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贖罪|あらすじ・感想・ネタバレ【湊かなえ】

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 湊かなえさんの『贖罪(しょくざい)』は読後にずっしりと重い気分になるイヤミスの代表作として知られています。この記事では、あらすじ、感想、ネタバレなどをまとめています。

項目 評価
【読みやすさ】
スラスラ読める!?
【万人受け】
誰が読んでも面白い!?
【キャラの魅力】
登場人物にひかれる!?
【テーマ】
社会問題などのテーマは?
【飽きさせない工夫】
一気読みできる!?
【ミステリーの面白さ】
トリックとか意外性は!?
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あらすじ

 のどかな田舎町で小学生女児・エミリが暴行を受け殺害される。事件の目撃者となった4人の少女たちは、エミリと遊んでいたのだが、誰も犯人の顔を思い出せず、事件は迷宮入りになってしまう。
 エミリの母親・麻子は、4人の少女たちに「あなたたちを絶対に許さない。必ず犯人を見つけなさい。それができないのなら、わたしが納得できる償いをしなさい」と告げる――そしてこの言葉が少女たちの人生を大きく狂わせていく。

贖罪
双葉社
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特徴

  • 緻密な心理描写:登場人物たちの心の葛藤や闇が息をのむほどリアル!特に罪悪感や後悔、過去のトラウマに苦しむ姿がエグい!
  • 予測不能な展開:物語が進むにつれて、意外な事実が次々と明らかになります!
  • イヤミス要素:読後の後味は悪いですが…それがいい!
  • 構成:各章が異なる人物の視点で語られ、ストーリーに深みが生まれています!

こんな人にオススメ

  • 人間の心理描写に興味がある!
  • 人間の心の闇や葛藤を読みたい!
  • 読後感が重めな作品を読みたい!
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感想

 人間の心の弱さや脆さ、そして罪の意識がいかに人を蝕んでいくのかを痛感する作品でした。読み終わった後はしばらく放心状態…(いやまあ、本当に放心状態になったわけではないですけどね…)で、湊さんは人間の心の闇を描くのが本当に上手いなと思いました。登場人物たちのトラウマが、行動や決断に大きな影響を与えている様子がリアルですし、考えさせられる部分も多かったです。物語の展開も面白く、最後まで飽きることなく読むことができました。さらに、ラストで明かされる事件の真相は衝撃的だったと思います。

高評価のポイント

  • 心理描写が丁寧で登場人物の感情が痛いほど伝わってくる!!
  • ストーリー展開がスリリングで最後まで飽きない
  • 人間の心の闇を描き出すイヤミス要素がうますぎ
  • 構成がいい!多角的な視点から事件を捉えることができる
  • 読後に深く考えさせられるテーマが心に残る

低評価のポイント

  • イヤミスだから仕方がないけれど…やっぱり後味が悪くて読後感は重い
  • 登場人物に共感できない部分がある(特に麻子の行動は理解できない)
  • 展開が強引に感じられる部分もある
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ネタバレ

  • エミリ殺害の犯人
    エミリを殺害したのは、フリースクールを経営する南条弘章。彼は麻子の大学時代の恋人であり、秋恵という女性を巡る過去の因縁が事件の根底にはあった
  • 動機
    南条は麻子が秋恵を自殺に追い込んだと思い込んでおり、その復讐として麻子の大切な存在であるエミリを殺害した。なお、南条はエミリが自分の娘であることを知らずに犯行に及んでいる
  • 4人の少女たち
    • 紗英:東京の女子大に進学し、商社に就職。その後、見合いで知り合った男性・貴博と結婚するが…幸せな結婚生活とはいえない。貴博はフランス人形に執着する異常な性癖を持っていて、紗英を人形のように扱い始める。耐えきれなくなった紗英は、ある日貴博を衝動的に殺害してしまう。その後、警察に出頭して自首する
    • 真紀:小学校教師として働き始める。しかし、トラウマから逃れることはできず、事件から15年後、勤務先の小学校で不審者による傷害事件が発生し、生徒を守るために犯人を殺害する。この行動は正当防衛とみなされるものの、世間からは殺人者として非難されることになる。最終的に、PTA臨時総会で事件の真相と自身の過去を告白し、償いを果たそうとする
    • 晶子:心に深い傷を負い引きこもりがちになってしまう。その後、兄の結婚相手である春花の連れ子・若葉が兄から性的虐待を受けている現場を目撃し衝動的に兄を殺害してしまう。この事件のあと、心神喪失状態となり、事件の真相を認識できなくなってしまう
    • 由佳:非行に走り、やがて姉の夫と関係を持ち妊娠。姉に不倫がばれてしまい姉が自殺未遂を起こす。その後、姉の夫と口論になり、彼を階段から突き落として死なせてしまう。この事件後に出産し、自首する

結末

 事件後、4人の少女たちはそれぞれ罪を背負いながら生きていくことになります。真紀は正当防衛、晶子は心神喪失が認められ、紗英と由佳も罪を償うことになるようです。
 麻子は自らが過去に犯した罪が巡り巡ってエミリの死を招いたことを知り、南条に会いに行って、エミリが自分の娘であることを告げます(これが彼女なりの贖罪の形)。

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