ドラマ『ヒポクラテスの誓い』の登場人物とキャスト、各話のあらすじ、感想などをまとめています。ドラマが放送されたのは2016年10月2日から10月30日の間で、全5話でした。
あらすじ
法医学教室での研修を受けることになった主人公が、交通事故、競艇レースの事故などに巻き込まれていく法医学ミステリーです。なお、“ヒポクラテスの誓い”というのは医師の職業倫理について書かれた宣誓文です。
登場人物とキャスト
主な登場人物とキャストをまとめます。
名前 | キャスト | 説明 |
---|---|---|
栂野真琴 つがの・まこと |
北川景子 | 研修医 |
光崎藤次郎 みつざき・とうじろう |
柴田恭兵 | 法医学教室の教授 |
樫山輝 かしやま・ひかる |
濱田マリ | 法医学教室の准教授 |
古手川和也 こてがわ・かずや |
尾上松也 | 刑事 |
津久場公人 つくば・きみと |
古谷一行 | 内科の教授 |
坂元義彦 さかもと・よしひこ |
金田明夫 | 事務長 |
梶原英雄 かじわら・ひでお |
相島一之 | 医師 |
柏木裕子 かしわぎ・ゆうこ |
佐藤めぐみ | 真琴の親友 病気療養中 |
1話
研修医の栂野真琴は内科教授・津久場公人を助言を受け、法医学教授・光崎藤次郎のもとで法医学の研修を始めることになる。
光崎から邪険に扱われる真琴だったが、少女からの電話がきっかけとなり、ある交通事故の調査に関わることになる。その事故は自動車と自転車の衝突事故で、自転車に乗っていた若い女性が亡くなっていた。運転手の男性は停止したにも関わらず自転車が突っ込んできたと主張するが、警察は運転手の過失だと断定してしまう。
解剖の必要性を感じる真琴と刑事の古手川だったが、被害者遺族の許可は得られなかった。そこで、画像診断のみという約束で遺体を持ち出し、遺族には無断で解剖を進めることになる。
交通事故の真相
被害者の脳内には血栓があり、これが死因でした。つまり、事故死ではなく病死でした。内臓が破裂して亡くなったにしては体内に溜まっている血の量が少なく、これは解剖してみないとわからない事実でした。
2話
ボートレース中に真山という選手が死亡する事故が発生する。警察はミスが原因の事故だと断定するが、真山の妻は事故のはずがないと主張する。
レースを記録した映像が残っており、事故は間違いないように思えた。しかし、光崎は報告書に疑問を抱き、解剖を希望する。
レース事故の真相
真山の担当医師は解剖することなく報告書を書いていました。理由は多忙のためです。担当医師は病院に対して不満を抱いている様子もうかがい知れます。
真山は自殺でした。彼の網膜は壊死しており、実は視力を失っていました。そんな状態にも関わらずレースに出場していたのは、保険金を得るためでした。真山の家族や古い友人の眼科医のために金が必要でした。しかしながら、解剖によって自殺であることが断定されてしまうため、保険金は支払われないことになってしまいます。
3話
真琴の親友で療養中だった柏木裕子が急患として搬送され、亡くなってしまう。死因は肺炎だった。光崎教授は裕子の解剖を指示。解剖に反対していた真琴も、裕子の症状が急激に悪化していたことを知り、解剖のため母親の説得に協力する。
裕子の母親の代理性ミュンヒハウゼン症候群(娘の看病という事実を意図的につくって同情を買おうとしていたこと)が疑われる中、津久場と梶原医師に不穏な動きがみられる。二人は裕子の死について、何かを隠している様子だった…。
親友の死の真相
裕子の葬式が早まってしまいますが、出棺直後に鑑定処分許可状を手にした古手川が現れて、裕子の遺体は強制的に解剖されることになります。解剖の結果、死因は肺炎ではなく、血栓による脳塞栓症だったことが明らかになります。裕子の母親は娘の看病を続けて注目を集めるために、薬の量を減らすなどして治療の邪魔していました。
