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八つ墓村|あらすじ・ネタバレ解説・相関図【犯人・キャスト】

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 「八つ墓村」のあらすじ、相関図、ネタバレ(真相や犯人)、感想などをまとめています。原作は横溝正史氏の推理小説で、映画やドラマなどで映像化もされています。2019年10月にはNHKで吉岡秀隆さん主演のドラマが放送されました。

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あらすじ

 永禄9年、尼子の武士8人が毛利に敗れ、絶望的な運命を背負って村に身を寄せた。彼らは毛利の暗い影から逃れようとしたが、村人たちは彼らを恐れ、容赦なく襲撃した。しかし、その後、関与した者たちが次々と不可解な死を遂げ、主謀者の田治見庄左衛門(たじみ・しょうざえもん)も、自らの手で命を絶つ運命を選ぶ。落武者たちの怨念に怯えた村人たちは、八つの墓を建て「八つ墓明神」として彼らを敬い続け、数百年の月日が流れる……。

 昭和22年――井川辰弥(いがわ・たつや)が、ある新聞広告を目にする。その新聞広告がきっかけで、井川は諏訪弁護士との出会いを果たし、亡き祖父である井川丑松(いがわ・うしまつ)と対面することになる。しかしその場で、丑松が毒殺されてしまう。丑松毒殺を目の当たりした辰弥は、美しき森美也子と共に禍々しい八つ墓村へと向かうことになる。

登場人物(キャスト)

主な登場人物とキャストを一覧にします。映像化された作品は映画とテレビドラマを含めて10作品ほどあるようです。ここでは、2019年に放送されたNHKドラマ、市川崑映画、1991年に放送された古谷一行さん主演ドラマの主要登場人物とキャストをまとめています。

名前
読み
NHKドラマ
2019年
市川崑映画
1996年
古谷一行
1991年
金田一耕助
きんだいち・こうすけ
吉岡秀隆 豊川悦司 古谷一行
井川辰弥*
いがわ・たつや
村上虹郎 高橋和也 鶴見辰吾
森美也子
もり・みやこ
真木よう子 浅野ゆう子 夏木マリ
田治見春代
たじみ・はるよ
蓮佛美沙子 萬田久子 浅田美代子
里村典子
さとむら・のりこ
佐藤玲 喜多嶋舞
里村慎太郎
さとむら・しんたろう
小柳友 宅麻伸

*原作は寺田辰弥(てらだ・たつや)という名前です。読みは“いかわ”と表記される場合もあります。

相関図

主要登場人物をまとめると次のようになります。
八つ墓村の登場人物相関図

ストーリー

八つ墓村では、金田一耕助が警部からの依頼を受け、美也子の夫である野村達雄の死について調査していた。村人たちは、美也子が田治見家の親戚である里村慎太郎と不義の関係にあったのではないかと噂しており、彼らは美也子が野村達雄を殺害したのではないかと疑念を抱いていた。

八つ墓村に足を踏み入れた辰弥だったが、濃茶の尼(こいちゃのあま)に「出ていけ~」といわれてしまう。そんな辰弥を田治見家は温かく迎え入れ、姉の春代は優しく接し、双子の老姉妹である小竹と小梅は辰弥に跡取りとしての使命を果たすように助言する。しかし、兄の久弥が辰弥を慎太郎と典子に紹介した直後に血を吐き、毒殺されてしまう。さらに、葬儀の場で辰弥が膳を運んだ梅幸も自ら命を絶つこととなる。

夜の闇に包まれた八つ墓村で、辰弥は大伯母たちが隠し扉をくぐり、地下の鍾乳洞に姿を消すのを目撃する。辰弥は後を追い、足音が響く洞窟の奥へと進む。そして、その幽暗の中で絶望的な光景を目にする。そこには屍蝋のように固まった遺体が、冷たい鎧に身を包まれ、儀式的に安置されていた。辰弥が春代をその場所へと連れていくと、その遺体こそが、辰弥の父である要蔵であることが判明する。

春代の口から、辰弥は要蔵の恐ろしい過去を聞かされる。かつて要蔵は、辰弥の母である鶴子を手にかけ、幼い辰弥の背中に灼熱の火箸を押し当て、自身が父ではないことを彼に告げたのだ。そして鶴子が失踪したことで要蔵は正気を失い、八つ墓村の村人32人を殺すという大虐殺事件を引き起こすことになる。

八つ墓村で、今度は、濃茶の尼の遺体が発見され、彼女の下着からメモが見つかる。そのメモには対になる2人の名前が書かれており、さらに殺された人物の名前には赤い線が引かれていた。謎が深まる中、金田一は雷に打たれたご神木が祟りと考えられることから、犯人は八つ墓明神に8つの生け贄を捧げようとしていると推理する。

