『赤ずきん、旅の途中で死体と出会う。』は青柳碧人(あおやぎ・あいと)氏の連作短編集で、物語は特殊設定ミステリーとなっています。短編集に収められている『ガラスの靴の共犯者』は、2023年9月にNetflixで映画化されています。この記事では、物語のあらすじと真相、みんなの感想、原作と映画の違いなどをまとめています。
項目 | 説明 |
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タイトル | 赤ずきん、 旅の途中で死体と出会う。 |
評価 | |
著者 | 青柳碧人 |
出版社 | 双葉社 |
シリーズ | 1作目 |
発行日 | 2020年8月 |
Audible版 | あり |
ガラスの靴の共犯者
ある日のこと、旅の途中で赤ずきんは魔法使いのバーバラと出会います。バーバラが魔法をかけてあげると言うので、赤ずきんは靴を変えてもらうことにしました。ところが、バーバラの魔法は失敗し、美しいどころか、泥だらけの汚い靴になってしまいます。大失敗です。しかも、その泥だらけの靴を川で洗っている最中に、手が滑って、赤ずきんは靴を川に流してしまいます。
流れる靴を追いかけていくと、そこには、洗濯中のシンデレラがいました。シンデレラの身につけている服はボロボロで、裸足でした。シンデレラは泣いていました。鳩が死んでしまったたというのです。どうやら、継母や義理の姉妹に虐げられているようでした。
赤ずきんとシンデレラは舞踏会へいくことに決めました。バーバラの魔法で小汚い服も立派なドレスになりました。靴はバーバラに借り、偶然現れたテクラという魔法使いにガラスの靴に変えてもらいました。バーバラは靴を変えるのが下手くそですが、テクラはそんなことはありません。ついでに赤ずきんも、ドレスとガラスの靴を手に入れました。
二人はかぼちゃの馬車に乗り込み、舞踏会が開かれているお城を目指しました。その途中、不運にも、馬車が男性をひいてしまいます。シンデレラは冷静に対処しました。赤ずきんは共犯になりました。死んだのは、ハンスという中高年の男で、炭を焼きながら、薫製なども作っている職人でした。
死体を隠した二人は舞踏会で踊りを楽しみました。美しいシンデレラは王子様に見初められました。とても華やかで麗しい一時でした。が、そこにハンス死亡の報せが届きます。舞踏会場は騒然となります。ハンスは馬車にひかれたらしい…。そして、犯人探しが始まってしまいます。
馬車を調べられると困るシンデレラと赤ずきんは、かぼちゃの馬車へ急ぎます。すると、魔法で馭者になったねずみが、すべての証拠を隠滅していました。安心する二人に耳寄りな情報が入ってきます。遺体を調べた医者によれば、被害者のハンスは馬車にひかれる前に死んでいたかもしれないというのです。しかも、王子によれば、ハンスは若い女性を小屋に連れ込んで乱暴していたというのです。そして、王子様がハンスに強請られていたということも判明します。
赤ずきんとシンデレラが馬車でひく前に、ハンスが死んでいたのなら、赤ずきんたちは無実です(死体の遺棄はしたけど)。そうなると怪しいのは動機があるハンス王子……。そのとき、0時を報せる鐘が鳴り響きました。0時を過ぎると魔法は解けてしまいます。急いで、お城を後にする赤ずきんとシンデレラ。シンデレラは最後にガラスの靴を王子様に渡しましたとさ――※ガラスの靴の魔法は七日もちます。
魔法は解けましたが、赤ずきんとシンデレラは、無事にシンデレラが暮らすぼろい小屋に辿り着きました。そこで、赤ずきんも眠ることにしましたが、寝付けず、ちょっと夜の散歩に出掛けます。そこで、シンデレラの義理の姉であるマルゴーと遭遇します。
マルゴーは兵隊に追われていました。ハンス殺害の容疑がかかっているようでした。マルゴーによれば、ケーキに釣られてハンスの小屋へ行き、そこで二度も殴られ、気を失ったそうです。そして、目を覚ますと目の前にハンスの死体がありました。パニックになったマルゴーは、誤魔化すために、馬車の前に死体を投げ捨てました。
兵隊はマルゴーが犯人だと考えているようですが、赤ずきんだけは、真犯人がいることを知っている様子でした。
ハンス殺害の真犯人とは?
