2022年10月から放送されたドラマ「真相は耳の中」の感想、各エピソードのあらすじ(ネタバレあり)などを紹介しています。登場したトリックも簡単にまとめています。
キャスト
真相は耳の中
財産を整理しようとしていたお爺さんが殺害される。現場はお爺さんの屋敷で、二階で死んでいた。一階には、家政婦とお爺さんの実子が三人いた。家政婦はキッチンで作業をしており、子供達はダイニングでずっと口論をしていた。家政婦が子供を、子供が家政婦を見張っていたようなかたちとなり、誰も二階に上がることはできなかった。つまり、それぞれにアリバイが成立しているため、外部犯の犯行にしかみえなかった。
ネタバレ
犯人は子供達三人。彼/彼女らは共犯でした。服装や髪型を真似るなどのトリック(変装トリック)を使い、三人で口論しているようにみせつつ、次男が犯行に及びました。不仲にみえた兄妹ですが、実は、とてもなかよしでした。次男のマッチ、長男のテニス、ビーガン食を知っていた長女などが、三人の親密度を示唆するヒントになっていました。
役名 | ゲスト | 役どころ |
---|---|---|
轟十次郎 | 武田敏彦 | 被害者 |
轟和哉 | 庄野崎謙 | 被害者の長男 |
轟雄二 | 田島亮 | 被害者の次男 |
轟紗栄子 | 秋山ゆずき | 被害者の長女 |
町田苑子 | ふせえり | 家政婦 |
自由山崎
人気書道家が『自由山崎』というダイイング・メッセージを残して死んでいた。容疑者はマネージャーの今野、画廊オーナーの白田、評論家の畠山、そして、弟子の山崎だった。事件があった日、今野、白田、畠山、山崎の順にアポがあり、それがメモ書きに残されていた。今井譲治は、自由な山崎が犯人と推理する。
ネタバレ
犯人はマネージャーの今野。最初に被害者と会った今野は、犯行後、白田という文字を残していました。その後、このメッセージをみた白田が山という文字を追加し、畠山にします。続いて、畠山が崎を追記します。この時点で、白田山崎の文字が書かれていました。現場に白田が戻り、白田山崎をみて、自分の名前を隠すため、白田を自由に書き換えました。こうして、自由山崎という文字が残りました。死体を発見した弟子の山崎が素直に通報し、事件が発覚します。結局、ダイイング・メッセージだと思われていた書は、犯人のトリックでした。動機は被害者が活動を辞めたいと言い出したからです。書はマネージャーが書いており、被害者は、書道家のふりをしていました。
役名 | ゲスト | 役どころ |
---|---|---|
村田凪 | 宮澤佑 | 書道家・被害者 |
今野工 | 長友郁真 | マネージャー |
山崎博之 | 坪根悠仁 | 被害者の弟子 |
畠山弘大 | 佐戸井けん太 | 評論家 |
白田由香里 | 上地春奈 | 画廊のオーナー |
譲治とイベサー
チャラ男のオーナーが経営するペンションで二股大学生の首つり死体がみつかる。周囲に足跡は一組しかなく、それは、自殺した大学生によってつけられたようだった。地元警察は自殺と断定しようとする。
ネタバレ
犯人はオーナーのマーシーでした。元ラガーマンの犯人は被害者を絞殺後、かついで、死体発見現場に持っていきました。足跡は、靴を複数用意することで作られていました。片方の靴(右ならば右のみ)を両足にはき、モデルのように歩いて、右足の足跡を残し、帰りに、もう一方の靴だけをはいて背走しました。
役名 | ゲスト | 役どころ |
---|---|---|
岩波真彦 | 西村和彦 | ペンションオーナー |
桐山海斗 | 一ノ瀬竜 | 被害者 |
北原莉緒 | 大島涼花 | 被害者の恋人 |
石井省吾 | 長村航希 | 被害者の友人 |
隅田玲子 | 瑞季 | 被害者の浮気相手 |
俺はお父さんじゃない!
マンションのベランダで女性の死体がみつかる。被害者の部屋はマンションの三階で、第一発見者はピザ屋の配達員だった。エレベーターの防犯カメラに、死体が見つかる前、同じマンションに住むある男性が三階で降りる姿が映っていた。しかし、その時間は四十秒と短く、犯行は不可能だった。
ネタバレ
犯人は防犯カメラに映っていた男の妻でした。男は被害者と不倫をしていました。このことに気付いた妻が、不倫相手を殺害し、その罪を夫にきせようとしていました。殺害方法は被害者にベランダから顔を出させ、そこに投げ縄の要領で縄をかけ首を絞めるというものでした。犯人の妻は投げ縄の特訓を一年積み重ね、カウボーイばりのスキルを身につけていました。なお、顔を出させる方法は夫のふりをしてスマホに連絡するという方法でした。夫は三階で降りた時、死体を発見していましたが、疑われると思い、ピザを注文し、配達員に罪を着せようとしました。
役名 | ゲスト | 役どころ |
---|---|---|
松田夢乃 | 染野有来 | 被害者 |
月影真城 | 定本楓馬 | 第一発見者 |
犬養義人 | 窪塚俊介 | 防犯カメラの男 |
犬養ふみ | 山田キヌヲ | 義人の妻 |
猿神様を怒らせたにゃあ
猿轡村で建設会社社長と華谷家の長男が殺害される。社長は竹に刺され、長男は逆立ち状態で沼に沈められ、水面から足だけを露わにしていた。華谷家の当主は10年前から行方不明になっているという。猿轡村は呪いによる町おこしを進めており、住民は呪いだとと騒ぐ。
セオリー通り
死んだ建設会社の社長は呪いdeパークの建設を進めるため、猿神様が宿るという岩を動かそうとしていた。もう一人の被害者は華谷家三兄妹の長男だった。どちらも童話の歌詞に見立てられて殺されていた。
ネタバレ
犯人は家政婦の奥佳代子でした。家政婦は行方不明になった華谷家当主の子供を身ごもり出産していました。しかし、当主が、家政婦の子供を相続人から外そうとしたため、家政婦は当主を殺害しました。その死体を埋めたのが猿神様の岩でした。岩が動かされると死体が見つかってしまうため、家政婦は建設会社の社長を殺害しました。華谷家の長男を殺害したのは、華谷家の三男・松久にすべての遺産を相続させるためでした。三男は、実は、家政婦と当主の間に生まれた子供で、家政婦の実子でした。犯人は、連続殺人には一貫した一つの動機が存在するというセオリーを利用し、見立て殺人を演出しました。これにより、二つの動機を隠す目論見だったようです。
警視副総監のパパの名にかけて
婚活パーティで会社経営のイケメンが毒殺される。被害者は死ぬ直前にワインを口にしていた。そのワインを注いだのは譲治で、譲治のポケットからは毒の容器が発見される。これらの証拠により、譲治は駆け付けた刑事により逮捕されそうになる。怪しいのは被害者が倒れたときに、対面していた女性であるが、毒を飲ませた方法が判然としなかった。
ネタバレ
真犯人は被害者が倒れた時に目の前にいた女性でした。被害者には、指を唇に近づけてポーズをとる癖があり、犯人はこれを利用しました。犯人はあざといキャラでボディタッチし、被害者の指に毒を塗りました。毒付きの指を口に近づけた被害者は、この毒で死亡しました。
8股男はどいつだ!?
