no murder, yes life
ミス・マープル推理ドラマ

動く指|ミス・マープル6【あらすじ・ネタバレ解説】

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「動く指」のあらすじと真相、原作小説との違い、考察、感想などをまとめています。ドラマ版ミス・マープルシリーズの第6話(S2E2)です。村の住民達に怪文書が届き始めます。

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あらすじ

バイク事故の後、ジェリー・バートンは妹のジョアンナと共に療養のため、リムストックへ移り住む。そこは静かだけれども退屈な田舎の村…だと思っていたのだが、どうやら、スキャンダルを告発する怪しい手紙で出回っているようだった。既に死者も出ており、手紙を受け取ったと思しき大佐が死んでいた。越してきたばかりのジェリーの妹も手紙を受け取ることになるのだが、それは全くもって的外れの内容だった。しかし、二人目の犠牲者が出てしまう。弁護士リチャード・シミントンの妻モナ・シミントンが手紙を受け取った直後に、死体となって発見される。

登場人物とキャスト

主な登場人物とキャストをまとめます。

名前 キャスト 説明
ミス・マープル
Miss Marple
ジェラルディン・マクイーワン
Geraldine McEwan
老婦人の名探偵
ジェリー・バートン
Jerry Burton
ジェームズ・ダーシー
James D’Arcy
バイクで事故を起こした元軍人
療養のためリムストックで暮らす
ジョアナ・バートン
Joanna Burton
エミリア・フォックス
Emilia Fox
ジェリーの妹
兄と共にリムストックでの生活を始める
リチャード・シミントン
Richard Symmington
ハリー・エンフィールド
Harry Enfield
弁護士
愛称はディック
モナ・シミントン
Mona Symmington
イモジェン・スタッブス
Imogen Stubbs
リチャードの妻。噂好き
死体となって発見される
ミーガン・ハンター
Megan Hunter
タルラ・ライリー
Talulah Riley
モナと先夫の子供
リチャードは継父
エルジー・ホーランド
Elsie Holland
ケリー・ブルック
Kelly Brook
美人の家庭教師
アグネス
Agnes
エレン・キャプロン
Ellen Capron
シミントン家のメイド
オーエン・グリフィス
Dr Owen Griffith
ショーン・パートウィー
Sean Pertwee
医師
エメ・グリフィス
Aimee Griffith
ジェシカ・ハインズ
Jessica Hynes
オーエンの妹
エミリー・バートン
Emily Barton
セルマ・バーロウ
Thelma Barlow
ジェリーに家を貸した女性
カーデュー・パイ
Cardew Pye
ジョン・セッションズ
John Sessions
教会のオルガン奏者
アップルトン大佐
Colonel Appleton
スティーヴン・チャーチェット
Stephen Churchett
死んだ男性
モード・デイン・カルスロップ
Mrs. Maud Dane Calthrop
フランシス・デ・ラ・トゥーア
Frances de la Tour
牧師の夫人
ケイレブ・デイン・カルスロップ
Rev Caleb Dane Calthrop
ケン・ラッセル
Ken Russell
牧師

解説

最初にアップルトン大佐が亡くなります。怪しい手紙を受け取ったのは確かなようですが、他殺にもみえます。その後、シミントン家の夕食で噂が語られますが、これはあくまで噂です。

大佐に続いて、モナ・シミントンの死亡します。モナは直前に「息子は旦那の子供じゃないだろう?」と書かれた手紙を受け取っていました。さらに、“I can’t go on(もう無理)”と書かれた遺書らしきものを残していたため、自殺と判断されることになります。

しかしその後、シミントン家のメイドであるアグネスの発見され、他殺であることがわかります。大佐やモナは概ね自殺だと考えられていたわけですが、ついに明確な殺人が起きてしまいます。メイドは何かを知ったために殺されており、その何かというのは、モナが死んだ日に手紙の配達はなかったということでした。

問題の手紙ですが、奇妙なことに、シミントン家の家庭教師であるエルジー・ホーランドとバートン兄妹に家を貸したエミリー・バートンは手紙を受け取っていませんでした。ただし、最終的にはホーランドも後妻を狙っているという内容の手紙を受け取ることになります。残るエミリーですが、エミリーの本から切り抜かれた文字が手紙に使われていたことが判明し、非常に怪しい人物となります。ただ、エミリー自身は潔白を訴えています。

事件とはあまり関係がなかったりしますが、ジェリーの恋の行方も気になるところです。家庭教師に一目惚れしているような感じでしたが、果たしてどうなるのでしょうか。

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ネタバレ

最初に死んだアップルトン大佐は自殺で、原因は手紙です。自殺の理由はオルガン奏者のパイとの関係を知られたと勘違いしたためです。手紙には当てずっぽうが書かれていましたが、大佐にとっては偶然にも的を射た内容になっていました。なお、大佐は恋人であるパイに手紙を送っています。この手紙をパイが読み上げ、大佐の死の真相や関係を告白しています。