事件の概要を整理すると、被害者はハンスという男で何者かに殴られて死亡しました。馬車にもひかれていますが、このとき、既に死んでいました。死体を馬車の前に放り出したのはシンデレラの義理の姉であるマルゴーです。マルゴーはハンスの小屋に行って誰かに殴られたと話していますが、兵隊に捕まってしまいます。
マルゴーの話が嘘だとすれば、ケーキに釣られたマルゴーがハンスに乱暴されそうになったため、殺してしまったという筋書きが考えられます。そして、罪をなすりつけるために、馬車にひかれるようにしたのかもしれません。マルゴーの頭の傷は自分でつけたとも考えられます。しかし、もしも本当のことを話しているとすれば、真犯人は別にいる可能性が高くなります。
ネタバレ
ハンスを殺した犯人はシンデレラです。シンデレラは継母に報復するため、エメラルドのネックレスを盗んでいました。そのときの姿をハンスに目撃されてしまったため、ハンスから強請られることになってしまいます。暴行されることが目に見えていたシンデレラは、義姉のマルゴーに罪を着せて、ハンスを殺害する計画を立てます。
シンデレラは偽の手紙でマルゴーをハンスの小屋に呼びつけておきました。そして、ハンス殺害後、小屋にやって来たマルゴーを殴って気絶させました。その後、王子様の使いがハンスにサーベルを届けるはずでした。このことをシンデレラはハンスから聞いて知っていました。しかし、王子様がサーベルを渡そうとしなかったため、ハンスの小屋には誰も尋ねてきませんでした。その結果、死体のそばに気絶したマルゴーが倒れているという状況は発覚せず、マルゴーが目を覚ましてしまいました。パニックになったマルゴーは、自分がやったと思い込み、馬車にひかれて死んだことにしようと考えます。その馬車がシンデレラの乗った馬車となり、結局、シンデレラに殺人の罪が戻ってきます。
決定的な証拠となったのはガラスの靴です。実はシンデレラはハンスの小屋へ向かった時に、ガラスの靴を手に入れていました。そして、このガラスの靴でマルゴーをぶん殴っていました。ガラスの靴は、最初に履いた人にしか履けないという特殊設定になっているので、凶器のほうのガラスの靴を履けるのは、シンデレラだけになります。なお、凶器となった方の靴は鳩の墓の中に埋めてありました。赤ずきんがシンデレラと出会ったとき、シンデレラが裸足だったのは、靴を埋めたからでした。
映画と原作の違い
映画と原作小説のストーリーはほぼ同じですが、犯人の動機が違うなどの変更点や、映画オリジナルキャラの追加、細かな設定の違いなどはいくつかあります。また、監督が福田雄一氏ですので、全体的にコメディな作品になっています。
- 映画ではムロツヨシさん演じるポールが舞踏会に参加しているが、原作では馬車で待機している。そもそもポールという名前はなく、出番も少ない
- 映画ではハンスの職業が美容師になっている。原作では炭焼き職人
- カーレンは映画オリジナルのキャラであり、原作には登場しない。カーレンに関する内容、結末などは、映画オリジナルといえる
- 映画では犯人が恐怖から美容師のハンスを殺害しているが、原作では盗難を目撃されて強請られたからという動機になっている
甘い密室の崩壊
ヘンゼルとグレーテルの兄妹は、継母のエレナをお菓子の家へと連れていき殺しました。そのとき既に、かまどには魔女の死体が入っていました…。
その少し後、赤ずきんが泊るところを探すため、兄妹の家を訪ねてきました。家には兄妹の父親であるゴフがおり、帰ってこないエレナのことを心配していました。泊めてもらうことになった赤ずきんは夕食にありつきますが、途中で、エレナを捜しにいくことになってしまいます。途中、ゲオルグというオオカミに出会い、彼もまた同行することになりました。
四人(三人と一匹)が辿り着いたお菓子の家には、鍵がかかっていました。仕方がないので、小さな窓を割って、そこからグレーテルが家の中に入り、閂を外しました。その直後、エレナの死体がみつかり、かまどの中からは魔女の死体も発見されました。
