『パンドラ』は『#真相をお話しします』に収録されているミステリー短編で、不妊治療などが登場します。この記事では、あらすじやネタバレなどをまとめています。
あらすじ
連続幼女誘拐殺害事件の犯人・宝蔵寺雄輔に似ている翼。彼には、妻の香織と、真夏という娘がいた。真夏は不妊治療の結果やっと授かった子供だった。夫妻はどちらも理系の研究者だったのだが、娘の真夏は文系のスポーツ万能タイプという人物で、夫妻には似ておらず、性格もまるで違っていた。
ある時、翼は妻の快諾のもと精子提供を始める。理由は、不妊で悩んだ経験があったからだった。そんなわけで翼は、美子という女性に精子を提供することになる。提供までの流れはやけに円滑だったのだが、妊娠の連絡以降、音沙汰なく、美子からの連絡は途絶えてしまう。だが、15年後のある日、翔子という14歳の女の子が翼の前に現れる。翔子はどうやら美子の娘らしいのだが…。
登場人物
名前 | 説明 |
---|---|
翼 | 主人公 |
香織 | 翼の妻 |
真夏 | 翼と香織の娘。高2 |
美子 | 翼が精子を提供した女性 |
宝蔵寺雄輔 | 連続幼女誘拐殺害事件の犯人 |
ネタバレ
翔子の母親である美子は、連続幼女誘拐殺人犯の宝蔵寺の妻だった。宝蔵寺逮捕の前の日に、宝蔵寺と関係してしまった美子は、生まれてくる子供が殺人犯の娘になってしまうことを恐れていた。そこで美子は宝蔵寺にそっくりな翼に精子提供を依頼する。15年後。翔子は宝蔵寺と翼のどちらが父親なのかを確かめるために、翼を訪ねていた。そして、翼の血液検査の結果、翔子の父親は翼であることが判明する。
真相解説
翼は自分の血液型がA型だと思っていましたが、血液検査を受けたことで、B型であることがわかります。妻の香織はB型で、娘の真夏はAB型です。B同士の夫妻からAB型の子供は生まれないので、真夏は翼の血をわけた子供ではないかもしれない、という可能性が浮上します。真夏の血液型は間違いないようなので、香織の血液型が間違っているのか、それとも、A型の誰かから精子提供を受けていたのか、などが考えられますが、翼は真相を確かめようとはせず、物語は終わりを迎えます。
他のエピソードについて
『#真相をお話しします』に収録されている他のエピソードについては別のページにまとめています。
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