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SIREN2をわかりやすく解説・ネタバレ注意【サイレン2のあらすじとストーリー】

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SIREN2』は2006年に発売されたPlayStation2用アクションホラーゲームです。前作『SIREN』の続編にあたり、日本近海の孤島「夜見島」を舞台に、様々な事情を抱えた10名の登場人物たちが怪異に巻き込まれていきます。複雑に絡み合う時間軸と登場人物たちの運命、そして日本古来の伝承をベースにした独特の世界観が魅力で、難解なストーリーはアーカイブの収集やプレイヤー自身の考察によって徐々にその全貌が明らかになっていきます。この記事では、あらすじ・ストーリー、登場人物、ネタバレ、感想などをまとめています。

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あらすじ(ネタバレ注意)

29年前の夜見島――〈海から来た穢れ〉と恐れられた少女・加奈江は考古学者の三上隆平とその息子・三上脩と暮らしていました。そんな加奈江の討伐計画が島民によって実行される中、加奈江は暴走して隆平を殺害してしまいます。幼い脩と共に島からの脱出を図りますが、そこで赤い津波に飲み込まれることになります。加奈江は朝日を浴びて消滅し、脩は視力を失いながらも生還します。
この時、謎の存在〈母胎〉が夜見島を模した異界を創り出し、島民全員を異界へと転送します。

29年後――それぞれの事情を抱え、様々な人々が夜見島を目指していました。雑誌編集者の一樹守、盲目の作家・三上脩、チンピラの阿部倉司と占い師の喜代田章子、ヘリの不時着で漂着した自衛官の三沢岳明と永井頼人、フェリー事故に巻き込まれた中学生の矢倉市子などです。そんな彼らは赤い津波に巻き込まれ、異界と化した夜見島へと引き込まれます。

異界に転送された人々は、他者の視界を共有する「幻視」の能力に目覚めます。異形と化した島で、屍人や闇人に襲われつつも、それぞれの目的のために行動します。
そんな中、一樹が謎の少女・岸田百合に導かれ、冥府の門を開放してしまいます。百合の正体は、地上への侵攻を企む巨大な怪物「母胎」の分身でした。母胎は三上脩を取り込み、大量の闇霊を産み落とします。

しかし、阿部倉司が偶然起こしたトイレの爆発が連鎖反応を引き起こし、異界と現実を結ぶ鉄塔が崩壊。これにより母胎の地上侵攻計画は阻止されます。
さらに、永井頼人が屍霊の集合体である「堕慧児」との激しい戦いを制し、一樹と木船郁子は特異点での最終決戦で「闇那其」の力を使って母胎を完全に滅ぼします。