ゲオルグとゴフは現場に残り、ヘンゼル、グレーテル、赤ずきんは家に戻ることになりました。このとき、ヘンゼルとゲレーテルは継母であるエレナが兄妹を捨てようとしていたことを話しました。森の奥に連れていかれ、置き去りにされた兄妹ですが、なんとか帰ってきたのでした。本当はお菓子の家に辿り着いて魔女に捕まってしまったのですが、このことは内緒にしておかないと、二人が容疑者になってしまいます。
三人は家に到着しました。ヘンゼルとグレーテルは同じ部屋で、赤ずきんは台所で寝ることになりました。どういうわけかヘンゼルは、赤ずきんが同じ部屋で寝ることを頑なに拒否したのです。その夜、グレーテルはヘンゼルに抱き寄せられて眠りました。
密室の謎
倒叙ミステリーですので、犯人は既にわかっています。しかし、お菓子の家を密室にした方法まではわかりません。お菓子の家なので、どうにでもなりそうですが、容易には分解できず、魔女が既に死んでいるので再生もできません。壁などの材料になっているビスケットは砂糖シロップで固定されており、溶かすには火が必要です。しかしながら、現場には火が使われたような痕跡は残っていませんでした。手掛かりになりそうなのは、湿った床で、それは水が使われたことを意味しています。また、現場からは角砂糖の椅子がなくなっており、これが密室を作る方法に関係しています。
なお、犯行に関して、犯人のヘンゼルとグレーテルは、魔女がエレナをたぶらかそうとしたが上手くいかず殺害し自殺したという筋書きを用意しています。そして、自分達はお菓子の家を訪れたことがないと嘘をついてますが、この嘘に関してグレーテルが、ランタンの位置を知っているような素振りなどのミスを犯しています。
ネタバレ
被害者のエレナがお菓子の家で殺されたとき、実は屋根がありませんでした。屋根をつくる材料は死ぬ前の魔女に準備させていたため、犯行後にヘンゼルとグレーテルはそれらを使って屋根を作りました。家を出る時は、閂をかけた扉からではなく、天井から外に出ています。このとき利用したのが角砂糖の椅子で、足場にしたということを悟られないようにするため、水で溶かしていました。なお、屋根はもともとなかったのではなく、ヘンゼルがたくみに誘導して、魔女に屋根を消させています。
密室のトリックは明らかになりますが、お菓子の家は崩れてしまうため証拠は残っていません。そこで赤ずきんは、ヘンゼルに罠を張ります。ヘンゼルは赤ずきんとの会話の中で、お菓子の家に“地下牢”があると口を滑らせます。そして、地下牢があるのを知っていたのは、ビスケットの下に入口がみえたからと言い訳をします。しかし、ビスケットの下には土しかありませんでした。赤ずきんの罠というのは、お菓子だけを別の場所に移動するというもので、そこには地下牢の入口なんていうものは存在しません。なので、ヘンゼルが入口をみたというのは嘘に違いなく、他の方法で地下牢の存在を知ったということになります。これによりヘンゼルは罪を認めることになります。
グレーテルが犯したミスですが、これは意図的なものでした。すなわち、ヘンゼルとの関係を解消するため、わざと計画がほころぶような発言をしていました。
眠れる森の秘密たち
赤ずきんはグーテンシュラーフ王国を旅していました。その途中、銀ピカの動く椅子に座った宰相・キッセンで出会います。キッセンを助けてあげた赤ずきんはお屋敷に泊めてもらうことになります。その夜、晩餐の席で赤ずきんは40年間も城で眠り続けているオーロラ姫のことを知りました。オーロラ姫は悪い魔女に魔法をかけられ、100年の眠りについているというのです。
翌朝、キッセンにメライ逮捕の報せが届きます。メライは、屋敷で召し使いとして働いていた若者で、現在も屋敷で召し使いとして働くトロイの息子でした。メライはならず者のジーン殺害容疑で捕まっていました。しかしメライは牢の中で、アリバイを主張します。ジーンが殺されたのは、複数の証言により午前三時頃と断定されていて、このとき、メライは水を飲むため、殺害現場から離れた“絶望ベンチ”にいたというのです。ベンチには若いカップルが座っていたので、そのカップルが証言すれば、メライのアリバイは証明され、無罪になります。
