Youtube ミステリーチャンネル【りさま屋】
推理ゲーム

都市伝説解体センター|あらすじ・ネタバレ解説・考察・感想

この記事は約8分で読めます。
記事内に広告が表示されます

都市伝説解体センター』は、呪いの箱、事故物件、異界といった「都市伝説」の正体とその裏にある真実を調査(解体) するアドベンチャーゲームです。プレイヤーは都市伝説解体センターの調査員となり、能力者の廻屋渉(まわりや わたる)と共に様々な依頼に挑みます。ゲームは章立てで進行し、各章で異なる都市伝説にまつわる事件を追体験し、その謎を解き明かしていきます。この記事では、あらすじやネタバレ、考察、感想・レビューをまとめています!

スポンサーリンク

登場人物(ネタバレなし)

  • 福来あざみ(ふくらい あざみ)
    本作の主人公。幽霊や怪異が見える特殊な体質を持つ女子大生。都市伝説解体センターの備品を壊してしまい、弁償のために調査員として働くことになる。感情豊かで純粋な性格。メガネをかけていることが多い
  • 廻屋渉(まわりや わたる)
    都市伝説解体センターのセンター長。物事の真実を見通す「千里眼」という能力を持つ。常に車椅子に乗っており、その過去には謎が多い。都市伝説の「解体」に強いこだわりを持つ
  • ジャスミン(止木休美 / とまりぎ ひうみ)
    都市伝説解体センターの先輩調査員。クールで現実的な性格。腕っぷしが強く、物理的な危険からあざみを守る頼れる存在。実は公安の人間であり、都市伝説解体センターに潜入捜査している
スポンサーリンク

ネタバレ

  • 如月歩(きさらぎ あゆみ)
    如月努の妹であり、物語全体の真の黒幕。天才的なハッキング能力を持つ。壮絶な過去から復讐を計画し、多重人格者として複数の人格を作り出した
  • 廻屋渉
    如月歩によって作られた副人格の一つ。如月努の弟という設定。自身に千里眼があると思い込んでいるが、実際は如月歩が現実の情報を操作して見せている。SAMEJIMA管理人としての活動も如月歩の指示によるもの
  • 福来あざみ
    如月歩によって作られた副人格の一つ。如月歩の過去の記憶(幼い頃にスワンボートに乗った記憶など)が植え付けられている可能性がある。純粋で善良な性格は、如月歩の良心や兄への愛情の具現化とも考えられる。物語の終盤まで自身が副人格であることに気づかない
  • SAMEJIMA管理人
    如月歩が運営するアングラサイト「SAMEJIMA」の管理人。廻屋渉の変装した姿だが、実質的には如月歩が操作している。グレートリセット思想を広め、ジマーと呼ばれる協力者を集める役割を担う
  • 如月努(きさらぎ つとむ)
    如月歩の兄。オカルト研究者。上野天誅事件の犯人としてネットで誹謗中傷を受け、自殺に追い込まれる。彼の死が如月歩の復讐の最大の動機となる
  • 5ソサエティ
    上野天誅事件の真犯人である5人組の元学生集団。黒沢優弥、ビューティ潤(眉崎)、山田ガスマスク、谷原きのこ、栄子。動画配信者として活動しており、炎上目的で野村健吾を殺害した。物語の各章で都市伝説に関わる形で登場し、最終的に如月歩によって拘束される
  • ジマー
    SAMEJIMAの信奉者たち。グレートリセット思想に感化され、如月歩の計画に協力する。各章の事件の実行犯や協力者として登場する
  • 野村朋子
    上野天誅事件の被害者、野村健吾の妹。兄の復讐のため、異界ツアーを主催する 。如月歩に焚きつけられた可能性がある
  • 黒沢優弥
    5ソサエティのリーダー格。IT企業の社長。上野天誅事件の実行犯(腕にアザがある男)。父親は警察の要人
  • 屋敷サラ
    ブラッディメアリー事件の真犯人。過去に内縁の夫を殺害している

各話詳細

  • 第0話(呪いの椅子)
    あざみが都市伝説解体センターを訪れ、呪いの椅子に座ったことで念視能力が覚醒し、椅子を壊してしまう。弁償のためにセンターで働くことになる。実際には椅子は存在せず、如月歩があざみ人格を作り出し、センターに引き入れるための自作自演だった
  • 第1話(ベッドの下の男)
    女子大生・美桜の部屋に現れる男の影の都市伝説。実は美桜の先輩・栄子(元5S)が、美桜をパパ活斡旋に引き込むために仕組んだ狂言。美桜自身もジマーであり、事件に加担していた
  • 第2話(メアリー)
    曰く付きの部屋で幽霊が出現するという都市伝説。心霊配信者・きのこ(元5S)が依頼。幽霊の正体は、その部屋で過去に上司を殺害した屋敷サラ。彼女が自身の事件を隠すために幽霊騒ぎを起こしていた
  • 第3話(異界)
    参加者が行方不明になるというミステリーツアーの都市伝説。上野天誅事 件の被害者の妹・野村朋子が主催し、事件の容疑者たち(山田ガスマスク、藤原など)を集めていた。真犯人特定には至らないが、上野天誅事件の真相に迫る重要な情報が得られる
  • 第4話(呪いの箱)
    ネット通販で手に入れた呪物「コトリバコ」による呪いの都市伝説。 依頼主はビューティ潤(元5S)。コトリバコの中身は毒茶とアルコール。ジマーである配達員が関与し、潤に毒を盛っていた可能性が示唆される
  • 第5話(ドッペルゲンガー)
    IT企業社長・黒沢(元5S)の自宅に現れたドッペルゲンガー が警察システム情報を盗んだという事件。ジマーがドッペルゲンガー役を演じ、黒沢の父親(警察要人)の認証デバイスや5ソサエティの動画データが入ったHDDを盗み出す。あざみが自身のドッペルゲンガーと遭遇する
  • 第6話(グレートリセット)
    SAMEJIMA管理人によるサイバーテロ予告。これまでの事件が全て繋がり、如月歩の復讐計画の全貌が明らかになる。SAMEJIMA管理人の正体は廻屋渉、そして廻屋渉と福来あざみは如月歩の副人格だった。グレートリセットは個人情報の暴露という形で実行され、5ソサエティは逮捕されるが、如月歩の事件は非解決事件として隠蔽される
スポンサーリンク