結末

最終的に、登場人物たちは異なる並行世界へと飛ばされます。詳細は登場人物の項目にまとめています。

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登場人物

操作キャラクター

  • 一樹守(いつき まもる)演:斎藤工
    ミステリー科学雑誌「アトランティス」の若手編集者(20歳)。本作のメイン主人公。現実主義で論理的な性格だが、女性に甘い面がある。夜見島で起こった事件の取材中に異界に巻き込まれる。岸田百合に利用され冥府の門を開放してしまうが、その後は絶望と怒りを原動力に怪異に立ち向かう。最終的に木船郁子と共に母胎を討伐し、現実世界へ帰還する。母胎を撃退し、唯一現実世界へ帰還できたが、怪異はまだ存在する(因果の打開はされていないループ空間という解釈があります)
  • 木船郁子(きふね いくこ)演:柳沢なな
    夜見島付近の船着き場でアルバイトをしていた女性(18歳)。幼い頃から強い精神感応性を持つ。屍人や闇人を操る「感応視」の能力を持つ。19年前の「ブライトウィン号消失事件」の唯一の生存者である木船倫子の娘で、田河柳子とは双子の姉妹。一樹守と共に母胎を討伐し、現実世界へ帰還するが、木船は太陽の光を嫌う異能を抱えたままとなる
  • 永井頼人(ながい よりと)演:蛯名清一
    自衛隊の陸士長(21歳)。物資輸送訓練中にヘリのトラブルで夜見島に不時着し、怪異に巻き込まれる。感情に流されやすいが、実戦を経て精神的に成長する。闇人化した上官たちとの因縁に決着をつけ、堕慧児も滅ぼす。しかし、最終的には人類が滅びた並行世界へ飛ばされ、絶望の中で異形と戦い続けることになる…
  • 喜代田章子(きよた あきこ)演:岬 奈実
    占い師(29歳)。29年前の島民消失事件の日に、母が夜見島近海で転落した際に母胎の「鳩」の因子に寄生され 、「過去視」の能力を持って生まれた。恋人である阿部倉司の無実を証明するため、彼と共に夜見島へ向かう。物語が進むにつれて、彼女の人格は加奈江に侵食されていく。最終的に加奈江として母胎討伐に貢献し、三上脩と共に赤い海で眠りにつく
  • 阿部倉司(あべ そうじ)演:中村 英司
    田河柳子殺人事件の容疑者(24歳)、フリーター。粗暴だが根は優しくマイペース。喜代田章子と共に夜見島へ向かうが、途中で彼女に置いて行かれる。偶然の行動(トイレでの喫煙)で鉄塔を崩壊させ、母胎の地上侵攻を阻止する。最終的に怪異が存在しない並行世界へ飛ばされるが、そこには愛する柳子も存在しない(鉄塔爆破により因果律が打開されたと考えられる)
  • 三沢岳明(みさわ たけあき)演:ピエール瀧
    永井頼人の上官(38歳)、階級は三佐。切れ者だが偏屈な性格。2年前の羽生蛇村での怪異に触れて以来、精神を病み薬を服用している。永井に射殺された後、闇人甲式として復活し、永井に倒される
  • 藤田茂(ふじた しげる)演:村上 久勝
    夜見島出身の駐在警察官(52歳)。好奇心旺盛な人情家。19年前の人間で、怪異に巻き込まれ異界に飛ばされる。矢倉市子と行動を共にするが、覚醒した市子に刺殺され、屍人、後に闇人甲式となる
  • 矢倉市子(やぐら いちこ)演:森林 恵理奈
    県立亀野石中学校2年の生徒(14歳)。テニス部所属。ごく普通の少女に見えるが、その正体は19年前の「ブライトウィン号消失事件」で溺死した本物の矢倉市子を模して堕慧児が作り出した「模倣体」。藤田茂を殺害後、模倣体としての意識が完全に覚醒し、母胎との融合を目指すが、鉄塔崩壊に巻き込まれ、堕慧児に吸収される
  • 三上脩(みかみ しゅう)演:中泉 英雄(大人)、大久保 拓真(幼少期)
    恋愛小説「人魚の涙」で人気の小説家(33歳)。29年前の夜見島住人消失事件の唯一の生き残り。幼少期に加奈 江の最後を看取った代償として視力と記憶を失う。大人になり、失われた記憶を求めて夜見島へ向かうが、29年前にタイムスリップし、その後異界へ。母胎に取り込まれるが、魂は霊体として残り、加奈江と共に母胎討伐に貢献する。
  • 加奈江(かなえ)演:高橋 真唯
    29年前、夜見島に流れ着いた謎の少女(18歳)。三上隆平に保護され、脩に「おねえちゃん」と慕われる。その正体は母胎が三上脩の母・弥生を模して最初に飛ばした分裂体「鳩」。当初は脩を生贄にする目的だったが、母性が芽生え断念。隆平を殺害後、脩を守り逃がすが、朝日を浴びて消滅。その闇霊は喜代田章子に憑依し、29年後に再び覚醒する

