その戦場で、恐竜の化石探しに向かっていた亜と知り合い、自分が経験した不思議な物語の話を始める
  • 黒い霧
    小さな温泉郷で、商店街がカーボンの粉で汚染される事件が発生

小説の特徴

 奇妙な論理、ユーモア、そして人間心理が織り交ぜられた独特な魅力の作品です。
 各短編は、亜愛一郎が事件に遭遇するところから始まり、事件関係者から話を聞いたり、現場を観察したりする中で、些細な違和感に気づき、そこから独自の推理を展開していきます。スタンダードなミステリーといえます。

舞台設定

 飛行機、気球、傾いた団地、巨大な仏像の掌の上など、現実離れした奇妙な場所が特徴です。物語の雰囲気が盛り上がり、トリックをより印象的なものにする役割も果たしています。

テーマ

 人間の心理、文化の違いによる認識のずれ、そして日常に潜む狂気などを感じとれます。

作風

 軽妙なユーモアと奇抜なトリックが特徴です。シリアスな殺人事件を扱いながらも、全体的にコミカルでどこかほのぼのとした雰囲気が漂っています。言葉遊びや洒落も多いです。

主人公

 主人公の亜愛一郎は、端正な顔立ちとは裏腹に、ドジでビビリな性格の持ち主です。しかし、カメラマンとしての観察眼は鋭く、事件に遭遇すると、誰も気づかないような些細なことから真相を見抜きます。実は喧嘩も強いという意外な一面も持ち合わせています。

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感想

 私は結構好きな作品なので、何度か読み返しています。コミカルでとっつきやすく、オススメしやすいです。亜愛一郎というキャラクターが魅力的で、彼のドジな行動や、事件解決時の白目をむく姿に、笑ってしまいます。ただ、現代のミステリーに慣れていると少し読みにくい部分もあるかもしれません。

高評価のポイント

  • 奇抜な設定とアクロバティックなトリックが他のミステリー作品にはない独特な魅力を生み出しています!
  • 主人公・亜愛一郎のイケメンなのにどこか抜けているというギャップのあるキャラクターが魅力的
  • ユーモアあふれる文章とコミカルな会話のやり取りが楽しい
  • 伏線が巧みに張り巡らされていて最後の謎解きで一気に回収される!

低評価のポイント

  • 最初の2話が若干読みにくいかも
  • 現代の短編と比べると文章に読みにくさを感じる…かも
  • 古い小説なので一部ちょっと引っかかる表現もある

ネタバレ

 各短編の結末は、以下のようになっています。

  • DL2号機事件:
    一度起こったことは再びしばらくは起こらないという妄想に取り憑かれていた柴は、自分が乗る飛行機に爆弾を仕掛けることで、自分が死ぬ確率を下げようとした
  • 右腕山上空:
    気球上での殺人事件は、気球に同乗していた写真家が、被害者のタバコの匂いに気づいたことから、気球に協力者が潜んでいたことが判明し、解決に至る
  • 曲った部屋:
    傾いた団地で起こった殺人事件は、401号室と402号室が鏡像の関係にあることを利用したトリックだった。犯人は部屋を間違えた家政婦の証言から特定される
  • 掌上の黄金仮面:
    観音像の掌上での射殺事件は、銀行強盗犯が自分を見られたと思い込んで衝動的に犯行に及んだものだった
  • G線上の鼬:
    タクシー強盗事件は、雪がみぞれに変わったことで足跡が消え、犯人のアリバイが成立してしまった
  • 掘出された童話:
    誤植の絵本はモールス信号によって記述された暗号であり、過去の殺人を悔いる男の告白だった
  • ホロボの神:
    太平洋戦争中に孤島で起こった殺人事件は、原住民の文化と倫理観を利用したトリックだった
  • 黒い霧:
    商店街にばら撒かれたカーボンは、過去に恨みを持った人物による犯行であり、商店街の混乱に乗じて殺人を犯そうとした

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