この時点で真琴は光崎教授が強引に進めた三件の解剖は血栓が関連していることに気付きます。さらに、いずれにも入院歴があり、なおかつ、担当医は梶原でした。
4話
解剖された三名は全員が浦和医大の元患者で、主治医は梶原英雄だった。真琴や古手川刑事は梶原の医療ミスを疑うことになるが、光崎教授は何も語らない。
真琴は直接梶原を問い詰めるが、かわされてしまう。このことをきっかけに梶原は津久場や坂元に相談することになる。どうやら、セチルミンという薬の副作用が血栓を生じさせているようだった。同じ頃、浦和医大に紗雪という少女が再入院する。紗雪は副作用が懸念される患者のリストに入っていた…。
一方、真琴はようやくセチルミンの情報を得る。ところが、当事者の梶原が飛び降り自殺してしまう。
5話(最終話)
再入院した紗雪の担当医は真琴が信頼する津久場教授だった。紗雪の処置にあたった真琴はすぐに紗雪がバッド・キアリ症候群であることに気付く。その原因は津久場の投与したセチルミンの副作用だと考えられたが、津久場はそれを認めない。
バッド・キアリ症候群であればすぐにでも手術が必要だった。真琴は院内の医師たちに相談し証拠を集め、敵対する立場である坂元事務長に紗雪のバッド・キアリ症候群を伝えてしまう。すると上層部による圧力がかかり、真琴や古手川は身動きを取れなくなってしまう。
追い込まれた真琴は病院の院内放送で関係者を呼び出し、自分の医療ミスで紗雪の病状が悪化したと嘘をつき、セチルミンの副作用という真相を訴える。
結末
真琴は自分自身が紗雪にセチルミンを投与したと嘘をつき、院内にいる医師に手術を依頼します。これによって真琴が避難されることになりますが、その姿が津久場教授の心を動かすことになります。津久場は、セチルミンを投与したのが自分であることを認めた上で、外科手術を手配します。
その後、手術によって助かった紗雪が退院します。セチルミンに関する責任は全て津久場が負うことになり、坂元は津久場に責任を押しつけた上で、本来であれば光崎教授や真琴のものとなるはずの、発覚の手柄を自分のものします。一方、真琴は光崎教授のもとで学び続けることを決意します。
ドラマと原作の違い
原作は中山七里氏の『ヒポクラテスの誓い』という長編推理小説です。原作小説とドラマでは、登場人物の設定やストーリーに異なる部分があります。主な違いは以下の通りです。
- 原作にはキャシー・ペンドルトンという法医学教室の准教授が登場するが、原作では樫山という人物に変わっている
- キャシーと樫山のキャラが違っている。原作でキャシーはお笑い担当になっている
- 原作には凍死の事件が登場するが、ドラマではほぼ省略されている
- ドラマ第二話に登場した眼科医はドラマオリジナルのキャラクター
- ドラマ第二話でボートレーサーは自殺と断定されているが、原作では曖昧なまま終わる
- ドラマ第五話で問題となった少女は、原作では死んでしまう。死後に解剖が行われ死因が明らかになる
- ドラマでは薬の副作用という事実が中盤で明かされたが、原作は最後の最後に真相というかたちで明らかになる
感想
痛々しい描写と生々しい効果音があったりして、視聴する人を選びそうな気もしてしまいます。最初のはぎとるシーンなんかで、視聴をあきらめた人もいるのではないかと心配になったりもします。しかし、むしろこういった場面のあるドラマの方が珍しいかもしれず、貴重なドラマになっていると思ったりもします。法医学ミステリーというと「アンナチュラル」などが有名ですが、こちらは、それほど解剖している感じはなかったと思います。
ドラマでは、法医学だけではなく、内科も関わっていますので、難しい単語が登場します。バッド・キアリ症候群なんかは、耳馴染みがないので、パッド?バット?バット・キリア?という感じで、何度も打ち間違えたりしました。
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