no murder, yes life
森博嗣

有限と微小のパン【あらすじ・ネタバレ解説】

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 「有限と微小のパン」はS&Mシリーズの10作目で、シリーズの最終巻です。この記事ではあらすじと真相、感想などをまとめています。

項目 説明
タイトル 有限と微小のパン
著者 森博嗣
出版社 講談社
シリーズ S&M
順番 10
発行日 1998/10/7
Audible版 あり
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あらすじ

善と悪、正と偽、明と暗。
人は普通、これら両極の概念の狭間にあって自分の位置を探そうとします。
自分の居場所は一つだと信じ、中庸を求め妥協する。
けれど、彼ら天才はそれをしない。
両極に同時に存在することが可能だからです。

 西之園萌絵は一緒にユーロパークと呼ばれるテーマパークへ旅行に出掛ける。ユーロパークには殺人の噂があるようで何かと物騒だった。さらに、真賀田四季博士がかくまわれているという噂まであるという…。

事件概要

萌絵がユーロパークに滞在し、その後、犀川先生も合流します。この事件では、真賀田四季の影が見え隠れするというか、堂々とご登場なさいます。

事件は主に3つ発生します。1つ目は教会でナノクラフト社員の松本卓哉が死亡する事件、2つ目は秘書・新庄久美子の事件、3つ目はバーチャルリアリティーで副社長の藤原博が刺される事件です。

松本卓哉の事件では死体消失が発生します。萌絵が松本を確認した後、現場を離れて再び死体のもとへ向かうと、死体が消えています。残されていたのは片腕だけという、まったく意味不明な状況です。発見者は秘書の新庄で、新庄は死体のそばにいたわけですが、「よくわからないけど死体が消えた」みたいなことを言い出します。

新庄がとっても怪しいですが、2つ目の事件では新庄が標的になります。教会で事件が起きた後、萌絵達は部屋で休んでいた新庄のもとへ向かい、事情を聴こうとします。部屋をノックすると、新庄が応答し顔を出し「着替える」と言って、ドアを閉じます。その直後に、悲鳴が響き、部屋に入ると新庄が倒れていました。その場にいた芝池刑事が新庄の脈や部屋の戸締りなどを確認し、部屋は完全な密室だったことが判明します。誰も出入りできません。これまたまったく意味不明な状況です。

最後の事件はバーチャルリアリティーを体験可能な部屋で起きます。ここで登場するバーチャルリアリティーは別の部屋にいても同じ空間にいるような気分になるというもので、一方の部屋には萌絵が、そしてもう一方には藤原副社長が入っていました。萌絵と藤原がバーチャル空間で遊んだあと、藤原の死体が発見されます。藤原部屋には誰も入っていないはずなので、完全な密室です。

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ネタバレ

殺人劇だったはずなのに、本当に殺人が起きてしまったという真相です。ナノクラフトの幹部や社員は、萌絵を楽しませるという目的で殺人劇を用意していました。しかし、協力者の一人だった秘書の新庄久美子が本当に松本卓哉を殺してしまいます。

新庄の動機は「平均的すぎる」らしく、詳しく語られません。よくあるやつという意味だと思われますので、痴情のもつれみたいなことでしょうか。とにかく、殺人劇を利用して新庄がほんとうに殺人を犯したというのが真実です。片腕は作り物で、窓から死体が消えたというのは大嘘です。新庄が台車で地道に死体を運んでいます。

2つ目の事件で死んだと思われていた新庄ですが、死んだふりをしていました。死体を確認した芝池刑事はナノクラフトの社員です(元刑事だった)。警察関係者も偽物だったということで、かなり大掛かりなお芝居でした。

新庄の事件は殺人事件ではありませんでした。茶番やないかーい、という感じですが、3つ目の副社長殺しはほんものの殺人で、犯人は新庄です。新庄は作業員として紛れ込んでいました。

3つ目の事件はバーチャルリアリティーで一緒だったので生きているように見えていたわけですが、実はとっくのとうに死んでいました。バーチャルリアリティーでみたのはあらかじめ用意されたデータで、被害者である藤原の動作を反映しているわけではありませんでした。

なおテーマパークで殺人があったというのは作り話で、殺人劇を盛り上げるための演出でした。

いつ気が付きましたか?

ナノクラフト側(仕掛け人)がほんものの殺人事件に気付いたのはバーチャルリアリティーで藤原副社長が殺された時です。教会の事件も秘書の事件も予定通りに進んでいると思っていたわけですが、実際は殺人が起きていました。本来ならば、藤原副社長の事件の直後に種明かしされるはずでした。

真賀田四季

真賀田四季博士はナノクラフトの事件に関わっており、四季博士のお考え通りに事件は進んでおりました。テーマパークに隠れていると思われていた四季博士ですが、実際に身を潜めていたのは、儀同世津子が暮す部屋の隣でした。世津子の隣人の名前は瀬戸千衣(せと・ちい)で、逆らか読むと「いちとせ」、つまり春夏秋冬を意味してたという。

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感想

 S&Mシリーズ完結です!分厚い文庫本をみたときは「長っ!」と思ったりもしましたが、楽しい読書タイムでした。天才達が登場するということで、そこが魅力なわけですが、凡人には天才というのがよくわからなかったです。つまり私は間違いなく凡人ってことですね!

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