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ホームズ

赤い輪|ホームズ【あらすじ・感想・ネタバレ解説】

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 赤い輪は、宿屋に奇妙な客が現れるエピソードです。この記事では、原作小説およびグラナダ版ドラマのストーリーとネタバレ、原作とドラマの違い、作品の感想などをまとめています。

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あらすじ

 「赤い輪」のあらすじをタイムラインで簡単にまとめます。依頼人がやってきて調査するという流れです。

ハイライト
  • 発端
    下宿屋の女主人が下宿人の相談にやってくる
  • 展開
    調査のため下宿へと向かう
    下宿人の容姿が判明する
  • 結末
    ホームズが下宿人がやり取りする暗号を確認するため、張り込みをする
    凶悪犯を追っていた警部と合流

Education never ends, Watson. It is a series of lessons with the greatest for the last.
勉強に終わりはない。勉強というものは、最後まで研究の連続で、最後に最大のものが待っているのだ。
Arthur Conan Doyle , The Adventure of the Red Circle

登場人物とキャスト

登場人物とキャストをまとめます。ホームズ、ワトスン博士、ハドスン夫人は省いています。なお、フィルマーニとホーキンズ警部はドラマのみの登場人物となっています。原作ではホーキンズ警部の代わりにグレグスン警部が登場します。

名前 キャスト
ウォーレン夫人
Mrs Warren
ベティ・マースデン
Betty Marsden
エミリア・ルッカ
Emilia Lucca
ソフィア・ディアス
Sophia Diaz
ジェンナーロ・ルッカ
Gennaro Lucca
ジェームズ・クームズ
James Coombes
ゴルジアーノ
Gorgiano
ジョン・ハラム
John Hallam
フィルマーニ
Firmani
ジョセフ・ロング
Joseph Long
ホーキンズ警部
Inspector Hawkins
トム・シャドボン
Tom Chadbon
レバートン
Leverton
ケリー・シェール
Kerry Shale
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原作小説

 原作は1911年に発表されました。「赤い輪団」というタイトルもあります。

The Adventure of the Red Circle
項目 内容
作者 コナン・ドイル
発表 1911年3-4月発表(ストランド)
発表順 44作品目(60作中)
発生時期 1902年9月24日~9月25日
発生順 54件目(60作中)

ストーリー

グラナダ版ドラマも同じストーリーです。

 下宿屋の女主人であるウォーレン夫人が奇妙な下宿人について相談するため、ベーカー街221Bへとやって来る。問題の下宿人は若くてひげを生やしており、なまりのある英語を話した。夫人は割り増し料金を渡され、邪魔をしないよう忠告される。そして、下宿人は最初の日の夜に外出し、真夜中に戻ってきたのだが、それ以来、夫人も夫も使用人も、誰も下宿人とは顔を合わせていない。食事は部屋の前に置き、メモでやり取りをした。メモでは新聞を要求されたという。

 興味をそそられた様子のホームズは、夫人が221Bを去った後、今現在下宿しているのはひげを生やした人物ではなさそうだと話した。そして、新聞広告で何かしらの指示を受け取っているのではないかと推理する。調べてみると新聞に「G」の署名のある広告が載せられており、ウォーレン夫人の家の近くの建物からろうそくの光で暗号化されたメッセージが送信される旨が書かれていた。

ネタバレ

ホームズはさらなる調査のため、ワトスン博士と共にウォーレン夫人の家へ向かう。そして、身を隠しながらも、鏡で食事を部屋に入れようとする下宿人の姿を確認する。部屋にいたのは、やはり男性ではなく、若い女性だった。

その夜、ホームズとワトスンは暗号化されたメッセージを確認するため、張り込みを開始する。そこでホームズ達はグレグスン警部とアメリカ人のレバートン刑事に出会う。彼らは、ゴルジアーノという凶悪犯を追っているようだった。

ゴルジアーノは信号が発信されている建物に入ったばかりだった。四人は後を追った。そして、信号が発信されていた部屋でゴルジアーノの死体を発見する。死体はナイフで刺され、床に横たわっていた。そこに、なぜか下宿にいた女性が姿を現し、ゴルジアーノの死を心から喜ぶのだった。

真相解説

最初に下宿に現れたのはジェンナーロ・ルッカで、その後、下宿の部屋にいたのはエミリア・ルッカでした。二人は夫婦で、ジュゼッペ・ゴルジアーノに追われていました。

ゴルジアーノを殺したのはジェンナーロですが、既に逃亡しています。ただ、エミリアが正直に顛末を話したため、正当防衛が認められることになりそうです。なお、死体があった部屋に暗号でエミリアを呼んだのはホームズです。エミリアは夫に呼ばれたと思い、姿を現しました。

ルッカ夫妻がゴルジアーノに追われていた理由は、夫妻が犯罪組織の「レッド・サークル」から抜け出そうとしたためです。ジェンナーロは軽い気持ちでレッド・サークルに関わり始め、その後、脱退のためニューヨークに逃亡します。しかし、レッド・サークルにみつかってしまい、ゴルジアーノを送り込まれてしまいます。再び逃亡したルッカ夫妻でしたが、ロンドンで、またしてもゴルジアーノに追われることになってしまいます。夫妻が下宿で奇妙な行動をとっていたのは追っ手のゴルジアーノから姿を隠すためでした。