操作不可能なキャラクター

  • 岸田百合(きしだ ゆり)演:高橋 真唯
    一樹守に助けられた謎の美少女。その正体は母胎が自らの頭部を分裂させて飛ばした「鳩」であり、加奈江や柳子と同じ顔を持つ。母胎に最も忠実で、田河柳子を殺害した真犯人。一樹を利用して冥府の門を開放させ、役目を終えると母胎と融合する
  • ツカサ・オブ・ジルドール
    三上脩の盲導犬、雌のジャーマンシェパード(1歳)。忠実で心優しい。三上を庇って生死不明となるが、霊体となった三上に導かれ、阿部倉司と出会う。阿部が落としたライターを届け、間接的に鉄塔爆破に貢献する。最終的に阿部と同じ並行世界へ飛ばされ、彼に寄り添う
  • 太田常雄(おおた つねお)演:諏訪部 仁
    夜見島一の漁師で網元(60歳)。29年前の島民消失事件で行方不明。太田家の当主として因習を守り、加奈江の討伐を計画するが、赤い津波に巻き込まれ異界へ。屍人、後に闇人甲式となり、一樹に滅爻樹で浄化される
  • 太田ともえ(おおた ともえ)演:山田 麻衣子
    太田常雄の娘(24歳)。排他的で傲慢だが、父親思い。加奈江討伐中に津波に巻き込まれ異界へ。大切な髪飾りをなくし、屍人に襲われて転落死、屍人となる。闇人乙式に変容し、父の髪飾りを持つ一樹を追うが、彼に浄化される
  • 田河柳子(たがわ りゅうこ)演:高橋 真唯
    阿部倉司の恋人で、喜代田章子の友人。本名は木船柳子(18歳)。木船郁子の双子の姉妹。ブライトウィン号消失事件の生存者である木船倫子の娘で、「鳩」の因子が覚醒し母胎と同じ顔になる。阿部に救われ人間として暮らすが、母胎から遣わされた岸田百合に撲殺される
  • 沖田宏(おきた ひろし)演:笠 兼三
    自衛官で永井の上官(31歳)。ヘリ不時着時に永井を庇って死亡し、屍人となる。後に闇人甲式に変容し、永井にTNT爆弾で爆殺され、二度と復活できなくなる
  • 三上隆平(みかみ りゅうへい)演:内野智
    三上脩の父で考古学者(40歳)。亡き妻に似た加奈江を保護し、共に暮らす。島の因習を研究していたため、住民からは厄介者扱いされる。29年前の事件で、覚醒した加奈江に惨殺される。屍人、後に闇人甲式となり、喜代田章子に滅爻樹で浄化される

番外編のみ登場のキャラクター

  • 須田恭也(すだ きょうや)演:篠田 光亮
    前作『SIREN』の主人公(16歳)。「形見」以外の全シナリオクリアで解放される隠しシナリオ「殲滅」で操作可能。羽生蛇村の怪異に巻き込まれ、不死身の体と神代家の血の呪いにより異界に留まる「異界ジェノサイダー」。闇人を滅ぼすために夜見島に召喚され、最強の存在として闇人を殲滅し続ける
  • 一藤二孝(いちふじ にたか)演:藤沢 孝史
    陸上自衛官(29歳)、階級は一等陸佐。難易度HARDで全シナリオクリアで解放される隠しシナリオ「形見」で操作可能。永井たちと同じヘリに乗っており、不時着時に死亡し屍人となる。同じく屍人となった鍋島揉子と恋に落ち、彼女を闇人から救うために奮闘する
  • 鍋島 揉子(なべじま もみこ)
    怪異に巻き込まれ屍人となった女性(32歳)。非操作キャラクター。一藤二孝と恋に落ちるが、闇人に誘拐される。一藤に救出されるが、最終的に彼と共に闇人に転化する。矢倉市子のシナリオで軽トラックに撥ね飛ばされるアイロンを持った屍人として登場する。
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用語集

夜見島(やみじま)