暴露系動画配信者が配信中に殺害される。視聴者は10万人に及んだが、犯人は馬のマスクで顔を隠しており、その正体は明らかにならなかった。配信者が暴露しようとしてたのはKYというイニシャルの人物で、このKYなる人物が犯行に及んだと考えられる。
ネタバレ
犯人は俳優でした。俳優にはアリバイがありましたが、実は、被害者の配信は録画で、配信前に既に死亡していました。録画した映像を配信したのは犯人で、被害者のアカウントを使って動画を流していました。録画であることに気付くきっかけとなったのは、ビルの照明でした。
忘れ去られた殺人
連続殺人鬼フラワーが再び犯行に及ぶ。フラワーは今井譲治の妻、今井芽依の母親をひき殺したひき逃げ犯でもあった。
ネタバレ
芽依の母親が亡くなった時、芽依に寄り添っていた看護師こそがフラワーでした。看護師の娘は何者かによって殺されましたが、未解決事件になってしまいました。その後、看護師は警察に復讐するため、死んだ娘と同じ年齢の女子高生の殺害を始めます(娘が寂しくないように、同い年の少女を天国に送っていました)。
Dearハリスンさん
【最終回】今井芽依を誘拐した連続殺人鬼フラワーは芽依を監禁する。父親の今井譲治はフラワーが看護師の真壁範子であることに気付くが、真壁が真犯人であることを署長には信じてもらえなかった。他の人物を追う警察に対して、譲治、金持、花奈は独自に捜査を進める。
ネタバレ
譲治達は犯人の自宅を捜索し、そこで、監禁場所のヒントを得ます。芽依が監禁されていたのは真壁の別荘で、そこは、娘と過ごした思い出の場所だったようでした。譲治はアルバムの中から、この別荘を背景に撮影された家族写真をみつけます。さらに、花奈が石から地域を特定します。監禁場所に一人乗り込んだ譲治も、犯人に捕まってしまいますが、金持のコネによって集められた警察の応援が、二人を救出します。
トリック一覧
ドラマに登場したトリックや結末を簡単にまとめます。
話数 | トリック |
---|---|
1 | 変装し三人で話しているふりをする |
2 | ダイイングメッセージで罪をなすりつける |
3 | 自殺にみせるため被害者の足跡のみを残す |
4 | 投げ縄でベランダから顔を出した被害者を絞殺 |
6 | 異なる動機で殺された被害者を見立てで連続殺人にする |
7 | あざといボディタッチで毒を塗る |
8 | 録画を生配信にみせてアリバイを作る |
感想と考察
30分のドラマなので、アニメと同じ長さですが、一話完結でした。それでも楽しめました。トンチンカンな推理をしてしまうキャラはミステリーものでよく登場しますが(コナンの毛利小五郎がパッと思い浮かびます)、それを否定する容疑者達との掛け合いに、笑ってしまいました。こういうのが珍しいのかどうか、私には判断できませんが、いろんなシーンで笑えました。コメディ要素満載だったので、オチも、実は隠し通路がありましたー*1、みたいな感じかと思いきや、しっかりしたトリックでした。
*1密室なのに、伏線なく唐突にあらわれる隠し通路、みたいな感じのやつです
最終話を迎えましたが、とても面白かったと思います。最後は感動しましたし、金持とかハナちゃんのキャラも好きでした。最後まで視聴してよかったと思います。
ポッドキャストと連動しているらしく、そちらの方も試聴してみました。中身は推理ものの解説で、ミステリー好きには、ありがたい内容でした。ミステリー好き女子高生なんて存在するのか、と思ったりもしますが、いないからこそ、こうやって生み出されたのかもしれません。
考察というほどではないですが、結局、フラワーの娘を殺したのは誰だったのでしょうか。これは本編では明かされていなかったように思います。実は登場していた、なんてことはない気がしますが、実は真壁が娘を殺したみたいなことはありそうです。自分で殺して、おかしくなって、殺人鬼になったのかもしれないです。殺したのは、口喧嘩とかがきっかけの衝動的なもので、計画的な殺人ではなかったはずです。
コメント