手紙を送った犯人はリチャード・シミントンで、リチャードは妻のモナとメイドのアグネスを殺しています。妻殺害の理由は家庭教師のホーランドに恋をしたためでした。妻が邪魔になったリチャードは自殺にみせかけて妻を殺すために、住民達に怪しい手紙を送り始めました。

家庭教師に手紙が届いていなかったのは、好きな人を痛めつけるような手紙を送れなかったからです。ある意味、家庭教師は真犯人から守られていたわけですが、そんな彼女に手紙を送ったのは、医師の妹であるエメ・グリフィスです。エメは犯人のことを好きだったため、家庭教師に嫌がらせをしました。真犯人のリチャードはこれに便乗し、階段の下に切り取り文字に使った本を置くなどして、エメに手紙の罪をなすりつけようとしています。

手紙を書くために使われたタイプライターは婦人会館に犯人のリチャードが寄付したもので、婦人会館に誰かが忍び込んで手紙が書かれたように見えましたが、犯人は寄付の前に全ての手紙を書いています。それにもかかわらず越してきたバートン兄妹に手紙が届いたのは、エミリー・バートンへの手紙をジョアナ・バートンへの手紙に変えたためで、結果、エミリー・バートンには手紙が届かなくなっていました。手紙の宛名はもともとMiss Burtonとなっており、これは家の貸主であるエミリー・バートンを意味します。この宛名のaをuに変えてMiss Burtonとすれば、ジョアナ・バートンになります。

メイドのアグネスは口封じのために殺されています。なお、犯人はアグネスが手紙の配達がなかったことを別のメイド(バートン兄妹のメイド)に電話で相談する姿を目撃し、犯行を決意しています。

“I can’t go on(もう無理)”は“I can’t go on Monday(月曜日には行けない)”といった文章を意味していました。犯人は妻のメモ書きを残しておき、曜日の部分だけを切り取って、遺書のようにみせていました。

結末

ミス・マープルの指示により、ミーガン・ハンターが継父のリチャード・シミントンを告発して金を要求します。リチャードはミーガンに犯行を知られたと思い、ミーガンを殺そうとします。この現場を押さえられ、リチャードはその場で逮捕されます。

ジェリー・バートンの相手ですが、家庭教師との関係を断り、最後はミーガン・ハンターと結ばれることになります。

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原作とドラマの違い

原作とドラマは概ね同じです。やや大きな違いはミス・マープルが登場するタイミングです。ドラマでは大佐の葬儀に参列するため、序盤で登場しますが、原作はメイドの死体発見後に登場します。なお、原作はジェリーの一人称視点で描かれています。

  • 原作でジェリー・バートンは飛行機事故で怪我を負っているが、ドラマはバイク事故
  • 原作にはジェリーの自殺願望が描かれていない
  • 原作ではジェリーがミーガンをロンドンへと連れて行くが、ドラマではジョアンナがミーガンに化粧をしている
  • アップルトン大佐の自殺は原作に登場しない。オルガン奏者のパイとの関係もドラマオリジナル

感想

不愉快な手紙が住人達に届き始めるという穏やかではない発端です。田舎で起きた事件でしたが、ド田舎というよりは、やや栄えた田舎という雰囲気でした。最近は、怪文書なんて滅多にお目にかかれないと思いますが、現代でいうと、SNSにおける誹謗中傷が当てはまるのかもしれません。

タイトルの意味

英語のタイトルは“The Moving Finger”ですので、そのまま“動く指”です。このタイトルはイギリスの詩人であるエドワード・フィッツジェラルドがペルシア語から英語に翻訳したオマル・ハイヤームの詩「ルバイヤット」第51節に由来しています。英文と日本語訳(青空文庫からの引用)は以下の通りです。

The Moving Finger writes; and, having writ,
Moves on: nor all your Piety nor Wit
Shall lure it back to cancel half a Line,
Nor all your Tears wash out a Word of it.

われらの後にも世は永遠につづくよ、ああ!
われらは影も形もなく消えるよ、ああ!
来なかったとてなんの不足があろう?
行くからとてなんの変りもないよ、ああ!
ルバイヤート – 青空文庫

詩心のない私には何のことかさっぱりわかりませんが、英文の方にはThe Moving Fingerという言葉が出てきています。作中には、一本の指でタイプしたという内容が登場しますが、fingersではなくfingerであることから、これがThe moving fingerということかもしれません。

考察

犯人は妻を自殺にみせかけて殺すために、自殺だと信じてもらえるような環境を整えています。ドラマでは大佐が自殺しているため、妻が自殺したという偽装の真実味が増しています。不審な手紙については、村の住人に罪をなすりつけています。

まとめ

 ミス・マープル「動く指」について、あらすじ、真相、ドラマと原作の違い、感想などをご紹介しました。

犯人

  • リチャード・シミントン
    Richard Symmington
    若くて美人な家庭教師に惚れてしまい、邪魔な妻を殺害する。妻の死を自殺に偽装するため、村に怪しい手紙をばら撒いて/村人を巻き込んで、犯行に及ぶという、だいぶ迷惑な犯人。

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