赤ずきんを含む一同はカップルを探し始めます。赤ずきんは、なぜ宰相という偉い立場にあるキッセンが辞めた召し使いを必死に救おうとしているのか、ということに疑問を抱きました。その秘密は、どうやらキッセンとメライが似ていることにあるようでしたが、真相まではつかめませんでした。
ジーンが殺された午前三時頃、街ではスムスの鍛冶屋で火災が起きていました。今は既に鎮火され、大工のナップが片づけを手伝っているようです。スムスは火事が発生させたにも関わらず、自分で消火したいといって人の助けを借りませんでした。この不自然な言動に対して、近くに住む彫刻家でありスムスの弟でもあるブルクシが本当のことを話します。兄のスムスは王家の鎧を盗んでいました。この鎧をブルクシの家に運ぶために、スムスは時間を稼いでいたのでした。
スムスによる鎧の盗難が発覚し、赤ずきんやキッセン達は鎧をお城へ返しに行くことになります。このとき、赤ずきん達はオーロラ姫の様子をみにいきますが、豪華なベッドで眠っているはずの姫は、どこにも姿がみえませんでした。
失踪
オーロラ姫がどこかに消えてしまいました。オーロラ姫には魔法がかけられているので、目を覚ますことはありません。また、火の災いや獣の災いなどから守られる魔法もかけられており、ちょっとやそっとでは死にません。
オーロラ姫だけでなく、謎のカップルも見つかっていません。このカップルがみつかれば、メライにかかった容疑も晴れるはずです。ただ、火事のときにいちゃついていたという変なカップルではあります。
ネタバレ
オーロラ姫を城から屋外に出したのが大工のナップで、そのオーロラ姫を偶然にも運んでしまったのが、鎧を盗んだスムスとブルクシです。そして、火事のとき、ブルクシは燃え盛る炎の中でオーロラ姫をみつけ、彫刻のモデルにするため、部屋に隠していました。絶望ベンチで目撃されたカップルの正体はオーロラ姫とブルクシで、ブルクシは煤で汚れた姫の体を洗うため、ベンチにいました。
ナップが城からオーロラ姫を出したのは、姫が寝ていたベッドで恋人と過ごすためです。ベッドが置いてある部屋は、城の高いところにあり、鍵もかけられているため、侵入は容易ではありません。これに対してナップは、高い所に登るが得意であることや大工であることを利用し、窓を取り外せるようにするなどして、部屋に忍び込んでいました。そして、相手の女性は滑車を使って運んでいます。このとき重りとして地上に下ろされたのが、オーロラ姫でした。
このとき、近くで鎧を運んでいたスムスたちの荷台に偶然にもオーロラ姫が乗ってしまいます。そして、スムスたちは気付くことなく、姫を鍛冶屋へと運びます。鍛冶屋では火事が起きましたが、オーロラ姫は魔女から“火の災いから一生守られる体を”手に入れているため、無事でした。
火災でオーロラ姫をみつけたブルクシは、その後、棺桶に姫を隠していました。粘土で鍵の型をとって合鍵を作り、城に入って姫をベッドに戻そうとしていましたが、その前に、姫の失踪が明らかになってしまいます。
最後に宰相キッセンが使用人を必死に救おうとしていた理由ですが、実は捕まったメライはキッセンの孫でした。すなわち、メライの父親であるトロイは、キッセンの息子ということになります。そして、母親はオーロラ姫でした。キッセンは姫が眠りにつく前に、王や姫の同意を得て、姫と子作りをしていました。生まれたのが、王家の血をひくトロイで、その息子がキッセンですので、キッセンが捕まって処刑されてしまうと、王の血が途絶えることになります。そういった事情があったので、キッセンは王の血縁を守るために、メライを救おうとしていました。
なお、ジーンを殺したのはゲーネンという男の手下でした。ゲーネンのねらいは王家の血を根絶して国を乗っ取ることにあったようです。
少女よ、野望のマッチを灯せ