辰弥は母・鶴子が残した地下迷路の地図を美也子に見せ、共に財宝を求めて冒険に出ようと誘う。しかし、美也子は破れた地図の半分が必要であると告げ、辰弥とキスを交わす。やがて鍾乳洞で、小梅と医師の久野の亡骸が発見される。久野が残したメモが手がかりであったが、彼は半年前、濃茶の尼によってカバンを盗まれていた。

辰弥は離れの屏風の裏に、鍾乳洞の地図の半分が貼り付けられているのを発見する。その屏風には、母・鶴子が辰弥と一緒に写っている写真や恋文が隠されていた。自らが田治見家の一員ではないことを悟った辰弥は、春代の引き止めを振り切り、村を去る覚悟を決める。

吉蔵の案内で集まった村人たちは、辰弥が禍の元であると断じ、田治見家の邸宅に押し寄せる。襲撃された辰弥は鍾乳洞に身を隠そうとするが、途中、春代が犯人に刺されてしまう。最期の時、春代は辰弥に心の内を打ち明け、その息絶える瞬間に辰弥の中に深い悲しみが湧き上がる。

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真相

殺人犯は森美也子です。彼女は偶然にも濃茶の尼が捨てた久野医師のカバンを拾い、久野が妄想で綴った新居医師の殺害計画を巧妙に利用して、事件を起こしていました。動機は美也子が愛する慎太郎に田治見家の財産を相続させることでした。関係のない人物も殺したのは、遺産相続という本当の動機をわかりにくくするためでした。

美也子は春代に小指を噛まれ、破傷風に見舞われます。余命いくばくという病床で美也子は、見舞いにきた井川辰弥に、最後に辰弥を殺すつもりであったことを明かします。

結末

 慎太郎は美也子の思いに応え、田治見家を継ぐ決意を固める。自分が美也子の気持ちに真摯に向き合っていたなら、このような悲劇は生じなかったのではないかと慎太郎は口にする。

 村を離れることにした辰弥は、途中、大荷物を抱えた典子と一緒になる。典子は胸に秘めた思いを告げ、辰弥に鍾乳洞で見つけた大判を手渡すのだった。

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ネタバレ

事件を簡単にまとめると以下のようになります。

項目 説明 補足
犯人 森美也子 すべての殺人の犯人
動機 里村慎太郎に田治見家の財産を相続させようとした
トリック1 見立て殺人 遺産という真の動機を隠すため見立て殺人で次々に人を殺した
トリック2 発案者と実行者が違う 見立て殺人を思い付いたのは医者だが実行したのは森美也子

原作小説とドラマの違い

2019年放送のNHKドラマ(吉岡秀隆さん主演)は原作に沿ったストーリーになっており、犯人や結末も同じです。ただし、ドラマは原作の内容を短くまとめたようになっています。

終盤に登場する鍾乳洞のシーンに関して、ドラマでは、吉蔵達が簡単に辰弥を追い詰めています。その後、辰弥がどのように逃亡したかは、全く描かれていません。原作では、落盤が起き、辰弥は閉じ込められます。このとき、鍾乳洞内で財宝も発見されますが、こういったシーンはドラマには登場していませんでした。

感想

「八つ墓村」の映像化作品はいくつかあるようです。あくまで私が過去に観た作品の中では、結構おもしろい作品だと思いました。映像化作品は原作から展開などが省かれることが多いですが、このドラマ(2019年NHK・吉岡秀隆版)は恐怖要素も恋愛要素も、十分含まれていたと思います(要蔵の暴走シーンが恐怖シーンだと思っています)。財宝探しなどは省かれていたようですが、久野のメモなどは原作に忠実だったように思います。

みんなの感想

 原作小説の口コミを調べてみると、閉鎖的で不気味な村、ドキドキハラハラ、やっぱり名作など、ポジティブな感想が多く書き込まれていました。

勝手に敬遠していたが思いの外、読みやすく面白かった。

正統派のミステリーとしては当然のことながら、ハラハラドキドキする感じは極上のサスペンスとしても楽しめる。

映画やドラマで何度も見ている作品でしたが、小説は初めて読みました。主人公・辰弥の語りでストーリーが進むので、意外と金田一耕助の活躍は目立たないです。

後半に登場する鍾乳洞の冒険は、悲惨な状況の中でもわくわくがあった。

迎えに来てくれた上に村の事情についても教えてくれる頼りになる美弥子、優しく辰弥の味方をしてくれる春代、だんだん魅力的になる無邪気で素朴な典子、という3人の魅力的な女性が登場します。

コメント

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