ガリレオ(ドラマ)第3話「騒霊ぐ」のあらすじやトリックをまとめ、感想と考察をご紹介します。第3話では湯川がポルターガイストの謎に挑みます。
項目 | 内容 |
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ゲスト | 広末涼子 |
放送日 | 2007/10/29 |
原作 | 予知夢 |
原作者 | 東野圭吾 |
あらすじ
介護用品メーカーに勤める男性がある日、突然姿を消す。失踪人した男性の妻は、夫が日ごろ気に掛けていたお婆さんの自宅へ向かったと考え、その老人の自宅を訪ねる。そして、お婆さんは夫が失踪した日に亡くなったことを知る。自宅には、お婆さんの甥夫婦と怪しげな友人夫婦が暮らしており、不審に思った妻はその家を見張ることにする。そこで彼女は、彼らが毎晩決まった時間に外出し、誰もいないはずの室内から物音がすることに気付く。妻は刑事を連れて、死んだお婆さんの自宅に侵入するが、そこでポルターガイスト現象に遭遇する……。
事件概要
湯川の研究室の学生の姉の夫が、失踪します。湯川は刑事である薫をその姉に紹介します。失踪した男性の行方、何かを隠している様子の甥夫婦、そして、怪しげな友人夫婦の正体、毎晩決まった時間に出掛けるという不審な行動の理由など、謎がいくつもあります。メインの謎解きは、老婆の家で発生したポルターガイストです。この現象と、事件とのつながりも謎めいています。
ネタバレ
ポルターガイストと思われていたゆれは共振が原因でした。これが発生したのは、失踪した男性を友人夫婦の夫が殺し、その死体を甥夫婦が家の地下に埋めたためです。友人夫婦の正体は借金取りで、甥の借金を取り立てるため、老婆の家に来ていました。借金取りが強引に迫ったため、お婆さんは亡くなってしまいます。お婆さんが息を引きとった直後、その場に現れたのが失踪した男性です。借金取りは口封じのため、この男性も殺します。
トリック
犯人は借金取りの男で、彼は老婆殺害を隠すため、偶然居合わせた介護用品メーカーの男も殺します。この殺人犯は犯行の隠蔽をはかります。まず、老婆の死は心臓が弱かったこと、高齢であったことなどを利用し、病死にみせかけます。男性(直樹)の方は家の地下に死体を埋め隠します。そして、事件の日、男性が老婆の家を訪ねたという事実を隠し*1、失踪人との関係を否定します。どこかで生きているという可能性を完全に潰せない限り、事件と家出の区別はつきません。
*1:具体的な行動をとったのは甥です
共振
お婆さんの家に疑問をもつきっかけとなったのが、誰もいない家から聞こえる物音です。のちに、ポルターガイストと疑われるこの謎の振動は地下を通る排水管内部の水が原因でした。近くの工場が決まった時間に排水した水は、お婆さんの家の地下を流れていました。犯人らが死体を埋め、コンクリートを流し込んだため、家の基礎構造の固有振動数が変化し、排水の振動が増幅される結果となりました。特定のリズムで揺れる力を加えると、振動が何倍にも増幅するというこの現象は共振と呼ばれます。
考察
失踪人の妻の行動が常軌を逸しているようにみえ、それが、妻にも疑いを向けるような仕組みになっていたと思います。とはいえ、刑事の不法侵入には、違和感を覚える方もいるかもしれません。しかし、刑事ものや探偵ものではよく見かける行動です。ストッキングをはいているなら問題ないですが、足にも指紋があるので、不法侵入の際は、ビニールなどを靴に被せて侵入するのがおすすめですジョークなので真に受けてはいけません。もしも、妻がすぐに諦めていたりすれば、完全犯罪になったかもしれません。お婆さんの方は病死で葬式も済み、その死に対して、誰も疑問を持っている様子はありませんでした。直樹の死についても、許可なく人の土地を掘り返すことはできないはずですので、殺人は発覚しないと考えられます。ただ、犯人はセメントを購入したようなので、これが疑惑の根拠となり、捜査が進むかもしれません。
外出する一家
甥夫婦と借金取りの夫婦は毎晩決まった時間に外出していました。揺れる家から逃げるためです。これは、不審な行動をとる人物の謎、という仕掛けだったと思います。シャーロック・ホームズの「赤毛連盟」、エルキュール・ポワロの「二十四羽の黒つぐみ」などにも登場する仕掛けです。
感想
私は梅干しが好きです。ガリレオ先生と薫は鮭とおかかのようです。鮭とおかかも好きですが、梅干があった方が嬉しいですね。ちなみに、私は共振について大学で習ったわけでして、共振を意識して仕事をしたことがあったわけですが、このトリックには全く気が付きませんでした。『あ、あの橋の映像みたことあるぞ』と思いました。平和ですね。ガリレオと助手がみていた映像はタコマ橋という橋だと思われます。
タコマ橋
タコマ橋は共振が原因でうねうねして崩壊した橋だそうです。Youtubeなどでタコマ橋を調べると映像が見れると思います。これは、風によって端から生じた渦と橋の固有振動数が一致したため、激しい振動を発生させています。ここで、固有振動数とは固有振動数のことです。特定の振動を加えられると、振幅が増える振動数で、あらゆるものに存在するそうです。地球にも、人体にもあると言われています。
自励振動
橋の崩壊理由は、正確には共振ではなく自励振動と言われています。共振との違いは加えた力の周期性です。振動を加えてそれが固有振動数と一致すれば共振、打撃や押し込みなどの力を加えて、それが固有振動数と一致し振動を生じれば、自励振動らしいです。今回のお話で、お婆さんの家を揺らしたは、流れる水だったので、どちらかといえば自励振動かもしれません。
悲しい…
共振の話はさておき、今回はとても悲しいお話でした。直樹、死んでました。コンクリートをかけられるシーンは、とても残酷な描写だったと思います。ところが、生コンかけられたのに、ご遺体はやけに綺麗でした。そんな余計なことが頭をよぎったりもしました。きっとツルっとむけたんだな、ということで納得しています。
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