考察

  • 如月歩の真の目的
    兄の復讐だけでなく、兄を死に追いやった「在るものを無いことにしてしまう」国家の隠蔽機構「クローゼット」そのものへの復讐が目的だったという考察が有力です。ハッピー777億円事件を起こしてクローゼットの存在を確信し、ハッキングできないクローゼットの情報を得るために、公安のジャスミンを利用し、クローゼットに潜入可能な「善良な人物」としてあざみ人格を作り出したと考えられます
  • 多重人格の役割
    廻屋は都市伝説解体センターの顔として、あざみはクローゼット潜入要員として、如月歩の計画のために意図的に作られた人格と考えられます。如月歩はこれらの副人格の行動や視界を完全に把握・操作していました
  • クローゼットの実在性
    地下4階の部屋は実在し、そこに隠しフロア(地下5階)があったという考察が自然です。廻屋がシステム操作で地下5階に降りられるようにしていたと考えられます。ジャスミンが隠し通路に気づかなかったのは、直前の負傷や如月歩の操作によるものかもしれません。ビルが解体されたのは、警察に真実が露見するのを防ぐため、如月歩が仕組んだと考えられます
  • ジャスミン不在時のセンター運営
    ジャスミンがいない間も、如月歩は盗撮・盗聴で現場を把握し、動画編集や電話対応を行っていました。センター自体は、公安に目をつけられたことで、SAMEJIMAのネタ解説動画などをアップして活動を続けていた可能性があります
  • ドッペルゲンガーの描写
    黒沢のドッペルゲンガーは、特殊メイクやハッキングによる映像 操作で実現されたと考えられます。あざみのドッペルゲンガーがあざみを追う描写は、あざみ自身が如月歩というドッペルゲンガーにいつか消される存在であることへの本能的な恐怖の表れという考察もあります
  • エンディング後の都市伝説解体センター
    如月歩の復讐は、クローゼットそのものに対しては終わっていません。異国で再建されたセンターは、国家権力でも隠蔽できないほど大規模な国際的事件(真のグレートリセット)を起こし、クローゼットを暴き、兄の復讐を完遂するための次の準備段階であると考えられます

ストーリーの矛盾点と疑問点

  • ジャスミンが都市伝説解体センターに潜入しながら、センター長である廻屋に直接会ったことがなかったのは不自然ではないか
  • あざみが事件を解決し、帰宅途中の車の中で既に動画編集が終わっているなど、動画撮影・編集のタイミングに不自然さがある。廻屋(如月歩)が事前に準備していたとしても、完璧すぎるのではないか
  • ジャスミンが廃ビルで偽SAMEJIMA管理人と揉み合った際の負傷や、その後の行動(すぐに警察に報告しないなど)に不自然さがある
  • 公園の管理人が、逮捕後に容姿が変わった可能性はあるとはいえ、屋敷サラに全く気づかないのは不自然ではないか
  • 黒沢のドッペルゲンガーが本人と瓜二つで誤認されるほど似ているという設定のリアリティ
  • コトリバコ事件でレスキュー隊員が発した「また」という言葉の意味
  • あざみという人格が作られた具体的な理由や、如月歩が彼女に何をさせたかったのかが不明瞭
  • 廻屋渉が、自身が如月歩の副人格であり、あざみもまた副人格であることをどこまで認識・理解していたのかが明確に描かれていないのではないか

レビュー

『都市伝説解体センター』は、ゲームシステムや一部の描写に粗が見られるものの、現代社会の闇やSNSの性質を都市伝説という切り口で鋭く描き出した意欲作です。特に終盤の二転三転する展開と、主人公の正体、そして黒幕の真の目的が明らかになるカタルシスは、多くのプレイヤーに強い印象を残しているようです!
ドット絵による独特のアートスタイルや、効果的な演出、主題歌「奇々解体」の使い方も作品の雰囲気を高めています。ストーリーの矛盾点や疑問点も指摘されていますが、それらを補って余りあるほどのテーマ性や衝撃的な結末が、本作を記憶に残るアドベンチャーゲームにしています。如月歩の復讐はまだ終わっておらず、エンディング後の展開に想像を掻き立てられる点も、本作の魅力と言えるでしょう。

辛口な評価としては、推理パートの難易度が低くてゲームシステムとして物足りない、情報収集パートも移動速度などが遅くテンポが悪い、中盤までのストーリーが最終盤のどんでん返しのためのお膳立てに終始しており、単体での面白さに欠けるなどの意見が挙げられます。

コメント

タイトルとURLをコピーしました