暗号

ルッカ夫妻はろうそくの光を手で遮って点滅させ、暗号を送り合っていました。暗号は1回の点滅であればA、2回はB、3回はC…といった具合に、点滅の回数でアルファベットを示すものでした。単純な暗号ですが、夫妻はイタリア語を使っていたため、ホームズ達にはATTENTA(気を付けろ)などの単語の意味が理解できませんでした。

作中でホームズは20回の点滅がTだと推理し、ATTENTAに辿り着きますが、実は、イタリア語にはKがないため、Tは19番目となります。つまり、ややこしいことに、ルッカ夫妻は英語のアルファベットを使っていたということになります。

この点については、イタリア語の単語を暗号化していたのだから、イタリア語のアルファベットを使うのがより自然です。なので、20回点滅はTではなくUでありATTENTAにはならないと考えたくなります。しかしながら、夫妻が英語のアルファベットを使ったと考えれば、特に何かが矛盾しているとはいえません。そして英語のアルファベットを使った理由は、暗号を複雑にする意図があったと考えることができます。

ホームズは最初から英語のアルファベットで推理していたため、結果的に、アルファベット変更の効果は全く現れていません。しかし、イタリア語の単語という点でホームズの暗号解読は滞っていました。もしも、ホームズがイタリア語のアルファベットに気付いていたら、逆にアルファベット変更の効果が現れ(20回点滅をUと考え)、正確な単語が現れなくなります。すなわち、イタリア語だと気付くか、もしくは、英語のアルファベットだと気付くかの違いになります。

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原作とドラマの違い

 原作小説とドラマのストーリーは概ね同じです。大きな違いといえば、ドラマにはエンリコ・フィルマーニという男性が登場したことです。この人物は原作小説には登場しません。ドラマにおいてフィルマーニはルッカ夫妻の味方で、夫妻に下宿を紹介しています。しかし、ゴルジアーノに殺されてしまいます。フィルマーニの登場によって、ドラマにはワトスン博士が単独で捜査するシーンも追加されています。

 ラストシーンも微妙に違っています。原作では、ホームズ達が建物に入り死体を発見しており、その場にジェンナーロの姿はありません。そこに、ホームズに暗号で呼ばれたエミリアがやってきます。一方、ドラマではエミリアがジェンナーロを心配して建物に駆けつけ、夫と死体を確認し、途中で、ホームズ達がやって来るという流れになっています。

 その他、細かな相違点はいくつかあります。例えば、原作にはグレグスン警部が登場しましたが、ドラマではホーキンズ警部に代わっています。なお、ホーキンズ警部もドラマオリジナルのキャラクターとなっています。

ドラマ

 グラナダ版ドラマは1994年3月28日に放送されました。シーズン6の第4話(51分)となります。

The Red Circle
項目 内容
シーズン 6
話数 4
放送順 39
長さ 51分
放送日(英) 1994年3月28日(月)
キャスト キャスト一覧

ストーリー

ストーリーは原作小説と同じです。

感想

ドラマで謎の宿泊客を見た時、なんだか女性っぽい気がしました。女性だとわかったとしても、レッド・サークルにはたどり着きませんでしたが…。レッド・サークルについては、赤輪党と訳している場合もあるようです。“あかわ”もしくは“せきりん”とも読めますが、おそらく“せきりん”でしょう。コナン・ドイルの原作も魅力的ですが、ややボリューム不足のため、宿屋の夫人をコミカルなキャラクターにしたり、小説には登場しないハドソン夫人を登場させたりしています。

考察

今回は、謎の宿泊客です。謎、つまり、正体を隠している(なにか秘密をもっている)ということですが、行動が明らかにおかしいので、一般人(この事件の場合は宿屋の店主)に怪しまれるという発端になっています。事情を知らない警部は、最後に、なぜホームズが事件に関わっているのかと尋ねています。ホームズの答えは「勉強(Education)」となっています。

まとめ

 シャーロック・ホームズの「赤い輪」について、原作とドラマのあらすじとネタバレ、感想などをご紹介しました。

  • エミリア・ルッカ
    Emilia Lucca
    下宿にいた女性。最初、下宿にやって来たのはエミリアの夫で、外出後に入れ替わった。夫が入った犯罪組織「赤い輪」から脱退できず、逃亡生活を送ることになる。
  • ジェンナーロ・ルッカ
    Gennaro Lucca
    エミリアの夫。いろいろとうまくいかなかった時期に「赤い輪」に入ってしまう。最初下宿に姿を現したのはジェンナーロで、その後、エミリアと入れ替わった。その後、新聞広告と、ろうそくの点滅を使った暗号でエミリアとやり取りをしていた。ゴルジアーノとやり合い殺してしまうが、正当防衛が認められることになる。
  • ゴルジアーノ
    Gorgiano
    赤い輪のメンバー。逃亡したルッカ夫妻を追っていた。自身もアメリカやロンドンの警察に追われている。最後はジェンナーロに殺される。

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