マッチ売りの少女・エレンは寒空の中、マッチを売っていました。だけれども、道行く人は皆、冷たくて、誰もマッチなど買ってくれません。それどころか、つばを吐きかけてくるようなひどい人もいました。エレンは打ちひしがれてしまいました。そんな様子をみかねた天使が、エレンに不思議な力を授けて下さいました。それは、マッチをこすれば、みたい夢がみれるという力でした。そして、エレンが触ったマッチにはその力が宿るのでした。
その後、エレンはマッチ売りのビジネスを本格的に始めました。エレンのマッチは飛ぶように売れました。みたい夢をみれるというのが売りでしたが、そこには中毒性もありました。
その頃、赤ずきんはお婆さんを亡くしました。お婆さんはエレンのマッチに浸り、中毒となり死んでしまいました。亡くなる前の姿は、それはもう無惨なものでした。素敵だったお婆さんをおかしくした“エレンのマッチ”、それを生産するエレンに憤りを覚えた赤ずきんはエレン殺しを計画し、旅に出ます。そして、シンデレラやヘンゼルとグレーテル、そして、オーロラ姫に出会ったのでした。
いろいろありましたが、ついに赤ずきんは仇敵の本拠地であるシュペンハーゲンに辿り着きました。毒入りのクッキーと爆弾ワインを携えて、エレンをぶっ殺すはずでした…が、エレンの雇ったイケメン探偵の罠にかかり、捕まってしまいます。そして、港にある私設の牢屋にぶち込まれてしまいます。
ところが、シュペンハーゲンの各地で、エレンのマッチを売る直営店が次々に襲撃されるという事件が頻発します。その犯人はどうやら赤ずきんのようですが、牢屋に入っているはずの赤ずきんは姿を消していました。
ネタバレ
襲撃犯は赤ずきん本人ではなく、同じ服を着た別人でした。服を用意したのは、最初のエピソードに登場したバーバラです。赤ずきんはバーバラに貰ったウサギの足を使ってバーバラを招喚していました。赤ずきんに変装していたのは、エレンに恨みを持つ人たちでした。
本物の赤ずきんは牢屋の中にいます。脱獄したようにみえましたが、牢屋には仕掛けがあり、その仕掛けが使われたため、赤ずきんの姿はみえませんでした。仕掛けは、赤ずきんの入った部屋(牢)が横に移動するというものです。
最終的にエレンは襲撃騒動に備えるため、私設の兵隊を出動させます。これが国王に知られてしまい、マッチの輸出と販売を禁じられることになります。逃亡を図るエレンですが、途中で現実逃避のためにマッチを擦り、廃人のようになってしまいます。
感想
口コミを調べてみると、とても面白かった、設定が面白いなど、ポジティブな感想が多く書き込まれています。赤ずきんの決め台詞である「あなたの犯行計画は、どうしてそんなに杜撰なの」も現れています。
前作
前作は『むかしむかしあるところに死体がありました』という短編小説集で、こちらは一寸法師や桃太郎などの日本昔話がモチーフになっています。赤ずきんシリーズとのつながりはありませんが、昔ばなしシリーズの方も読んでいる読者が多いです。
「むかしむかし…」に続いて青柳さんの本は二冊目です。よく考えられていて、どれも面白いエピソードでした。続編も気になるところです。
面白かったけど、個人的には、前作の方が好きだったかな。名探偵赤ずきん登場で、全部見破られるから、犯人は困ってしまいますね。どれも、よくこんな風に話を広げたなぁ~と感心した。
どの話も読み応えはあるが、特殊設定の要素が強い前作の方が好みだった。魔法とか超能力とかいう特殊設定が苦手な方には赤ずきんの方がオススメかも。
決め台詞
探偵・赤ずきんちゃんには決め台詞があります。どうして〇〇なの?どうして〇〇なの??と尋ねて、最後に「どうしてそんなに杜撰なの?」と言い放ちます。
赤ずきんの、犯人を追い詰めるときの決め台詞がとても好き。ねえ、この本は、どうしてこんなに面白いの?なんてね。
赤ずきんちゃんの決め台詞はアレンジして使ってみたい。やれやれ、といった感じを出すといいのかも。
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