サイレン2の舞台。日本近海に浮かぶ孤島。29年前に全島民が消失する事件が発生し、無人島となる。現実世界と異界が交錯する特異点。

ブライトウィン号消失事件

昭和61年8月3日に夜見島近海で発生した大型客船の消失事件。矢倉市子や木船倫子などが乗船していたが、木船倫子のみが生還した。この事件が木船郁子と田河柳子の人生を狂わせる。

巫秘抄歌(こうなぎひしょうか)

夜見島遊園にある石碑パズルのヒントとなる歌(歌詞を逆から読むと本作のあらすじが完成するという考察がある)

屍人(しびと)

屍霊に憑依された人間。異界の夜見島で人間を襲う存在。

屍霊(しりょう)

未だ世界が闇に覆われていた太古の昔に死んだ神の亡骸の一部が変異した生命体。光の大洪水から逃げ遅れ、海底の奥深くに逃げ込んだ者たち。地の裏の世界(冥府・虚無の世界)に逃げた者たち(闇霊)への怒りと再会したいという二つの感情を持つ。

闇人(やみびと)

闇霊が人間の肉体に入り込んだ存在。屍人の強化版で、身体構造を変化させることも可能。
闇人零式(やみびとぜろしき)は闇人化したばかりの初期形態。闇人甲式(やみびとこうしき)は闇人零式がさらに進化した形態で、闇人乙式(やみびとおつしき)も同様。

闇霊(やみれい)

未だ世界が闇に覆われていた太古の昔に死んだ神の亡骸の一部が変異した生命体。光の大洪水から虚無の世界へ逃れた者たち。集合意思を持ち、母胎と同一の意識を持つ。

母胎(ぼたい)

虚無の世界に逃れた闇霊たちの集合体。不定形の存在だったが、三上脩の母・弥生の死体を模して形を得た。地上奪還を悲願とし、分裂体「鳩」を地上に送り込む。

分裂体(ぶんれつたい)/鳩(はと)

母胎が生み出し、地上に送る使いの存在。母胎の意思によって動く。人間の胎児に寄生して成長することもある 。加奈江、岸田百合、田河柳子、木船郁子、喜代田章子がこれにあたる。

堕慧児(おとしご)

屍霊の凝結したもの。19年前のブライトウィン号消失事件で、化け物に襲われた船の人々が海に落ち、屍霊に吸収されたことで誕生した屍霊側のボス。母胎のように津波を引き起こすほどの力はないが、大波や海底ケーブルの断絶は可能。

模倣体(もほうたい)

堕慧児が生前の矢倉市子を模して生み出した擬似生命体。ゲーム中の矢倉市子の正体。母胎の鳩を真似て作られたため、この名称が付けられた。

滅爻樹(めっこうじゅ)

穢れや不浄を養分として育つとされる夜見島に伝わる神木。現世では枝しか残っていないが、異形(屍人・闇人)を滅ぼす力を持つ。夜見島で子供が生まれると太田家の当主が枝を拾い、銘を付けて奉納する風習がある。

闇那其(あんなき)

世界が創造される前に存在した唯一無二の存在。その骸や骨の破片が闇霊・屍霊の元になった生物へと変異したとされる。異界にそびえる大樹・滅爻樹の根に融合しており、残った爪や牙、骨などの破片は「闇那其・痕」と呼ばれ、母胎討伐の際の武器として使用される。

前作『SIREN』との関連

前作の主人公である須田恭也が、不死身の体で闇人を殲滅する「異界ジェノサイダー」として、隠しシナリオで登場します。前作の舞台である羽生蛇村の屍人を全滅させた後、今作では闇人を滅ぼすために夜見島に召喚されてきました。

現実世界では行方不明者扱いですが、堕辰子(前作のラストボスである神)の血を取り込んだため、不死身です。屍人化を防ぐ神代家の血の呪いも受け継いでいるため、屍人ではないのに、死なない体となっています。 さらに、本来は使用者の生命と引き換えに一度きりしか使えない神器「宇理炎(うりえん)」をもち、不死身であるため無制限に使用できる、作中最強の存在です。

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